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(2017年8月11日)
200日線(1万9186円)までの調整も視野に
◆今週の日経平均は前週比223円安。前回「8月は鬼門」とする相場ジンクスがあるとしたが、こうした杞憂が現実となり株式市場は一転して波乱の様相を呈してきた。日経平均は9日に緊迫度を増した北朝鮮リスクが嫌気され一段安。4月以降の下値支持水準として機能していた75日線(1万9888円)を割り込んだ。75日線は上昇・下降転換のポイントとなるが2カ月間続いた「膠着相場」の終わり、2万円を挟んだ持ち合いを下放れた格好だ。

その北朝鮮リスクは10日のNY市場でさらに増大。北朝鮮が米グアムに向けて弾道ミサイルを発射する計画を発表。米国と北朝鮮の軍事衝突へのリスクが高まり市場心理が急速に悪化。10日のNYダウは204ドル安の2万1844ドルと大幅続落。また、7月下旬には8.84ポイントと過去最低まで低下していたVIX「恐怖指数」も米大統領選の投開票日だった2016年11月8日以来の高さとなる16.04ポイントまで上昇している。円相場は、10日NYでは1ドル=109円15〜25銭、11日の東京市場では1ドル=108.88円とさらに円高が進み6月14日以来の円高水準となっているCME日経先物も大証比365円安の1万9355円と一段安。次の下値メドとなっていた26週線(1万9568円)も大きく割り込み、早くも200日線(1万9186円)までの調整も視野に入る状況となっている

ただでさえ8月の夏季休暇シーズンで持ち高整理の売りが出やすいところに、北朝鮮リスクが重なり一段とリスクオフに傾きやすくなっている。また、膠着相場でパフォーマンスを出せなかったヘッジファンドが、ここぞとばかりに、この機に乗じて売り崩しに動く可能性もある。北朝鮮問題の動向次第では、一段の売り崩し相場にも発展しかねない。取敢えずは「下げても200日線まで」としておくところだが、最悪の場合は52週線(1万8701円)水準。さらにはエリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%戻しに当たる1万8200円近辺という暴落シナリオもなきにしもあらず

半面、週明け14日発表の4〜6月期のGDP(国内総生産)速報値は好材料になる可能性がある。GDP速報値は実質の年率換算で前期比2.5%増程度が見込まれており、予想通りなら6四半期連続のプラス成長で、自律反発を期待する買いが入る可能性も。もっとも、戻れば売られやすく上は8月SQ値(1万9825円)、75日線が当面のメドとして意識されそう。いずれにしろどこが底となるか。まずは急低下してくる5日線回復が下げ止まりの第一ステップとなる



(2017年8月5日
引き続き2万円を挟んだ狭いレンジの展開か

◆今週の日経平均は前週比7円安。4日の日中値幅は50円92銭と今年最低の37円93銭(3月14日)に次ぐ小ささとなったが、週間でも222円と狭いレンジでの展開が続いた。2万円を挟んだ膠着相場がつづいていた結果、4日の5日線は1万9994円、10日線は1万9998円、一目均衡表「転換線」2万0033円、25日線は2万0038円、一目均衡表「基準線」2万0061円と短期の主要指標はすべて節目の2万円に収れんされてきている。2万円を挟んだ持ち合いが長期化しているが、中期線の75日線(1万9813円)もほどなく接触してくる。

今週は好調な今3月期第1四半期決算に、連日史上最高値を更新しているNYダウが買い気を支えた一方、1ドル=109円台にまで入ってきた円高を嫌気して下振れをにおわせる展開となった。尚、内閣改造に対しては「安定感はあるが、新鮮味も乏しく相場への影響は限定的」との評価が多い。
今週の円高は、7月の米雇用統計を睨んでの動きで、伸び率が前月の2.5%を下回るとの予想が多かった。インフレ圧力の低下による追加利上げペースの鈍化観測が円高・ドル安につながった。しかし、4日朝発表の米7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、6月分も上方修正された。失業率は前回から低下し市場予想と一致。平均時給も市場予想と一致し、前月から伸びが加速した。この強い雇用統計を受けてNYダウは66ドル高の2万2092ドルと9連騰し8日連続で最高値を更新。円相場も米利上げペースが鈍化するとの観測が後退。1ドル=110円65〜75銭と反落。円相場の反落とNY株高を好感し、CME日経先物は大証比75円高の2万0025円と節目の2万円台に戻している。

週明けは無難なスタートとなりそうだが、来週も為替やNY株を見ながら2万円を挟んだ狭いレンジでの展開が続きそう。8月は国内外の投資家が夏季休暇に入り様子見ムードが強まる。要は「夏枯れ相場」というやつで2万円を挟んで1万9900円〜2万0100円の展開か

ただし、「8月は鬼門」とする相場ジンクスもある。夏休み期間中で市場参加者が少なくなるため、投機的な売買で相場が乱高下しやすいからだ。また、来週は3連休前に加え「波乱のSQ週」ともなる。相場はかなり煮詰まっておりいつ2万円前後のもみ合いを放れてもおかしくない。NY株に為替を睨んだ動きだが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの節となる。



(2017年7月29日)
2万円付近で膠着か・8月3日の内閣改造に注目
◆今週の日経平均は前週比140円安。日経平均は6月2日に2万円に乗せて以降、かれこれ2ヶ月近く2万円を挟んだボックス相場が続いている。下げはしないものの、史上最高値を更新し続けているNY株を横目に、上に進めない弱さを感じさせるところでもある。

こうした中、本格化している今3月期第1四半期決算は想定を上回る好調が目立つ。アナリストが業績予想を上方修正した数から下方修正した数を引き、その比率を算出するリビジョン・インデックス(RI)というのがある。大和証券発表によるこのRIは先週の6.5%から今週は26.2%に急上昇。取りも直さず、上方修正が予想以上に優勢となっていることを示しており、株価も概ね素直な好反応を示している。本来であれば株価上昇に弾みがついておかしくないところだ。しかし、そこに影を落とすのが政治の動きだ。「稲田防衛相、辞任」のニュースが駆け抜けた週末28日の日経平均は一時、150円超下落し終値でも2万円を割り込んだ。市場関係者から「政治の邪魔さえなければ…」との声も聞かれるが、これまでの上昇相場を支えてきた阿部政権が株式市場に悪影響を及ぼす歯がゆい相場となっている。

足元ではやや軟調となっているが、好決算から、現状では2万円から下を売り込む動きは限られそう。来週も為替や政局動向を見ながら2万円を挟んだ値動きとなりそうだが、ポイントは8月3日予定の安倍政権の内閣改造。ここで内閣支持率の回復につながるような目玉人事が出るか。内閣改造を経て内閣支持率が回復してくれば市場心理の改善から上値期待が膨らんでくる。逆に失望されるようであればさらなる支持率低下から海外勢による日本株売りが加速しかねない。ちなみに、可能性は極めて低いが、仮にこれまでの上昇相場を支えてきた安倍首相(アベノミクス)が『退陣』となれば日経平均は1万5000円台まで下がると見る市場関係者もいる。

ここにきてやや円高に振れている為替も注意が必要だ。28日NYの円相場は米GDP速報受け1ドル=110円60〜70銭と1カ月半ぶりの円高水準に進んでいる。心理的節目である1ドル=110円を突破してくると日経平均は一段安に向かう可能性が高まる。

チャート的には、25日線(2万0070円)を上回らないと上昇相場に戻せないが、まず2万円台に戻せるか。そして、相場はいずれ上放れか、下放れしてくるだろうが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの放れの節となる。



(2017年7月22日)
決算期待はあるが、引き続き25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比19円安。TOPIXは前週に続き年初来高値を更新したが、日経平均は上値の重い展開が続いた。日経平均に寄与度の大きいファーストリテイリング9983の下げが影響している。
こうした中、週末21日に市場の話題をさらったのは、20日引け後に2018年2月期の業績予想を大幅上方修正した安川電6506だ。これまで250億円としていた通期の連結純利益見通しを300億円に上方修正と市場予想を大きく上回った。市場が好感したのは数字だけではない。例年、第一コーナーを回ったばかりの4~6月期決算で通期の業績予想を上方修正するパターンは少ない。それを早々と発表したタイミングにもある。21日の株価は一時388円高(15%上昇)と大幅に上昇し上場来高値を大幅に更新した。来週から本格化する4~6月期決算に期待が高まり、三菱電機(4.6%高)やファナック(2.1%高)などにも連想買いが波及した。今年は日電産や信越化などハイテク株を中心に例年より好業績への期待は高い。前半ピークの28日に向け、主要銘柄に先回り買いが入り、年初来高値2万0230円を更新しそうとの見方もある

しかし一方で、米欧の金利上昇が一服感を強めていることで為替が円高に振れていることが警戒される。21日NYの円相場は1ドル=111円05〜15銭とほぼ1カ月ぶりの円高水準となっている。円高進行を受けCME日経先物も大証比100円安の1万9980円と売られている。「ロシアゲート」疑惑を巡り24日と26日に予定されるトランプ米大統領の家族や側近の議会証言の内容次第では、リスクオフの高まりで一時的に110円を割り込む円高を指摘する声もあり、予断は許さない。また、業績好調はある程度織り込み済みとも言え、第1四半期段階で通期の上方修正は出にくいのも事実。こうしたことから上がる場面では腰の入った買いは入りづらい。

4〜6決算期待から2万円から下を売り込む動きは限られそう。しかし、為替の先行き不透明感などから上値も重い展開が続きそう。来週も25日線(21日現在・2万0092円)を意識した膠着相場が予想される

ただ、NYでは23年半ぶりの低水準と言われているが、東京でも株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は低下している。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ相場が荒れる場面で上昇しやすい。一方、低下は「投資家が相場の先行きに慢心している証拠」との指摘もある。この奇妙な慢心が変化したときは怖い。前回も述べたが、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月15日)
来週も25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比189円高。1ドル=114円台半ばの円安を好感して反発。相場の信号機である25日線を回復し5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスも示現。チャートは再び買いシグナルが点った。ちなみに、TOPIXは6月29日高値(1624ポイント)を更新した。しかし、上値も重い。今週は極端に値動きの小さい週となったが、日経平均の一週間の値幅は僅か171円にとどまり、その後はどっちつかずの高値圏での膠着が続いた。

14日のNYダウは84ドル高と3日連続で過去最高値を更新。6月の米消費者物価指数が市場予想を下回り追加利上げの観測が後退。株式市場への資金流入が続くとの思惑から買われた。一方、NYの円相場は1ドル=112円50〜60銭と円高に振れている。円高が重荷となりCME日経先物は大証比70円安の2万0040円と軟調。

来週はまず2万円、25日線(14日現在・2万0063円)の攻防から。イエレンFRB議長は利上げを急がないとの見方が広がっておりNY株は好調。また、今月下旬から本格化する4〜6期決算への期待は高く、下がる場面では押し目買いは入りやすい。2万円を大きく割り込む可能性は低く、下は2万円、25日線がサポートする動きが続きそう。しかし、その一方、上値も重い展開が続きそう。週明け発表の4〜6月期の中国国内総生産で良好な結果が確認できれば上値を試す動きもあるだろうが、上値は限定的となりそう。来週も25日線を意識した膠着相場が予想される。

ただし、新聞にも書かれているが、気がかりなのは外国人投資家が先物売りに回り始めたこと。外国人は5、6月と先物の買いを積み上げ、これが日本株を支えてきた。ところが、ヘッジファンドの一種であるCTA(商品投資顧問)が想定外の欧米金利の上昇で苦戦し、含み益の乗っている日本株の先物を売り始めているという話だ。また、直近の世論調査では安倍政権の支持率は29.9%に急落しているが、加計学園問題などが響いて政治の不透明感が高まっていることも嫌気しているという。
何よりも、ディーラー筋は「世界同時金融引き締め」の動きに身構えている。米連邦準備理事会(FRB)をはじめ各国中央銀行は2008年のリーマン危機後、ほぼ10年にわたり続けてきたが、その金融緩和の解除に動くタイミングをみているという。今のじゃぶじゃぶ状態から金融引き締めへ向かえば株式などリスク資産への影響は避けられない。先物の売りはこうした動きを先取りしている可能性もあり、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月8日)
1万9750円〜2万0100円での展開を予想。
◆今週の日経平均は前週比104円安。7月2日投開票の東京都議選では自民党大敗。安倍政権の政策運営に一段と不透明感が増したが、自民党敗北は予想通りの結果でもあり波乱要因にはならなかった。相場に影響してきたのは世界的な金利上昇だ。6日に欧州中央銀行(ECB)が公表した6月開催分の議事要旨をきっかけに世界的に金利が上昇。これを受け6日のNYダウは158ドル安と大幅安。翌7日の日経平均は一時1万9856円と25日線(20041円)、5日線(20018円)、それに心理的な節目の2万円を大きく割り込み、崩れチャートとなっている。もちろん、欧米金利の上昇は円安につながりやすい。1ドル=113円台の円安を背景に一段安は免れている。しかし、地政学リスクの高まりが背景にあるのか? 最近は以前ほど、円安となっても株高につながりにくくなっている。

こうした中、7日朝発表された注目の6月米雇用統計は、雇用者数が前月比22万2000人増と17万人程度との市場予想を大幅に上回る増加幅となった。過去分も上方修正され米雇用の順調な拡大が続いていることを示した。これを受け7日のNYダウは94ドル高と3日ぶりに反発。また、FRBが緩やかな金融引き締めを継続するとの見方も改めて意識され、NYの円相場は1ドル=113円85〜95銭。一時は114円18銭と5月11日以来、ほぼ2カ月ぶりの水準まで円安が進んだ。NY株高と円安を支えにCME日経先物も大証比70円高の2万20円と、何とか2万円を回復して終えている。

来週はまず2万円、25日線の攻防から。200日線、75日線、25日線すべてが上向きで、こうした状態で2万円、25日線がサポートする展開となれば再び上昇相場に戻る。しかし、世界的な金利上昇を背景に高値警戒感が強まっており上値は重いか。一方、外国為替市場では円相場の下落を予想する声が多く、市場では115円台に下落するとの見方もある。しかし、円安の感応度も薄れてきており、円安が進んでも株式への買いは限定的なものにとどまりそう。

チャートは、ここ数カ月の下値支持となっていた25日線を下回り始めており調整局面入りを示唆している。下がる場面では最近の円安基調を受け輸出企業中心に押し目買いは入りやすいだろうが、上値は限定的となりそう。
来週は6月15日ザラ場安値(1万9755円)の1万9750円〜2万0100円での値動きを予想。ただ、来週は「波乱のSQ週」でもあり荒れる心配もある。1万9750円を割り込んでくると75日線(19501円)が下値意識される1万9500円〜1万9750円の一段下のレンジン入る




(2017年7月1日)
7日の米雇用統計待ちで2万円の攻防か
◆今週の日経平均は前週比99円安。6月20日高値2万0318を意識した高値圏の動きを続けていたが、週末に大幅反落。30日の日経平均は一時、約2週間ぶりに2万円の大台を割り込んだ。もっとも、下値では買いが入り終値では2万円台を維持。下げを主導したのは海外の短期筋による売りだが、売りの勢いはいまのところ限定的。日経平均の予想PERは14.3倍に過ぎず、為替も112円台に乗せるなど円高懸念も後退。現状は2万円を固める展開といった感じだ。

