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(2018年7月14日)
再上昇サインが点っているが、相場の急変には注意しながら
◆今週の日経平均は前週比809円高。前回「アク抜け感から一定の自律反発が見込まれそう」としたが、NY株高と円安を追い風に予想を超える大幅反発となった。唯一、10日にトランプ米大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する追加関税の原案を公表。時間外取引でNY株が下落したことを受け11日の日経平均は一時450円安と大幅反落となった。しかし、11日のNYダウは219ドル安と下げは限定的で、中国側から新たな対抗措置も表明されなかったことで貿易摩擦に対する過度な警戒感は後退。翌12日のNYダウは224ドル高と反発。さらに半年ぶりとなる1ドル=112円台に入ってきた円安も追い風となり13日の日経平均は一時22692円(前日比504円高)まで上昇。
200日線(13日現在・22202円)、75日線(同22250円)はおろか、相場の信号機となる25日線(同22324円)も3週ぶりに回復。さらに一目均衡表「雲」(同22417円)も上抜けチャートの視界は一気に開けてきている。MAC Dなども買いシグナルを発し、再上昇サインが点っている。

しかし、違和感がある上げであるのも正直なところだ。上げているのは日経平均。日経平均をTOPIXで割ったNT倍率は13.06倍と98129日以来となる歴史的な高水準になっている。実際、ファストリ9983やソフトバンク9984など寄与度の高い銘柄で日経平均が押し上げられている。久しぶりに見る力強い動きだが、海外ヘッジファンドなどによる買い仕掛けにショートカバー(買い戻し)を巻き込んだ動きである可能性は高く、株高の持続性には疑問の声も多い。余談ながら、こうした株高は個人には実感が乏しく、自分の銘柄だけが置いてきぼりを食ったようなつまらない株高となることが多い。

もっとも、東証1部の25日騰落レシオは80.7%と未だボトム水準にある。同指標がボトム水準にあるまま上昇するするケースは珍しいが、東証上場銘柄の空売り比率も高いとされる40%を超えたまま。これらが意味するところは、投資指標に過熱感はなく、むしろ指標的にはこれから上昇相場が始まるといったことを意味する。貿易摩擦を懸念したリスク回避姿勢は和らいでおり、NY株や中国株が堅調に推移すれば23000円も視野に入る戻り相場に向かう可能性がある訳だ。ただ、政権維持のためなら何でもありのトランプ米大統領のこと。トランプ米大統領の言動次第ではいつ再波乱が起きてもおかしくなく、過度な楽観はもちろん禁物。当面は5日線や25日線を維持できるかを注視し、相場の急変には注意しながら臨むスタンスだ。

【主な予定】
16日(月)・東京市場は「海の日」で休場・4〜6月期の中国国内総生産(GDP)・6月の米小売売上高
17日(火)・6月の米鉱工業生産指数
18日(水)・6月の米住宅着工件数・米地区連銀経済報告(ベージュブック)
19日(木)・6月の米景気先行指標総合指数
20日(金)・201846月期決算=東京製鉄
21日(土)・20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(アルゼンチン・ブエノスアイレス、22日まで)


(2018年7月7日)
一旦は「悪材料出尽くし」で反応したが貿易戦争へ懸念は続く
◆今週の日経平均は前週比516円安。米中の貿易摩擦激化が警戒され大幅続落。75日線(7日現在22180円)、200日線(同22148円)を割り込んでくると株価の下げが大きくなる心配があるとしたが、その両線を割り込み下げ幅を拡大。5日には一時前週末比842円安となる21482円まで急落。
そしてトランプ米政権は6日、中国による知的財産侵害への制裁として340億ドル相当の中国製品に追加関税を発動。中国もすぐに報復に踏み切った。ただ、もともと6日が「Xデー」とされ警戒されていたため市場は典型的な「悪材料出尽くし」の反応を示した。終わってみれば6日は前日比241円高と大幅反発。621日以来、2週間ぶりに終値で5日線(21729円)を回復し、下落相場はひとまず落ち着きを示している。

貿易戦争は米国の首も絞めることは容易に想定され、中間選挙の票固めになるとは考えにくい。しかし、トランプ米大統領は中国が報復した場合、さらに2000億ドル分の追加関税を掛けることで対抗する考えを示している。一方、中国にしても関税合戦は避けたいだろうが、世界の覇権を掛けた意地とプライドから前面衝突を辞さない構えとなっている。まして米国の「保護主義」の牙はEU、そして日本に向けられてくる心配もある。一旦は悪材料出尽くしとなっているが、そう簡単に織り込める悪材料ではない。
米国は7月中にさらに160億ドルの輸入品への追加関税も課す方針で、今月末あたりが次の正念場となりそうだが、同時期には46月期の決算発表も始まる。その辺の業績見通しもにらみながら今後も神経質な状況は続きそうだ。

短期的には、アク抜け感から一定の自律反発が見込まれそうだが、貿易摩擦に対する懸念は根強く積極的な買いは手控えられそう。まずは5日線維持が目先的な強弱の判断ポイントとなるが、上は75日線や200日線が収束している22100円前後が当面の上値メドになる。一方下は日足一目均衡表「雲下限」(21698円)が意識されるが、流れ的には下振れしやすい相場で状況次第では21500円→21000円も視野に入れて臨むところか

【来週の主な予定】
10日(火)・MTG(7806東マ)上場6月中国消費者物価指数
11日(水)・5月の機械受注統計(850
12日(木)・6月の米消費者物価指数
13日(金)・株価指数オプション7月物の特別清算指数(SQ)算出5月の鉱工業生産指数確報(1330)・7月の米消費者態度指数


(2018年6月30日)
米中貿易摩擦の天王山となる7月6日を受けどう動くか
◆今週の日経平均は前週比212円安。米中の貿易摩擦激化による世界景気への影響が警戒され続落。28日には一時22038円まで下げ、22000円や530安値21931円に迫った。ただ、今のところ終値ベースでは75日線(22125円)や200日線(22022円)以上を維持している。下がる場面ではETF(上場投資信託)買いや、円安による企業の業績上振れ期待などが相場を支えている。現状の為替相場は輸出企業の想定レートより円安水準で、業績予想の上方修正が期待できる。しかし下値の堅さも意識される一方、米国発の貿易摩擦への警戒感から買いにも動きづらくなっている。目下は対中国だが7月には日米貿易協議も始まり、今度は日本が「貿易戦争」の当事者になる心配もある。チャートも低下してきている5日線(22305円)に圧迫される展開がつづいており、日々弱気ムードが強まりつつある。

来週は貿易摩擦に絡む大きな正念場を迎える。6日に米国が中国製品への25%の追加関税の第一弾を発動されるが、米中双方が歩み寄りする形で無難に通過すれば頭を抑え付けていた重しが取れ23000円を伺う展開も期待できる。反対に対立が深まるようだと22000円割れ相場となる心配も高まる

テクニカル的には75日線(29日現在22181円)、200日線(同22092円)が中期的な下降、上昇の転換点となるところで、ここを維持できるかは非常に重要。チャートは調整局面入りを示すサインが増えていることもあるが、市場の売買高も低水準に落ち込んでいるため、ここを明確に割り込んでくると株価の下げが大きくなる心配もある。
いずれにしろ、米中貿易摩擦の天王山となる76日の追加関税の第一弾発動でどうなるか。米国発の貿易摩擦がピークアウトに向かうキッカケとなるか、それとも一段と混迷を深めることとなってしまうか
ちなみに、29日のNYダウは55ドル高の24271ドル。CME日経先物は大証比65円安の2万2225円。

【主な予定】
2日(月)・6月の日銀企業短期経済観測調査(8506月の米ISM製造業景況感指数
3日(火)・5月の米製造業受注
4日(水)・米国市場は独立記念日で休場・ロジザード(東マ4391)上場
5 (木)・6月の米ISM非製造業景況感指数・米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨
6日(金)・6月の米雇用統計5月の米貿易収支


(2018年6月23日)
来週も米中貿易摩擦の駆け引きを見ながらの展開か
◆今週の日経平均は前週比335円安。EUも米国の輸入制限への対抗関税を発動するなど、米国と中国・EU欧州が互いに対抗措置を表明。米国発の「貿易戦争」の激化が懸念されている。貿易摩擦は巡り巡って米景気にも悪影響を与えるためNYダウも21日まで8日続落となり、この間の下げ幅は約860ドルにも達した。これを受け日経平均も週前半に大幅安。その後はやや落ち着きを見せているが、5日線や25日線に圧迫される格好で調整ムードを強めている。

この「貿易戦争」も譲歩引き出すためのトランプ大統領お得意の交渉手段なのだろうが、対北朝鮮問題もそうであったように、一歩間違えれば大変なことになりかねない、危険で大きな問題だけに無視できないのが現実だ。
この「貿易戦争」のXデーは来月6。米国が中国製品818品目、340億ドルに対して25%の追加関税を実施する日だ。中国は米国の追加関税に「同じ強さで報復する」と繰り返しているが、中国側が報復すれば、トランプ大統領はさらに2000億ドルの規模で追加関税をかけると脅かしている。昨年、米国は中国から5050億ドルの物品を輸入しているが中国への輸出は1300憶ドルに過ぎない。現実問題としては中国が米国と同じ規模で報復関税を実施することは不可能で、まして中国はこれまで40兆円規模もの対米貿易黒字を享受している。北朝鮮問題と同様に土壇場では中国が大きく譲歩する形で終結するだろうとの見方が大勢だ。こうした見方から、市場は中国が譲歩するだろうと平静を保っているが、中国も大国を自負する意地とプライドがある。まして米国の身勝手な「保護主義」政策に対してはEUを始めとした世界各国も反発しており、中国に大義名分があることも強みだ。本当に保護主義の時代がやってくるとなれば半端な下げでは到底すまされない。特に日本株は貿易問題に弱い。下手をすれば日経平均2万円割れも心配される。

76日の中国の対応次第では世界的な規模でマーケットが混乱する可能性があるが、となれば日経平均も22000円割れまで下げる可能性が高まる。しかし、中国が譲歩する形で無難に通過すれば頭を抑え付けていた重しが取れ、23000円台での展開も期待できる。
いずれにしろ来週も米中貿易摩擦の駆け引きを見ながら一喜一憂する展開となりそうだが、まずは5日線、25日線(22595円)に対してどう動くかがポイント。チャートは調整局面入りを示すサインが増えていることもあるが、両線を下回っていると機械的な売りなどが引き金になって下振れしやすい。その場合は75日線(22125円)や200日線(22022円)が意識される。

【主な予定】
25日(月)・5月の米新築住宅販売件数
26日(火)・国際紙パルプ商事(92741部)上場・6月米消費者信頼感指数
27日(水)・プロパティデータバンク4389、アイ・ピー・エス4390、エーアイ4388がマザーズ上場・5」月の米耐久財受注額
28日(木)・13月期の米GDP確定値
29日(金)・スプリックス(7030東証1部)上場


(2018年6月16日)
2万3000円台を早期に回復できるかがポイント
◆今週の日経平均は前週比157円高。今週は主要7カ国(G7)首脳会議の結果を受けて始まり、12日には世界中が注目した米朝首脳会談が開かれた。米朝首脳会談では、朝鮮半島情勢の安定化期待が高まり地理的に近い日本市場に安心感が広がった。そして息をつくひまもなく米欧日の重要な金融イベントが開かれた。1213日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれ、14日は欧州中央銀行(ECB)理事会、そして1415日は日銀金融政策決定会合が開かれた。今年最大のビッグイベントが重なる1週間に市場は身構えていたが、終わってみれば157円高と順調に各イベントを通過。

米連邦準備理事会(FRB)では年内利上げ回数シナリオが3回から4回に引き上げられ追加利上げ観測が高まった。そして欧州中央銀行(ECB)は利上げ開始には慎重な姿勢を示したものの量的金融緩和策の年内終了を決めた。一方で日銀は大規模な金融緩和策の維持を決めたため、足元では米欧と日本の金融政策の方向性の違いから対ドル・対ユーロで円が売られやすい状況となっている15日の円相場は1ドル=110円台後半と約3週間ぶりのドル高・円安水準を付けたが、市場参加者からは円の下落余地は「1ドル=112円程度まで」との声が聞かれる。円安は日本株にとってもちろんプラス材料だ。円安が進めば輸出企業中心に今期(20193月期)の業績見通しが上方修正される期待が膨らむ。日経平均に影響度の大きい輸出株に「株高エンジン」がかかれば、なかなか抜けない23000円抜けからの一段高シナリオが現実味を帯びる。
一方で、米中の「貿易戦争」への懸念は残る。トランプ米政権は15日、中国製品への追加関税の発動を表明し、中国はこれに対し米国製品に同額の報復関税を課すと表明した。米中の貿易摩擦が激化するとの懸念から15日のNYダウは一時280ドル安まで下げたが、その後は米景気や企業業績の堅調さを意識した買いも入り下げ幅を縮め、終わりは84ドル安の25090ドルとひとまず落ち着きを見せている。CME日経先物は大証比65円安の22765円。NY円相場は1ドル=1106070銭。

株価は最初のフシとしたSQ値の22825円を上回り、23000円抜けが焦点となっている。上は521日に付けたザラ場高値23050円があるが、テクニカル的には22日〜5日に空けたマド(23122円)埋めがトレンドフォローの資金が追随してくるかのポイントとなりそう。これらを明確に上抜けてくれば24000円も視野に入る波動に移行する期待が高まる。下は5日線、そして緩やかに上昇してくる25日線(15日現在・2万2653円)がサポートするかが上昇トレンド維持の判断ポイントとなる。円安見通しに東証1部の売買代金も3兆円を超えるなど一段高への期待も膨らむが、23000円台を早期に回復できるかが今後の相場を左右するポイントとなりそう。 

【主な予定】
18日(月)中国(上海・深?)、香港、台湾が休場
19日(火)メルカリ(マザーズ)上場・5月の米住宅着工件数
20日(水)・日銀金融政策決定会合の議事要旨・ログリー(マザーズ)上場・5月の米中古住宅販売件数
21日(木)・コーア商事ホールディングス(東証2部)上場・ZUU(マザーズ)上場・SIG(ジャスダック)上場・5月の米景気先行指標総合指数
22日(金)・ライトアップ(マザーズ)上場・6月の米製造業購買担当者景気指数


(2018年6月9日)
2万2500円〜2万3000円の保ち合いか
◆今週は「22000円台前半でもみ合う展開」を予想したが、23000円も視野に捉える大幅上昇で良い方に外れた。今週の日経平均は前週比523円高。前週末のNY株高や円安を背景に週初4日に304円高と大幅高のスタート。下げ止まりの第一ステップとなる5日線、そして10日線、一目「転換線」も回復し底打ちサインが点った。その後もNY株高を追い風に6日に25日線(22567円)を回復。そして7日には反転のサインとして信頼性が高いとされている「新値3本足」も陽転。チャートは明確な反転サインが点っている。

しかし、このまま勢いに乗って上がるかは疑問。日経平均をTOPIXで割って算出する「NT倍率」は8日に一時12.79倍と20168月以来およそ110か月ぶりの高水準となった。デイリーでもこの点は触れたが、日経平均が2.4%上昇している一方、TOPIXの上昇率は1.8%にとどまっている。海外投資家が13月の相場の下落局面で売り越した分の買戻しに動いたようで、この上げは新規資金によるものではなく、日経平均の指数銘柄の買戻しが中心のようだ。
また、メジャーSQを睨んだポジション整理だったのか。SQを通過した週末は売りが優勢となり安値引け。週末8日は先安を暗示する「陰の大引坊主」の形状となっている。 この他、少し前に23000円はポジションの分水嶺となっている可能性があるとしたが、23000円前後が大きなフシなっている構図にも変化はなさそう。

さらに来週は重要イベントが目白押し。目下、12日の米朝首脳会談が最大の関心事となっているが、金融面でも重要なイベントが集中。12日、13日にFOMC(米連邦公開市場委員会)があるほか、14日はECB(欧州中央銀行)理事会、そして14日、15日に日銀金融政策決定会合が開かれる。国内外の中央銀行の方針や動き次第で相場の雰囲気がガラリと変わることも多いだけに重要だ

テクニカル的には、上はまずSQ値の22825円がポイントに。SQ値を上回れるかどうかで、その後一カ月の相場の強弱が大きく違ってくるケースは多い。この上は5月21日に付けた取引時間中の高値23050円。@ これらを明確に上抜けてくれば24000円も視野に入る波動に移行する期待が高まる。上回れないとA22500円〜23000円のレンジでの保ち合い相場に移行する可能性が出てくる
チャートは底打ち反転のシグナルが点っているが、弊社の読みとしては後者Aの持ち合い相場と見ている。12日の米朝首脳会談や日米欧の金融政策決定会合などの重要イベントが相次ぎ、上値には慎重にならざるを得ない。まして、今週は大きく水準を戻してきただけに、いったんは踊り場となる可能性が高い。


(2018年6月3日
2万2000円台前半でもみ合う展開か
◆先週の日経平均は前週比279円安。下落基調の中、イタリアの政局不安に端を発した欧米株の下落や円高進行が下げを増幅。30日は一時22000円を割り込む場面もあった。25日線に続き中期ポイントの26週線(1日現在22356円)も下回り一段と調整ムードを強めた。