ただ、予断は許さない。29日の欧米市場では株式と債券の同時安が進んだが、ドイツの欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の縮小に動くとの見方が強まり、ドイツ株式指数(DAX)は9カ月ぶりの下げ幅を記録、NYダウも一時250ドルを超える下げをみせる場面もあった。カネ余りを背景に年初から株高・債券高が進んできたが、投資家が金融緩和の「出口」に身構え始めたことがこの下げの根底にあるからだ。ちなみに、1987年10月19日に起こった史上最大規模の世界的株価の大暴落「ブラックマンデー」もドイツ株の下げが起点だ。30日のNYダウは62ドル高と反発しているが、スポーツ用品のナイキ1銘柄でダウ平均を約40ドル押し上げている計算で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は小幅ながら続落。約1カ月ぶりの安値水準となっている。
こうした面から重要な経済指標の発表が集中する来週の動きは重要だ。来週は3日に発表される6月ISM製造業景況感指数に始まり、7日(金)の6月の米雇用統計まで米国の重要指標の発表が相次ぐ。指標の中身次第では緩和出口論が一段と高まる可能性もある

30日のCME日経先物は大証比45円高の2万0065円。何とか2万円を維持して終えているが、来週はまず2万円、25日線の攻防から。チャートは下から200日線、75日線、25日線すべてが上向き、こうした状態で25日線を上回る間は上昇相場が続く。反対に25日線や2万円を下回れば調整局面に転じ75日線(1万9476円)近辺まで下げる心配が出てくる
週は7日公表の米雇用統計結果待ちで、NY株や為替の動向を見ながら25日線、2万円をはさんだ強気と高値警戒の両面の構えとなる




(2017年6月24日)
NY株・為替を見ながら2万円を固める展開か
◆今週の日経平均は前週比189円高。週初にNY株の大幅上昇や1ドル=111円台後半への円安を受け先物主導で一段高に。19日に2万円の大台に乗せ、20日に6月2日高値2万239円を抜け年初来高値を更新。5月16日高値1万9998円から5月18日安値1万9449円の下げ幅の倍返し(2万547円)に当たる2万500円前後への上昇が期待された。
しかし、相場のリード役となる外国人買いに勢いはなく一段高にはつながらなかった。その後、高値を付けた20日から週末まで4日連続の陰線、その間の日中値幅も4日連続で100円を下回っている。株価水準は切り上げたが積極的に上値を取りに行くムードは感じられない。

チャートは、下から200日線、75日線、25日線すべてが上向き、こうした状態で25日線を上回る間は高値更新相場が続く。また、6月2日高値2万239円を抜けてきたことで2万500円→2015年高値2万0950円への上昇波動が見込まれる形ともなっている。
目下の形状は上昇過程の一服とした動きで、日経平均2万円を固めつつ反発の機会を伺うといった感じだ。ただ、目下のところは上にも下にも傾けづらく、今しばらくNY株や為替の動向を見ながらもみ合う展開か

下は上昇してきている25日線や2万円がメド。25日線を下回ると売り転換の心配が出てくるが、これまで述べている日経平均の予想PER(株価収益率)の割安感、また日銀のETF(上場投資信託)買い期待も下値をサポートしそう。下値の堅さは堅持で、概ね2万円を固める展開が見込めそう。一方上は20日高値2万0318円がメド。抜けてくれば2万500円が次のメドとなる。
来週は2万円〜2万0300円のレンジか。




(2017年6月17日)
引き続き2万円を上値意識した一進一退か
◆今週の日経平均は前週比70円安。NY市場でのIT株波乱を受けこれまで相場をけん引してきた東エレクやソフトバンクなどの値嵩株に売りが波及。週初から軟調な展開が続き6月1日〜2日に空けたマド下限の1万9887円を割り込み調整ムードが高まった。そして14日のFOMCでは予想通り政策金利を引き上げたものの、同日発表の経済指標が冴えなかったことから円相場は逆に一時1ドル=108円台の円高に振れた。これを受け15日には一段安に売られた。しかし、下方硬直性も堅持。一時は1万9755円まで売られたものの、終値では25日線(1万9833円)を維持。これまで述べているように、日経平均の予想PER(株価収益率)は14倍台前半にあり、株価が下がれば下がるほど割安感が高まる構図だ。また、日銀のETF(上場投資信託)買いも下支え要因として意識されている。そして週末には、一転して為替が1ドル=111円台へと急反落。円安反転を好感して16日の日経平均は一時2万円台まで反発。反転態勢に戻して週の取引を終えている。

底堅い半面、2万円が上値として作用する展開が続いているが、来週はこれといったイベントもないことから、引き続き節目の2万円を上値意識した一進一退となりそう。2万円を明確に抜けてくれば6月2日高値2万239円抜けから5月16日高値1万9998円から5月18日安値1万9449円の下げ幅の倍返し(2万547円)に当たる2万500円前後が意識されるが、2万円から上は重いイメージで、為替が1ドル=113円を超える円安が進まないかぎり本格的な上昇にはなりにくいだろう。下は25日線がポイント。下回ると売り転換の心配が出てくるが、今週安値の1万9750円くらいまでは許容範囲か

結論として、もうしばらく1万9750円〜2万円のボックスで日柄調整。それを経て再度上に向かうか?といった感じだ。ただし、チャートはかなり煮詰まっている。こうした煮詰まった状態から放れると上にも下にも振れやすいため、為替やNY株の急変には注意が必要だ。




(2017年6月11日)
2万円の攻防か・次は13〜14日のFOMCが焦点、
◆先週の日経平均は前週比164円安。2万円を割り込む調整となったものの大崩れすることなく週末には再び2万円台を回復。注目されたコミー前米連邦捜査局長官の議会証言は、疑惑は晴れないものの事前に伝わった内容から大きな変化がなかったことからNY株はこれを好感。また、9日に大勢が判明した英国総選挙もしかり。事前予想に反してメイ首相が率いる与党が過半数を割り込み、英国のEU離脱(ブレグジット)の交渉は混迷の度が高まった。しかし、市場はリスクオフに傾いていない。むしろ、そうした結果を織り込んでいたかのようにイベント通過によるアク抜け感が漂う展開となった。

コミー前米連邦捜査局長官の議会証言に、想定外の結果となった英総選挙も終えリスク回避の動きが和らいでいるが、次の焦点は13〜14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)。米連邦準備理事会(FRB)は労働需給の引き締まりを通じたインフレ圧力の高まりを警戒しており、ここで利上げを決める可能性が高いと見られている。先々の利上げが意識されれば日米金利差拡大に伴う円安で日本株には追い風となる。ただ、「ロシアゲート問題」「ブレグジット」とも不透明感は払しょくされた訳ではない。また、9日のNY円相場は1ドル=110円30〜40銭と円安に振れているがCME日経先物は大証比85円安の1万9915円と悩ましい位置にある

現時点で中期的な上昇トレンドを否定するシグナルは出ていないが、来週も次の方向を探る2万円の攻防となりそう。2万円を抑え込めば6月2日高値2万239円抜けから5月16日高値1万9998円から5月18日安値1万9449円の下げ幅の倍返し(2万547円)に当たる2万500円前後が意識される流れに。反対に、ここで頭打ちになると日柄調整に時間がかかる可能性が高まる。ただ、日銀のETF(上場投資信託)買いや業績期待から下げても自律調整の範囲内となりそうで、下は6月1日〜2日に空けたマド下限の1万9887円、25日線(1万9834円)がメドになる。 いずれにしろ、目先は2万円を維持できるかが観察ポイントとなる



(2017年6月3日)
上は2万500円前後、下はマド下限の1万9887円がメドに
◆今週の日経平均は前週比491円高。週半ばまでは25日線を意識した調整を続けていたがNY株高を背景に週末にかけ大幅反転。2日終値は2万177円と約1年半ぶりに2万円台を回復。5月以降、何度も挑んでは跳ね返された「2万円の壁」をようやく突破してきた。上げの背景は海外投資家と巨額資産を運用するかんぽ生命の買いと見られている。これに2万円を上値とみていた売り方の買い戻しが弾みをつけた格好だ。また、日経平均の予想PER(株価収益率)に割安感があることはこれまで述べてきた。PER15倍としても2万1000円程度まであっておかしくない。

今後の焦点は2万円がこのまま定着するか。2万円突破は当面難しいと思われていたのだが、その根拠とも言えるもので、今回の上昇はこれまでと大きく違う点がある。これまではすべて円安を伴う株高だった。しかし、現在のドル円は1ドル=111円前後でもみ合っている。本来なら日経平均の上値は重くなるか、悪くすれば売られてもおかしくない状況だ。実際、物色動向を見てみると半導体やIT(情報技術)関連株が相場を押し上げており、自動車や金融といった主力株は足踏みしている。日本株全体を買う動きにはやはり円安は必要だ。ちなみに、2日NYの円相場は1ドル=110円35〜45銭と円高に振れ、5月18日以来ほぼ2週ぶりの円高水準を付けている。また、英国の総選挙や「米大統領のロシア問題」などの政治リスクもくすぶる。

こうしたことから、この上げに疑心暗鬼の向きも多いが、チャートは新たなマド(1万9887円?1万9967円)を空けて上放れ、5月以降の抵抗線となっていた2万円の節目抜け。各種の移動平均線も下方に位置し、かつ上向く強気形状だ。新たな上昇波動入りが有望になった格好で、ここはチャートが示す強気で構える場面だろう。ただ、今週の上げは来週9日のメジャーSQを先取った動きにも感じられ、SQ算出を前にその反動が出ないとも限らない。上値では利益確定売りも出やすく、値動きが荒くなる可能性がある点には注意が必要だ。

チャートでは2015年6月に付けた高値の2万0868円が視野に入ってきているが、当面の上値は5月16日高値1万9998円から5月18日安値1万9449円までの下げ幅の倍返し(2万0547円)に当たる2万500円前後。下値は1日〜2日に空けたマド下限の1万9887円がメドになる




(2017年5月27日)
1万9500円〜1万9750円で膠着か
◆今週の日経平均は前週比96円高。NYダウは18日から25日まで6日続伸で、この間の上げ幅は17日の372ドル安を完全に埋め476ドルにも達する。東京もNY株高を好感する動きとなった。しかし、いつもの下げは一緒でも上げは割り負けという動きで戻りは限られた。「アイランドリバーサル(離れ小島)」となっていた17日〜18日に空けたマド(1万9764円)は埋め、戻りの第一関門はクリアしたが、2万円はやはり厳しそうな感触だ。円安が進まないことや3月期企業の決算発表が一巡した手掛かり難などがあるが、売買も低調になりつつあり、相場を一段押し上げるほどの勢いは感じられない。

テクニカル指標では5日線(1万9706円)、10日線(1万9727円)が目先の判断指標となる。両線を上回っていれば戻りを試す動きに、下回ると戻り一巡を意識する動きになる。この場合、下は25日線(19467円)がポイントとなる。ただ、25日線は目下上昇中。このペースでいくと週後半には株価に追い付いてくる。25日線は相場の信号機のようなもので上回っていれば買い、割り込むと売りと判断される。株価が25日線を上回っていれば問題ないが割り込むと75日線(1万9246円)を意識した調整へ向かう心配が高まる。

もっとも、下値が堅いことも確か。前々回、「調整となっても下は5月2日〜8日に空けたマド(1万9445円〜1万9705円)埋めを意識した1万9500円程度」とした通り。2万円を超えるような勢いはないものの、1万9500円が強い下値ラインとして意識される。
注目度の高い米雇用統計発表が週末6月2日に控えることもあり、来週も上にも下にも動きづらい膠着相場が予想されるが、1万9750円を基調の分岐点に、1万9750円を抑え込んでくれば2万円トライを意識した流れに。超えられなければ1万9500円を下値意識した流れと見ておけばいいか。




(2017年5月21日)
1万9500円を意識した膠着が続くか
◆先週の日経平均は前週比293円安。週前半は強含みで16日には一時1万9998円と2万円の大台に肉薄。しかし「日経平均リンク債」「カバードコール」などのデリバティブ取引、年金資金の実需売りなど様々な憶測はあるが、2万円の壁はやはり厚く上げこじれた。そして週後半はトランプ大統領を巡る「ロシアゲート」騒動が浮上。一転して波乱の様相に。17日のNYダウは372ドル安、ナスダック総合指数も158ポイント安と共に大幅安。為替も一気に1ドル=110円台の円高に進み18日の東京市場も大幅に下落。ロシア関与疑惑はトランプ政権にとって深刻な打撃になる可能性があり、市場関係者はトランプ大統領の経済政策「トランポノミクス」の先行きに不安を感じ始めている。

もっとも「2万円の壁は厚く一旦は仕切り直しとなりそう」、「調整となっても下は5月2日〜8日に空けたマド(1万9445円〜1万9705円)埋めを意識した1万9500円程度」とした通り、安値も1万9449円と、上も下も予想の範囲内でそうイレギュラーな動きでもない。現状は許容範囲の仕切り直し(調整)といった格好だ。また、「ロシアゲート」問題もまだ予断は許さないものの、週末19日のNYダウは141ドル高と大幅続伸となっており、こちらも株価にはある程度織り込まれてきた感触だ。

今週の見方としては。まずは1万9500円以上を維持するか。維持すれば下振れリスクは後退。ただ、チャートは1万9764円を下限とする「アイランドリバーサル(離れ小島)」を形成しており、これを早期に埋めてこないと調整圧力は強まる。また、日経平均2万円の壁を超える上昇も当面難しそうだ。反対に1万9500円を割り込んでくると一段の調整が予想されるが、前回、割安感が出ているとした日経平均の予想PER(株価収益率)は19日現在で14.06倍とさらに低下しており、株価が下がれば下がるほど割安感が高まる構図。また、日銀のETF(上場投資信託)買いや出遅れている国内機関投資家の買いも下支え要因として意識される。下は25日線や75日線の1万9200円近辺が下値のメドになるが、両線を上回っていれば上昇トレンドは維持。為替次第だが、今週は1万9500円を意識した膠着が続くか。



(2017年5月13日)
2万円の壁、一旦仕切り直しか
◆今週の日経平均は前週比438円高。今年に入ってからの悩みの種であった仏大統領選は結局、独立系中道候補のマクロン氏の勝利に終わり極右候補のルペン氏は敗れた。波乱に備えていたポジションが一気に解消されGW開け8日の日経平均は前週末比450円高と今年3番目の上げ幅でスタート。2万円乗せからの新展開入りが期待された。

しかし、11日にあと10円あまりに迫ったものの節目の2万円を前に足踏み。どうもデリバティブ取引が上値を抑える要因になっているようだ。一つは「日経平均リンク債」と呼ばれる金融商品。日経平均が節目の2万円を超えると早期償還される条項が付いているものが多く、引き受けた証券会社が2万円に近付くと先物にヘッジ売りを出すケースが多い。そして11日付け日経紙にも解説されているが「カバードコール」の影響も大きいようだ。カバードコールとは、株式を持ちながらコール(買う権利)を売る取引。株の一定以上の値上がり益をあきらめる代わりにオプション料を得られる。一方、コール売りの買い手となった証券会社はその分岐点(権利行使価格)である2万円に近づくと、ヘッジのため先物を売って疑似的に持ち高を解消する動きに出る。
この他、相場の過熱感を示す25日騰落レシオは12日に131.1%まで上昇、ストキャスティクス、RSIなどのテクニカル指標も過熱圏にある。また、12日NYの円相場は市場予想を下回る米経済指標の発表を受け、日米金利差縮小から1ドル=113円30〜40銭とやや円高とやや円高に振れている。
4月17日安値(1万8224円)以降の上昇ピッチの速さを考えれば当然と言えるが、こうした諸々のことを考慮すると一旦は仕切り直しとなりそうな情勢だ

ただし、上抜け期待が高まっていることは確か。日経平均の1株利益は過去最高となる1300円台まで切り上がり、12日現在のPER(株価収益率)は15.1倍と割安感が出ている。また、上述の「カバードコール」だが、これも下がれば反対売買による先物の買い戻しを誘うため株価の底堅さに作用する。そして、ひとたび上抜けてくると、逆に一気に買い戻しが進む要因ともなる。
こうしたことから、調整となっても下は5月2日〜8日に空けたマド(1万9445円〜1万9705円)埋めを意識した1万9500円程度。上は為替が115円台を下抜ければ、2万円抜けからPERで16倍台にあたる2015年高値2万952円トライに向かう可能性が高まる



(2017年4月29日)
買いシグナルが点ってきたが、まだ安心はできない
◆今週の日経平均は前週比576円高。23日のフランス大統領選の第1回投票で中道系のマクロン氏が首位となりユーロ離脱などの政治リスクが後退。そして25日の創建85周年を迎えた北朝鮮イベントも波乱がなかったことで、二つの波乱要因に備えていた向きの巻き戻しが一気に進み大幅続伸となった。為替は1ドル=111円台へ円安が進行し、株価は25日線(28日現在・1万8804円)に続き75日線(同1万9097円)も抜けた。強いパターンの切り返しで、チャートは「買い転換」シグナルが点っている。
ただ、まだ安心はできない。フランス大統領選の決選投票を5月7日に控える。マクロン氏と共に決戦ステージに進んだ国民戦線のルペン党首が逆転勝利するようなことになれば、反EUを掲げているだけに昨年のブレグジット(英国にEU離脱)に似たショック安に見舞われる心配がある。また、北朝鮮問題も片付いていない。今回も失敗したようだが29日未明に再びミサイル発射実験を行ったとの報道も出ている。この他、トランプ大統領が示した税制改革方針も財源の不透明さが指摘されており株価の一段高には今一つ説得力に欠ける。また、米国では5月2日、3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、5日に4月の米雇用統計の発表も控える。波乱の可能性は低下したとはいえまだ慎重姿勢は崩せない状況だ。

もっとも、東証が27日発表した4月第3週(17〜21日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は3週連続で日本株を買い越し、買越額は2770億円と今年最大。昨年12月第1週(5625億円)以来約4カ月半ぶりの多さとなっている。心理的な節目の1万9500円を抜けるのは当面、厳しいと思われるが、海外投資家の買い越しは続いており下値は堅そうだ。

次の展開は、5月連休中の世界の株式市場や為替がどう動くか。そして5月7日のフランス大統領選の結果で連休明けの相場は決まる。それによって今の状態なら再上昇相場になると見るが、来週に限ってはゴールデンウイーク中で市場が開くのは1日と2日のみとなるため市場参加者が少なく積極的な取引は手控えられそう。このため、来週は横ばいの推移になりそう。上は一目均衡表の雲領域(1万9159円〜1万9318円)上限。抜けても節目の1万9500円がメドか。 一方下は4月25日〜26日に空けたマド(1万9109円〜1万9170円)、75日線(1万9097円)が意識される。円相場を含め外部環境に大きな変化がなければ、来週は1万9100〜1万9500円の範囲で推移か




(2017年4月22日)
25日線を抜けるか、下は5日線がサポートするか。
◆今週の日経平均は前週比285円高と6週ぶりに反発。20日にムニューシン米財務長官が年内の税制改革法案成立に意欲を示したことでNY株が上昇。東京市場の買い戻しにもつながった。前回、一つの下値目安が昨年11月24日に空けたマド下限の1万8175円としたが概ねその近辺で、17日に付けた1万8224円を底に反発。「幻のSQ値」となっていた1万8613円を上抜け、相場反転のサインとして比較的信頼性の高い新値三本足も「陽転」。ようやく底打ち反転のサインが点灯した。25日線を上抜けるまでは自律反発の域を出ないが、21日の25日騰落レシオは78.5%とまだ低く上げ余地を残している形。再上昇転換の期待も膨らむところだ。
ただ、目先は極右の台頭が目立つ仏大統領選、そして北朝鮮情勢を巡る懸念も根強い。同時に決算発表シーズンも迎えるが、現状の為替水準が続くと18/3期は1ドル=100円程度を前提に利益予想を発表してくる企業も多くなると思われ減益予想となる企業が続出する可能性もある。上値に対してはまだまだ及び腰の相場が続きそうだ。

来週の相場はまず、23日に投開票を迎えるフランス大統領選の第1回投票の結果がどうなるか。最新の世論調査では支持率首位を保っている中道候補のマクロン氏と極右候補のルペン氏の2人が5月7日の決戦投票に進むとの予想が多い。仮に極右派のルペン氏と急進左派のメランション氏の2候補が決選投票に進むことになれば、ユーロの急落を通じて円高・ドル安に波及することが想定される最悪のシナリオとなるが、現状ではその可能性は低そう。ただ、5月7日の決選投票まで市場の警戒は続きそう。そして25日に朝鮮人民軍創建85周年イベントを控えるがここで突発的な事が起きないか。このあとは決算発表へと市場の関心は移っていくが、決算発表も減益予想を警戒する状況となりそう。

21日NYの円相場は1ドル=109円00〜10銭。CME日経先物も大証比40円安の1万8610円としっかり。23日投開票のフランス大統領選第1回投票に大きな波乱がなければ、戻りを試す動きが想定されるが上のフシとなるのが25日線(1万8831円)。終値で25日線を上回ると本格反騰の期待が高まるが、仏大統領選、北朝鮮問題、そして決算発表とまだ紆余屈折はありそう。この他では26週線(1万8845円)回復も大事。同線を上回れないと調整相場は続くと見る。下は5日線がサポートするかが反転継続のポイントとなる




(2017年4月15日)
来週も地政学リスクに揺さぶられる展開が続きそう
◆今週の日経平均は前週比329円安。北朝鮮に対する地政学リスクの高まりから円高・株安が進行。週初こそ買い戻しの動きとなったが、1ドル=108円台への円高やNY株安が嫌気され、その後4日続落。14日には一時1万8285円まで売られた。週足では5週連続の陰線。5週連続は2012年末から始まった「アベノミクス相場」で最長記録となる。また、14日NYの外国為替市場の円相場も1ドル=108円55〜65銭とリスク回避の動きは収まらず、昨年11月17日以来、ほぼ5カ月ぶりの円高水準となっている。CME日経先物も大証比60円安の1万8260円と続落。尚、NY株はイースター休暇で休場。
北朝鮮をめぐる地政学リスクへの警戒感は強く、日銀のETF(上場投資信託)買いも売りをぶつける格好のターゲットとなってしまっている感じで、相場の弱さが目立つムードとなっている。

来週も地政学リスクに揺さぶられる展開が続きそうだが、どこで下げ止まるか。一つの目安が昨年11月24日に空けたマド下限の1万8175円。しかし、地政学リスクのさらなる高まりや、1ドル=108円の節目も突破する円高となれば一気に200日線(1万7858円)近辺まで下落する可能性もある。もっとも、25日騰落レシオが69.07%と約1年2カ月ぶりの低水準に落ち込むなどテクニカル面では売られ過ぎ感も強まっている。仮にそうした突っ込みがあれば、そこは「セリングクライマックス」と言われる底打ち局面となり、一旦は買いとなる。
一方で、北朝鮮情勢を巡っては、米国は中国への配慮もあっていきなり空爆するようなことはないだろうという見方も根強い。また、18日からの日米経済対話を無難に通過すれば円高一服となる期待もある。ただ、当面は北朝鮮問題を見極めたいという投資家が多く、少なくとも上値が重い展開は続きそう。上は「幻のSQ」ともなっている1万8613円、26週線(1万8790円)あたりがメドとなる

それにしても、朝鮮半島が有事となれば地理的に近い日本に直接的な被害も想定される。今は「有事の円買い」と言われているが、いざ有事となれば一気に円資産をドル資産に戻すレパトリ(本国回帰)が起きる可能性が高いのではないか。当然、急激な円安が進むだろうが、もちろん、それは悪い円安で株も売られるだろうが…
いずれにしろ、米国は本当に北朝鮮を攻めるか? これが今、世界が注目する最大の焦点となっている。



(2017年4月8日)
様子見ムードを引きずる展開か、1万8500円〜9000円を予想。
◆今週の日経平均は前週比245円安。足元のリスクは「北朝鮮問題」だった。米朝関係の緊迫化にNY株安が重なり6日に1月18日に付けたザラ場安値1万8650円を下回り年初来安値に沈んだ。そこに追い打ちをかけるように7日、米軍によるシリアへのミサイル攻撃が伝わった。「地政学リスク」の高まりから一時は1万8517円まで売られた。ただ、市場は思いのほか素早く立ち直り、終わってみれば67円高とプラス転換。為替も1ドル=110円台で止まり市場は冷静さを保っている。
一方、現地時間7日朝発表の3月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月から9万8000人増と市場予想を大幅に下回った。これを受けNYの円相場は一時110円14銭まで上昇した。しかし、雇用増の鈍化は天候要因が主因で米雇用情勢の回復基調は続いているとの見方が次第に強まり、朝方に低下した米金利の上昇につれ、為替も円売り・ドル買いの流れに転じ、終わりは1ドル=111円00〜10銭。CME日経先物も大証比75円高の1万8785円としっかり

7日発表の米雇用統計も波乱はなく市場は冷静さを取り戻しており、来週は買い戻しの動きが期待される。とは言え上値も重そう。米軍によるシリア攻撃を巡っては「長期化しない」との見方が大勢を占めているが、日本と地理的に近い北朝鮮も絡んだ今回の「地政学リスク」はあまりのんきな見方はできない。シリア空爆も「自分は攻撃をためらわない――」と、北朝鮮に対するトランプ大統領の強気な交渉術であることは想像に難くない。確かに米国は武力行使をためらわないという姿勢は、北朝鮮に一定の圧力を与える効果はあるだろう。ただ、北朝鮮の出方は読みづらく、これが暴発の引き金にならないとも言い切れない。とにもかくにも北朝鮮の反応は見通しづらい。

チャート的には、25日線、75日線はそろって下向きに転じ、25日線が75日線を割り込むデッドクロスも示現。チャートは下降相場に転じた形だ。ただ、短期的には売られ過ぎ感も出ており、1万8500円を下回る水準では空売りを出していた短期筋の買い戻しや割安感の出た銘柄への買いも入りやすい。一方上値も1万9000円程度か。上は25日線を上回れなければ買い転換とはならない。それまでは戻り売り。また、5日線を上回るまでは下げ止まりとはならない。
来週も為替動向を見ながら様子見ムードを引きずる展開が予想される。来週のレンジは1万8500円〜1万9000円を予想



(2017年4月1日)
1万8750円〜1万9250円のレンジを予想。相場の変調には注意。
◆今週の日経平均は前週比353円安。27日は277円安と大幅安の始まりとなったが翌28日は217円高と反発。そして29日も配当取り後の売りも懸念されたが14円高と小幅ながら配当落ち分(約132円)をカバーしての続伸。好調な新年度相場のスタートとなった。しかし、翌30日は154円安、31日も154円安と週末にかけて続落。終わってみれば下値のフシとなっている1万9000円を割り込む悩ましい形となっている。
軟調の背景はトランプ政策の実行に対する疑念の高まりがある。看板政策のオバマケア見直しの棚上げだけではない。法人減税も財政赤字を嫌う与党・共和党と折り合えず小幅にとどまるとの見方が支配的になってきている。5月にも概要が判明するとみられているが市場の期待に沿える税制改革案となるか。トランプ政権への市場の信認も低下傾向にあり雲行きは怪しくなっている。

名実ともに新年度入りする来週は新年度に伴う一定の買い需要が想定される。しかし、年度の早い時期に利益を確保したい国内投資家の売りもかさみやすいタイミング。ポイントとなるのはやはり、トランプ政策実現の可能性、そして為替だ。特に目下の懸念は円高警戒。27日に一時110円台前半まで円高が進んだがその後も111円台での推移となっている。現状の為替水準が続くと18/3期は1ドル=105円程度を前提に利益予想を発表してくる企業が多くなると思われる。強気派の根拠の一つとなっている18/3期の連続増額見込みが、逆に減益予想となる企業が続出する可能性が高まるわけだ。
もっとも、現時点では下値も限定的となりそう。下は引き続き1月24日安値1万8787円を維持できるかがカギになる。来週は1万8750円〜1万9250円のレンジを予想。ただし、名実ともに新年度相場入りとなる来週は新たなトレンドが発生する可能性もあり、上であれ下であれ相場の変調には注意が必要。
尚、チャートは75日線を上回れなくなっている。そして、このままいくと25日線と75日線のDクロスももう少しで示現してくる。そうなると「売り転換」と判断され200日線(1万7725円)が次の下値メドとして意識されてくるためダウンリスクが増大する。いずれにしろ、このまま75日線を上回れない状態が続くと早かれ遅かれ「売り転換」と判断される

タイムスケジュールでは、国内では3日の日銀短観が注目される。米国では、5日にFOMCが開催され7日(金)には雇用統計が発表される。雇用統計の発表を週末に控え週後半にかけては様子見ムードが強まる可能性が高い。



(2017年3月25日)
下は1月24日安値1万8787円、上は75日線がポイント。
◆今週の日経平均は前週比259円安。トランプ政権の先行き不透明感が浮上し21日のNY株は大幅下落。これに1ドル=111円台への円高進行も嫌気され22日に414円安の大幅安に見舞われた。下値切り上げのチャートで上放れの可能性が高いと見られていたが、同日の大幅安で75日線(1万9226円)を割り込んできたことから昨年11月から続いてきた上昇トレンドに変調の兆しが出ている。週末は75日線を回復し、現状は1万9000円前後を下限とするボックス内に収まっているが、一時的な振れとして再び上値を目指すか。あるいは数カ月単位での調整に入るか微妙な情勢にある。

来週は3月期末を控えた最終週となる。29日からの配当や株主優待の権利落ちからどうなるか。3月末までお化粧買いが入る可能性や、実質的な新年度入り相場となるため新規資金の流入も期待できそうだが、今までの上昇から反対に利益確定売りから入る可能性もあるところ。
いずれにしろこの先も日本株を左右するのはNYダウと為替ということになろう。期待がはげ落ち始めているトランプ氏の政策期待が一段と後退すれば、一段のリスクオフの動きも心配されるが、少なくともNY市場の安定がなければ東京市場の上値追いはおぼつかない。為替も重要だ。米国ではトランプ政権の先行き不透明感から長期金利は低下しやすくなっている。このため足元では円高に振れやすくなっているが、円相場の動向を睨みながらの展開に。