もっとも前回、「下は大幅に調整しても75日線(同21934円)が意識される22000円前後」とした通り、75日線がサポートする教科書どおりの展開で反発。75日線が値上がりに転じていることも見逃せないポイントで、中長期的な株高トレンドは崩れていない。
こうした中、1日に発表された5月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比223000人増と市場予想(19万人増)を上回った。雇用統計を好感した買いで1日のNYダウは219ドル高の24635ドルと反発。為替も米景気の拡大基調が続いているとの見方から主要通貨に対してドルが買われ、NY円相場も1ドル=1095060銭とドル高・円安にNY株高に円安を受けCME日経先物も大証比145円高の22365円と反発。南欧の政治情勢をキッカケとした欧州不安も和らいでおり、底割れリスクはやや後退している。

とは言え、低下してきている5日線(22246円)に抑え込まれる動きが続いており、現状はまだ下降トレンド。また、米国の通商問題は深刻さを増しており、週末8日のメージャーSQ 、そして12日に行われる米朝首脳会談などの重要イベントも控え、市場の警戒感はまだ解けない状況にある。これ以上崩れないとしても、上値も追いづらく、今しばらくは22000円台前半でもみ合う展開となりそうだ。
いずれにしろ今週もまずは下値確認から。75日線を割り込むと本格的な調整につながることが多いため、同線がテクニカル上の重要な下値ポイントとなる。 一方上は5日線、25日線回復がポイントとなるが、5日線回復が下げ止まりの第一ステップ。5日線をできない間は底割れリスクが付きまとう

タイムスケジュールでは、5日(火)の5月の米ISM非製造業景況感指数、6日(水)の4月の米貿易収支、7日(木)の日米首脳会談。そして8日(金)のメジャーSQ算出、朝方発表の13月期のGDP改定値などが注目される。


(2018年5月26日)
大幅に調整しても2万2000円前後がメドか
◆今週の日経平均は前週比480円安。21日についにフシ目の23000円に乗せてきた。しかし、ここで上昇トレンドに転機が。以前(415日)、「猫の目のように変わるトランプ米大統領の言動に今後も振り回される状況は続きそう」とした懸念が現実に。24日、トランプ米大統領は612日に予定されていた米朝首脳会談の中止を表明。地政学リスクの再燃が嫌気された。また、前日には、自動車と同部品の輸入関税を25%に引き上げる可能性も示唆。これらに大きな反応を示したのが為替だ。1ドル=111円まで戻していた為替は、一転して109円台の円高水準に引き戻された。海外投資家は為替と株がセットなっているポジションが多く、円高の進行とともに株も下げ幅を拡大。21日ザラ高値23050円から25日同安値22318円まで700円超と、一気に25日線も割り込む大幅な下げとなり調整ムードを強めている。

ただ、表面的には「トランプリスク」に足元をすくわれた格好だが、前回述べたように、23000円はポジションの分水嶺で、23000円に乗せたことで戻り一巡感が出たとする見方が正解かもしれない。下げの要因とされている米朝首脳会談の中止が即座に両国の緊張につながるとは考えづらく、実際、北朝鮮はこれに対し25日、「いつでも向き合って問題を解決する用意がある」と公表。トランプ米大統領も予定通り「612日の可能性すらある」と記者団に述べている。にも関わらず25日のCME日経先物は全く戻していない。また、自動車の輸入関税引き上げも、常識では「バカげた話」で、本音は暗礁に乗り上げているNAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を進展させる目的があることは明白。一般に言われている解説を否定するものではないが、23000円前後で売ればドンピシャであったように、実践では、こうしたポジション的な観点で相場を読み解いていく方が上手くいくことも多い
要するに、この下げは起こるべくして起きた調整となるのだが、とすれば、アク抜けも意外に早いかもしれない。ただ、「セリング・クライマックス」の動きはまだ見られず、まだ調整未了感がある。また、来週は米MSCI指数組み入れ銘柄の見直しに伴う売り需要が発生(31日大引け)する。この他、68にはメージャーSQを控えるが、SQ前週の水・木は相場が荒れることも多い。

まずは下だが、326日安値20347円から521日高値23050円までの上げ幅(2703円)に対する3分の1押し水準である22149円や、フィボナッチ比率38.2%押しとなる22017円、75日線(同21907円)が意識される。大幅に調整しても22000円前後が下値のメドとして位置づけられそうだ。 一方上は25日線、5日線回復が底打ちのサインとなる。



(2018年5月20日)
2万3000円に乗せるかの見極めから
◆先週の日経平均は前週比171円高。実に8週連続の上昇!で、これは2017年9月中旬〜11月上旬の9週続伸以来の連騰記録となる。株価は123日のザラ場高値24129円から326日の同安値20347円までの下げ幅の3分の2戻し(22868円)も達成。23000円回復に王手をかけている。米長期金利の上昇を受け円安が進んだことで一段高につながったが、ドル・円相場は18日に一時1ドル=111円台まで下落した。

23000円乗せも時間の問題といった感じだが、手前で伸びあぐねているのも確か。前回指摘したように、昨年9月からの価格帯別売買代金が「2250023000円」は89兆円と多いことがあるが、2万3000円はポジションの分水嶺となっているのかもしれない。昨年後半を思い起こして頂きたい。昨年後半は98日安値19239円から23000円まで一本調子に上げ、119日に瞬間的に23382円まで付ける場面があったがそれ以降は、22900円台は度々付けた(11回)が結局、年が明けるまで23000円は1度も超えられなかった。これが意味するところは23000円で仕組債やオプションなどの大きなポジションが組まれていた可能性が考えられる。今回も23000円はそうしたポジションの分水嶺としてはだかっているかもしれない。

その反面、23000円を抜けると後半までは真空状態となる。23000円に乗せれば22日〜5日に空けたマド(23122円)埋めが次の焦点となってくるが、それもクリアすると今度はトレンドフォローの資金が追随し、真空地帯の中を一気に23700円程度まで上昇する可能性が高まる。一方で、円安の要因となっている米長期金利の上昇ペースの速さを警戒する声も出ている。円安進行に歯止めがかかれば一旦は調整となろう。ただ、米長期金利の上昇が止まれば、新興国の通貨や株式が下げ止まる公算が大きくこれが投資家心理の改善につながる。一回りすれば日本株の追い風ともなるため下値も堅くなりそう。

23000円を意識した膠着状態が変化するキッカケとしては、6月中旬に予定されている米朝首脳会談やFOMCが注目される。ただ、新値を取っていく本格的な上昇は193月期見通しが保守的と確認できるのが前提となるため、第1四半期(46月期)決算が見えてくる7月以降との見方が多い。
今週はまず23000円に乗せるかの見極めから。乗せれば23700円。乗せられなければ22500円を下限としたボックス相場か


(2018年5月12日)
2月急落時の「窓」も埋め、2万3000円が視野に
◆今週の日経平均は前週比286円高と何と7週連続の上昇。フシ目の22500円で伸びあぐねていたが、週末11日に上抜け、世界的に株価が急落した際の25日〜6日に空けた「窓」(22659円)も埋めた。チャートは一段の先高期待が高まる形状となっている。

背景に、米朝首脳会談による地政学リスクの後退などで世界的にリスクオンの動きが高まっていることや、国内でも、決算発表は山場を越えたが発表内容は懸念されていたほど悪くはないことが挙げられる。こうした中、チャートの買いシグナルに注目が集まっている。デイリーでもお伝えしたが10日に25日線(11日現在・22092円)が75日線(同22017円)を上抜ける「ゴールデンクロス」を示現。「ゴールデンクロス」は相場が本格的な上昇相場に入るサインとされている。さらに、11日のオプションSQも順調に通過したことで海外勢がストップロス(損失限定)を急いだとの声も聞かれた。海外勢の売り越しに対する買い戻し比率はまだ4分の1程度と見られており、海外投資家による買い戻し需要はまだ高い。

チャートは23000円が視野に入っているが、123日のザラ場高値24129円から326日の同安値20347円までの下げ幅の3分の2戻しとなる22868円。そして22日〜5日に空けたマド(22967円〜23122円)埋めが次の焦点となってくる
ただ、昨年9月からの日経平均の価格帯別売買代金では「2250023000円」は89兆円と最も多い。また、米トランプ政権がイランの核合意から離脱したことや、ここにきての原油高も気になるところだ。チャートも75日線はまだ下降トレンドを継続しており強気一辺倒という状況でもない。フシ目の23000円が接近する場面では戻り待ちの売りも出やすいと思われ、今しばらくは強気と弱気が交錯しそうな状況。力強く上値を追えるかは今少しの見極めが必要と言えそうだ。


(2018年5月5日)
恐ろしいほど無風のGW、業績相場後半戦に
◆GW中のNYダウの推移を振り返ると、5月2日に掛けて4日続落となっていたものの、3日は5.17ドル高、4日は332.36ドル高と続伸して終えた。米失業率が18年ぶり低水準となり、著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社のバークシャー・ハサウェイがアップル株を大幅に買い増したことが好感され、ハイテク株を中心に大幅上昇したことがNYダウ上昇につながった。米中通商協議は重要点で相違埋まらず、対話継続で合意となったことで相場的には中立要因となっている。ドル円の為替も109円台前半でやや円高気味ながらも小幅な値動きにとどまった。4日のシカゴ日経225先物6月限 (円建て)も22470円と、ほぼ無風状態だった。細かいながらも懸念材料は、米国の対イラン制裁再開に備える動きが進んだこと。制裁再開となれば、イランからの原油輸出に混乱が生じる可能性がある。一方、2日に4日小反落したもののしっかりした展開でGW後半に入った日経平均。日本国内でGW中も大きな経済的ニュースは浮上せず、いわば、恐ろしいほどの「凪(なぎ)」状態だった。9日に東京で開催される日中韓首脳会談がイベントとして注目されるが、現状で金融・経済面での大きな課題はないことから、こちらも相場的には中立だ。

来週は引続き決算発表を材料とした個別株物色が主軸となりそうだ。全体相場に影響を与える銘柄の決算では、8日(火)に丸紅、三菱商事など4大商社、9日(水)にトヨタ、10日(木)にパナソニックとDeNA、楽天、KLabの新興大型株、11日(金)はNTTと三井不動産が予定されている。

 15日のMSCIの入れ替え発表を注目
◆このほか、来週になるが世界の機関投資家がベンチマークとして利用しているMSCI定期銘柄の入れ替え発表が15日の朝方寄り付き前にある。追加採用候補はSGホールディングス9143、東京センチュリー8439、小林製薬4967、サイバーエージェント4751、削除候補はCYBERDYNE7779、九州フィナンシャルグループ7180というのが事前の下馬評だ。実は、例年関心が向かうのは新規採用だが、今回は削除候補のCYBERDYNE7779が裏の主役となっている。CYBERDYNEの時価総額は1955億円でミクシィ2121の2900億円に続いてマザーズの時価総額第2位。そして、CYBERDYNEの株価は年初の2000円台から直近は1400円台の安値圏に落ち込んでいる。MSCIから外れるとなるとマザーズ銘柄で組成されている指数やファンドに大きな影響を与えることから、新規上場以外のマザーズ銘柄の売り要因となっていたのだ。そのため、ここまでマザーズ銘柄は例年活躍するGWにも関わらず低迷していた理由の1つとされてきた。

しかし、CYBERDYNEがMSCIから外れることが15日に正式に発表されれば、ここがアク抜けのきっかけとなる。需給の良し悪しは別にして、前回レポートしたメルカリが東証1部では無く、まずはマザーズに上場となれば次のMSCI採用銘柄となるのはまず間違いないところ。マザーズの水準訂正が始まる可能性は極めて大きい。2016年以降の安値圏で調整も調整しているCYBERDYNE7779の1424円という値ごろも、こうして見るとワンチャンスが十分にある株価水準だ。決算発表は5月15日(火)。上場から4年を通過して赤字が継続しているが、米FDA承認効果による業績寄与は今2019年3月期からだ。MSCIの入れ替え発表前なのでふく亭要素がやや効く、現時点では勝負株とはしなかったが、MSCIから正式に削除されれば、むしろ買いのチャンスが広がるはずだ。


(2018年4月28日)
2万3000円も狙えそうな形だが、臨機応変なフットワークも必要。
◆今週の日経平均は前週比305円高と5週連続の上昇。前週までのフシとなっていた75日線を24日に終値で回復。また、24日のNYダウは424ドル安と大幅安となり翌25日は再び売りが先行したが、1ドル=109円台にきた円安が支えに、終わってみれば75日線(27日現在・22135円)がサポート。チャートは75日線に続き、100日線(同22332円)や日足一目均衡表「雲上限」(同22344円)も上回ってきており先高期待が高まりやすい形状となっている。この後は227日戻り高値の22502円がネックラインとなるが、これを上抜ければ、25日〜6日に空けたマド(22659円〜22277円)埋めから大きなフシ目の2万3000円回復も意識されてくる
27日に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が会談し、朝鮮半島の非核化や終戦を目指す「板門店宣言」に署名。日本株の重荷となっていた北朝鮮リスクは大きく後退。さらに、米長期金利の上昇を受け1ドル=109円台に振れてきた円安も大きな支援材料となっている。こうした外部環境の改善を受け海外勢が売りポジションの解消に動いていることが一段高の背景にあるが、海外投資家は1月以降93000億円も売り越しており、そのうち買い戻されたのはまだ1.5兆円程度と推測され、買戻し余力はまだまだ十分に残している。

ただし、決算発表リスクはまだ残る。良好な業績見通しが示されれば海外投資家中心にさらなる買い戻しが期待できる。しかし、市場の失望を誘うような内容となれば手厳しい反応が予想される。実際、ファナック695426日引け後に20193月期の連結純利益予想を前期比24%減と発表した。これが嫌気され、27日には一時14%安の22390円まで急落する場面があった。ファナックはもともと慎重な業績予想で知られるが、それでも市場を動揺させるネガティブサプライズとなった。そして、27日引け後に今度はソニー675820193月期の連結営業利益予想を前期比9%減と発表。これを受け27日のNY市場でソニーの米預託証券(ADR)は9.3%安の45.50ドルと急落している。
こうしたことから3月期企業の決算内容を見極めたいとの空気は再び強まりそうで、今しばらくは強気と弱気が交錯しそうな状況だ。また、足元では円安に振れているが、GW明けに円高に振れやすい為替のアノマリーも気になるところだ。現状のチャートは22500円抜けから23000円も狙えそうな格好となっているが、外部環境や市場の変化に対応できる臨機応変なフットワークも必要だ


(2018年4月22日)
2万2000円の値固めか。
◆先週の日経平均は前週比384円高。シリアや北朝鮮を巡る地政学リスクの後退。さらに1718日の日米首脳会談が懸念された問題もなく無難に通過したことで買い戻しに拍車をかけた。日経平均はフシ目の22000円を超え19日には一時75日線も超える22360円まで上昇。123日高値24129円から326日安値20347円までの下げ幅(3782円)の5割強を取り戻し、約2カ月に及んだ調整局面を抜け出し始めた格好となっている。

主導したのは海外勢の買い戻しだ。東証が19日発表した4月第2週の投資部門別株式売買動向によると海外投資家は845億円の買い越し。前の週の1584億円からは縮小し現物ベースでは大した額ではないが、実は先物の買い戻しが多いのだ。前々回の当コーナーで(47日付け・792号)で、海外投資家は93000億円も売り越しているが、そのうち先物の売りが62700億円にもなっている。先物の売りはいずれ買い戻される定めにあるとしたがズバリ! 大阪取引所が同日発表した先物の売買動向では、海外勢は現物株を大きく上回る4889億円もの買い越しとなっている。先物で大きく売り越していた海外勢が売りポジションの解消に動き出したということだ。

もっとも、まだ短期的なポジション解消に過ぎない。一時は上回る場面もあったが現状は75日線が上値を圧迫する展開。まだ、セオリー通りの戻り相場の範疇で、上昇転換とはなっていない。国内勢だけでなく海外勢も来週から本格化する3月期企業の決算内容を見極めたいとの空気が強く、上値にはまだまだ慎重。現状は強気と弱気が交錯している状況だ。

テクニカル的には、75日線(20日現在・22218円)を抜けるかが第一のポイントとなる。75日線を抜けてくると上昇転換となる。ただ、18日デイリーで述べたように75日線は現在下向きでその信ぴょう性はやや欠ける。ここでは227日戻り高値の22502円が上抜けの完全な形となる75日線は強い抵抗ラインとなるが、抜けても取敢えずは22500円前後を上値のメドとしておくところか。 下は上昇してくる5日線(22038円)に対してどう動くかがポイントとなるが、これまでの上値ラインとなっていた22000円が意識される。今週は本格化する決算発表やGWを前に様子見も強まりそうで、高値圏での一進一退、22000円の値固めの局面といった感じか。


(2018年4月15日)
25日線〜2万2000円のレンジか
◆先週の日経平均は前週比211円高。中国の習近平国家主席の講演で米中の貿易摩擦激化への警戒感が後退。10日のNYダウは428ドル高と大幅高となった。これを受け東京も21933円まで買い進まれた。その後、シリア情勢緊迫化からか売りに押される動きも見せたが結局、米政権がシリア攻撃の最終判断に至らず、また、トランプ大統領の環太平洋経済連携協定(TPP)への復帰発言などもあり再び上値慕いの動きに。上値は重いものの上昇してきている5日線(13日現在・21719円)がサポートする上昇基調を維持。週末13日も一時21917円まで買われ22000円台回復を視野に捉えた動きとなっている。