テクニカル的には26週線(1万8569円)を維持できるかが中期動向を占う上でのポイントとなる。そんな視点からも下は1月24日安値1万8787円を維持できるかがカギになる。割り込んでくるようであれば日柄を伴った本格調整に入る可能性が高まる。一方上はまず75日線以上維持できるか。75日線を下回る事はチャート的には下降転換と判断される。また、75日線を回復しても25日線を上回れなければ戻り売りの範疇。要するに75日線、25日線を上回れない状態が続くと売り転換と判断される。この辺が3月末から4月に向けた観察ポイントとなる。

タイムスケジュールでは、28日(火)が3月期銘柄の権利付き最終日となる。米国では、28日のS&Pケース&シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数、31日のシカゴ景況指数などが発表される。



(2017年3月18日)
近くて遠い2万円。1万9250〜9600円のレンジを予想。
◆今週の日経平均は前週比83円安。10日に続き週明け13日も1万9633円と連日で終値ベースの高値を更新。2万円を目指す期待が膨らんだ。しかし3月2日のザラ場高値1万9668円には届かず、そこからはいつもの足踏み。また、15日のFOMCで0.25%の追加利上げをしたものの、為替は利上げ織り込み済みということで円高に反転。さらにオランダ総選挙も波乱要因とはならなかったがこちらもリスクオンにつながることはなかった。下値は堅いが、上に行けないフラストレーションは溜まりに溜まっており、ここまでもたつくとさすがに上昇期待も薄らぐ。

チャートは、200日線、75日線、25日線が揃って上向き。下げても25日線を下値にすぐに切り返す底堅さを維持し、チャートは「強気継続」のサイン。トレンドも下値切り上げ型の持ち合いとなっており、上放れ期待が持たれる形だ。また、17日時点の日経平均の予想PERは16.13倍。昨年4月28日のピーク18.19倍と比較すればかなり下。さらに、来18/3期も増益基調と予想されており現在の16倍台そこそこのPERは、より割安になる。こうしたバリュー面からももう一段高が期待される根拠になっている。しかし、現実は1万9500円から上は伸びあぐねている。
こうした中、17日NYの円相場は1ドル=112円70〜80銭。一時112円57銭と2月28日以来およそ3週ぶりの円高水準に戻されている。円高が進んだ流れを受けCME日経先物も大証比55円安の1万9295円と軟調

下落局面では3月決算期末の配当狙いの買いが入りやすいほか、来期の業績改善期待も相場を支える。来週も引き続き下値は堅いと予想される。しかし、円安一服や学校法人「森友学園」問題も重しと見られ始めており高値を試すのも難しそうなムード。来週は1万9200〜1万9600円を予想。上値の重い展開が続いているが、目前にみえている日経平均2万円乗せは近くにあるようで遠い。

タイムスケジュールでは、20日(月)は祝日で休場。来週も為替に左右される展開が予想されるが、そうした面で17日(日本時間18日未明)からドイツで始まる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が注目されている。




(2017年3月11日)
引き続き1万9250〜9750円のレンジを予想。
◆今週の日経平均は前週比135円高。NYダウの軟化もあり週前半は軟調な展開を続けていたが下は25日線が下値サポート。そして8日発表のADP雇用報告が予想以上に好調な内容だったことから来週のFOMCでの追加利上げ観測が強まり円安が進行。波乱となることも多い「メジャーSQ」を無難に通過した安心感と、1ドル=115円台への円安を好感し10日の日経平均は大幅高。節目の1万9500円を回復し1万9604円と、終値ベースでの高値1万9594円(1/4)を更新。2万円乗せへの期待が再び膨らんだ。
しかし高値は1万9623円と3月2日に付けたザラ場高値1万9668円には届いていない。セオリーではもち合いを抜けた形だが、1万9600円の抵抗線を明確に上抜けたとは言えず「ダマシ」に終わる可能性もある。重要なのはここから。ここから上放れれば強気シグナルになるが、2万円を目指すにはもう一段の円安が必要なようだ

その為替を左右する10日発表の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月から23万5000人増え市場予想(約19万人増)を大幅に上回った。14〜15日のFOMCでは追加利上げがほぼ確実視される状況だ。しかし、利上げ観測から一足先に円安・ドル高が進んでいたことで、米雇用統計の発表をきっかけに手じまい売り(円買い)が優勢となりNYの円相場は1ドル=114円70〜80銭とやや円高に。円の反発を受けCME日経先物は大証比25円安の1万9445円。尚、先物は配当分(120〜140円?)を落とした価格。一見すると大きな下ザヤにあるように見えるが、現物価格では1万9500円台後半で、それほど下がっているわけではない点に注意。

来週の見通しとしては、引き続き1万9250〜1万9750円のレンジを予想。上は1万9750円を抜けてくると2万円乗せが現実視されるが、そのためにはもう一段の円安が必要となりそう。その円相場は1ドル=115円台での値固めが進めば直近の円安水準である118円台後半をうかがう動きが期待され、そうなれば日経平均も戻りを試しそう。ただ、14日から開催されるFOMCでの利上げは既に織り込み、さらに15日には極右政党の動向が注目されるオランダ総選挙も控えており先行きは不透明。
一方下は25日線→75日線が順次の下値ラインとなる。75日線を下回ったら売り転換となるが、現状では大きく崩れるとは考えにくいところ。むしろ、4月後半から5月初めに高値を付けるアノマリーに従えば3月に仕込み、4〜5月に利喰うというイメージも持たれるところだ。



(2017年3月4日)
週後半は様子見が強まりそう。日経平均2万円乗せはまた、お預けか。
◆今週の日経平均は前週比186円高。日本時間1日の11時から始まったトランプ米大統領の議会演説は政策の詳細には踏み込まなかった。しかし、無難に通過したことの安心感で1日の日経平均は275円高と大幅高。さらに、1日のNYダウは303ドル高とこれを大きく評価。1ドル=114円台への円安進行も好感され、2日は一時1万9668円と1月5日ザラ場高値1万9615円を抜き、念願の2万円乗せへの期待が膨らんだ。しかしその後は伸び悩み、終値は1万9564円と結局、終値ベースでの高値1万9594円(1/4)は超えられず、1万9500円の壁を越えられたのも3月2日の1日に留まった。

チャートは200日線、75日線、25日線はすべて上向きで、株価も25日線を上回る位置に戻している。各移動平均線との過熱感もなく、テクニカル的には「強気」を示す動きと言える。また、好調な第3四半期決算を受け日経平均の予想平均PERは3日時点で16.11倍と割高感もない。こんな視点からは一段高期待が持たれるところだ。
しかし、1万9500円の「壁」が改めて意識させられる。こうした中、来週は週末10日に「メジャーSQ」を控え、3月本決算をにらんだ「決算対策売り」もここから本格化する。共に売られやすいイベントで頭を抑えそう。加えて、10日に米雇用統計の発表を控えていることや14日から開催されるFOMC、さらに15日には極右政党の動向が注目されるオランダ総選挙を控えている。内外のこうしたスケジュールから、週後半にかけは様子見の動きが強まりそう。

来週の見通しとしては、1万9500円を基調の分岐点に1万9250〜1万9750円のレンジを予想。1万9750円を抜けてくると2万円乗せが現実視されるが、上述したことから、週末に向けては様子見の動きが強まり続そう。日経平均の2万円乗せはもうしばらくお預けか。反対に、このレンジを割り込んでくると1月5日高値1万9615円、2月13日高値1万9519円の三尊天井のチャートとなってしまう心配が高まる。

タイムスケジュールでは、国内では8日(水)にGDP改定値、10日はメジャーSQとなる。米国では、10日(金)の雇用統計が注目される。



(2017年2月26日)
演説後の波乱も。1万8500〜1万9500円のレンジを想定。
◆先週の日経平均は前週比49円高。週末24日も11ドル高とNYダウは11日続けて過去最高値を更新。1987年以来およそ30年ぶりの出来事だ。言うまでもなく、トランプ大統領による減税発言や堅調な経済指標が追い風となっている。しかしその一方、NYダウが連日最高値を更新する中で、日経平均は心理的なフシ目の1万9500円に頭を抑えられる展開が続いている。悪く言えば、NY株高に付いていけない東京の弱さが失望されそうな状況だ。

さて、米国上下両院合同本会議における現地時間28日のトランプ大統領演説が今週の最大のイベント。「税に関する驚くべき発表をする」というトランプ氏の発言を手がかりに買われてきたが、NYダウは2月9日から24日まで過去最高値を更新する11連騰。米市場の予想PERも約18倍と13年ぶりの高水準にある。どう見ても過熱感があり、演説が市場の期待に応えられなかった場合は一気に失望売りを招きかねない。そうでなくても「材料出尽くし」となりやすい場面で、良くも悪くも演説後のリスクが警戒される場面だ。

こうした中、24日のNYダウは11ドル高の2万0821ドルと11日続伸。円相場は1ドル=111円95銭〜112円05銭。1月31日〜2月1日開催のFOMC議事要旨で3月の利上げがはっきり示されなかったのを受け円買・ドル売りを促した。円の上昇を嫌気しCME日経先物も大証比110円安の1万9160円と一段安。
週明けはCMEにサヤ寄せする軟調な始まりが予想されるが、まずは25日線(24日現在・1万9182円)がサポートするか。この下は1万9000円が下値となるか。これまで1万9000円を下回る水準では日銀のETF(上場投信)買いなどが支えとなっているが、演説後のNY株が失望売りとなれば一時的な波乱は免れない。そうなった場合は75日線(同・1万8838円)、1万8500円くらいまでは見ておく必要がある。一方上は1万9500円が強力な関門になっている。トランプ氏演説で市場予想を上回るサプライズがない限り上抜ける展開は難しいだろう。トランプ米大統領演説後の波乱も想定され、今週のレンジは1万8500円 〜1万9500円と下を広めに見ておきたい。 



(2017年2月18日)
1万9000円〜9500円での一進一退か。
◆今週の日経平均は前週比144円安。トランプ大統領による減税発言や堅調な経済指標を好感してNYダウは連日の最高値更新。NY株高を追い風に東京も反発の動きとなったが戻りは限定的で、1月5日高値1万9615円を前にした1万9500円前後で足踏み。さらに、NYダウは2月9日から16日まで連日の上昇で565ドルも上げているのに抜けられず、上値の重さや失望感の方が高まる状況となっている。
しかし、日銀のETF(上場投信)や外国人買い期待で下も依然、下も堅い。また、第3四半期決算は堅調な数字になった企業が多くPERなど投資指標面からの日経平均2万円乗せの環境も整っている。届きそうで届かない日経平均2万円だが、2万円大台乗せの環境は整いつつあるように思われる。

来週もこうした方向感を欠く展開となりそうで、1万9000円台前半で一進一退の動きが予想される。こうした中、17日のNYダウは小幅ながら7日連続で過去最高値を更新している。しかし、NYの円相場は1ドル=112円80〜90銭とやや円高に傾き、CME日経先物も大証比70円安の1万9130円となっている

週明けは下値を試す動きから始まりそうだが、まずは25日線(1万9116円)がサポートするか。25日線を維持していれば基本、上昇基調を維持。割り込んでくると再び下振れリスクが高まり、2月9日〜10日に空けたマド(1万8991円)や75日線が下値として意識されてくる
一方上は5日線(1万9343円)。5日線を回復できれば下げ止まり感から、再び上値を試す動きも期待されるが、上は心理的な節目の1万9500円前後が目下の壁になっている。あとは1月5日高値1万9615円を抜けてくるか。ここを抜けてくれば新局面入りの格好となり2万円の大台に迫る展開が期待される

タイムスケジュールでは、米国は20日(月)は祝日で休場。22日(水)にはFOMC議事要旨が明らかになる。



(2017年2月11日)
日米首脳会談の警戒感は後退、再び強気の流れに。
◆今週の日経平均は前週比460円高。1万9000円前後で一進一退の動きが続いていたが、週末10日に471円高と大幅反発。トランプ大統領が2、3週間以内に「税に関する驚くべき発表をする」と発言したのを受け、9日のNYダウは減税策期待から過去最高値を更新。円安も進み、日米首脳会談を前にした警戒感から売られてきた日本株にも一気に買い戻しが入った。日経平均はマドを開けて25日線を上放れ、調整一巡から先高期待のチャートとなっている。

注目された日米首脳会談は、会談後の共同記者会見でトランプ大統領がドル高をけん制したとの受け止めから一時的に円高・ドル安が進んだ。しかし、トランプ氏は「ルールに従って行動する」との認識を示しただけでドル高へのけん制を強めたという印象はないと判断され結局は、会見前の水準に戻している。日米首脳会談後の共同記者会見は概ね友好的な関係を築こうとする両首脳の姿勢を映し、ひとまず市場が好感できる形で終了したといって良いだろう

NY株高の背景にあるのは米経済の回復期待だ。足元はトランプ氏が2〜3週間以内に発表するとした法人減税などの経済対策が具体的に進むとの期待が投資家心理を強気に傾けている。10日のNYダウも96ドル高の2万0269ドルと連日で過去最高値を更新。もちろん、米経済の強まりは日本株にとっても好材料となる。また、第3四半期決算もかなりの発表を終えたが、予想通り好調で外国人投資家は引き続き『持たざるリスク』を感じているという。懸念された「日米首脳会談への警戒感も取り合えず後退。米経済の回復期待を背景に再び強気の流れとなっている。

もっとも、足元では強気の流れに変化しているが、トランプ氏の言動や姿勢はどう変化するか分からない。ここは引き続き「相場は相場に聞け」、テクニカル重視のスタンスだ。テクニカル的には、昨年12月21日高値1万9592円とダブルトップの形になっている1月5日高値1万9615円を抜けてくるか。ここを抜けてくれば新局面入りの格好となり2万円の大台に迫る展開が期待される。しかし、この1万9500〜600円前後で頭打ちになると三尊天井のチャートとなってしまう。一方下は5日線(10日現在・1万9035円)、25日線(同1万9108円)を維持できるか。両線を維持出来ていれば基本、上昇トレンドは継続。割り込んでくると再び下振れリスクが高まる

タイムスケジュールでは、13日(月)に10−12月期のGDPが発表される。一方、14日(火)で第3四半期決算の発表はほぼ終了する。


(2017年2月4日)
注目は10日(金)の日米首脳会談。それまで一進一退か。
◆今週の日経平均は前週比549円安。トランプ大統領の政権運営への不透明感から週前半のNYダウは大幅続落。さらに同大統領の円安誘導批判で1ドル=112円台へと円高も進み日経平均は大幅安。日足チャートでは5日線が25日線を下抜くミニデッドクロスが示現。25日線も下向きが鮮明になり、短期トレンドは調整局面入りを示唆。
しかし、下方硬直のある動きも継続している。前回も述べたが日本株を買えていない海外投資家は多いと言われており、米国に上場する日本株の上場投資信託(ETF)などを通じ日本株への資金流入は続いている模様。各移動平均線や25日騰落レシオなどテクニカル的な過熱感も完全に払しょく。東証1部売買代金も高水準を維持しており上値を試すエネルギーもある。さらに、2月の日経平均の月足陰陽線では2000年から昨年までで11勝6敗、続く3月は12勝5敗と、ここから勝率の良い季節習性にも入る。「相場は悲観で生まれ、懐疑で育つ」という格言に照らし合わせるなら、まさに「懐疑で育つ」といった状況だ。

いずれにしろ、注目されるのは10日(金)の日米首脳会談。トランプ大統領が安部首相の主張に耳を傾けるようであれば株価は上昇する期待が高まる。しかし、同大統領が自己の主張を繰り返すばかりであれば円高・株安になる公算が高まる。常識の通用しない米大統領でいずれか判断は難しい。
こうした中、3日のNYダウは186ドル高の2万0071ドルと急反発。CME日経先物は大証比110円高の1万9050円としっかり。週明けはNY株高を好感して反発から始まりそうだが上は25日線が上値抵抗になりそう。しかし、25日線奪回のハードルは高くなっている。下は1月18日の安値1万8650円→75日線がメドに。75日線も下回ってくると調整長期化を覚悟する必要も出てくる
来週は首脳会談を控えて動きにくい展開となりそうで、円相場が大きく変動しない限り1万9000円前後で一進一退の動きが続きそう。レンジは75日線(1万8429円)〜25日線(1万9172円)を意識した1万8500円〜1万9200円が予想される。
このまま崩れて下降転換してしまうか、それとも絶好の押し目の調整となるか。10日の日米首脳会談が吉と出るか凶と出るか。

タイムスケジュールでは、第3四半期決算ラッシュとなるが、個別ではトヨタやソフトバンクの決算が注目される。そして、10日(金)のトランプ大統領と安部首相の会談だ。




(2017年1月28日)
下は5日線・25日線、上は1月5日高値1万9615円がポイント
◆今週の日経平均は前週比330円高。トランプ大統領の政策期待を背景にNYダウは25日、ついに2万ドルの大台に乗せた。NY株高を追い風に日経平均も大幅反発。上昇転換のポイントとなる25日線を突破し、再上昇転換の形となっている。
前回、「ドル建て日経平均」が2000年以降の壁となっている170ドルに迫り、外国人投資家は『持たざるリスク』を感じ始めているとした。その「ドル建て日経平均」は170ドルを超えてきた。外国人にとって収益に影響するのはドルベースの株価。まだ日本株を買えていない海外投資家も多いと言われているが、背景にドル建てで日本株に投資する海外勢の資金流入があるようだ。
ただ、快調なNY株に比べると日経平均の上値はやはり重い。米国第一主義のトランプ政策はNY株にとってはイケイケドンドンでも、日本株にとっては保護主義的な通商政策に対する懸念にもなっている。

いずれにしろ、引き続きトランプ新大統領の政策とその株価への影響は読みづらい。来週も今週同様、「相場は相場に聞け」。テクニカル重視のスタンスで臨む場面だろう。
まず、来週にピークを迎える第3四半期決算発表は業績予想の上方修正が相次ぐと見込まれる。NY株高に堅調な企業業績も支援材料になりそうで、来週も戻りを試す動きとなりそうだが、昨年12月21日高値1万9592円とダブルトップの形になっている1月5日高値1万9615円を抜けてくれば2万円の大台に迫る展開が期待される。しかし、この1万9500〜600円前後で頭打ちになると逆に三尊天井のチャートとなってしまう。一方下は5日線(27日現在・1万9120円)、25日線(同1万9243円)を維持できるか。両線を維持出来ていれば基本、上昇トレンドは継続。早いか遅いかだけ2万円到達も時間の問題となる。割り込んでくると再び下振れリスクが高まる
先高感はあるがどこまで上値を伸ばせるか。尚、あまり言われていないが「節分天井」という格言もあることも頭の片隅に入れておく必要はある。

タイムスケジュールでは、国内では来週から第3四半期決算の発表が本格化してくる。米国では31日からFOMCが開催され、週末2月3日には雇用統計が発表される。これを受けたNY株価や為替の動向が注目される。



(2017年1月21日)
まずは5日線〜25日線のレンジをどちらに抜けてくるか
◆今週の日経平均は前週比150円安。1ドル=112円台まで進行した円高を受け18日に1万8650円まで下落。25日線はおろか1万9000円も大きく割り込み暗雲が漂った。しかし、イエレンFRB議長の発言などもありその後ドルが買い直され反発。心理的なフシ目の1万9000円に5日線を回復。25日線を回復するまで再上昇転換とはならないが、下振れリスクは一旦後退している。

注目されたトランプ新米大統領の就任演説では具体的な政策には踏み込まなかった。儀式的な色彩が強く、目下のところ株式市場では売買材料にはなりにくい。
ここで今の市場心理を整理しておくと。弱気面では、1月4日大発会こそ大幅高で始まったがその後は上値の重い展開となり調整ムードが漂っている。米国の期待とは裏腹に、日本では保護主義への警戒が強まり「トランプ・リスク」が高まっている。為替も円安修正の動きとなっており、為替の動向次第では一段安となる可能性もある。
一方強気面では、25日騰落レシオは18日には約4カ月ぶりに中立の100%割れとなるなどテクニカル的な過熱感は完全に解消。また、今朝(21日)の日経紙にも書かれているが、日銀のETF買いや自社株買いを支えに円高に振れても下がりにくい状況が続き、ドル建ての日経平均は上昇。2000年以降のドル建て日経平均の壁となっている「170ドル」が目前にせまり、外国人投資家は『持たざるリスク』を感じ始めていると解説している。実際、海外勢とみられる買いが出始めているが、日本では売りとされる円高も外国人投資家の目には買い要因ともなってきている。
また、来週から2016年4〜12月期決算発表が本格化する。昨年末までの円安進行で輸出企業を中心に収益期待が高まりそうだが、これとて、すでに買われている銘柄が多い。好業績が確認された銘柄を個別に物色する動きは出そうだが、期待ほどの決算が出なかったものについては失望売りが出る可能性もある、相場全体では難しい決算発表といえそうだ。

こうして見ると上なのか下なのか分からなくなる。結局、株価の先行きはトランプ新米大統領の出方次第ということだが、どう変化するかわからないトランプ氏の政策がどうなるかをここで考えても意味はなさそう。こうした場面は「相場は相場に聞け」のスタンスだ。テクニカル重視のスタンスが有効だろう。
 そのテクニカル面では正念場にある。日経平均は昨年12月21日高値1万9592円と今年1月5日高値1万9615円のダブルトップの形になりつつある。まずは5日線〜25日線のレンジを想定。これをどちらに抜けてくるか。5日線や1万9000円を割り込んでくると下振れリスクが高まる。一方25日線を上回ってくれば再上昇期待が高まる




(2017年1月14日)
25日線や1万9000円の下値テストを意識した展開か
◆今週の日経平均は前週比167円安。「トランプリスク」の顕在化と言えばいいか。6日のトヨタ自動車に対するトランプ次期米大統領のツイッター投稿に続き、注目された11日の記者会見で、経済政策にほとんど言及しなかったこともあり円買い・ドル売りが加速。円相場は一時昨年12月8日以来となる、1ドル=113円台後半まで上昇。円高進行を受け12日の日経平均は輸出関連株を中心に売られ重要なポイントとなる25日線を割り込んだ。週末は25日線を回復し下振れリスクは後退したが上値が重くなったことは事実。トランプ氏の政策期待でNYダウの2万ドル大台到達はさほど遠くないかもしれないが、対をなすように日本経済にはマイナスの発言が目立つようになり、日経平均の2万円乗せは遠のいてきた感じだ。
それにしてもだ。11日のトランプ次期大統領の記者会見はヒドイものだった。質問をしようとした記者を遮り、一方的に罵詈(ばり)雑言を浴びせるなど前代未聞。まるで子供のような独善的な人物に映った。会見をみた多くの人が、こんな人が核のボタンを預かり、世界の政治、経済の秩序をつくる立場にたって本当に大丈夫なのか?!と不安を抱いただろう。

それはさておき、市場は20日のトランプ氏の米大統領就任演説を注視。ここにきてトヨタ問題や貿易赤字などで日本を標的にする言動もあり、日本株には警戒感の方が高まっている。来週も25日線(1万9232円)や1万9000円の下値テストを意識した展開か。少なくとも上値は重い展開となりそうだ
現在のチャートは、200日線、75日線、25日線と揃って上向く強気形状。短期的な過熱感も払拭されてきており、これで5日線、10日線を上回れば高値更新相場に戻し、「節分天井」に向け2万円乗せの期待が再び高まる。
一方、12日デイリーで、「25日線を割り込むと75日線を次のメドとした調整になるが、75日線(1万7961円)は1300円も下にあり、セオリー通りとしても値幅ではショッキングな調整となる可能性もある」とした。そうした面で25日線を維持できるか、心理的な節目の1万9000円を維持できるかは重要だ。
ここは強気と高値警戒の両面から観察するところ。25日線を維持するか、下回り売り転換するか。5日線、10日線を上回って再度高値更新相場に戻すか。SQ値19182円を維持できるか。このあたりが来週の判断ポイントとなる

タイムスケジュールでは、国内では16日に機械受注、17日に11月の鉱工業生産や訪日外国人数などが発表される。米国では16日(月)はキング牧師誕生日で休場。そして20日(金)にはトランプ新大統領の就任式が執り行われる。



(2017年1月7日)
2万円に向け二進一退か
◆今週の日経平均は前年末比340円高。1月4日の大発会は4年ぶりの上昇。しかも479円の大幅高で、幸先のよい2017年のスタートとなった。その後は1ドル=115円台の円高に振れたこともあり、やや軟調な展開となったものの5日線がサポートする底堅い動きで、これまでの上昇を踏まえれば押し目のうちにも入らない。むしろ、25日騰落レシオは12月15日の165.5%から120%前後まで低下、25日線とのかい離も縮小し、短期的な過熱感が良い具合に払拭されてきている。

トヨタ自動車に対しメキシコ工場新設について撤回を求めたトランプ次期米大統領のツイッター投稿など、1月20日の大統領就任式に向け何を言い出すか分からない同氏への警戒はあるが、こうした不穏な動きがあるにもかかわらず、今のところ株式市場でのリスクオフ的な売りは限定的。下がれば日銀のETF(上場投信)買いが見込めるほか、日本株を買い遅れている投資家は多いとみられ、需給は引き続き良好。現状は強気の動きを継続。

実際、現地時間6日発表の米雇用統計が労働市場の改善を示したと受け止められ6日のNYダウは64ドル高の1万9963ドル。また、米利上げが進むとの見方から円売り・ドル買いが膨らみ円相場は1ドル=116円95銭〜117円05銭と大幅反落。円安や米株高が進みCME日経先物も大証比185円高の1万9585円と大幅高で返されている。

結論としては、仮に調整局面があったとしても短期間で収束しそうな感触で、為替相場を見ながら2万円乗せに向け二進一退の上昇が続くか。テクニカル的には、中長期の200日線、75日線、25日線が下方に位置しかつ上向く強気形状。この状態で5日線、10日線も上回る間は短期にも強い上昇基調として2万円乗せも時間の問題となる。半面、5日線、10日線を下回ると短期調整ムードとなり、25日線を下回ると本格調整との判断になる

タイムスケジュールでは、国内では9日(月)が祝日で休場。また、2月期銘柄の第3四半期決算が連日発表される。



(2016年12月23日)
2万円乗せの期待も高まるが、上にも下にも素早く対応できるフットワークで。
◆今週の日経平均は前週比26円高。21日にはザラ場で1万9592円まで買われる場面があったが終値は1万9400円台と、前回レポート通り1万9500円を上限とした持ち合いとなった。しかし、高値警戒感はもとより、海外投資家のクリスマス休暇で閑散相場ともなったが、それでも崩れない強い相場が続いている。その海外投資家は休暇明けの27日から戻り始めるが、外資系運用会社などで日本株の投資評価を引き上げる動きも活発化しており、海外投資家の買い基調は年末年始も続きそうという声は多い。年末に向け為替は1ドル=120円台、株価は2万円台乗せとの見方が増えている。

しかし、一部に「昨年に続き年明けの急落に警戒…」とする声も聞こえてくる。昨年は12月1日に2万12円の高値を打った後調整し、2016年の新春相場に再度2万円突破の期待が膨らんでいた。だが、その期待は見がに裏切られ新年早々の大発会から急落。2月12日安値1万4865円まで12月高値から5000円以上もの急落となった。
実際、「強いアメリカ」を標榜するトランプ氏が来年1月に米大統領に就任するが、そこで円安を容認しない姿勢を打ち出さないかと懸念されている。こればかりはトランプ氏が大統領に就任しなければわからないが、いずれにしろ、ここ数年続いている年初の株安への警戒感も強い。

今年も残すところ1週間。終値ベースでの始値は1月大発会の1万8450円で1000円程度の幅があり現時点では5年連続の陽線となる可能性は高い。あとはこのまま2万円に向けた上昇相場を維持するか、年末前に一旦利食い売りで押されるか。現状のNY株高と円安が続く間は上げが続く可能性が高いが、チャート的には5日線を上回る状態は強い上昇基調として2万円乗せの期待が高まる。ともあれ、上昇相場は佳境にあり警戒は必要。上にいっても、下に流れても素早く対応できる軽いフットワークで臨む場面だろう

タイムスケジュールでは、国内では28日に11月の鉱工業生産が発表される。30日(金)は大納会となる。米国では、26日(月)はクリスマス振替で休場。




(2016年12月18日)
1万9000円から1万9600円での日柄調整を予想
◆先週の日経平均は前週比405円高。週半ばで一旦ピークアウトと読んだが結局、9日続伸し7日連続で年初来高値を更新。背景に一段の円安進行がある。注目のFOMCでは事前の予想通り0.25%の利上げを決定。しかし、17年の利上げ回数が3回と9月時点の2回から増えたことがサプライズとなった。日米金利差が拡大するとの見方から1ドル=118円台まで円安が進行。これを好感して日経平均も次のフシとなる1万9500円に迫った。16日終値は1万9401円と年内2万円乗せの可能性も出てきている。

もっとも、急激な円安の割に上値は抑圧され、それほどの上げとはなっていない。背景に急速な株価上昇への警戒感がある。25日騰落レシオは15日に165.5%と1990年以降で最高を記録するなどテクニカル的な過熱感は充満している。前回述べたように、このトレンドは3〜6ヶ月タームの上昇が続く可能性があり、波動的には昨年高値2万950円を上回る可能性もある。しかし、そうした先高シナリオを前提にしても、いったんは調整が必要な場面だ。 
ちなみに、16日のNYダウは8ドル83セント安の1万9843ドル41セント。米国の小型無人潜水機が中国海軍の艦船に奪われたと伝わり、米中関係の悪化などが警戒された。円相場は1ドル=117円95銭〜118円05銭とやや円高に振れ、CME日経先物も大証比75円安の1万9305円と一服気味。

今週は、ここまでの買いを主導してきた外国人投資家がクリスマス休暇に入る。高値警戒感が強い中、メインプレイヤーが不在となればちょっとした売りにも押されやすい。現状のNY株高と円安が続く間は上げが続く可能性が高いが、少なくとも上値は重くなりそうだ。
結論として、今週は高値圏での日柄調整を予想。下ブレした場合は25日線近辺までの調整も意識されるが、レンジは1万9000円から1万9600円を予想。一方、これまで通り5日線を下値支持線とする間は上昇が続くことになるが、それでも、ここから一気に2万円に接近するような動きがあれば目先、踏み上げ相場の最終局面となる可能性が高い。

タイムスケジュールでは、国内では19日から日銀金融政策決定会合が開催される。そして23日(金)は祝日で休場。米国では、22日に7−9月期のGDP確定値、23日に新築住宅販売などが発表される。