「変節漢」とはその時の情勢に合わせて上手に主義主張や態度を変えて、 しかもそこに反省がない人物のことを言う。まさにトランプ米大統領のような人物をいうのだろう。しかも並みの「変節漢」ではない。言動は日々変節、猫の目のように変わる。これに合わせて株式市場も振り回されているが、今後もトランプ米大統領の言動に振り回される状況は続きそうだ。

しかし、そうした不安定な状況でも下値不安は着実に後退している。何よりも、これまで指摘してきたが需給的には余程のことがない限りこれ以上売りは出づらくなっている。また、ここから始まる決算発表も193月期は慎重な業績予想が相次ぐ可能性は高いが、これも前回指摘した通り、だいぶ織り込んできている。実際、12日に先陣を切って発表した安川電機6506は利益予想の一部が市場予想に届かなかったものの影響は限定的で、むしろ、中長期の業績や株価の見通しは明るいとの声が多い。こうした流れが強まれば、悪い発表は当たり前で、むしろ決算発表が「悪材料出尽くし」「不透明感払しょく」として買いのキッカケとなる可能性も高まる

しかし、14日に米英仏3か国がシリアに対し軍事攻撃に踏み切ったと報じられており週明けの市場に影を落としている。また、トランプ米大統領は日本を名指しして貿易不均衡を批判しているが、今週1718日には日米首脳会談も控え不安の種は尽きない。業績懸念も織り込みつつあるとはいえ発表されるまでは買い見送りにつながりやすく、今しばらく上値の重い展開が続きそうだ。
テクニカル的には、引き続き上は22000円がフシに。シリア問題の鎮静や米企業決算の内容が良好であれば22000円台での展開も期待されるが、それでも75日線(同22275円)が強い上値抵抗として作用しそう。一方下は25日線(同21484円)がフシに。今週は25日線〜22000円のレンジか


(2018年4月7日)
25日線、200日線、5日線がサポートするかがポイント
◆今週の日経平均は前週比113円高。米中貿易摩擦の激化懸念を背景に2日のNYダウが大幅安(458ドル安)となったことを受け3日には一時21056円まで下げる場面があった。しかしその後は米高官の発言で貿易摩擦への過度な警戒感が後退。NYダウは3日連続の大幅続伸で、この間の上げ幅は860ドル強にもなった。1ドル=107円台への円安もあり東京市場も5日には上値の抵抗ラインであった25日線を抜け、5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスも示現。22000円台復帰が期待される格好となった。が、それも束の間。日本時間6日朝、トランプ米大統領が対中の制裁関税を1000億ドル積み増すことを検討すると発表、中国も対抗措置を取る姿勢を示した。米中貿易戦争への警戒感が再燃し市場は再びリスク回避の動きに。これを受け週末6日のダウは572ドル安の23932ドルと大幅安。CME日経先物も大証比215円安の21425円と一段安になっている。
CME終値は200日線(6日現在・21367円)、25日線(同・21391 )そして5日線(同21442円)と短期・長期の重要な移動平均線が重なってきているところで、ここがサポートするかは再反落となるかの分岐点となる。これらを下抜くと再び下落圧力が強まり、21000円を意識した一段安が予想される。

ただ前回、海外投資家は11週連続で売り越しとなっておりこれ以上売り続ける可能性は低いとしたが、実際、東証が5日に発表した3月第4週(26日〜30日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は48億円の買い越しと12週ぶりに小幅ながらも買い越しに転じている。ちなみに、海外投資家はこの間93000億円も売り越している。これは過去にもそうない大きな売り越し額だが、そのうち先物の売りが62700億円にもなっている。そう、先物の売りはいずれ買い戻される定めにある。余程のことがない限りこれ以上売りは出づらい状況で、需給的にはむしろ、下げる場面は強気で買い向かうころかもしれない。
とは言え、4月後半から厳しい発表が予想される決算発表シーズンに入る。日本企業の経営陣はただでさえ業績予想を保守的に設定しがちだ。今年のような円高や貿易摩擦懸念の強い状況では尚更そうした傾向が強まりそうで、193月期について慎重な業績予想が相次ぐ可能性は高い。ただ、これも事前に予想されていることで、そうした懸念もだいぶ織り込んできていることも事実だ。過去のこうした局面では決算発表前後まで株価が低迷する傾向があり、それまでは下値抵抗を見せつつ上値も重い展開が続きそうだが、GW明けあたりからは徐々に買い気が勝ってくるものと予想される。
来週は「波乱の
SQ週」でもあり一層神経質で不安定な相場になりそうだが、まずは25日線、200日線、5日線がサポートするかが観察ポイントとなる


(2018年3月31日)
2万円割れの危機から一転、買いシグナルも
◆今週の日経平均は前週比837円高。前週末のNY株安や円高を受け週初26日は一時2347円まで売られる場面があった。しかしその後は安値から419円幅も引き戻す大幅反発。そして26日のNYダウが669ドル高の大幅反発となったことを受け27日も551円高となる大幅続伸。28日は大幅反落となったもののすかさず切り返し、年度末となる30日は21454円で取引を終えた。チャートは5日線(30日現在・20978円)に続き10日線(同21247円)、そして200日線(同21329円)も回復。パラボリックやMACDなどの短期モメン タムには買いシグナルも点っている。
尚、2017年度の日経平均は2545円(13.4%)上昇し2期連続の上昇。また、上昇幅は2015年度(4379円)以来、3期ぶりの大きさとなった。

前回、ここからの下げは「陰の極」となる可能性も高いとしたが、どうだろう。今週はずばり、2万円割れの危機から一転して買いシグナルも点る展開となった。レポートしたように、マーケットからの直接情報が、どれもさらなる下げを示唆するものばかりとなった時が往々にして相場の底となることは多い。また、26日は東証1部の安値更新銘柄数は243銘柄に達した。寄り付き段階では「追証発生による悲観論」も多く言われていたが、これも以前指摘した通り、安値叩きを誘う「悪魔のささやき」となった。

今週の急ピッチな回復から4月相場は比較的堅調との見方がにわかに高まっている。背景にあるのが需給の改善だ。前回も述べたが、海外投資家は結局11週連続で売り越しとなっておりこれ以上売り続ける可能性は低くなっている。そして過去10年、4月は買い越しとなっている。一方で国内機関投資家も決算対策で3月末にかけて株を売却する反動で4月は買いに転じることが多いからだ。
とは言え、4月後半から厳しい発表が予想される決算発表シーズンに入る。円高や貿易摩擦激化への警戒から193月期について慎重な業績予想が相次ぐ可能性は高い。そうした懸念もこの下げでだいぶ織り込んできてはいるが、まだまだ振られる場面はあると思われる。

30日高値は21512円と25日線(同21511円)まで迫ったが、まずは25日線を回復できるか。25日線は「相場の信号機」のようなもので回復すれば「渡れ」。つまり買い転換となり22000円や75日線(22439円)が意識される上昇相場に入る。下は上昇してくる5日線、200日線がサポートするか。
タイムスケジュールでは、国内では2日発表の3月の日銀短観。そして6日発表の3月の米雇用統計が注目される。米雇用統計では労働環境の改善を示す結果になるとの予想が多い。これにより円相場は週後半にかけて円安方向に振れ、日経平均も円安に歩調を合わせ22000円台まで水準を切り上げるとの見方もある。


(2018年3月25日)
ここからの下げは「陰の極」となる可能性も高い
◆先週の日経平均は再び大波乱、前週比1059円安となった。「フェスブック・ショック」で19日のNYダウは335ドル安と大幅反落。これを受け東京も一段安で200日線の攻防に入った。そして、注目されたFOMCでは利上げ回数を4回と見込む委員の数が前回の3人から6人に増加したが下げは限定的で、むしろ不透明感払しょくを好感する動きを見せた。しかし、今度はトランプ大統領の保護主義政策に大きく揺さぶられた。トランプ大統領は中国製品に高関税を課す方針を22日表明。中国もこれに対抗策を打ち出し、両国の貿易戦争への懸念から22日のNYダウは724ドル安と急落。これを受け23日の日経平均も1000円近い急落となり、終値は20617円と5カ月ぶりの安値となった。さらに23日も中国による米国債購入の減額検討やロシアの報復措置といった報道を受けNYダウは424ドル安と大幅続落。CME日経先物も20170円と一段安で2万円のフシ目に迫っている。
各国で対抗措置の応酬になる通商政策の抗争激化に対する懸念は深刻。中でも日本は米国だけでなく中国との取引も多く米中の貿易摩擦は他人事ではない。根本には米国と中国の覇権争いがあるが、共に譲れず、これがどういう形で収束するか目下、見通せない状況にある。

◆今週も2万円を意識した厳しい展開が予想される。しかし、33日付けの『週間レポート787号』も思い起こしてほしい。「相場に対する悲観的観測がクライマックスにさしかかってくればくるほど、すべての思惑を証明する材料や分析による予測も、これまでの動きの延長線上をさらに進行させるもので、マーケットからの直接情報は、どれもさらなる下げを示唆するものばかりとなる」とした。
現状を見れば、国内では森友問題による国内の政治リスクが重くのしかかっている。また、年間で最も重視される決算発表シーズンに入る。今期(20183月期)の好調決算は既に織り込まれ、ここからは来期(20193月期)の見通しが株価を左右するが、ここにきての円高や米中の貿易摩擦の懸念から、大幅な減益見通しを出す企業が相次ぐ可能性が高まっている。一方海外ではNY市場を発端とした世界的な株安が進行と、市場はどちらを見ても重症の内憂外患。チャートも最後の抵抗ラインであった200日線を割り込み中長期すべてが下降転換。どうだろう。すべてがさらなる下落を示唆し、まさに前述の「悲観的観測がクライマックスにさしかかってきた」局面といって良いだろう。

しかし、マーケットからの直接情報が、予想された確実な場面を語るのは、その相場の最終局面であればこそ。また、相場の進行につれた悲観の感染は、割安銘柄の増加、買いポジションの整理にともなう、売り圧力の激減といった変化を生じさせる。いくら売りたくても持ち株がなくなれば売れない。信用の「カラ売り」があるではないかという方もおられるかもしれないが、これに関しても勘違いしている人は多い。信用の「カラ売り」とて、ないものを売っているわけではない。ちゃんと売却する株が担保され売買されているのだ。そのために株券を調達しやすくするための逆日歩という制度があるのだ。
こうした点においても。減益見通しが予想される状況では説得力に欠けるが、それでも日経平均の予想PER(株価収益率)は23日時点で12.2倍と過去にあまり例のない割安数値(割安銘柄の増加)となっている。また、東証が23日に発表した3月第2週(12日〜16日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は10週連続の売り越しで累計の売越額は26532億円にも膨らんでいる(売り圧力の激減)。さらに4月に入ると新年度の新規資金も流入してくる。
今週も神経質で厳しい展開が予想される。しかし、こうして見ると、ここからの下げは精神的にはきついだろうが「陰の極」となる可能性も高い。


(2018年3月17日)
目先のキーポイントとなるのが20〜21日のFOMC
◆今週の日経平均は前週比207円高。前週末のNY株高を受け週初12日に一時21971円と節目の22000円に迫った。しかし、25日線を大きく回復し本格的な反転相場に入ったかと思いきや、学校法人「森友学園」に関する財務省の文書書き換え問題による政局混乱が重しとなった。メインプレイヤーである海外勢は秋の党総裁選で安倍首相の3選シナリオに暗雲が漂いつつあることをリスク要因として意識し始めている。そしてNY市場にも変調が。トランプ大統領の唱える保護主義政策による不透明感の高まり。さらに、コーン国家経済委員長やティラーソン国務長官などの更迭に加え、15日にはマクマスター大統領補佐官の解任観測が浮上、16日にはケリー大統領首席補佐官との不仲も報じられるなど、相次ぐ重要閣僚の交代でトランプ政策の先行き不透明感が高まっている。NYダウは週末にかけ戻したものの前週の797ドル高から一転、週間で389ドル安となった。
ちなみに、16日のNYダウは72ドル高の24946ドル。週半ばにかけて大きく下げた反動や米経済指標の改善を好感した買いが相場を支えた。CME日経先物は大証比25円安の21415円。

目下のところは25日線がサポートしているが何とも悩ましい場面だ。今週の日経平均の値幅は291円と1月半ば以来の小ささ。相場は硬直感を強めているが、業績面から見た割安感や3月末の配当取りが下値を支える一方、日米の政局不安から「リスクオフ」の動きもじわり強まっている。
目先のポイントとなるのが2021日のFOMCだ。FOMCでは0.25%の利上げが決まる見通しだが、市場は年内の利上げ回数に注目している。市場では3回で収まるとの見方が優勢だが、3回で収まれば安心感が高まる。半面、4回以上となれば米景気の後退懸念などから波乱の展開を予想する声が多い。国内の「森友学園」問題による政治リスクもあるが、まずは海外発の不安が払拭されない限り日本株の本格的な再浮上は期待しにくそうだ。

21日(水)は春分の日で東京市場は休場。そしてこの日にFOMCの結果が発表される。つまり、日柄では週前半は様子見。動きがあるとすれば週後半からだが、まずは25日線がサポートするか。25日線を割り込むと再び200日線(21269 円)を意識した下値テストに。一方、25日線がサポートすれば反転継続だが、それでも「森友学園」問題による政治リスクで上値は重くなりそうだ



(2018年3月11日)
25日線がサポートしてくるか
◆前週の日経平均は前週比288円高。週初5日に下値の正念場であった200日線を割り込み一段安に進む懸念が高まった。しかし、NY株高を支えに反発。一時的に割り込んだもののこれまで通り200日線がサポートする展開。また、「こうした急落相場は2番底、3番底を形成しながら修復していくのが普通」としてきたが、35日安値20937円はずばり、214日安値20950円と並ぶ2番底ともなっている

そして週末9日に、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長の訪朝要請を受け入れる意向を示したと伝わり一時21884円まで上昇。しかし、その後は急速に上げ幅を縮小。下げの背景は、機関投資家のベンチマークである「MSCIの基準見直し」MSCI株価指数では日本株の生命保険保有分に対し、発行済み株式の5%以上保有分が固定株に認定されていたが、今回、他国のルールと同じく2%以上保有分が固定株認定と改められる。生保の保有する固定株認定の銘柄が増えることで、浮動株比率の下がる銘柄は売る必要を迫られる。この結果、日本株からの資金流出が予想される。需給発生日は531日の大引け。対象銘柄は302銘柄、金額の合計は推計で約5800億円と推定される。流出額上位で目立つのはトヨタ690億円を始め、三菱商事288億円、ホンダ199 億円、キヤノン159億円など。もっとも、こうしたスケジュールの読める需給悪材料は、時間をかけて織り込まれるため、相場にそう大きな影響はなくなってくる。

こうした中、9日のNYダウは440ドル高の25335ドルと大幅続伸。ナスダック総合指数は132.8ポイント高の7560.8ポイントと126日の過去最高値を1カ月半ぶりに更新。2月の米雇用統計で雇用者が予想以上に増えた一方で、賃金上昇のペースが鈍り、米金利上昇への警戒感が後退。米朝首脳会談が開催されると伝わったことも追い風となった。また、急落の引き金となった米VIX指数も急落前21日以来の14ポイント台に低下。NY市場は急落前の「適温相場」と言われた状態に戻ってきている。これを受けCME日経先物も大証比345円高の21695円と大幅高。先物価格は3月末の配当分(約170180円前後?)を落とした価格のため、現物ベースでは21900円手前の水準となる。
つまり、CMEでは25日線も終値で回復しチャートは底打ち反転を示唆する格好。また「日柄ではSQ前後で需給的な整理は一巡しそう」としたが、メジャーSQも通過し日柄的な調整も進んでいる 

今週は戻りを試す動きが期待されるが、まずは25日線をきっちりと回復してくるか。回復してくれば心理的な節目の22000円が次の攻防点となる。22000円も抜けてくると123日高値24124円から直近35日安値20937円までの下げ幅の半値戻しにあたる22530円が意識される。ここは低下してくる75日線とも重なってくるところで、強い抵抗が予想されるが、抜ければ晴れて上昇転換となる。
今週は25日線を意識した展開が予想されるが、25日線がサポートしてくれば75日線を意識した一段強い戻りに。反対に25日線に抑え込まれる展開となると200日線が意識される再調整となる