(2016年12月11日)
火曜〜水曜あたりで一旦ピークアウトの可能性も
◆先週の日経平均は前週比570円高。強烈な強さを見せているNYダウや1ドル=114円台への円安進行から9日には一時1万9000円台を回復。さらに9日のNYダウは142ドル高の1万9756ドルと5日連続で過去最高値を更新。週間ベースでは589ドル高で5週連続の上昇だ。そして円相場も1ドル=115円35〜45銭と2月9日以来10カ月ぶりの円安水準となっている。NY株高と円安を追い風にCME日経先物も大証比195円高の1万9185円と一段高
週明けも買いが先行しそうだが乗り遅れている国内機関投資家は多い。「持たざるリスク」から買いが買いを呼ぶ展開で一気に1万9500円、さらに2万円の大台に迫る可能性も出てきている。

しかし、9日時点で25日騰落レシオは142.4%、200日線(1万6738円)とのプラスかい離は13.49%、75日線(1万7229円)とは10.25%、25日線(1万7961円)とは5.7%。CME終値(1万9185円)で見ればさらにかい離は広がるが、短期的には超が付く過熱数値となっている。
この他、@大統領選後の急ピッチな上げは外国勢によるものだが12月決算を睨んだパフォーマンスアップの勝負に見える。だとするなら通常、クリスマス休暇の1〜2週間前に利益確定に動く。Aまた、13〜14日に開かれるFOMCでの利上げを織り込む動きともなっているが、こうした場合、FOMCの結果にかかわらずイベントをきっかけにした売りが出やすい。Bそして、今回のようにSQに向けて大きく動いた場合、SQを通過して2〜3日後にピークアウトすることが多い。つまり、短期的な過熱感に、前述@〜Bも考慮すると、今週火曜(13日)〜水曜(14日)あたりで一旦ピークアウトする可能性が高いと読むが

もちろん、これが暴落相場に向かうと言うことではない。今から2ヶ月も前になる10月15日(週間レポート718号)の当コーナーで、「4月22日高値1万7572円もクリアすると、昨年6月以降の長期低迷相場にピリオドが打たれる形に。持ち合いが長いだけに、そうなった場合3〜6ヶ月タームの上昇トレンドが続く可能性が高まる」としたように、上昇トレンドはまだ続く可能性が高い。波動的には昨年高値2万950円を上回る可能性もあるトレンドだ。僅か一ヶ月で3000円近くも上げているだけに、調整すればそれなりの下振れもあるかもしれないが、基本はスピード調整の動きと見る。もちろん、このまま一気に突き進む可能性もある。5日線を下値支持線とする上げが続く間は、これまでの「押し目待ちに押し目なし」といった強い上昇が続くことになる

タイムスケジュールでは、国内では12日(月)に機械受注、14日(水)に日銀短観、15日(木)に日露首脳会談がある。米国では13日(火)からFOMCが開催される。



(2016年12月3日)
上は1日高値1万8746円がポイント、下は1万8000円前後。
◆今週の日経平均は前週比45円高。OPEC総会での減産合意を受けた原油高で1ドル=114円台への円安が進行。これを受け日経平均は12月1日に一時1万8746円まで買われる場面があった。「掉尾の一振」が期待できる相場が続いている。しかしその一方「トランプラリー」の勢いは弱まりつつあるようにも感じる。また、2日発表の米雇用統計も強弱入り交じった結果だったため日米金利差の拡大観測が後退。円安一服感も強まっている。皮肉なものだが、「トランプラリー」についていけていなかった国内機関投資家が、ようやく買い越しに転じたと思ったら、その勢いは弱まりだしている。

前回も述べたが1万8500〜1万9000円は真空地帯。しかし、高値となった1万8746円近辺はテクニカル的なフシが集まる。昨年12月高値から今年6月安値までの黄金比76.4%戻しが1万8797円。また、米大統領選のあった9日の高値から安値までの倍返しも1万8743円だ。上はここがポイント。抜ければ一気に走りそうだが、当面のフシとして意識されている。
一方、下値ではトランプラリーについていけていなかった国内機関投資家の買いや日銀の上場投資信託(ETF)買いが期待される。下は17日から18日に空けたマド(1万7884円〜1万7967円)が意識され1万8000円前後がフシとなりそう。現状は適度な自律調整であり弱気に転じるサインは出ていない。10日線(2日現在・1万8285円)、5日線(同1万8382円)を下値支持線としている間は1万9000円から2万円に向けた上昇相場は続くと見る

ただ、警戒は必要だ。4日のイタリアの憲法改正を巡る国民投票が、仮に否決でレンツィ首相の辞任となれば再びEU問題が浮上。また、来週は「波乱のSQ週」でもある。基本は強気継続だが、急ピッチの上昇への反動から瞬間的には25日線(1万7717円)近辺まで急落するリスクもあり得る。急落があるとすればやはり円高だろう。引き続き、為替の動向を睨みながらのスタンスとなる。



(2016年11月26日)
1万8500円が次のフシ。円安が続けば1万9000円トライも。
◆今週の日経平均は前週比414円高。NYダウの連日の最高値更新もあるが、想像をはるかに超える1ドル=113円台への円安進行を受け強気の流れが継続。週末25日には一時、終値ベースでの高値となる1月4日終値1万8450円を上回る場面があった。日経平均は2015年11月以来の7日続伸。トランプショックと言われた11月9日ザラ場安値1万6111円から25日ザラ場高値1万8482円まで僅か12日間で2371円幅となる強烈な上昇が続いている。
当然「高所恐怖症」にさいなまれる市場参加者は多い。しかし「降りたら負け」と解説する向きもあるが、まさにその通りだ。疑心暗鬼のまま上昇相場に乗り遅れている国内機関投資家。それだけではない。18日時点の二市場の信用売り残は8655億円と6年ぶりの高水準。一方信用買い残は2兆580億円と3年8ヶ月ぶりの低水準。個人は個人で、11月9日のトランプショックで買いの手仕舞いを余儀なくされ、その後も買いは手仕舞い、逆に売り持ちを増やしているということだ。「高値警戒」と「持たざるリスク」のせめぎ合いが続いているが、現状は完全に「降りたら負け」のパターンとなっている

ここで、今年の相場を振り返ってみると。今年は1月4日の大発会から急落。この4日の高値は1万8951円で、終値は1万8450円と500円もの開きがある。今は大発会の安値圏である終値の攻防だ。ちなみに、昨年暮れ終値は1万9033円。つまり1万8500円〜1万9000円の価格帯は僅か1日の商いしかないのだが、この日の東証1部の売買代金も2兆2653億円と少ない。要するに1万8500円を抜けると1万9000円まで真空状態になる感触だ
1万8500円が目先のポイントになっていることはお分かり頂けると思うが、行方を左右するはやはり為替だろう。1ドル=115円を伺うとの見方もあるが、さらに円安が進めば1月4日の年初来高値1万8951円、つまり1万9000円を目指す展開となりそう。一方、利益確定や警戒売りも当然予想されるが、こうし相場は意外に下げにくい。下は17日から18日に空けたマド(1万7884円〜1万7967円)がチャートポイントとして意識され、取りあえず1万8000円割れチョイといったところか。ただし基本は円相場にらみ。この上昇相場も円安が続く間と割り切る必要はあるかもしれない

タイムスケジュールでは。12月2日(金)の米雇用統計が株価に影響を与えそうな発表事として注目される。




(2016年11月19日)
円相場をにらみながら。まずは1万7800〜1万8300円を想定。
◆今週の日経平均は前週比593円高。「トランプラリー」は続き18日には10カ月ぶりにザラ場で1万8000円を回復。連日で史上最高値を更新したNYダウもあるが、何と言っても1ドル=110円台まで進行した円安が日本株の強力な追い風となっている。
為替は18日にフシ目の1ドル=110円も下回り約5カ月ぶりの安値水準に下落。日米金利差の拡大観測から円売り・ドル買いが続いているが、9日以降の円の下落幅は10円近くに達し円安の勢いは想定をはるかに超えている。輸出企業の多くはこの第2四半期決算で想定為替レートを1ドル=100円の円高に修正したばかり。そこにこの円安。現在の円安水準が維持されれば下期の業績は上振れる可能性が高い。となれば当然、株価も一段高となるだろう。

10月19日付け当コーナーで「4月22日高値1万7572円もクリアすると、昨年6月以降の長期低迷相場にピリオドが打たれる形となり、3〜6ヶ月タームの上昇トレンドが続く可能性が高まる」としたが、1万8000円台乗せとなったことで長期低迷相場に完全にピリオドが打たれた格好。しかも、相場は遠からず崩れるはずだと慎重に構えていた多くの投資家は取り残されたまま。「持たざるリスク」で早ければ、年末に向け1万9000円(昨年末高値19033円)から2万円に上昇する可能性も出てきている。年末相場のジンクスともなっている「掉尾の一振」が期待される状況だ。

とは言え「トランプリスク」を捨てきれないのも事実だ。次期大統領に決まってからいく分おとなしくなったが、相手は何を言い出すか分からない大統領。突如急落するリスクも念頭に置いて臨む必要はある。
1万8000円乗せでさらに加速するか、それとも達成感から小休止するか。短期的な過熱感から利益確定売りは出やすいが、基本は円相場の動向をにらみながらの展開となるだろう。円安が進行すれば「持たざるリスク」も手伝い、買いが買いを呼ぶ展開もあり得る。上は1月につけた年初来高値1万8450円が意識される。一方、上昇転換の初動は意外にも調整は深くなりにくい。「押しは空まで」の格言通りなら下値は17日高値(1万7884円)、15日高値(1万7727円)が下値メドになる。 もちろん、「トランプリスク」は常に警戒だが、まずは1万7800〜1万8300円のレンジを想定

タイムスケジュールでは。今週は国内では23日(水)が勤労感謝の日で休場。米国では22日に中古住宅販売、23日に耐久財受注や進徳住宅販売、そして24日(木)は感謝祭で休場となる。



(2016年11月12日)
まずは25日線〜SQ値を想定。トランプ大統領の言動には注意が必要。
◆今週の日経平均は前週比469円高。世界中が注目した米大統領選はイギリスのEU離脱の国民投票と全く同じ。トランプ候補勝利の大番狂わせとなった。9日の日経平均はクリントン氏優勢との見方で一時1万7427円まで買われていたが、トランプ氏優勢が伝わると高値から1316円安にもなる1万6111円まで急落。それよりも驚かされたのはNY市場の反応だ。9日のNYダウは256ドル高と予想外の大幅続伸。さらに1ドル=105円台への円安も好感して、翌10日の日経平均は急反発。1093円高と今年最大の上げ幅となった。
「トランプリスク」とはいったい何だったのか。NYダウはクリントン氏優勢を読んで選挙前の2日間で444ドルも上昇していた。しかし、トランプ氏の当選が決まると売られるどころか、手のひらを返したように今度はトランプ歓迎ムードに転向。トランプ政権による大幅な法人減税や規制緩和などへの期待感から今週のNYダウは結局、5日続伸。週間の上げ幅は959ドル38セントと1980年以降で最大となった。為替も事前予想ではトランプ氏が当選すれば円高が進むとみられていたが、財政悪化懸念から米長期金利が急上昇。内外金利差の拡大で急激なドル高・円安に流れた。
9日の下げはともかく、翌日からの急反発は全くの想定外。買っては投げさせられ、売っては踏まされと「往復ビンタ」を食らった投資家も相当にいたようだが、オプション取引などで多大な損失を出した個人も少なくなかったようだ。

この急落・急反発を見なければ、日経平均のトレンドは何もなかったように短期・中期とも強気を維持。むしろ、4月高値の1万7600円台へ上伸したことから、7月から続いた持ち合いから上放れる動きと見ることも出来る。
しかし、まだ楽観はできない。トランプ氏は言うまでもなく「米国第一主義」。公約通りにTPP不参加や日本の防衛費負担増などを求めてくるようであれば日本の政治や経済には逆風になる。そうならなくても日本に対するけん制発言が市場の波乱要因になることは十分に考えられる。米国各地でトランプ氏排斥のデモも起きているが、トランプ大統領の政治は未知数で何があっても不思議ではない。引き続き言動には注意が必要だろう。

来週の見方としては、SQ値が上値・下値抵抗として意識されることは多く、まずは11日のSQ値(1万7596円78銭)を上回れるかが上値のポイント。ここはトレンドの転換シグナルとして信頼性が高いとされる新値三本足が「陽転」(終値で1万7572円50銭以上)するところでもあり重要。抜けてくれば12月SQに向け一段高に進む可能性が高まる。上回れないようなら目先調整入りの可能性が高まる。一方下は25日線(1万7101円)を維持できるかがポイント。25日線を上回っていれば基本上昇相場。取りあえず25日線〜SQ値のレンジを想定。一方向に振れやすい相場となっているため、株価は少し幅を見て1万7000円〜1万7700円を想定。このレンジをいずれか抜けてきたらその方向に流れが強まる

タイムスケジュールでは。国内では、14日に7−9月期GDPに9月の鉱工業生産(確報)、16日に訪日外国人数などが発表される。米国では15日にNY州製造業景況指数、16日に鉱工業生産、17日に住宅着工などが明らかになる。



(2016年11月5日)
米大統領選次第
◆今週の日経平均は前週比541円安。今回も1万7500円前後が高値。「1万7500円に近付く場面は一旦売りを優先させ、あとは抜けるかどうかを確認してから新たにポジションを考えるのが実践的な対応」としたがズバリ正解となった。
それは良しとして、下値は固いと思われた相場に底割れ不安も台頭している。8日に迫った大統領選挙で「トランプリスク」がぶり返したことが背景だ。今年6月に“まさか…”という結果になった英国のEU離脱決定の記憶も新しいが、この時、日経平均は1日で1286円安もの急落となった。実際に米大統領選でトランプ氏が勝利すれば、同じ状況が繰り返されないとも限らない。日経平均もリスクオフの動きで週末に向け大幅続落。下値になるかと思われた25日線を割り込み、75日線が下値意識される状況となっている。75日線は上昇・下降の転換点となるところで、割り込めば下降転換も心配されるところだ。為替も安全資産の円を買う動きから円高に進んでいる。

クリントン氏のメール問題の再捜査を決めたFBIのコミー長官。現在は無党派と主張しているが以前は共和党員と言われている。また、投票まで10日あまりに迫ったタイミングでの再捜査通知も何か出来過ぎだ。選挙終盤に向けた共和党の切り札とも思えなくもないが、いずれにしろ、来週の相場は日本時間9日(2時ごろ?)に判明する米大統領選の結果次第。よほど大きな材料が出なければ、大統領選までは75日線〜25日線(1万7000円)を意識した動き。そして8日の大統領選で、クリントン氏勝利となれば日経平均は再び1万7500〜1万8000円に向けた上昇相場に復帰する可能性が高まる。一方、トランプ氏勝利となれば1万6000円前後くりまでの急落は見ておかなくてはならず、円相場も1ドル=100円を突破する可能性も。クリントン氏勝利なら平穏な年末を迎えられそうだが、トランプ大統領では不透明感が多すぎて年末相場は不安定になりそうだ。ただし、市場はトランプ氏勝利という弱気サプライズを既に織り込み始めている。また、ETF買い(上場投資信託)期待も当然ある。仮にトランプ氏に決まっても、急落した場面は「アク抜け」としてひとまず買いが入ってくる可能性もある

タイムスケジュールでは、先述したように8日(火)の大統領選挙の結果次第で東京市場も大きく揺れる可能性がある。国内では中間決算発表のラッシュとなるが、特に8日発表のトヨタ7203の中間決算が注目される。



(2016年10月29日)
目先は調整を予想するが、アヤ押し程度か。
◆今週の日経平均は前週比262円高。28日終値は1万7446円とフシ目の1万7500円乗せに王手をかけている。背景にはまず円安がある。米国の金利先高期待からドル円は27日に1ドル=105円台に乗せた。フシ目と見られている1ドル=105円は日本株の強弱の分水嶺ともなる。次に4〜9月期決算も思いのほか底堅い内容が目立つ。円高による業績予想の下方修正はある程度織り込まれている上、足元の円安傾向もありむしろ明るい感じ。これまでの金融政策を頼みとした相場から業績や景気が先導する相場に切り替わってきている感触だ。
そして需給だ。今回の戻りを主導したのは買い越しに転じてきた海外勢。中で市場の話題をさらっているのがソシエテ経由の先物買いだ。これが日経平均を半年ぶりの高値圏に押し上げたが、タイミングは絶妙だった。これまで述べているが裁定買い残や信用買い残は大きく減少し「持たざるリスク」が意識される状況にあった。需給的に上がりやすい状況にあった中、突然、大口の買いが現れた格好だ。75日線が200日線を上回るゴールデンクロスも示現するなどチャートも強気サインを次々と発し、低迷していた売買代金も28日には3兆円台に乗せている。ネックとなっていた市場エネルギーも拡大の兆しを見せ、新たな上昇トレンド入りへの期待は一段と膨らんでいる。

しかし、この楽観ムードに再び水を差す動きも出ている。クリントン氏の国務長官時代の私用メール問題に絡みFBIが捜査を再開すると伝わっている。捜査再開は想定外の事態で、米大統領選を巡る不透明感が再び意識され、株・為替はリスク回避の動きに傾いている。
28日のNYダウは朝方発表されたGDP速報値などを好感し買いが先行した。しかし「クリントン・メール問題」が伝わると売りが広がり、終わりは8ドル安の1万8161ドルと小幅続落。円相場も朝方には7月29日以来となる105円54銭まで付ける場面があったが、終わりは1ドル=104円70〜80銭と反発。GME日経先物も大証比70円安の1万7390円と反落。

米大統領選も11月8日の本選までまだ揺れ動く動きは続きそうだ。加えて、さらなる円安の進行がない限り1万8000円に向けた動きにはなりづらいと思われる。また、28日の日経平均日足は始値と終値がほぼ同値となる「十字足」。週明けは軟調な始まりが予想されるが、「十字足」は気迷い線とされ、ここで反落すると高値圏での売りシグナルとして警戒されやすい。25日騰落レシオなどの過熱感もあり、一旦は調整する可能性が高い。
ただし、「持たざるリスク」は確実に高まっており、押し目は買いそびれた向きの買いも入りそう。また、75日線が200日線を上回るゴールデンクロスは上昇初動と見る動きで、25日騰落レシオの異常な高数値も大きな相場の初動段階でよく見られるパターン。目先は過熱感を和らげるために一服する可能性が高いと思われるが、アヤ押し程度で、下げても上昇してきている25日線(1万6922円)絡みまでの調整ということになりそう

タイムスケジュールでは、来週は中間決算の発表ラッシュとなる。そして10月31日、11月1日まで日銀金融政策決定会合は開催される。3日(木)は文化の日で休場。米国では4日(金)の雇用統計が注目される。



(2016年10月22日)
1万7000円台前半の値固めを予想
◆今週の日経平均は前週比328円高。こう着状態が続くかと思われたが、21日に1万7288円まで上昇し5月31日のザラ場高値1万7251円を突破。約半年ぶりの高値水準を付けた。引けにかけては一服となったものの、週末要因に加え前日まで5日続伸で利益確定売りが出やすい場面。また、同日午後2時過ぎに鳥取県で発生した地震のリスクオフもある。その割に下げは小幅で新たな上昇トレンド入りへの期待は膨らんでいる。
主な理由としては、3回のテレビ討論会を終え米大統領選は「クリントン氏勝利」の可能性が高まったこと。また、主要輸出企業の先陣を切って決算を発表した安川電機6506の4〜9月期の連結営業利益は期初予想を上回った。これが好感され株価も年初来高値を更新。警戒されていた決算も「想定しているほど悪くないのでは?」と安心感が広がっていることもある。

もっとも、この上昇を確信にするにはもう少し後押し材料が必要だ。「トランプ氏がクリントン氏に支持率で接近?」というニュースも週末のロイターで流れているようだが、大統領選まで何があるか分からず、11月8日の本選まで余談は許さないだろう。決算発表も下方修正と減配を発表した旭ダイヤ6140が急落するなど悪い発表には手厳しい反応ともなっている。来週から本格化する決算発表をもう少し見る必要はあるだろう。もちろん、肝心の為替相場の方向も見えにくい状況にある
また、9月までは海外勢と個人投資家の売りを日銀のETF買いや企業の自社株買いが吸収する構図が続いていた。これまで述べているが裁定買い残や信用買い残は大きく減少し需給的に上がりやすい状況にあった。今週の上げは、そこに仕掛け的な買いが入って上げたフライング気味の動きとも言えなくもない。実際、東証1部の売買代金は20日、21日と2兆円の大台を超えたが、大商いになった任天堂7974の影響が大きく、同社株を除くと1兆8000億円台にとどまる。詳細に見れば売買代金はまだ盛り上がりを欠いている。一段の上昇にはやはり売買代金の増加は不可欠だ

こうした状況から来週は1万7000円台前半の値固めを予想。1万7250円を超えると利益確定売りが出やすいと思われるが、レンジは1万7000〜1万7500円を予想。ただし、これまで述べている「持たざるリスク」は一段と強まっている。こうした状況は何かのきっかけで買いが買いを呼ぶ上昇パターンとなることも多い。4月25日高値1万7613円も抜けてくるような一段の強い動きを見せてきたら、ヘタな弱気や慎重論がけがの元となることも留意しておきたい。

タイムスケジュールでは、国内では15日(火)にはJR九州が上場する。さらに、2017年3月期の第2四半期決算の発表が本格化する。その数字に一喜一憂する相場展開になる。




(2016年10月15日)
1万7000円超えは今しばらく先か。円安基調が続くかがポイント。
◆今週の日経平均は前週比4円安。11日に終値で1万7000円台を回復したものの、予想通り1万7000円を上値とする展開となった。引き続き1万7000円から上は重いと予想されるのだが、こうした見方に疑問を持たざるを得ない様相も見せ始めている。

まず、日米金利差の拡大観測から日本株にとって追い風となる円安の流れが強まっている。13日には一時1ドル=104円台後半まで下げ7月29日以来、約2カ月半ぶりの円安水準にきている。次に、11月上旬の米大統領選が相場を大きく左右するイベントとして注目されるが、テレビ討論会などを経て共和党のトランプ氏が当選する可能性は小さくなってきた印象だ。民主党のクリントン氏が当選すれば国内外の株式市場に買い安心感が出てくるだろう。
そして需給面だ。ETF買い(上場投資信託)で下値不安は乏しい。その上、前回も述べたが、信用残や裁定残など外すべき買いポジは一通り外され、むしろ「持たざるリスク」を感じ始めてもおかしくない状況となっている。
気になるのは10月末から本格化する9月中間決算発表だ。円高の影響で下方修正が相次ぐ可能性はあるが、それもある程度は織り込んでいる模様。現実的にはその時々の為替相場の動向に決算発表の結果も左右されることになりそう。前述の「円安の流れ」と関連するが、減額修正を発表しても、円安傾向に動いていれば株価へのダメージは小さく、逆にアク抜けというパターンも想定されるところだ。

チャートは7月以降続いている1万7000円を上値とする持ち合い抜けを試す動き。最後の関門となる4月22日高値1万7572円もクリアすると、昨年6月以降の長期低迷相場にピリオドが打たれる形に。持ち合いが長いだけに、仮にそうなった場合、3〜6ヶ月タームの上昇トレンドが続く可能性が高まる。しかし、11月に米国大統領選を控えて買いにくい中、中間決算発表が出揃うまで様子見気分は残る。少なくとも10月中はまだイケイケのポジションは取れない。上に行くとしても1万7000円固めから11月以降、年末に向け次第高という展開となりそうだ
と言うことで、来週も下は25日線、200日線、上は1万7000円を意識した展開が予想されるが、引き続き為替動向が基調判断のポイントとなる。

タイムスケジュールでは、米国で主要企業の決算発表が続くが、国内でも安川電機6506や東京製鉄5423などを皮切りに9月中間期決算の発表が始まる。




(2016年10月8日)
5日線〜1万7000円のボックス相場を想定
◆今週の日経平均は前週比411円高。上値メドとした25日線、200日線を突破。1万7000円をトライする好調な展開となった。1ドル=104円台にまで進んだ円安を背景にトヨタなどの国際優良株が堅調な値動きとなり日経平均の底上げにつながった。上値メドとしてきた200日線(1万6712円)、25日線(1万6745円)を抜け、チャートは一段の強気サインが点っている。通常なら追撃買いの急所となるところだ。しかし、肝心の売買代金は活況の目安となる2兆円は上回っていない。現状の2兆円を下回る売買代金で、累積売買代金が100兆円超に積み上がっている1万7000円から上は考えづらいところだ。

好調な背景は円安だが、現地時間7日に発表された9月の米雇用統計は市場予想ほど増えていない。良好な結果を期待して円売り・ドル買いが続いていた反動から円を買い戻す動きが優勢となり、7日NYの円相場は1ドル=102円90銭〜103円と大幅反発。CME日経先物も大証比105円安の1万6785円と反落。

強気転換には今年2月からの上値抵抗帯となっている1万7000円回復が必要条件となるが、やはり1万7000円から一段高の可能性は低いとみるところ。しかしその一方、下値も固い。1ドル=100円が意識される円高に向かえば再び75日線(1万6428円)を試す展開も予想されるが、下押す場面は日銀のETF(上場投資信託)買いで大きくも下げにくい。やや上ぶれたものの、来週も75日線〜1万7000円のボックス相場を想定

ただし、需給関係は留意しておきたい。7日時点で信用取引の貸借倍率は1.04倍と約4年ぶりの低水準となっている。また、裁定取引も裁定売り残高が買い残高を逆転する異例の状態が続いている。こうしたことは弱気の投資家心理表し、買いより売り圧力が強い状況を示す。しかし、それは一方で需給の改善を意味している。信用買い残が少なければ将来の売り圧力は弱まる。逆に信用売り残の増加は将来の買い戻し効果が期待できる。裁定残も同様だ。こうした需給が整理され切った状態は、何かのキッカケに、ショートカバーを巻き込んで一気に買いが買いを呼ぶ展開になることもある。105円を超える円安に向かうかがそうしたキッカケになりそだが、いずれにしろ、為替の動向から目が離せない状況が続く。




(2016年10月1日)
引き続き75日線と200日線のボックスか
◆今週の日経平均は前週比305円安。26日(月)260円安、27日(火)139円高、28日(水)218円安、29日(木)228円高、そして30日(金)は244円安と大幅反発したかと思えば翌日には大幅反落と、日替わりで乱高下。9月初めから75日線と200日線を挟んで日柄のボックス相場が続く可能性が高いとしてきたが、結局、今週も両線の間で振れる展開が続いた。

強気転換にはやはり今年2月からの上値抵抗帯となっている1万7000円回復が必要条件となる。しかし、1万7000円台の壁は厚い。その上9月の1日あたり平均売買代金は1兆9830億円と、活況の目安とされる2兆円を割り込む状況で、1万7000円から上を買い上がられるとは考え難いところ。まして、円高警戒感や11月に米大統領選を控え上値には慎重にならざるを得ない。
一方で、日銀による「官製相場」も色濃く出している。下押す場面は日銀のETF(上場投資信託)買いで大きくは下げにくいと思われ、一時的に売られても1万6000円近辺までか。

75日線(1万6359円)と200日線(1万6772円)の差は400円近くまで縮小してきた。しかし、両線の差が200円くらいまで縮小してこないと煮詰まり感というか、日柄調整はまだ足りない。今しばらくボックス相場は続きそうで、来週も75日線と200日線の間での逆張りスタンスが有効と思われる

タイムスケジュールでは、米国では3日にISM製造業景況指数、5日にADP全米雇用報告やISM非製造業景況指数、7日に雇用統計と、要注目の指標が連日のように発表される。



(2016年9月24日)
来週も方向感はつかみづらいか・米大統領TV討論会に注目
◆今週の日経平均は前週比235円高。75日線の下値攻防となっていたが21日発表の日銀金融政策決定会合の結果を受け25日線を上抜ける急反発となった。そして現地時間21日発表のFOMCでは大方の予想どおり追加利上げを見送った。このFOMCの結果を好感し、NYダウは21日と22日の二日間で260ドルを超える大幅高となった。しかしその一方、日米金利差の縮小が意識され、為替は円買い・ドル売りとして働いた。日銀が21日に決めた金融政策も円安材料として物足りないと捉えられ、ドル円は100円台後半の円高に進んだ。

FOMCの結果は良しとして、正直、日銀の政策はどう評価していいかよく分からない。日銀は「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」という新方針を打ち出した。長短金利の操作を行う「イールドカーブ(利回り曲線)・コントロール」と、物価安定の目標が安定的に2%を超えるまでマネタリーベース拡大を堅持する「オーバーシュート型コミットメント」の二つをポイントに据えた政策らしい。が、解釈が難しい複材な政策に専門家の間でも見方が分かれている。
実際、日銀は円高阻止を狙っているのは明白だが、為替は金融政策決定会合前よりも円高に振れている。もちろん、FOMCで追加利上げを見送ったことも円高要因になっているが、思惑通りには動いていないことは確かなようだ。
さらに、市場の関心は11月の米大統領選に移ってくる。26日に民主党のヒラリー・クリントン候補と共和党のドナルド・トランプ候補による初めてのテレビ討論会が開かれるが、両候補とも基本はドル安論者。「どちらの候補がより円高要因になるか」という程度の問題で、円高への予断を許さない状況にある。市場ではクリントン候補は円高圧力がより強まるとみているが、米大統領選を巡る思惑から円は1ドル=95円まで上昇余地があるとの見方も一部に出ている。

こうした円高懸念が払しょくされない状況から1万7000円のフシを突破するのは当面難しいと思われる。しかし、下押す場面は日銀のETF買いで大きくは下げにくい。一時的に売られても1万6000円前後までか。テクニカル的には、これまで同様、25日線を基調の分岐点として75日線と200日線(1万6854円)を挟んで日柄のボックス相場が続く可能性が高い

タイムスケジュールでは、26日の民主党のクリントン候補と共和党のトランプ候補によるテレビ討論会が注目される。国内では27日(火)が9月中間配の権利付き最終日となる。