(2018年3月3日)
まずは200日線の攻防から
◆今週の日経平均は前週比711円安。NY株高を追い風に27日に一時22502円と25日線(27日時点・22445円)を上回る場面もあった。しかし、227日のパウエルFRB議長の議会証言をきっかけに米金利が上昇。戻り歩調にあったNY株は一転、売りに押された。さらに、トランプ米大統領が1日に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する保護主義方針を示したことも下げに拍車をかけた。NYダウは27日〜1日までの3日間で1100ドル強もの下げを見せ、東京市場も急落。さらに、黒田日銀総裁が2日の所信聴取で「当然ながら出口をそのころ(2019年度ごろ)検討し、議論していることは間違いない」と述べたことで105円台まで円高が進んだことも追い打ちをかけた。2日の日経平均は一時、200日線を割り込む21088円まで売られ、27日戻り高値から一気に1400円強の急落となった。前回レポートで「5日線を基調の分岐点として200日線〜25日線のボックス相場」としたが、上限の25日線にタッチして戻り相場は一巡。そして下限の200日線の攻防で週の取引を終えた。
尚、2日のNYダウは下げ幅を390ドル超に広げる場面もあったが、終値は70ドル安の24538ドルと引けにかけて下げ幅を縮めた。ちなみに、貿易摩擦の影響が限定的なハイテク株の多いナスダック総合指数は逆に77.3ポイント高の7257.8ポイントと大幅反発となっている。日経先物もナイトセッションで一時2690円まで売られる場面があったが、CME日経先物は大証比5円安の21125円と200日線近辺に引き戻している

来週はまず200日線の攻防から。割り込んでくると20500円→2万円を順次の下値メドとした下落の心配が高まる。ただ、そうした場面であまり悲観的になり過ぎるのも失敗のもととなるかもしれないことは留意しておきたい。
実際、「こうした急落相場は2番底、3番底を形成しながら修復していくのが普通」としてきたように、こうした下げも十分予想できた動きだ。また、25日線までのリバウンドを経て再調整と教科書通りの底値形成パターンとも言えなくもない動き。また、3月期末を控えて「決算対策売り」も出やすいタイミングにあるがそうした動きもかなり進んでいると推測される。そして来週は3月のメジャーSQ9日に控える。これに向けてまだ売りが出る可能性はあるが、日柄ではSQ前後で需給的な整理は一巡しそう。反対に、200日線がサポートラインとして機能してくれば底打ち感が高まる

◆ちなみに、マーケットには「相場に動きがあるときにはその方向に適合する情報、分析に重きを置くよう、バイアスがかかりやすい」という特有のクセがある。ここで気をつけなければならないのは相場に対する悲観的観測がクライマックスにさしかかってくればくるほど、すべての思惑を証明する材料や分析による予測も、これまでの動きの延長線上をさらに進行させるもので、マーケットからの直接情報は、どれもさらなる下げを示唆するものばかりとなる。ところが、相場の進行につれた悲観の感染は、相場の進行とともに実態以上にリスクが強調され、割安銘柄の増加、買いポジションの整理にともなう、売り圧力の激減といった変化を生じさせる。現状を見れば、円高進行により株高の根拠となっていた業績期待は根底から崩れだしており、チャートもさらなる下落が心配される形となっている。しかし、マーケットからの直接情報が、予想された確実な場面を語るのは、その相場の最終局面であればこそ。また、ここから一段安となれば、当然のように追証発生などによる悲観論も語られるだろうが、それこそ安値叩きを誘う「悪魔のささやき」となることも多い。口で言うほど簡単ではないが、株式市場でうまく立ち回る投資家とは、場味に通じてこうした変化を感じ取れる人、経験的に裏読みできる人なのである。
ここからの下げは精神的にはきついだろうが、こうしたマーケット特有のクセも念頭に置き対応していきたい。


(2018年2月24日)
5日線を基調の分岐点として200日線〜25日線のボックス相場か
◆今週の日経平均は前週比172円高。短期のリバウンド取りや6日以降に売りを膨らませたヘッジファンドの買い戻しで19日に22152円まで反発。そう、ここは前回「上は123日高値24129円から214日安値20950 までの下げ幅に対する黄金比(38.2%)戻しとなる22164円が意識される」としたところだ。取敢えず、教科書通りのリバウンドを見せ戻り一服とした格好になっている。ただ、デイリーでも述べているが10日線(23日現在21663円)、一目「転換線」(同21551円)は上回っており、現状ではあくまでもスピード調整とした感じ。値幅リスクを心配させるムードはない。
こうした中、23日のダウは347ドル高の25309ドルと大幅続伸。米長期金利の低下や株価の予想変動率を示すとされる「VIX指数」の落ち着きを好感。CME日経先物も大証比115円高の22025円と反発。5日線を回復しており再上昇ムードとなっている。

しかし当面、上値は重い展開が続きそう。まず、市場で心配されているのが「3月1日のリスク・パリティの売り」。前々回、「リスク・パリティ」戦略に伴うリバランス売りがこの急落の背景にありそうとしたが、そのリバランス時期には「日次」「週次」「月次」の3パターンがあり、最後の「月次リバランス」が31日にまとまって出るとの観測だ。一説には2兆円とも言われる。そうでなくてもここから国内機関投資家の決算対策売りが始まる。特に今年は株・為替ともに不安定な相場状況となっており、決算対策の利益確定売りも早めに出てきそうだ。また、21日に25日線が75日線を下抜けるデッドクロスを示現し、チャートも調整が長引く可能性を示唆している。前回、「こうした急落相場は2番底、3番底を形成しながら修復していくのが普通」としたが、NY株や為替を見ながらそうした底値形成の持ち合いに入りそうな感触だ。

下は上昇してきている200日線(同21126円)がメドに。200日線はかなり強い下値ラインとなるが、一旦戻りを試しているだけに、このあと200日線を明確に割り込んでくると一段下げに向かう心配が高まる点には注意が必要だ。一方上は、低下してくる25日線(同22569円)がメドに。25日線を抜けてくると本格反転相場の格好となるが、取敢えずは5日線をリバウンド態勢か否かの分岐点として、下は200日線、上は25日線のボックス相場を想定

イベントでは、28日に予定されるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言が注目されてい。金融市場の混乱を和らげるような発言が出れば株式市場に一段と安心感が広がっていく。反対に、米利上げペースが市場予想より速まるような内容となれば金融市場が再び荒れる可能性もある。いずれにしろ、今後の相場の動向を左右するイベントとして市場の注目度は高い。


(2018年2月18日)
200日線を下値にした反発態勢に
◆前週の日経平均は前週比338円高。NY株の反発を受け214日安値20950円を下値にリバウンドの動きに入った。しかし、日本株の戻りは鈍い。震源地であるNYダウは9日から15日まで5日続伸、この間の上げは約1340ドルにもなる。また、126日高値26616ドルから28日安値23860ドルまでの下落幅2756ドル(約10.3%)の半値戻しもほぼ達成。一方、日経平均は123日高値24129円から14日安値2950円まで3179円幅(約13.1%)の下げと、実はNYダウよりも下落率は大きかった。しかし、16日時点で14日安値から770円高と四分の一を戻したに過ぎない。
円高が日本株の足を引張っている。16日に円相場はおよそ13カ月ぶりとなる1ドル=105円台に上昇。米長期金利上昇は本来なら円安要因となるが、米国の財政赤字の拡大やトランプ氏の保護主義的な発言を嫌気しドル安の流れに。3月期決算企業の想定為替レートは平均1ドル=10950銭。現状の円高が続くと輸出比率が高い日本企業にとって逆風となる。

ただ、好調な第3四半期決算が発表される中で株価は大きく下がり、日経平均の予想PER(株価収益率)は2日続伸となった16日終値21720円でも12.9倍と依然として売られ過ぎ状況にある。また、25日騰落レシオが14日に71.8%まで低下するなど多くのテクニカル指標も売られ過ぎを示唆。この他、黒田氏の再任で、日銀による上場投資信託(ETF)買いが続くとの期待も買い安心感につながっている。こうしたことから、16日は円高が進んだにもかかわらず株価はリバウンドの動きが勝り大幅高となった。
とは言え、こうした急落相場は2番底、3番底を形成しながら修復していくのが普通。取敢えずは反発態勢にあるが、NY株や為替に振り回される動きはまだまだあると見ておいた方が良い。

目下のところは200日線(16日現在・21058円)を下値とする反転態勢にある。今週もNY株や為替をにらんだ神経質な展開が予想されるが、上は123日高値24129円から214日安値20950 までの下げ幅に対する黄金比(38.2%)戻しとなる22164円が意識される。ただ、「円高修復が条件」となるが、価格帯別売買動向では23000円までは戻り待ちの売りは意外に少ない。1ドル=110円が意識される円安修正となれば75日線や23000円程度まで反発する可能性が高まる。また、目先は5日線(同21392円)維持がリバウンド態勢か否かの判断ポイントとなる

タイムスケジュールでは、19日はプレジデンツデーでNY市場は休場。中国は春節のため21日まで休場。今週はこれといったイベントはないが、月末のパウエル米連邦準備理事会(FRB)新議長の議会証言に関心が向かいつつある。


(2018年2月10日)
NY株をにらみつつ200日線〜75日線の荒い値動きが予想される
◆今週の日経平均は前週比1892円安。前週末2日の665ドル安に続き、NYダウは5日も1175ドル安と大幅続落。このNY株急落を受け東京市場もクラッシュ。一時は200日線(9日現在・21002円)に迫る21078円まで下げる場面があった。その後は反発に転じたものの8日のNYダウが1032ドル安となったことを受け再反落。9日終値は21382円。週間では8.1%安と20162月以来約2年ぶりの下落率を記録。123日高値24124円から3週間足らずで11.3%もの急落に見舞われた。
ちなみに、9日のNYダウは330ドル高と反発。一時500ドル下げるなど荒い値動きが続いたが取引終了にかけて買いが優勢になった。一方で円相場が一時10805銭と2017911日以来ほぼ5カ月ぶりの円高水準に上昇。これが影響してかCME日経先物は大証比105円安の21255と冴えない終わり。

今回の下げは『VIX(恐怖指数)ショック』と言われている。2日の米雇用統計発表に端を発した下げだがVIX指数の上昇が下げを増幅したと言われている。詳しい説明は省かせていただくが、VIX指数の上昇がVIX指数をベンチマークとした「リスク・パリティ戦略」を採用していた年金やヘッジファンドの機械的な売りを誘発したと見られている。リスク・パリティとは「リスクを均衡させる」という意味。急落をきっかけに株式のリスク量が他資産に比べて急上昇。リスクを均等にするために株式を売却せざるを得ず、これが下げのスパイラルを誘発したというものだ。
この急落で機関投資家やファンドが一気に含み損に転じたことは想像に難くない。また、個人も「追い証」発生による処分売りを迫られた公算が大きい。この急落の衝撃度は大きく、これまでの上昇メカニズムは完全に崩壊している。
しかし、企業業績は依然好調だ。また、200日線が位置する21000円は予想PER(株価収益率)が13倍を割る水準でもある。前回、予想PER13倍を下回ったのは20167月。英国のEU離脱決定で世界の金融市場が混乱した時だが、債券や為替市場に当時ほどのリスクオフムードはない。こうしたことから、いずれ好業績を手掛かりにした買いが入るとの見方も根強い。

もっとも、まだ一段の下振れ不安が払しょくされているわけではなく、まずは相場の落ち着きどころを探ることが先決となる。下値メドとしてはまず200日が位置する21000円前後となる。ここは強い下値抵抗ラインとなるが、割り込むと2万円まで節目らしい節は見当たらず、2万円が意識される一段深い調整に進む心配が出てくる。一方、下げ止まりには5日線を回復する必要がある5日線がサポートしてくればリバウンド態勢として75日線(同22794円)が上値メドに。来週はNY株をにらみつつ200日線の21000円〜75日線を意識した22500円での荒い値動きが予想される

タイムスケジュールでは、12日(月)は建国記念の日の振替休日で東京市場は休場。そして、米国の金利や物価動向を見極めるうえで14日発表の1月米消費者物価指数(CPI)が注目される2日発表の米雇用統計で平均時給が市場予想以上に上昇したことが、米金利の上昇・世界株安につながったが、平均時給の上昇が寒波などによる一時的要因だったのか、実際に物価上昇圧力が高まっているのかの見極め材料になると見られている。


(2018年2月4日)
2万3000円〜75日線で下げ止まるか?
◆先週の日経平均は前週比357円安。1日こそ「月初上昇のアノマリー?(20カ月連続)」で大幅反発となったが、この日以外は連日の下落。円高は落ち着きを見せてきたものの、米長期金利の上昇を警戒したNY株の下落が重くのしかかっている。金利が上がれば高いPER(株価収益率)を正当化するのが難しくなるうえ、景気にも冷や水となって業績の上方修正期待が剥がれてしまうという読みだ。
こうした中、2日のNYダウは665ドル安の25520ドルと大幅反落。下げ幅は2008121日以来、92カ月ぶりの大きさとなっている。朝方に発表された1月の米雇用統計を受け警戒されていた米長期金利が上昇し、売られた。米雇用統計は非農業部門の雇用者数は前月比20万人増と市場予想以上に増え、物価を占う平均時給も前年同月比2.9%上昇と市場予想を上回った。一方、円相場は日米金利差の拡大を見越した円売り・ドル買いが進み1ドル=1101020銭の円安に。円安とはなったもののNY株の下げに引きずられCME日経先物は大証比360円の2万2960円と大幅続落。

週明けは当然、ショック安が予想されるが、まずは13週線(23043円)も絡む23000円の攻防から。割り込んでくると大納会から大発会に空けたマド(22881円〜23065円)埋めや75日線(2日現在・22759円)が下値意識される。ただ、NY1ドル=110円台に戻しているように円相場は下落圧力がかかりやすくなっている。足元では「株安・円安」となっているが基本「円安・株高」の構図は変わらない。また、国内企業の決算は良好で、23000円以下は累積売買高が多く一定の下げ抵抗も予想される価格帯。こうしたことから23000円を割り込む場面では業績好調を手掛かりにした買いが下支えしそう。一方、上は5日線(同23356円)→25日線(同23545円)が抵抗線として意識される。下げ止まりには5日線、そして調整一巡と捉えられるには25日線を上抜ける必要がある いずれにしろ、今週はNY株をにらみつつ75日線の22800円〜25日線の23500円での荒い値動きが予想される。

タイムスケジュールでは、5日(月)にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長就任式がある。ハト派のイエレン路線を踏襲すると見られているが、上昇している米金利が一段落するキッカケとなるか。この他、6日の12月米貿易収支、9日は2月限SQ算出1月中国消費者物価指数(CPI)などがある。



(2018年1月28日)
円相場をにらみつつ、25日線を下値意識した展開か。
◆先週の日経平均は前週比177円安。米国の暫定予算が可決されたことやNY株高を受け23日に上値のフシとなっていた24000円を抜け、一段高への期待が膨らんだ。しかしそれも束の間、翌日から反落。足を引っ張ったのは円高だ。前々回の当欄で『ドル円相場は〜200日線も下回ってきたことでトレンド的には円高に向かいやすくなっている』とした杞憂が現実のものとなった。ムニューシン米財務長官の「ドル安は米国に利益」との発言を受け、ドル円相場は昨年9月以来となる1ドル=108円台の円高に進んだ。これを嫌気して日経平均は週末にかけ3日続落。5日線、10日線を割り込み25日線が意識される展開となっている。

週末26日はトランプ大統領の「ドルはもっと強くなる」との発言が伝わり円高に一旦歯止めが掛かった。しかし、今度は後方の味方から撃たれた。黒田日銀総裁が26日のダボス会議で「日本はようやく2%のインフレ目標に近い状況にある」と発言。これが日本の金融緩和政策の正常化が近いとの思惑を呼んで円が買われ、NYで一時10828銭まで円高が進んだ。終値は1ドル=1085565銭。一方で、26日のNYダウは223ドル高と連日の大幅高。ナスダック総合指数など主要3指数は軒並み過去最高値を更新。NY株高が好感される動きとなったが、円高が上値を抑えCME終値は大証比95円高の23725円。

今週は第3四半期決算の発表が山場を迎えるが、好業績は株価にある程度織り込まれている。そして円高は、株高の根拠となっていた業績拡大期待を後退させる。ここにきての円高で輸出企業中心に採算が悪化するとの懸念がくすぶりだしており、上値を買い進みにくい状況となっている。むしろ、決算発表を機に利益確定売りも懸念される状況だ。
テクニカル的には、低下してくる5日線(26日現在・23836円)を回復できるかがポイント5日線回復に手間取ると25日線(同・23452円)が意識される展開に。25日線も下回ると50日線の23000円前後まで切り下がる心配が高まる。一方、5日線を回復すれば反発機運が出てくるが、1ドル=110円以上の円安に戻さなければ24000円台乗せは厳しいか。
今週の日経平均は円相場をにらみつつ、25日線を(状況によっては23000円)を下値意識した冴えない展開か


(2018年1月20日)
決算発表入り。2万3500円〜2万4000円での売り買い交錯か
◆今週の日経平均は前週比155円高。17日のNYダウは322ドル高の大幅高となった。これを受けて18日に節目の24000円台に乗せた。しかし24000円乗せも束の間。その後は一時高値から400円弱の下落となる急反落。下値はしっかりしているものの、18日の24000円乗せで一旦「買い気」が出尽くしてしまった印象を受ける格好となっている。急ピッチな上昇に対する警戒感や買いの主体となっていた外国人投資家が売りにまわり始めていることが背景にある。

こうした中、23日の安川電や24日の日電産をはじめ、来週から3月期決算企業の第3四半期(412月)決算の発表が始まる。3月期予想の上方修正がどれだけ広がるかが相場の上昇を占うポイントとなるが、その感触が掴めるまでは24000円台乗せはお預けとなる公算が高まっている。
一方、テクニカル的には、5日線(19日現在・23820円)以上を維持できるかが目先的なポイントとなる。下回っていると145日に空けたマド(23506円〜23520円)埋めとなる23500円が下値意識される。半面、5日線以上で推移すれば24000円を意識した反発の動きが期待される。今期の上方修正期待は高く、下落局面は押し目を拾う買いが入りやすい。しかしその反面、既に好業績を織り込んで上昇してきているため利益確定売りも出やすい。来週はまだ決算発表の序盤で、決算発表の動向を見ながら23500円〜24000円で利益確定売りと押し目買いが交錯する動きとなりそう。

タイムスケジュールでは、23日の金融政策決定会合後の黒田日銀総裁の記者会見(1530)が注目される。市場では円高・ドル安基調をけん制するとの期待があるが、黒田総裁が市場の期待通り緩和継続のメッセージを出せば円安に振れる可能性が高く株価にはプラスに働く。この他では、24日の1月米製造業購買担当者景気指数(PMI)、25日のドラギECB総裁の記者会見、26日の1012月期の米実質GDP速報値などが注目される。


(2018年1月14日)
2万3500〜2万4000円での日柄調整か
◆先週の日経平均は前週比61円安。9日に23952円と14000円に肉薄したが、その後は高値警戒感と円高が重しとなり反落。5日線を割り込み調整ムードが漂っている。もっとも前回「199217日高値2 3901円や節目の24000円が意識される」としたピタリの展開で、チャート的には当然の一服場面と言える。年初から9日高値23952円までの上昇幅は1187円。週末終値は23653円と下げも300円程度と押しは限定的。大きく売り込む動きはなく、目下のところは短期的なスピード調整といった感じだ。

背景にNY株高がある。NYダウは昨年末から11日まで850ドル強の上昇となっている。さらに、12日もNYダウは228ドル高と大幅続伸。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数とSP500種指数とあわせNY株は連日で過去最高値を更新中だ。NY株高を受けCME日経先物は大証比180円高の23820円と大きく反発して返されている。ちなみに、東証が12日に発表した1月第1週(45日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は2週ぶりに買い越し。買越額は4851億円と昨年10月第4週以来、ほぼ2カ月ぶりの大きさで、海外勢が年初の急激な株高をけん引している。

週明けはCMEにサヤ寄せする動きで堅調な始まりが予想される。ただ、NYで円相場が一時1ドル=11092銭と昨年1127日以来の円高水準に振れていることは上値の圧迫要因。24000円に迫る場面では輸出関連株などを中心に上値を抑えそうだ。
今しばらく日柄調整が続きそうだが、まずは5日線(23136円)が基調判断の分岐点となる。上回っていれば節目の24000円を意識した反発の流れに。反対に下回ると10日線や4日〜5日に空けたマド(23506円〜23520 )埋めともなる23500円を下値意識した調整にということで、今週の日経平均は2350024000円での日柄調整継続となりそう。

ただ、円高は警戒要因。ドル円相場は75日線(12日現在11277銭)を割り込み200日線(同11163銭)も下回ってきている。200日線も下回ってきたことでトレンド的には円高に向かいやすくなっている。1ドル=109円台も意識される円高に進むと調整色は強まり、23000円や25日線が意識される一段深い調整に進む可能性が高まる。

タイムスケジュールでは、15日(月)はキング牧師誕生日でNY市場は休場。国内では17日朝に発表される11月の機械受注。海外では16日の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、17日の12月米鉱工業生産、18日の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、12月米住宅着工件数。中国では12日の20171012月期及び17年通年のGDPなどが注目される。



(2018年1月6日)
2万3000〜2万4000円でのボライタルな展開が予想される

2018年度相場は、いきなり741円の大幅高で始まった。こうした場合、新年2日目の相場は下げることが多いが、翌5日も208円高と大幅続伸。年初から僅か2日間で上げ幅は949円にもなり、199216日(23801円)以来26年ぶりの高値水準に届いている。

背景にNY株高がある。NYダウは4日に25000ドルの節目にも乗せた。景況感の改善を示す指標が相次ぐ中、減税効果で景気が一段と拡大するとの見方が株高を後押している。米景気回復が続けば世界経済にもプラスに働くが、NY株高は世界に波及している。
さらに株高に弾みを付けているのが国内の需給だ。年明けの下落リスクを警戒し、年末に向け市場参加者の多くが持ち高を減らしたことは想像に難くない。実際、東証が5日発表した20171229日時点の信用買い残高は2週連続で減少し、1222日申し込み時点に比べて709億円減っている。ところが、新年4日の相場は意外高。上値の壁となっていた23000円をあっさりと超えたことで、ポジション落としていたファンドなどが慌てて買い戻しに動き、売り持ちを抱えていた向きの損失覚悟のショートカバー(買い戻し)も巻き込む株高パターンとなった。また、韓国と北朝鮮による南北高位級会談の開催が決まり、一触即発の緊張が続いていた地政学リスクが和らいだことも大きい。

上昇ピッチの速さに対する警戒感は当然あるが、5日のNYダウは220ドル高の25295ドルとさらに大幅続伸。注目された12月米雇用統計は非農業部門の雇用者増加数が市場予想を下回ったものの賃金上昇などから総体的に堅調と受け止められた。また、米景気拡大が続くなかでも、FRBの利上げは緩やかなペースにとどまるとの見方が強まったことも買い安心感につながった。NY円相場は1ドル=1130010銭。CME日経先物も大証比65円高の23785円としっかり。 

週明けも堅調な展開が予想される状況となっているが、目先の上値メドとしては、199217日高値2 3901円や心理的な節目の24000円が意識される。しかし、僅か2日間で1000円近くも急上昇しているだけなく、来週は「波乱の多いSQ週(12日)」ともなる。短期的な調整も予想されるが、利益確定売りに押されれば5日線(23136円)や心理的な節目の23000円、25 線(22828円)が下値意識されるボライタルな展開が予想される。来週の日経平均は2300024000円での荒い値動きとなりそう。

タイムスケジュールでは、8日(月)は成人の日で休場。海外では、10日(水)の中国消費者物価指数や11日(木)の12月米消費者物価指数などが注目される。そして12日(金)がオプションSQ算出。


(2017年12月23日)
2万3000円台に乗せて締めくくるか
◆今週の日経平均は前週比349円高。前週末のNY株が大幅高となった流れを受け週明け18日は348円高と大幅高。23000円乗せ相場が期待された。しかし、その後は足踏み。18日高値22927円、1922990円、2022923円、2122894円、2222908円と見事に23000円手前で止められる展開が続いた。もっとも、週末終値は22902円と週初の上げ幅(348円高)を維持しており、チャートは上抜けを期待させる形で煮詰まっている。上値に慎重な展開が続いのは、クリスマスを控えて海外投資家が減少、国内機関投資家も秋以降の相場上昇で十分な運用成績が上がっており、ここで無理して先走るより「赤信号みんなで渡れば…」といった横睨みの構えなのだろう。全体相場を映すTOPIX(東証株価指数)は3日連続で年初来高値を更新してきているが、日経平均も23000円からの上昇相場を伺う態勢にある。

22日のNYダウは前日比28ドル安の24754ドル。トランプ米大統領の署名を受け税制改革法が成立した。しかし、法人税引き下げ期待で2か月近くにわたって上昇していたため、税制改革の実現を手がかりとした買いは乏しかった。むしろ、クリスマス休暇前とあって利益確定や持ち高調整を目的とした売りが出やすかった。CME日経先物は大証比20円安の2万2830円。

2017年の相場もあと5日を残すのみとなった。上野のパンダではないが、節目の23000円に乗せてお祝いムードの「シャンシャン」となるか。米税制改革法案の可決後のNY株の「出尽くし売り」も限られ、今後も上昇基調を維持しそう。また、27日からはクリスマス休暇明けの海外投資家の買いが優勢になることも予想される。目下は5日線(22日現在・22885円)に絡んだもみ合いが続いているが、 5日線がサポートしていれば3000円台乗せは時間の問題となる。 また、過去10年間は大納会で前週末を上回ったのが7回(下落は3回)と勝率も高い週。年末高のアノマリーからは23000円に乗せて締める「掉尾(とうび)の一振」が期待される。ただし、翌年の大発会は上下に大きく振れているパターンが多い。来年も株高見通しが大勢だが、大納会が高い場合は年初に下落しているパターンも多く、保有株の持ち越しはリスクを伴うことも念頭に置いておきたい

タイムスケジュールでは、25日(月)はクリスマス休暇で欧米市場は休場。国内では、26日(火)の日銀金融政策決定会合の議事要旨や黒田日銀総裁の講演、28日(木)の日銀金融政策決定会合における主な意見が注目される。そして29日(金)は大納会だ。



(2017年12月16日)
膠着相場が続くか、25日線がポイント。
◆今週の日経平均は前週比258円安。週明け11日に117日の終値ベースでの高値(22937円)を抜き、調整一巡からの上値期待が広がった。しかしFOMCをキッカケとした円高が重しとなりその後軟調な展開に。加えて、楽天の携帯電話参入表明を機に日経平均への影響度が大きい通信3社の下落が背景にあると思うが、先物の裁定解消売りで一段安に売られた。またしても節目の23000円を前に押し返され、119日高値、121日高値、そして1212日高値でトリプルトップ型天井となってしまう懸念が高まっている。
ただ、日本株の先行きに対する強気見通しは崩れていない。米税制改革の成立を見越した買いでNY株は好調を維持。何と言っても、日本企業の業績改善期待は強く、下がる場面では日銀のETF買い期待も相場を支えている。

こうした中、15日のNYダウは143ドル高の24651ドルと大幅反発。米税制改革の成立を見越した買いが入った。共和党は15日夕に修正案を発表。来週前半に上下両院で採決するが、法案が成立すれば現在35%の連邦法人税率は18年から21%に下がり、米企業の利益拡大につながると期待されている。NY株高を受けCME日経先物も大証比165円の22685円と反発。週末の崩れを修復し、25日線が下値を支える上昇トレンドを維持している。

今年もいよいよ残り少なくなってきたが、来週はクリスマス休暇を迎え外国人投資家中心に市場参加者は減少、市場全体の商いは盛り上がりに欠けそうだ。もっとも、それは売り圧力の減少にもつながり仕掛け売り等による下振れ不安も後退する。また、日銀が2021日に開く金融政策決定会合も気になるが、現状維持が見込まれ相場への影響は限られそうだ。

こうしたことから来週は膠着相場となりそうだが、まずは25日線(15日現在・22548円)の攻防が焦点 25日線がサポートしてくれば節目の3000円を上値意識した展開に。 しかし、モメンタムはやや軟調に傾いており25日線がこれまでのようなサポートラインとして機能してこない可能性もある。25日線を割り込むと、一目均衡表の雲の上限(同・22254円)→ 126日安値22119円→心理的節目の22000円が順次の下値メドとして 意識されてくる。
「掉尾(とうび)の一振」期待は後退し、年内は22000円〜23000円のレンジでの推移が続くとの見方が増えている。


(2017年12月10日)
注目は現地時間13日発表のFOMC
◆先週の日経平均は前週比8円安。週前半は続落となり6日には445円安と今年最大の下げ幅を記録。相場の信号機となる25日線を大きく割り込み中短期の上昇トレンドに黄信号が点った。しかし翌7日、8日と二日続けて300円を超える大幅反発。終わってみれば週前半の急落をほぼ取り戻し25日線、5日線も大きく回復。週足は長い下ヒゲを引く短期調整の足で、むしろ相場の腰の強さを示す格好となっている。

日柄ではSQ前後としたが「SQ」を通過して調整一巡感が台頭。また前回「先物を中心にボラティリティーが高まっている」としたが、8日は日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)も大幅に低下。日経平均VIが高まると株価の波乱要因となるが、下がってくると不安心理の後退から株高になりやすい。

こうした中、注目された8日発表の11月米雇用統計は非農業部門の雇用者数が市場予想以上に増え米景気の拡大期待が強まった。これを受け8日のNYダウは117ドル高の24329ドルと過去最高値を更新。円相場も米景気への先行き期待から日米金利差拡大を手がかりとした円売り・ドル買いが進み1ドル=1134555銭。CME日経先物は大証比55円高の22845

波乱の多いメジャーSQも無難に通過。そして、予想を上回った11月の米雇用統計を受けNYダウは大幅に続伸し、円安も進行。週明けの日本株も強調展開が予想され23000円台回復が期待される状況となっている。あとは1213日の米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。市場では追加利上げに踏み切るとの見方が優勢だが、順当であれば、ここでの利上げを機に→円安→株高となる「掉尾(とうび)の一振」期待が高まる。

今週はまず心理的な節目の23000円の攻防から。そしてFOMCも好感されれば119日高値23382円更新も視野に入る。一方下は12SQ値(22590円)の22600円前後が意識される。今週は22600円から23000円ないし23300円が予想レンジとなるが、いずれにしろ今週の注目は現地時間13日発表のFOMCの結果


(2017年12月2日)
米税制改革法案の行方や8日のメジャーSQ、米雇用統計発表も控え神経質な展開か
◆今週の日経平均は前週比269円高。28日のNYダウは255ドル高、29日は103ドル高、そして30日は331ドル高と連日の大幅高。NY株高を追い風に9日高値23382円から16日安値21972円までの下げ幅に対する「半値戻し(22677円)」水準を上限とする「持ち合い」を上抜け、反転基調を強めている
11月の日経平均は月間で713円上昇。波乱を見せた11月相場も終わってみれば大幅上昇となり、月間の上昇は3カ月連続、東証1部の1日平均売買代金も今年初めて3兆円を超えボリュームもアップ。続く師走相場も「上昇しやすい」というアノマリー(経験則)がある。年末にかけ株高の追い風として期待されているのが1213日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)。市場では追加利上げに踏み切るとの見方が優勢。ここでの利上げを機に→円安→株高となる「掉尾(とうび)の一振」シナリオだ。
もっとも、1日に一時22994円と終値ベースの年初来高値(22937円)を上回ったものの、その後急速に上げ幅を縮小。続くNY市場では、ロシア疑惑を巡るトランプ米政権の先行き不透明感が再燃し株は大きく乱高下。CME日経先物は大証比125円安の22655と再び「半値戻し」水準に押し返されている。ここで息切れすると119日高値と121日高値の二番天井形成の形となってしまうため、まだ予断は許さない 

まず株価を左右する大きなカギは、米トランプ政権が公約として掲げている米税制改革法案の行方。議会での成立自体は市場の共通認識となっており、現状は株価の後押し材料となっている。ただ、同法案はまだ上院案と下院案で、減税を実行する時期の一本化作業を残している。法案が成立すればリスクオンの動きからNY株高、円安が進み日経平均の年内高値更新の可能性も高まるだろう。反対に、成立が来年にずれ込めば日経平均23000円以上の相場も来年に持ち越しとなる可能性が高まる。
この他、8日は9GDP改定値発表に「メジャーSQ」、そして米国では11月の米雇用統計の発表が予定されている。週半ば以降はその内容を見極めたいとのムードから積極的な取引が手控えられる可能性もある。

下は引き続き上昇してくる25日線を維持できるかがポイント。上は心理的なフシ目の23000円がフシとなる。あとは日柄だが、相場の潮目が変わりやすい「メジャーSQ」を通過して、「掉尾(とうび)の一振」に向けた相場となるか…



(2017年11月26日)
25日線〜「半値戻し」のレンジをどちらに放れるか
◆先週の日経平均は前週比154円高。安値は20日の22215円、高値は22日の22677円と週間値幅は462円(前週785円、前々週947円)。下がったところでは、これまでの上昇相場に乗り遅れていた国内勢が買いに動いているようだが、高値からの乱高下は落ち着きを見せ「持ち合い相場」に移行してきた。

次のステップは持ち合い相場をどちらに放れるか。週末終値は25日線(24日現在・22242円)、一目「転換線」(同22364円)、10日線(同22396円)、5日線(同22429円)と短期指標をすべて上回る反転形状で、現状は調整一巡から上抜けをにらんだ動きと言える。ただ、上は22757円と9日高値23382円から16日安値21972円までの下げ幅(1410円)に対する「半値戻し(22677円)」水準で跳ね返される動きともなっている。上昇してきている25日線が下値を支える半面、「半値戻し」水準が上値抵抗として作用しており、現状ではまだ、上下どちらに抜けてもおかしくないチャート形状だ。

今後の観察ポイントはこの25日線〜「半値戻し」のレンジをどちらに放れる足が出るか。感謝祭の23日に始まった年末商戦が好調と伝わり24日のNYダウは31ドル高と反発。米国の個人消費を左右する年末商戦の出足は好調なようで、日本株にも好影響を与えそうだ。
しかし、為替の心配は引き続き残る。イエレンFRB議長が22日に「拙速な利上げは低インフレの放置につながる」と発言し、円相場は一時1ドル=11114銭と920日以来、2カ月ぶりの高値を付ける場面があった。この先も12月半ばのFOMCに向けイエレン議長をはじめ、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁やカプラン・ダラス連銀総裁などのFRB高官の発言機会は多く、相場を左右しそう。このほか10月の米個人消費支出などの経済指標も相場を左右しそうだ。足元ではやや円高方向の動きとなっているが、企業の下期前提レートが集中する110円が意識される円高に進むようだと25日線割れから75日線(17日時点・20772円)が意識される一段深い調整に向かう心配が出てくる。

今週の見通しとしては、為替に大きな波乱がなければ、22500円を挟んで上下200円程度での値固めとなりそう。あとは日柄だが、長くても12SQ前後あたりからは再び23000円から上の相場を目指す展開となりそう。いずれにしろ、目先は上昇してくる25日線を維持できるかが重要なポイントとなる。



(2017年11月19日)
25日線を維持できるかが重要なポイント
◆先週の日経平均は前週比285円安。前週からの引き潮相場が続き16日には一時2万1972円まで下落。9日高値2万3382円からの下げ幅は1409円にも達した。背景は、デイリーでお伝えした「海外ヘッジファンドの決算対策売り」と思われる。また、相場の変動率(ボラティリティー)が高まると機械的に出てくるヘッジファンドなどの仕掛け売りも下げに拍車をかけたようだ。
もっとも、9月8日安値1万9239円から11月9日高値2万3382円まで4143円(21.4%)もの上昇を考慮すれば慌てるほどの下げではない。実際、中期的な株高基調は崩れていない。前回「2万2000円が下値メド」としたが、ズバリ。丁度25日線(16日時点・2万1999円)も位置したところだったが、16日に25日線にタッチした2万1972円を安値に反発。そして翌17日には2万2757円と9日高値から16日安値までの下げ幅1409円に対する「半値戻し」を達成するセオリー通りの調整となっている。日経平均の予想PER(株価収益率)は14倍台でまだ割安感があり、下げる場面では、これまでの上昇相場に乗り遅れていた国内機関投資家が買いに動いているようだ。
ちなみに、今回の上昇相場は5年前の「アベノミクス相場」初期の動きに似ている。5年前は2012年11月14日の民主党・野田首相の解散発言から始まり、それから2か月後の2013年1月16日まで上昇して、一旦調整。その後25日線までの調整を経て大きな上昇2波につながっている。今回も9月8日安値1万9239円から2か月後の11月9日に高値2万3382円を付けて反落。同様に25日線までの調整を見せている。同じパターンだとすればしばしの日柄調整を経て上昇2波に向かうとの読みになる。

このように先高観は依然強い。が、目先は振れ幅の大きい展開が続きそうだ。下は25日線が強く意識されるが、今週も25日線〜2万2万2800円の広い範囲での乱高下が予想される。ただし、17日NYで円相場が一時111円95銭と10月16日以来の高値を付けていることは少々気になる。企業の下期前提レートが集中する110円が意識される円高が進むようだと25日線割れから75日線(17日時点・2万0643円)が意識される一段深い調整に向かう心配が出てくる

あとは日柄だ。25日線を割り込まなければ早期の回復が期待できるが、長くても12月SQ前後あたりからは再び2万3000円から上の相場を目指す展開となりそう。いずれにしろ、値幅整理に一巡感は出てきているが、まだ調整不足感は残る。引き続き25日線を維持できるかが重要な観察ポイントとなる。


(2017年11月11日)
海外勢の買いが一巡?一旦は日柄調整、2万2000円が下値メドか。
◆今週の日経平均は前週比142円高。表向きは9週連続の上昇だが、内情は大荒れ。一本調子で上げてきた相場に息切れ感が出てきた。急ピッチの上昇が続き9日に一時前週比850円高となる2万3382円まで買われた。しかしその直後に急落。10日には前週比マイナスとなる2万2511円まで突っ込んだ。デイリーで「踏み上げ相場の最終局面、10日のSQ前後が一旦ピークとなりそう、上にも下にも振れやすい」としてきた通りの展開で、「踏み上げ相場」がもたらした歪の修正、反動といった、起こるべくして起こった動きだ。しかし、これまで続いていた楽観ムードに水を差したことは確かだろう。

背景に海外投資家の変化がある。9月以降、海外投資家の買いが株価を大きく押し上げてきたが、その動きに陰りが出てきた。海外勢は10月(1〜4週)まで2兆2000億円も買い越していたが、東証が9日発表した投資主体別売買動向によれば、11月第1週は500億円強の買い越しにとどまった。日本株の持ち分を引き上げる動きがひとまず一巡したということだろう。もう一つの株高要因となっていたNY株高も9日に一時250ドル超下げるなど息切れ感が漂ってきている。特に株高のよりどころとなってきた法人税減税の行方に不透明感が出てきたことは気がかりだ。

もっとも、9月8日安値1万9239円から11月9日高値2万3382円まで4143円(21.4%)もの上昇を考えれば当然というか、むしろ、調整が遅すぎたといってもいいくらい。市場では悲観視する向きは少なく、あくまでも急ピッチの上昇に対する短期的な調整とする楽観的な声が多い。

いずれにしろ目先は調整モードだが、まずは約1カ月半ぶりに割り込んできた5日線(10日現在・2万2789円)が目先的な基調判断のポイントとなる。抜ければ2万3000円がメドに。一方、外国人投資家の買いに陰りが出る中、個人投資家は逆に5週ぶりの買い越しに転じている。出遅れていた個人が買いに転じ始めたということだが、国内機関投資家も上昇相場に乗り遅れていたのは同じで、心理的な節目の2万2000円に近付く水準ではこうした国内勢の買いや日銀による上場投資信託(ETF)が下値を支えそう。 

ただし、ボラティリティは上がっており、値幅では2万2000〜3000円の間で少々荒い展開が予想される。問題は日柄調整がどの程度続くかだが、長くても12月SQ前後あたりからは年明けに向けた政策期待などから再び2万3000円から上の相場を目指す展開となりそう。


(2017年11月4日)
まずは2万2500円を抑え込むかがポイント
◆今週の日経平均は前週比531円高。2日終値は2万2539円と早くも2万2500円乗せを達成。1996年6月の戻り高値2万2750円(終値2万2666円)に迫っている。背景は、海外勢による買いの加速。東証が2日に発表した投資部門別売買動向によると、海外勢は10月第4週も6703億円を買い越し、9月第4週からの買越額は累計で2兆4342億円にも及ぶ。また、短期売買のヘッジファンドに加え、年金基金や政府系ファンドなどの長期資金も流入し始めているようだ。こうした長期資金は一度買い始めると数カ月にわたって買い続ける傾向が強く、息の長い相場の上昇につながりやすい。

日本株買いの理由は好調な企業業績だ。好決算はある程度織り込みとの見方が大勢だったが、蓋を開けてみれば予想をはるかに上回る好調ぶり。業績上振れを反映した日経平均の予想PERは15.3倍とNY株(20.6倍)などに比べまだまだ低く、割高な外国株から出遅れていた日本株への資金シフトが続いている。また、押し目らしい押し目もない上昇が続いていることで、思うように買えていない向きも多いようだ。一方で、国内投資家はもっと深刻だ。個人のこの間の売越額の合計は2兆7893億円にも達し、金融機関も7週連続の売り越しで合計額は6819億円。下がると上昇相場に乗り遅れた国内投資家からの買いも入るため、相場は益々下げづらくなっている。
一方、懸案だった米連邦準備理事会(FRB)の次期議長はパウエル理事で決定したもよう。イエレン議長の路線をおおむね引き継ぐとの見方から2日のNYダウは81ドル高と、市場は「パウエル議長」をひとまず歓迎。NY市場の株高の流れにも変化はなく、来週も好調な企業業績を手掛かりに買い越し基調が続く可能性が高い。

リスク要因としては6日の日米首脳会談。トランプ氏から日本経済にマイナスとなる要求があれば相場の潮目が変わりかねない。また、トランプ米大統領のアジア歴訪は「北朝鮮の核・ミサイル問題への対応が最大の議題」。それに神経を尖らせている北朝鮮の動きも気になるところだ。もちろん、9月8日の直近安値1万9239円から3301円(17.1%)もの上昇となっておりどこで調整に入ってもおかしくない。当然、調整シナリオも見て臨むところだが、こうした大きな流れに乗った相場は、明確な売りシグナルが出るまで「流れに逆らわない順張りが基本」とされている。

ということで、来週はまず2万2500円を抑え込むかがポイント。抑え込めば96年6月高値2万2750円(終値2万2666円)が目安となる。一方下は急上昇している5日線が メドになるが、来週は2万2500円を基調の分岐点に2万2250円〜2万2750円のレンジを予想

タイムスケジュールでは、6日(月)の日米首脳会談、9日(木)の9月の機械受注と10〜12月期見通し、そして週末の10日(金)のオプション11月限のSQ算出。


(2017年10月29日)
2万1500円〜2万2500円のレンジを予想

◆先週の日経平均は前週比551円高。9月8日の直近安値1万9239円の翌週から7週連続の上昇で、27日終値は2万2008円と瞬く間に2万2000円台に到達。この間の上昇幅は2777円、上昇率は14.4%にも達している。衆院選での与党大勝で安倍首相の経済政策「アベノミクス」が加速するとの期待。さらに本格化している第2四半期決算は予想を上回る好調で、来期の業績期待が急速に高まってきたことが一段高の背景にある。
主導しているのは外国人投資家だ。これまで述べてきたように日本株の「持たざるリスク」。さらに、2万1000円から上は売り圧力の少ない「需給の真空地帯」でもあるが、押し目らしい押し目もない上昇が続き依然、買い切れていない海外勢も多いようだ。

その外国人の投資行動としては、選挙直後は一旦材料出尽くしで売りに回っても、その後は再び戻ってくるパターンが多い。過去、選挙のあった月の1カ月後は6回売り越しているが、2カ月後は8回買い越し、3カ月後は10回と最終的にはすべて買い越しとなっている。まして今回は上昇に乗り切れていない海外投資家は多いと見られ、売りなど、とんでもないことなのかもしれない。
チャート波動でも、12年11月に始まったアベノミクス相場は、第1波が日経平均9000円から1万5000円前後。そして前回衆院選相場の14年10月から15年6高値までの2万0952円が第2波だ。その第2波の高値を抜いてきたことで上昇第3波を読む市場関係者が増えている。こうした見方も強気の背景にある。一方で、現状では為替やNYダウの波乱や鳴りを潜めている北朝鮮の暴発以外に悪材料が見当たらないのも事実。

あれほど2万1000円の壁が厚いとされてきたが、上抜いてみると実にあっさりしたものだ。大きな節目を次々と突破し1996年6月につけたバブル崩壊後の戻り高値2万2750円(終値2万2666円)も視野に入ってきた。さらには91年10月以来の2万5000円ラインも見えてくるが、まずは心理的な節目の2万2500円が次の目安となる。もちろん、テクニカル的な過熱感や3連休を控え調整も見なくてはならない。下振れした場合は25日線(27日現在・2万0983円)が意識されるが、まずは2万1500円がフシ。今週は2万1500円〜2万2500円のレンジを予想。

ちなみに、96年6月高値2万2750円を抜くと何と3万円前後までチャートのフシはない。しかし、当時とは日経平均の構成銘柄は大きく違い、実質的にはこうしたチャートのフシに大きな意味はない。あくまでも、何か指標がないと全体が見えづらいための目安に過ぎない。


(2017年10月21日)
株高続くか、まずは22日に投開票の衆院選次第。
◆今週の日経平均は前週比302円高。20日まで14日連続の上昇となり、14日連騰は1960年12月から61年1月にかけて記録した歴代最長記録に並ぶ。海外勢を中心に出遅れ感のある日本株に「持たざるリスク」を意識した買いが入っている他、ベア型ファンドを保有していた投資家が買い戻しを迫られているという。投資尺度からみた日本株には割安感がある。PBR(株価純資産倍率)は1.3倍。3倍近い米国株など他国を下回る。さらに、前回も述べたが2万1000円から上は戻り売り圧力の少ない「需給の真空地帯」と見られていることが外国人買いの背景にある。また、来週から本格化する4〜9月期決算発表で上方修正が相次ぐとの期待から国内機関投資家の買いも続いている。

もちろん、日経平均の14日続伸やサイコロジカルライン100%と歴史的な過熱感は否めない。また衆院選は与党優位が伝わっているが、どんでん返しの結果となれば「ブラックスワン(黒い白鳥)」の到来につながりかねない。この他、北朝鮮リスクやスペインの北東部カタルーニャ州では独立問題もくすぶる。押し目らしい押し目もなく上昇してきているだけでなく、過去の衆院選では株価は投票日まで上昇するがその後は反落しているパターンも多い。ジンクス通り選挙後には調整に入ると見るのが自然な流れかもしれない。しかし、この上昇に乗れていない機関投資家は多いと見られ、調整があっても、この上昇相場はそう簡単には崩れそうにないというのが本音だ。

こうした中、20日のNYダウは165ドル高の2万3328ドルと大幅高で6日続伸。米上院が2018年度の予算決議案を可決し法人減税の実現期待が高まり続伸。NY円相場も1ドル=113円45〜55銭と円安に振れ、CME日経先物は大証比105円高の2万1555円と一段高。

後は22日に投開票となる衆院選。波乱がなければNYダウの上昇や円安を追い風に週明けも強含みそう。週明け23日も上昇すれば15日続伸で56年9カ月ぶりに記録を塗り替えることになるが、引きつづき強気を維持しつつも調整に向かうシナリオも見ながら臨む局面だろう。
まずは2万1500円のフシを明確に抜けるか。抜けてくると96年10月18日高値の 2万1788円が意識されてくる。一方、下振れした場合は25日線(20日現在・2万0652円)が意識されるが、25日線は目下急ピッチで上昇してきており日柄なども考慮すると2万1000円あたりが下値のフシとなる


(2017年10月15日)
2万1000円を挟んで上下500円程度のレンジを想定。
◆先週の日経平均は前週比465円高。13日まで9日連続の上昇となり13日終値は2万1155円と1996年11月27日以来、約21年ぶりとなる高値を回復。その13日、市場で話題になったのは、突如として急伸した午後の動きだった。引き金を引いたのは、これまで日本株に弱気だった海外勢だ。海外投資家の多くは北朝鮮情勢の緊迫化や安倍政権の支持率低下を警戒し、日本株の保有比率を「アンダーウエート」にしていた。また、戻してもせいぜい2万1000円として、日経リンク債などを用いた売りポジションも作っていたようだ。ファストリテーリングがそのトリガーを引いたようだが、売り持ちを抱えていた海外勢が、上限とみていた2万1000円の壁も突破してきたことで損失覚悟の買い戻しに動いたという。
20年の長きにわたって関門となっていた2万1000円の壁を抜けてきた意味は大きいが、2万1000円から上は意外にも戻り売り圧力の少ない価格帯となる。上昇に弾みもついてきており、展開次第では1996年6月高値の2万2750円も視野に入ってくる。

とは言え、25日騰落レシオが137%まで上昇するなど、上昇ピッチは速くテクニカル的な過熱感は否めない。今月下旬から発表が本格化する4〜9月期決算で上方修正が相次ぐ期待が高まる中、22日投開票の衆院選での与党優勢観測も上昇相場を後押ししているが、それもある程度は織り込んできている。もちろん与党が敗北するようなことになれば急落するだろうが、そうでなくとも、過去の衆院選では株価は投票日まで上昇するが、その後は反落しているパターンが多い。また、北朝鮮リスクも残る。

ということで前回同様、強気を維持しつつもスピード調整に向かうシナリオも見ておきたいところだが、次のフシは1996年11月27日高値(2万1460円)の2万1500円前後。ここも抜けてくると同年10月18日高値の 2万1788円が意識されてくるが、まずは2万1500円前後を高値として。一方、下振れした場合は25日線(2万0292円)が意識されるが、25日線は目下急ピッチで上昇してきており日柄なども考慮すると2万0500円あたりが下値のフシとなりそう。今週は2万1000円を挟んで上下に500円程度のレンジが予想される


(2017年10月7日
15年6月高値2万0868円更新が意識されるが…
◆今週の日経平均は前週比334円高。6日まで5日続伸で年初来高値を更新。6日終値2万0690円は15年8月11日(終値2万720円)以来2年2カ月ぶりの高値水準。9月の米雇用統計を受け、6日NYでは一時113円44銭と7月14日以来の円安水準を付ける場面もあったが、12月の追加利上げ観測の高まりから日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いも入りやすい。こうした円安基調にNY株高。また、今月後半から本格化する第2四半期決算発表への期待も高い。前回も述べたが、為替動向に大きな変化がなければ、この中間期で上方修正の発表が相次いでくる可能性もある。NY株や為替に大きなアクシデントがなければ2015年6月24日につけた「アベノミクス相場」の最高値2万0868円更新が意識される状況だ。

ただ、相場に過熱感もあり調整に向かうシナリオも見ておきたい。足元の相場は10日に公示される衆院選を気にする展開となっている。6日に発表された「希望の党」の政権公約はやや説得力に欠け、市場関係者の間では与党勝利と安倍首相の続投がメーンシナリオになりつつある。しかし、ちょっとしたスキャンダルや失言で変わってしまうのも選挙。与党の過半数割れまではいかないにしても、小池氏が率いる「希望の党」が議席を伸ばすような見通しが示されると株式市場に警戒感が広がることは必至。
また、現地時間6日に「北朝鮮が米西海岸まで届く新たな長距離ミサイルを試験発射する用意がある」と報じられ、NY市場はこれを懸念する動きも見せたが、北朝鮮問題やカタルーニャ独立問題も相場に影響を与えるリスクとして残る。

とは言え、現状は15年6月高値2万0868円更新が意識される。また、信用売り残なども高水準に積み上がっていることから一時的な「踏み上げ相場」となる可能性もある。その場合、15年6月24日ザラ場高値2万0952円。つまり上は2万1000円が意識される。一方、相場は9月8日安値1万9239円から10月6日高値2万0721円まで短期間で1482円も上昇している。このため下に振れると、上げ幅の半値(741円)押し水準。25日線(20057円)、75日線(19949円)が控える2万円前後まで下振れする可能性もあるため注意が必要だ。ということで、来週は2万1000円も見た強気を維持しつつも、「波乱のSQ週」でもあることから、下に振れた場合は2万円となるボライタルな展開も想定して

タイムスケジュールでは、国内では、10日(火)に衆院選公示(22日投開票)され名実ともに選挙戦に突入する。そして13日(金)はオプションSQ。



(2017年10月1日)
まずは2万0250円〜2万0500円のレンジを想定
◆先週の日経平均は前週比60円高。ただ、9月配当権利落ち(約130円)を埋めてのプラスで実質は前週比200円近い上昇。トランプ大統領が27日発表した減税案などを受け一時は1ドル=113円台まで円安が進んだが、NY株高と円安が引き続き相場をけん引。TOPIXは再び年初来高値を更新してきているが、日経平均も2015年6月24日に付けたアベノミクスの最高値である2万0868円が視野に入ってもおかしくない。

しかし、一段高の原動力となった衆議院選挙が逆に相場の重しとなってきている。「選挙は買い」とする経験則に従うなら10月22日の投開票に向けては堅調な値動きが期待できる。しかしそれは自民党優勢との見通しが前提。蓋を開け見れば、小池百合子都知事が代表を務める新党「希望の党」が急速に勢力を拡大。このま小池新党の勢いが増して現政権を脅かすようなら、アベノミクスに不透明感が増し、外国人投資家がリスクオフの動きに転じる心配もある。ここから22日の投開票に向けテレビや新聞の世論調査に振り回されることになりそうだが、与党の過半数割れまではいかないにしても、現有322議席から50〜60議席減るような見通しが示され始めると株式市場に警戒感が広がることは必至。もちろん、北朝鮮リスクも引き続き警戒される。

29日のNYダウは23ドル高の2万2405ドルと3日続伸。NY円相場は1ドル=112円45〜55銭。CME日経先物は大証比変わらずの2万0360円。
今週はまず2万0250円〜2万0500円のレンジを想定。上は2万500円が抵抗ラインとなっているが、ここを抜けてくると2015年6月24日に付けた高値2万0868円トライが視野に入ってくる。一方下は9月27日〜28日に空けたマド(2万0278円〜2万0299円)埋めとなる2万0250円が意識されるが、ここを割り込んでくると2万円が下値意識される流れに。

ただ、ぶっちゃけた話。今回の選挙状況を見ると10月22日の投開票に向け相場は警戒感を強めそうだ。しかし、その一方で10月22日前後からは第2四半期の決算発表が始まる。第1四半期決算では上方修正が期待される企業が数多く出ていたが、この時点では、大多数の企業が上方修正は見送っている。つまり、投票日の22日と前後して上方修正の発表が相次いでくる可能性がある訳だ。株価はやはり業績見通しが大きく影響する。仮に投開票の22日に向け下がる場面があればそこは絶好の買い場になるかもしれない。

タイムスケジュールでは、国内では2日(月)日銀短観、米国では4日(水)のイエレンFRB議長の講演、6日(金)の9月の米雇用統計が注目される。



(2017年9月23日)
2万円〜2万500円で2万円の大台固めか
◆今週の日経平均は前週比387円高と大幅続伸。NY株高と円安基調が追い風となる中、衆議院解散・総選挙が上昇相場にさらに弾みをつけた。1993年以降の8回の衆院選のうち、TOPIXは解散日の20営業日前から選挙日にかけ7回上昇した経緯がある。この経験則に基づいて「選挙は買い」と見る投資家が多い。そしてFRBが20日のFOMCで年内の利上げを示唆し、さらに円安が進行。抵抗が予想された2万円のフシもあっさりと突破し、一時は前週比572円高となる2万0481円まで買われる場面があった。
背景は海外投資家の買い。東証が22日に発表した9月第2週の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は8週連続の売り越しで、売越額は4172億円だった。しかしその一方で、大証が22日に発表した先物の投資部門別売買動向では、海外投資家は逆に前の週の102億円の売り越しから一転、1兆125億円もの大幅な買い越しとなっている。先物の売り持ちを解消する買い戻しに、9月末の中間配当取りを控え、先物売りと組み合わせた現物株買いを解消する動きもあったようだ。

チャートは新たな上昇トレンド入りを示唆。一種の「踏み上げ相場」の様相も呈しており、NY米高と円安基調が続けば2015年6月24日に付けたアベノミクスの最高値である2万0868円も射程圏に入ってくる
ただ、9月8日ザラ場安値1万9239円から21日ザラ場高値2万0481円まで1242円もの上昇となっており目先は利益確定売りが出やすい。また上述したように、今回の高値更新は新規の実需買いが入っての動きではなく、先物に絡んだポジションの巻き戻しが中心。買い戻しが一巡すれば決算対策売りや郵政株売り出し(1兆3000億円)に伴う換金売りが出てくる可能性もある。さらに、今度は太平洋上での水爆実験と言い出しているが、北朝鮮が万が一、水爆実験に踏み切れば、実質的な被害が出る可能性もあり、地政学リスクが再燃しそうな心配もある。こうしたことから強気を維持しつつも短期的には調整がありそうな場面で、来週は2万円〜2万500円で2万円の大台固めとみるところか

タイムスケジュールでは、27日が9月中間決算の配当権利落ち日。先物と現物の価格差は約130円あるがどちらの価格に寄ってくるか。この他、26日のイエレンFRB議長の講演、29日発表のPCEデフレーターが注目される。年内の追加利上げへの確信を深める内容ならば、1ドル=113円台後半まで下落とする見方があり、となれば、株価も一段高へと進む可能性が高まる。



(2017年9月16日)
2万円台に乗せるか
◆先週末時点では一段の下落も心配されたが、今週の日経平均は前週比635円高と大幅反発。北朝鮮建国記念日の9日に警戒されていた挑発行動がなく週初から買い戻しが先行。予想以上に強い戻りを見せ、週初の11日に最初の関門となっていた200日線(15日時点・1万9443円)を回復し25日線(同1万9547円)まで反発。そして翌12日もNY株高と円安を追い風に25日線抜けから一気に75日線(同1万9868円)まで届く大幅続伸。さらに、週末15日早朝、北朝鮮が再び日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。前日までの大幅高の反動と地政学リスクを嫌気した売りで大幅安も心配されたものの、市場の動揺は全くといっていいほどなかった。日経平均の下げ幅は僅か20円ほどに止まり結局、102円高の1万9909円と反発。

米トランプ大統領が強硬姿勢を緩めつつあり武力衝突には発展しにくいという見方が広がっているためか、地政学リスクへの耐性も強まり、NY株高と円安基調を背景に相場の地合いは一変。週間の上げ幅は635円と今年最大。上昇相場への転換点となる75日線も抜け2万円復帰が射程圏に入っている。
こうした中、15日のNYダウは64ドルと6日続伸。円相場も欧州時間帯に一時111円台まで下げる場面もあり1ドル=110円80〜90銭。円安進行とNY株高を手がかりにCME日経先物は大証比50円高の1万9840円。現物ベースに換算すると2万円トライの動きとなっている。

NY株高と円安基調を背景に来週の日経平均は心理的な節目の2万円を回復する場面もありそうだ。ただ、2万円から上は19〜20日のFOMCの結果次第。FOMC で12月の利上げについて過度に強気な見方が出なければNY株の上昇は続きそうで、その場合、6月20日の終値ベースの高値2万0230円が上値メドとして意識される。もっとも、上昇ピッチの速さもあるが、2万円から上はこれまでのように軽い足取りでは進めない。地政学リスクへの警戒がいつまた起こるともしれず、何よりも2万円から上は需給的な戻り売り圧力が強まる水準。

来週の日経平均のレンジは25日線〜6月20日高値(終値ベース)2万0230円を予想。チャート的には25日線を上回った事で下落局面から脱した形で、次のポイントは75日線を維持できるか。75日線は上昇・下降の転換点となる地点で上回っていれば上昇相場、下降相場で戻り売りパターンとなる

◇18日(月)は「敬老の日」で休場。



(2017年9月9)
1万9000円〜1万9500円のレンジを予想。
◆今週の日経平均は前週比417円と大幅反落。北朝鮮が3日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水素爆弾の実験に成功したと発表。北朝鮮の建国記念日となる9日にも「何が起こるか分からない」としてリスク回避の売りが膨らんだ。「レーバーデー」明け5日のNYダウは234ドル安と大幅反落。米長期金利の低下も重なって円高も進み、円は8日に1ドル=107円台後半と10カ月ぶりの円高水準を付けた。週末8日の日経平均終値は1万9274円と200日線も完全に割り込んだ。昨年6月をボトムとする長期の上昇トレンドにも亀裂が入り、一段の下振れリスクが高まっている。
8日のNYダウは13ドル高の2万1797ドルと小反発となったが、NY円相場は1ドル=107円80〜90銭。CNE日経先物も大証比10円高の1万9150円と引き続き厳しい位置にある。

週明けも下値を探る動きから始まりそうだが、次は52週線(1万8968円)の1万9000円前後が下値メドとなる。日経平均を価格帯別売買代金で見ると、16年11月に始まった「トランプラリー」以降、1万9100円〜1万9300円の価格帯で最も売買代金が膨らんでおり、この価格帯は強い抵抗帯となる。さらに、8日の日経225の予想PER(株価収益率)は13.69倍と1年ぶりの水準に低下、予想配当利回りは1.83%と逆に10カ月ぶり高水準にあり投資指標面からも買いが入りやすい価格帯。また、9日の北朝鮮の建国記念日を意識してポジションを落とす動きも出ており株価には織り込み始めている。仮に9日を何事もなく通過すれば持ち高を減らしていた投資家が買いに動く可能性もある。この他「メジャーSQ」も通過し目先の大きな波乱要因の一つは解消されている。こうした点からここから下は下方硬直を見せそう。もっとも、北朝鮮リスクは当面くすぶり続けると思われ、上も限られそう。現状では1万9000円〜1万9500円のレンジを予想。

ただし、北朝鮮がなんらかの挑発行動に出るなどさらに緊迫感を増してくれば円買いに弾みがつく可能性があり、エリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%押しに当たる1万8200円という暴落シナリオも浮かんでくる。また、日経平均1万9000円から下は価格帯別売買代金が少ない真空地帯となるため、この場合、一気に株安が進みかねない点も留意しておきたい。また、低下してきている25日線、200日線を早期に上回らないと下振れリスクが高まってくる


(2017年9月2日)
まずは25日線の攻防から、レンジは1万9500円〜75日線か。
◆今週の日経平均は前週比239円高。29日早朝に北朝鮮がミサイルを発射、日本上空を通過して太平洋上に落下した。地政学リスクの高まりから円相場は1ドル=108円台前半と4カ月半ぶりの円高に進み、シカゴ先物市場でNYダウは一時147ドル安、日経平均先物も一時1万9175円と大幅安となった。これを受け売り先行の始まりとなったが意外に底堅く200日線がサポート。その後も「軍事衝突にまでは至らない」との見方からNYダウは3日続伸。為替も1ドル=110円台半ばに引き戻し反発。結局、前週に続き200日線のところで下げ止まり反発した格好。前回「来週は200日線〜25日線を意識した1万9750円前後のレンジを予想」としたが、下は200日線、上も1万9735円とズバリ。
尚、1日のNYダウは前日比39ドル高の2万1987ドルと4日続伸。緩和的な金融環境が長期化するとの期待から幅広い銘柄に買いが入ったが、3連休を控えた週末とあって上値は重かった。円相場は1ドル=110円20〜30銭。CME日経先物は大証比変わらずの1万9690円。

波乱の様相をみせたものの終わってみれば7週間ぶりの反発。チャートは200日線で底打ちした格好で週足チャートでは昨年6月をボトムとする上昇基調を維持。そして25日線まで引き戻し、再び上昇転換に復帰するか、25日線までの自律反発で終わってしまうか、といった局面にある

まずは25日線を上回れるか。通常は25日線を上抜ければ再上昇転換となるが、25日線が75日線を下回るDクロス状態では信ぴょう性は低い。ここでの25日線回復はあくまで短期的な底打ちで、75日線を上回れなければ戻り売り相場となる。堅調なTOPIXに比べ日経平均に出遅れ感が出ていることは追い風だ。しかし、このまますんなりと強気相場に転じるムードはない。7日にはECB(欧州中央銀行)理事会、週末8日は「波乱の多いメジャーSQ」、そして9日に北朝鮮の建国記念日にあたりなんらかの挑発行為も心配されるところ。また、日経平均の月間騰落率を見ると9月は2000年から16年までの17年間で6勝11敗とパフォーマンスが年間で最も悪い月。世界的な金融危機となった「リーマン・ショック」が起きたのも08年9月だ。 今しばらく積極的に上値を追うのは難しそうで、25日線を抜けても上は75日線(1万9879円)がメドか。一方下は上昇してきている200日線(1万9360円)がメド。
来週は25日線を意識した攻防を続ける可能性が高いが、レンジは1万9500円〜75日線を予想。


(2017年8月26日)
200日線〜1万9750円前後のレンジを予想

◆今週の日経平均は前週比18円安。小幅ながらも6週連続の下落は3年7カ月ぶりとなる。ただ、225先物は22日に夜間取引で1万9250円まで売られたが、ほぼ200日線のところで下げ止まった格好。そして週末25日は終値で5日線(1万9403円)を回復。最後の抵抗ラインとなる200日線(1万9296円)で一旦底が入ったような動きを見せ始めている。

こうした中、25日のNYダウは30ドル高の2万1813ドルと3日ぶりに反発。一方、注目されたジャクソンホール会議ではイエレンFRB議長が金融政策に言及しなかったことで小幅ながら円買い・ドル売りが広がり、NY円相場は1ドル=109円35〜45銭。CME日経先物は大証終値と同じ1万9450円。

日経平均の予想PERは13.73倍(25日現在)と指標面から売られすぎ感は顕著で、チャートも底入れの兆しを見せ始めている。こうした視点から目先は反発しやすい状況にあると言える。ただ、チャートは25日線が75日線を下回るDクロスを示現しており完全に調整局面入りしたと判断される形。また、やや落ち着きを見せているが北朝鮮リスクは健在、為替も1ドル=109円台で一段の円高も心配される動きを見せており、本格的に買い上がっていくムードにはない。反発しても25日線を意識した1万9750円前後がメドとなりそう。一方下は取敢えず200日線が下値ラインとなっている。こうした点から、来週は200日線〜1万9750円前後のレンジを予想

尚、200日線は強い下値抵抗ラインとなるところで、そう簡単に崩されないとは思うが、崩されると52週線(1万8871円)水準。さらにはエリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%押しに当たる1万8200円近辺という暴落シナリオも浮かんでくる。いずれにしろ株価的には25日線を上回れるか、せり上がってきている200日線がサポートするか、この点が大きな基調判断のポイントとなる。

ちなみに、相場とは直接関係ないが、サッカーW杯アジア最終予選で日本が豪州と対戦。勝てば6大会連続の出場が決まるとあって、31日は兜町から早帰りのサラリーマンが増えそうだ。開場は埼玉スタジアムでキックオフは19時35分、テレビ放映はテレビ朝日系列。勝てば1日の物色センチメントは良くなる。そして、3日(日)の秋篠宮眞子様の婚約内定発表を控えて、公的資金は1日の大引けはプラスに?誘導か。ちなみに週末9月1日は大安でもある。イベントでは、週末にかけて上昇するベストシナリオが見えてくる。



(2017年8月21日)
全体期待薄でも、個別とIPOで
◆今週の日経平均は前週比252円安。前週の223円安と合わせると500円近くの値下がりだ。北朝鮮リスクがやや後退したものの米国トランプ政権が瞑想し何よりも110円を割り込む円高が痛い。「8月相場は鬼門」としてきたが、9月相場は、日経平均で見て東証開所以来上げ31回、下げ37回と唯一の負け越し月で上昇確率は年間で最低の月。実はNYダウも同じだ。そのため、ここからは動く銘柄により資金が集中しやすくなる。

特にIPOでは話題性の高い∪∪∪M3990が30日にマザーズに新規上場。美人社長が注目されるウォンテッドリー3991は9月14日上場、8月28日に仮条件が決定する。2004年以降で公開価格対比の初値上昇率がトップなのは2005年9月上場のオールアバウトで7.77倍。ウォンテッドリーは想定価格880円で、このオールアバウトの持つ記録を更新する可能性を持っている銘柄だ。また、AI関連銘柄として9月22日にマザーズに登場するPKSHA Technology3993はドコモ、伊藤忠が大株主で驚異的な成長が見込まれる。この∪∪∪M3990、ウォンテッドリー3991、PKSHA Technology3993のうち1銘柄でも公募玉がゲットできれば、今年は左うちわで年を超えることが出来る。全体相場は期待薄でもIPOが動けば個別物色も局地的には大きく盛り上がる可能性大だ。ちなみにウォンテッドリーは日本経済新聞が第7位大株主の変わり種だ。



(2017年8月11日)
200日線(1万9186円)までの調整も視野に
◆今週の日経平均は前週比223円安。前回「8月は鬼門」とする相場ジンクスがあるとしたが、こうした杞憂が現実となり株式市場は一転して波乱の様相を呈してきた。日経平均は9日に緊迫度を増した北朝鮮リスクが嫌気され一段安。4月以降の下値支持水準として機能していた75日線(1万9888円)を割り込んだ。75日線は上昇・下降転換のポイントとなるが2カ月間続いた「膠着相場」の終わり、2万円を挟んだ持ち合いを下放れた格好だ。

その北朝鮮リスクは10日のNY市場でさらに増大。北朝鮮が米グアムに向けて弾道ミサイルを発射する計画を発表。米国と北朝鮮の軍事衝突へのリスクが高まり市場心理が急速に悪化。10日のNYダウは204ドル安の2万1844ドルと大幅続落。また、7月下旬には8.84ポイントと過去最低まで低下していたVIX「恐怖指数」も米大統領選の投開票日だった2016年11月8日以来の高さとなる16.04ポイントまで上昇している。円相場は、10日NYでは1ドル=109円15〜25銭、11日の東京市場では1ドル=108.88円とさらに円高が進み6月14日以来の円高水準となっているCME日経先物も大証比365円安の1万9355円と一段安。次の下値メドとなっていた26週線(1万9568円)も大きく割り込み、早くも200日線(1万9186円)までの調整も視野に入る状況となっている

ただでさえ8月の夏季休暇シーズンで持ち高整理の売りが出やすいところに、北朝鮮リスクが重なり一段とリスクオフに傾きやすくなっている。また、膠着相場でパフォーマンスを出せなかったヘッジファンドが、ここぞとばかりに、この機に乗じて売り崩しに動く可能性もある。北朝鮮問題の動向次第では、一段の売り崩し相場にも発展しかねない。取敢えずは「下げても200日線まで」としておくところだが、最悪の場合は52週線(1万8701円)水準。さらにはエリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%戻しに当たる1万8200円近辺という暴落シナリオもなきにしもあらず

半面、週明け14日発表の4〜6月期のGDP(国内総生産)速報値は好材料になる可能性がある。GDP速報値は実質の年率換算で前期比2.5%増程度が見込まれており、予想通りなら6四半期連続のプラス成長で、自律反発を期待する買いが入る可能性も。もっとも、戻れば売られやすく上は8月SQ値(1万9825円)、75日線が当面のメドとして意識されそう。いずれにしろどこが底となるか。まずは急低下してくる5日線回復が下げ止まりの第一ステップとなる



(2017年8月5日
引き続き2万円を挟んだ狭いレンジの展開か

◆今週の日経平均は前週比7円安。4日の日中値幅は50円92銭と今年最低の37円93銭(3月14日)に次ぐ小ささとなったが、週間でも222円と狭いレンジでの展開が続いた。2万円を挟んだ膠着相場がつづいていた結果、4日の5日線は1万9994円、10日線は1万9998円、一目均衡表「転換線」2万0033円、25日線は2万0038円、一目均衡表「基準線」2万0061円と短期の主要指標はすべて節目の2万円に収れんされてきている。2万円を挟んだ持ち合いが長期化しているが、中期線の75日線(1万9813円)もほどなく接触してくる。

今週は好調な今3月期第1四半期決算に、連日史上最高値を更新しているNYダウが買い気を支えた一方、1ドル=109円台にまで入ってきた円高を嫌気して下振れをにおわせる展開となった。尚、内閣改造に対しては「安定感はあるが、新鮮味も乏しく相場への影響は限定的」との評価が多い。
今週の円高は、7月の米雇用統計を睨んでの動きで、伸び率が前月の2.5%を下回るとの予想が多かった。インフレ圧力の低下による追加利上げペースの鈍化観測が円高・ドル安につながった。しかし、4日朝発表の米7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、6月分も上方修正された。失業率は前回から低下し市場予想と一致。平均時給も市場予想と一致し、前月から伸びが加速した。この強い雇用統計を受けてNYダウは66ドル高の2万2092ドルと9連騰し8日連続で最高値を更新。円相場も米利上げペースが鈍化するとの観測が後退。1ドル=110円65〜75銭と反落。円相場の反落とNY株高を好感し、CME日経先物は大証比75円高の2万0025円と節目の2万円台に戻している。

週明けは無難なスタートとなりそうだが、来週も為替やNY株を見ながら2万円を挟んだ狭いレンジでの展開が続きそう。8月は国内外の投資家が夏季休暇に入り様子見ムードが強まる。要は「夏枯れ相場」というやつで2万円を挟んで1万9900円〜2万0100円の展開か

ただし、「8月は鬼門」とする相場ジンクスもある。夏休み期間中で市場参加者が少なくなるため、投機的な売買で相場が乱高下しやすいからだ。また、来週は3連休前に加え「波乱のSQ週」ともなる。相場はかなり煮詰まっておりいつ2万円前後のもみ合いを放れてもおかしくない。NY株に為替を睨んだ動きだが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの節となる。



(2017年7月29日)
2万円付近で膠着か・8月3日の内閣改造に注目
◆今週の日経平均は前週比140円安。日経平均は6月2日に2万円に乗せて以降、かれこれ2ヶ月近く2万円を挟んだボックス相場が続いている。下げはしないものの、史上最高値を更新し続けているNY株を横目に、上に進めない弱さを感じさせるところでもある。

こうした中、本格化している今3月期第1四半期決算は想定を上回る好調が目立つ。アナリストが業績予想を上方修正した数から下方修正した数を引き、その比率を算出するリビジョン・インデックス(RI)というのがある。大和証券発表によるこのRIは先週の6.5%から今週は26.2%に急上昇。取りも直さず、上方修正が予想以上に優勢となっていることを示しており、株価も概ね素直な好反応を示している。本来であれば株価上昇に弾みがついておかしくないところだ。しかし、そこに影を落とすのが政治の動きだ。「稲田防衛相、辞任」のニュースが駆け抜けた週末28日の日経平均は一時、150円超下落し終値でも2万円を割り込んだ。市場関係者から「政治の邪魔さえなければ…」との声も聞かれるが、これまでの上昇相場を支えてきた阿部政権が株式市場に悪影響を及ぼす歯がゆい相場となっている。

足元ではやや軟調となっているが、好決算から、現状では2万円から下を売り込む動きは限られそう。来週も為替や政局動向を見ながら2万円を挟んだ値動きとなりそうだが、ポイントは8月3日予定の安倍政権の内閣改造。ここで内閣支持率の回復につながるような目玉人事が出るか。内閣改造を経て内閣支持率が回復してくれば市場心理の改善から上値期待が膨らんでくる。逆に失望されるようであればさらなる支持率低下から海外勢による日本株売りが加速しかねない。ちなみに、可能性は極めて低いが、仮にこれまでの上昇相場を支えてきた安倍首相(アベノミクス)が『退陣』となれば日経平均は1万5000円台まで下がると見る市場関係者もいる。

ここにきてやや円高に振れている為替も注意が必要だ。28日NYの円相場は米GDP速報受け1ドル=110円60〜70銭と1カ月半ぶりの円高水準に進んでいる。心理的節目である1ドル=110円を突破してくると日経平均は一段安に向かう可能性が高まる。

チャート的には、25日線(2万0070円)を上回らないと上昇相場に戻せないが、まず2万円台に戻せるか。そして、相場はいずれ上放れか、下放れしてくるだろうが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの放れの節となる。



(2017年7月22日)
決算期待はあるが、引き続き25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比19円安。TOPIXは前週に続き年初来高値を更新したが、日経平均は上値の重い展開が続いた。日経平均に寄与度の大きいファーストリテイリング9983の下げが影響している。
こうした中、週末21日に市場の話題をさらったのは、20日引け後に2018年2月期の業績予想を大幅上方修正した安川電6506だ。これまで250億円としていた通期の連結純利益見通しを300億円に上方修正と市場予想を大きく上回った。市場が好感したのは数字だけではない。例年、第一コーナーを回ったばかりの4~6月期決算で通期の業績予想を上方修正するパターンは少ない。それを早々と発表したタイミングにもある。21日の株価は一時388円高(15%上昇)と大幅に上昇し上場来高値を大幅に更新した。来週から本格化する4~6月期決算に期待が高まり、三菱電機(4.6%高)やファナック(2.1%高)などにも連想買いが波及した。今年は日電産や信越化などハイテク株を中心に例年より好業績への期待は高い。前半ピークの28日に向け、主要銘柄に先回り買いが入り、年初来高値2万0230円を更新しそうとの見方もある

しかし一方で、米欧の金利上昇が一服感を強めていることで為替が円高に振れていることが警戒される。21日NYの円相場は1ドル=111円05〜15銭とほぼ1カ月ぶりの円高水準となっている。円高進行を受けCME日経先物も大証比100円安の1万9980円と売られている。「ロシアゲート」疑惑を巡り24日と26日に予定されるトランプ米大統領の家族や側近の議会証言の内容次第では、リスクオフの高まりで一時的に110円を割り込む円高を指摘する声もあり、予断は許さない。また、業績好調はある程度織り込み済みとも言え、第1四半期段階で通期の上方修正は出にくいのも事実。こうしたことから上がる場面では腰の入った買いは入りづらい。

4〜6決算期待から2万円から下を売り込む動きは限られそう。しかし、為替の先行き不透明感などから上値も重い展開が続きそう。来週も25日線(21日現在・2万0092円)を意識した膠着相場が予想される

ただ、NYでは23年半ぶりの低水準と言われているが、東京でも株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は低下している。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ相場が荒れる場面で上昇しやすい。一方、低下は「投資家が相場の先行きに慢心している証拠」との指摘もある。この奇妙な慢心が変化したときは怖い。前回も述べたが、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月15日)
来週も25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比189円高。1ドル=114円台半ばの円安を好感して反発。相場の信号機である25日線を回復し5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスも示現。チャートは再び買いシグナルが点った。ちなみに、TOPIXは6月29日高値(1624ポイント)を更新した。しかし、上値も重い。今週は極端に値動きの小さい週となったが、日経平均の一週間の値幅は僅か171円にとどまり、その後はどっちつかずの高値圏での膠着が続いた。

14日のNYダウは84ドル高と3日連続で過去最高値を更新。6月の米消費者物価指数が市場予想を下回り追加利上げの観測が後退。株式市場への資金流入が続くとの思惑から買われた。一方、NYの円相場は1ドル=112円50〜60銭と円高に振れている。円高が重荷となりCME日経先物は大証比70円安の2万0040円と軟調。

来週はまず2万円、25日線(14日現在・2万0063円)の攻防から。イエレンFRB議長は利上げを急がないとの見方が広がっておりNY株は好調。また、今月下旬から本格化する4〜6期決算への期待は高く、下がる場面では押し目買いは入りやすい。2万円を大きく割り込む可能性は低く、下は2万円、25日線がサポートする動きが続きそう。しかし、その一方、上値も重い展開が続きそう。週明け発表の4〜6月期の中国国内総生産で良好な結果が確認できれば上値を試す動きもあるだろうが、上値は限定的となりそう。来週も25日線を意識した膠着相場が予想される。

ただし、新聞にも書かれているが、気がかりなのは外国人投資家が先物売りに回り始めたこと。外国人は5、6月と先物の買いを積み上げ、これが日本株を支えてきた。ところが、ヘッジファンドの一種であるCTA(商品投資顧問)が想定外の欧米金利の上昇で苦戦し、含み益の乗っている日本株の先物を売り始めているという話だ。また、直近の世論調査では安倍政権の支持率は29.9%に急落しているが、加計学園問題などが響いて政治の不透明感が高まっていることも嫌気しているという。
何よりも、ディーラー筋は「世界同時金融引き締め」の動きに身構えている。米連邦準備理事会(FRB)をはじめ各国中央銀行は2008年のリーマン危機後、ほぼ10年にわたり続けてきたが、その金融緩和の解除に動くタイミングをみているという。今のじゃぶじゃぶ状態から金融引き締めへ向かえば株式などリスク資産への影響は避けられない。先物の売りはこうした動きを先取りしている可能性もあり、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月8日)
1万9750円〜2万0100円での展開を予想。
◆今週の日経平均は前週比104円安。7月2日投開票の東京都議選では自民党大敗。安倍政権の政策運営に一段と不透明感が増したが、自民党敗北は予想通りの結果でもあり波乱要因にはならなかった。相場に影響してきたのは世界的な金利上昇だ。6日に欧州中央銀行(ECB)が公表した6月開催分の議事要旨をきっかけに世界的に金利が上昇。これを受け6日のNYダウは158ドル安と大幅安。翌7日の日経平均は一時1万9856円と25日線(20041円)、5日線(20018円)、それに心理的な節目の2万円を大きく割り込み、崩れチャートとなっている。もちろん、欧米金利の上昇は円安につながりやすい。1ドル=113円台の円安を背景に一段安は免れている。しかし、地政学リスクの高まりが背景にあるのか? 最近は以前ほど、円安となっても株高につながりにくくなっている。

こうした中、7日朝発表された注目の6月米雇用統計は、雇用者数が前月比22万2000人増と17万人程度との市場予想を大幅に上回る増加幅となった。過去分も上方修正され米雇用の順調な拡大が続いていることを示した。これを受け7日のNYダウは94ドル高と3日ぶりに反発。また、FRBが緩やかな金融引き締めを継続するとの見方も改めて意識され、NYの円相場は1ドル=113円85〜95銭。一時は114円18銭と5月11日以来、ほぼ2カ月ぶりの水準まで円安が進んだ。NY株高と円安を支えにCME日経先物も大証比70円高の2万20円と、何とか2万円を回復して終えている。

来週はまず2万円、25日線の攻防から。200日線、75日線、25日線すべてが上向きで、こうした状態で2万円、25日線がサポートする展開となれば再び上昇相場に戻る。しかし、世界的な金利上昇を背景に高値警戒感が強まっており上値は重いか。一方、外国為替市場では円相場の下落を予想する声が多く、市場では115円台に下落するとの見方もある。しかし、円安の感応度も薄れてきており、円安が進んでも株式への買いは限定的なものにとどまりそう。

チャートは、ここ数カ月の下値支持となっていた25日線を下回り始めており調整局面入りを示唆している。下がる場面では最近の円安基調を受け輸出企業中心に押し目買いは入りやすいだろうが、上値は限定的となりそう。
来週は6月15日ザラ場安値(1万9755円)の1万9750円〜2万0100円での値動きを予想。ただ、来週は「波乱のSQ週」でもあり荒れる心配もある。1万9750円を割り込んでくると75日線(19501円)が下値意識される1万9500円〜1万9750円の一段下のレンジン入る




(2017年7月1日)
7日の米雇用統計待ちで2万円の攻防か
◆今週の日経平均は前週比99円安。6月20日高値2万0318を意識した高値圏の動きを続けていたが、週末に大幅反落。30日の日経平均は一時、約2週間ぶりに2万円の大台を割り込んだ。もっとも、下値では買いが入り終値では2万円台を維持。下げを主導したのは海外の短期筋による売りだが、売りの勢いはいまのところ限定的。日経平均の予想PERは14.3倍に過ぎず、為替も112円台に乗せるなど円高懸念も後退。現状は2万円を固める展開といった感じだ。

ただ、予断は許さない。29日の欧米市場では株式と債券の同時安が進んだが、ドイツの欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の縮小に動くとの見方が強まり、ドイツ株式指数(DAX)は9カ月ぶりの下げ幅を記録、NYダウも一時250ドルを超える下げをみせる場面もあった。カネ余りを背景に年初から株高・債券高が進んできたが、投資家が金融緩和の「出口」に身構え始めたことがこの下げの根底にあるからだ。ちなみに、1987年10月19日に起こった史上最大規模の世界的株価の大暴落「ブラックマンデー」もドイツ株の下げが起点だ。30日のNYダウは62ドル高と反発しているが、スポーツ用品のナイキ1銘柄でダウ平均を約40ドル押し上げている計算で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は小幅ながら続落。約1カ月ぶりの安値水準となっている。
こうした面から重要な経済指標の発表が集中する来週の動きは重要だ。来週は3日に発表される6月ISM製造業景況感指数に始まり、7日(金)の6月の米雇用統計まで米国の重要指標の発表が相次ぐ。指標の中身次第では緩和出口論が一段と高まる可能性もある

30日のCME日経先物は大証比45円高の2万0065円。何とか2万円を維持して終えているが、来週はまず2万円、25日線の攻防から。チャートは下から200日線、75日線、25日線すべてが上向き、こうした状態で25日線を上回る間は上昇相場が続く。反対に25日線や2万円を下回れば調整局面に転じ75日線(1万9476円)近辺まで下げる心配が出てくる
週は7日公表の米雇用統計結果待ちで、NY株や為替の動向を見ながら25日線、2万円をはさんだ強気と高値警戒の両面の構えとなる