(2016年9月17日)
20〜21日の日銀の金融政策決定会合とFOMCの結果次第
◆今週の日経平均は前週比446円安。前週末9日のNY株の大幅下落受け25日線(1万6721円)を割り込む下落モードの始まりとなった。日銀によるETF買いが下支えする期待はあったが、ETF買いによって支えられてきた反動が出始めたのか、それとも金融政策をめぐる不透明感からか。その後も重苦しい展開が続き、下降転換のフシとなる75日線(1万6355円)テストの動きとなった。
週末16日は3日ぶりに反発したが、16日のNYダウは欧州株式相場や原油先物相場の下落を受けて88ドル安の1万8123ドルと反落。CME日経先物もNY株式とともに売られ大証比110円安の1万6240円。引き続き75日線攻防(現物ベース)の際どい状況にある。

来週の相場は20〜21日の日銀の金融政策決定会合と同日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果次第と言って良い。言い換えれば、金融政策を巡る日米の会合を通過すれば円相場や株式相場の方向感も定まってくるだろう。
日銀金融政策決定会合でさらに踏み込んだ融和政策が実施されるか。そしてFOMCで利上げに踏み切るか否か。仮にNY急落・円高進行となれば一時的には下値模索の局面とならざるを得ないだろう。しかし、下押す場面は日銀ETF買いが下支えすると思われるため、大きくは下げにくい。一時的に売られても1万6000円前後までか。反対に、日本の追加緩和も米国の利上げも見送りなら反発する可能性が高い。しかし、上値も限定的となりそうで、反発できても1万7000円前後がメドになる。

タイムスケジュールでは、何と言っても20−21日の日銀金融政策決定会合とFOMC が大きい。また、国内では19日(月)と22日(木)が祝日で休場になる。こうしたカレンダー事情から週初と週末では相場がガラリと変わる可能性もある



(2016年9月10日)
波乱も予想されるが、ETF(上場投資信託)買いが下支えるか
◆今週の日経平均は前週比40円高。1ドル=104円台への円安を背景に1万7000円台を回復してのスタートとなった。5月31日以来、約3ヶ月ぶりのことで、200日線も上回り中期トレンドの改善期待も膨らんだ。しかし、米8月ISM非製造業景況指数が市場予想を大きく下回ったことなどを受け円高に振れたことが株価の足を引っ張った。一方で、日銀のETF(上場投資信託)買い思惑が下値をサポートした。もっとも、日銀による官製相場で、本来の価格形成機能が損なわれてきている懸念も強まっている。

こうした中、週末9日のNY市場で異変が起きている。9日のNYダウは394ドル安の1万8085ドルと大幅続落。主要国中銀の金融政策は想定していたほど緩和的でなくなるとの思惑から世界的に金利が上昇。金融環境が引き締まるとの警戒感から大きく売られ、7月7日以来、約2ヶ月ぶりの安値となった。一方、円相場は1ドル=102円65〜75銭と続落。日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢となったが、NY株が大きく下げたことで、リスク回避目的の円買いの動きも出て下値は限定的となった。NY株安を受けCME日経先物も大証比210円安の1万6650円と大幅安。NY株は早期利上げ観測が後退からしっかりした動きを保ってきたが、基調が一変した格好だ。

にわかに波乱も予想される状況となっているが、株価が大幅に下落しそうな場面では日銀のETF(上場投資信託)買いが下支えしそうだ。また、日銀金融政策決定会合とFOMCを翌週に控えまだポジションを傾けづらいところ。
取りあえずは25日線(1万6736円)を意識した展開となりそうだが、チャート的には75日線(1万6380円)を上回っていれば上昇相場、下回ると下げに転じた可能性が高いと判断される。一方、上は200日線(1万6982円)。200日線を再度突破してくれば上昇相場に向かう可能性が高まる。しばらくこの75日線と200日線を挟んでの動きとなりそうだが、2線の幅が600円と広いため、もう少し狭くなるまで日柄のボックス相場が続く可能性が高い。もちろん、来週も基本は円相場を見ながらの展開となる。

タイムスケジュールでは、何と言っても20−21日の日銀金融政策決定会合とFOMC が大きいが、15日の9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、8月鉱工業生産、16日の9月ミシガン大学消費者信頼感指数などがある。




(2016年9月3日)
まずは1万7250円が、勢いが付けば1万7500円も視野に
◆今週の日経平均は前週比565円高。26日のジャクソンホール会議でのイエレン議長の「追加利上げの条件は整ってきた」とする発言で円高の流れが反転。100円→104円までの円高是正が好感され大幅反発。7月21日高値1万6938円、8月12日1万6943円、そして今週の高値は1万6946円と、7月以降続いていた1万6900円台を上限とする持ち合い放れを期待させる展開となった。しかし、8月の米雇用統計発表を前に一段の上値追いにも慎重なムードが続いた。

その8月の米雇用統計はやや失望を誘う中身だった。米労働省が2日発表した非農業部門の増加幅は7月から鈍化したうえ、市場予想(18万人程度)を下回った。発表直後は9月の米利上げ観測が後退したとして円買いドル売りが加速。一時は102円80銭まで上げた。しかし、米景気の不透明感につながるほど弱い内容ではないとの受け止めから年内の利上げの可能性が意識され、次第に円売りが優勢に。結局、2日NYの円相場は1ドル=103円95銭〜104円05銭と反落。一時は104円32銭と7月29日以来、約1カ月ぶりの安値を付けた。円安を好感してCME日経先物も大証比190円高の1万7130円と大幅高。CMEでは、1万7000円のフシ、そして長期の上値抵抗線となる200日線(1万7047円)も上抜けているが、持ち合い放れの余勢を駆って1万7500円まで値を飛ばす可能性も出てきている。

一方、今年になってからの価格帯ごとの累積売買代金を見ると1万6750〜1万7250円の価格帯で100兆円を超える商いが積み上がっている。ここは当然戻り売りが多くなる局面。また週末にメジャーSQ算出も控えることも一段の上値追いを慎重にさせる。基本は強気スタンスが有効となるが、どこまで上値を伸ばせるか。まずは1万7250円が目安となるが、勢いが付けば1万7500円も視野に入る。いずれにしろ来週も円相場を見ながら上値を試す展開となりそうだ

タイムスケジュールでは、米国では5日は祝日で休場。国内では、8日に4−6月期のGDP改定値が発表される。そして週末9日はメジャーSQとなる。



(2016年8月27日)
引き続き75日線〜25日線での展開か
◆今週の日経平均は前週比185円安。1万6500円台で這っている25日線(1万6554円)を挟んだ小動きが続いていたが週末に75日線(1万6338円)まで下落。「ジャクソンホール会議」でのイエレンFRB議長の講演を控え、手じまいや持ち高調整の売りが出た。
そのジャクソンホール会議でイエレン議長は26日、「米雇用が改善し、追加利上げの条件は整ってきた」と述べ、昨年12月に続く利上げに意欲を示した。これを受け日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いが広がった。26日のNY外国為替市場での円相場は1円35銭の円安・ドル高の1ドル=101円80〜90銭と、12日以来2週ぶりの円安ドル高水準を付けた。円安を受けCME日経先物も大証比190円高の1万6590円と大幅反発
短期的なもち合いを下放れる動きを見せたものの結果は75日線がサポートする上昇トレンド継続の形となっている。

もっとも、イエレン議長は利上げの具体的な時期には言及していない。9月2日に発表される8月の米雇用統計を見極めて利上げ時期を判断することになりそうだが、2日発表の米雇用統計や20〜21日開催のFOMCまでまだ紆余屈折はありそうだ。
また、日経平均だけが75日線を上回っているいびつな相場で、TOPIXを始め他の指数は75日線を下回る弱いチャートとなっている。全体では下降気味の相場ということだ。実際、東証1部の25日騰落レシオは26日時点で78.9%と底値圏とされる80%も割り込んできており、足元では軟調な動きの銘柄が多い。東証1部の売買代金も2兆円以下の日が多く、お世辞にも市場マインドは良いとは言えない。
日銀のFTF買い期待で下げにくい相場となっているが、かといって上値も買いづらい相場。来週も引き続き75日線〜25日線での展開となりそう。振れ幅が大きくなった場合でも、下は一目均衡表「雲上限」(1万6057円)、上は30年線の16800円あたりがメドか。言うまでもなく、目下のところは為替が円安に戻すか、円高が進むのかが焦点

タイムスケジュールでは、米国で31日ADP全米雇用報告、そして週末9月2日発表の米雇用統計が注目される。



(2016年8月20日)
方向感の乏しい展開か。関心は「ジャクソンホール会議」に。
◆今週の日経平均は前週比374円安。1万7000円の壁はやはり厚く、先週末に1万7000円目前まで上昇したあとは一転して弱含んでいる。今年になってからの価格帯ごとの累積売買代金を見ると、1万6750〜1万7250円の価格帯で100兆円を超える商いが積み上がっている。1万7000円に近づくと戻り待ちの売りが出やすく、現状の2兆円前後の商いで上値をどんどん更新していくという展開は考えにくいところだ。
円高進行による警戒感も台頭した。米利上げ時期の判断がしにくいとの見方が強まり円高が進行。円相場の上昇を受け16日、18日に250円を超える大幅安となった。ただ、1ドル=100円を超える場面があったものの、日銀によるETFの買いで底堅い値動きも継続。1ドル=100円前後までの円高は許容範囲と言った感じだ。1万7000円トライは一旦頓挫したが、「国策に売り無し」とばかりに大きく下落する展開は考えにくいとの見方が大勢。

19日のNYダウは45ドル安の1万8552ドルと3日ぶりに反落。円相場は1ドル=100円20〜30銭。CME日経先物は大証比45円の1万6475円。
市場の関心は米国時間25〜27日に米カンザスシティー連銀が開く「ジャクソンホール会議」に集まっている。FRBのイエレン議長が26日に講演するうえ、日銀の黒田総裁も出席予定で、両者の発言内容によって相場は左右される。イエレン議長が早期利上げに対して前向きな発言をすれば、外国為替市場で円安・ドル高が進み、日本株を押し上げるとみる。
来週も為替を睨みながらのスタンスとなるが、「ジャクソンホール会議」までは動きづらく、下は75日線、上は25日線を意識した方向感のない展開となりそう

タイムスケジュールでは、米国で23日に新築住宅販売、24日(水)に中古住宅販売、25日(木)に耐久財受注、26日(金)にGDP改定値(4−6月期)などが発表される。




(2016年8月13日)
1万7000円乗せの可能性が高まっているが、上値は限定的か
◆今週の日経平均は前週比665円高。初めての祝日となった「山の日」や夏季休暇に入る週で通常なら「夏枯れ」相場となるのだが、5日発表の米国雇用統計改善をキッカケにした世界的な株高を背景に一段高の展開となった。週末12日には25日が75日線を上回るゴールデンクロス(GC)を示現。中期の13週線と26週線もGCの流れにあり、チャートは1万7000円乗せを睨む格好となっている。

しかし、実態はそう単純ではない。日経平均をTOPIXで割って算出する12日のNT倍率は12.78倍と1999年3月以来の高水準を付けた。この背景にあるのが日銀の「上場投資信託(ETF)買い」だ。日銀は7月29日、ETFの買い入れ額を年6兆円に倍増すると決めた。ETFは日経平均を構成する225銘柄に資金が向かいやすいが、実際にファナック6954、ファーストリ9983、ソフトバンク9984など日経225の値がさ株の上げが目立つ動きになっている。一種の「官製相場」とも言えるが、上げの中心は日経平均採用銘柄で中小型株中心の個人の体感温度はそう高くない

来週も日銀のETF買いが相場を下支えすると思われ、100円を超えるような極端な円高や海外市場の大きな下げがなければ1万7000円〜200日線を試す可能性が高い。しかし、1万7000円から上は利益確定売りも出やすく1万7000円から上を積極的に買う動きは限定的となりそうだ。仮に、200日線も上回ると1万8000円前後まで上がる可能性も出てくるが、それは日経平均だけの動きで、TOPIXなどから見た全体の体感温度はそう高くならないと推測される。
ちなみに、12日のNYダウは37ドル安の1万8576ドルと反落。円相場は1ドル=101円25〜35銭。一時は100円82銭まで上昇する場面があった。円高進行が嫌気されCME日経先物は大証比110円の1万6810円。

タイムスケジュールでは、国内では15日(月)発表のGDP(4−6月期)が注目される。米国では15日のNY州製造業景況指数、16日に鉱工業生産や住宅着工件数などが注目される。



(2016年7月30日)
1万6000〜7000円での日柄調整か
◆今週の日経平均は前週比58円安。注目された日銀の金融政策決定会合は、追加緩和への好感と内容面での踏み込み不足感が入り乱れる乱高下となった。日銀はETF(上場投信)の年間買い入れ額を3兆3000億円から6兆円に拡大する金融緩和を決定。29日午後の発表直後はこれを好感して前日比202円高となる1万6679円まで上昇した。しかし、買い一巡後は一転、同302円安の1万6174円まで急落。ドル・円が一時1ドル=103円を割り込んだことや「ヘリコプターマネー」への期待が消え失望売りにつながったとの見方。そして売り買いが交錯する中引けにかけて再び引き締まった。
しかし、29日のNY外国為替市場で円相場は再び急伸。1ドル=102円00〜10銭で終えている。日銀の追加金融緩和策が小規模なものにとどまったとする見方のほか、4〜6月期の米GDP速報値が市場予想を大幅に下回り、FRBによる早期の追加利上げ観測が後退から円買いに拍車が掛かった。円高が嫌気されCME日経先物も大証比290円安の1万6320円と大幅安。

日銀の金融政策決定会合は期待より小規模とする見方もあるが、ETF6兆円買い入れは株式市場にとって間違いなくプラス要因になる。アベノミクス相場が始動した2012年12月以降の外国人の買越額は通算で12兆円強だ。それを日銀は毎年、この半分にのぼる規模の買いを続けるという話だ。金融政策の「出口」に向かうまでは売りに出すこともない。また、政府が決めた27兆円規模の経済対策も大きい。さらに、29日は三菱UFJをはじめ銀行株が大幅高となったが、市場が予想していた当座預金の一部に対するマイナス金利の深掘りには手をつけなかった。これにより銀行の業績悪化が加速するとの懸念を和らげ銀行株が買われた。銀行株高は相場全体の支え役になる。

結論としては、21日の「アイランドリバーサル」で天井を形成。しかし、1ドル=100円を超える円高にならなければ下も固そうで、しばらくは日柄調整となりそう。まずは75日線(1万6374円)がサポートするかだが、割り込んでも1万6000円絡みにある25日線を維持できれば短期的な日柄調整にとどまる可能性が高い。上は7月21日に付けた戻り高値(1万6938円)を上回らないと強気には転じにくいが、この壁は相当に厚そう。こうしたことから当面は1万6000〜7000円のボックスを想定。尚、1万6000円を割り込むと値幅を伴う調整が懸念されるが、2月と6月の二点底は強固との印象があり、悪いパターンでも1万5000〜6000円のボックスとなりそう。

タイムスケジュールでは、国内では第1四半期決算の発表ラッシュを迎え、その内容に一喜一憂する展開となる。米国では、週末5日の7月米雇用統計が注目される。



(2016年7月23日)
一旦は峠に差し掛かってきたか
◆今週の日経平均は前週比130円高。NYダウの連日の最高値更新や1ドル=107円台への円安を好感して21日には一時 1 万7000円に迫る1万6938円まで上昇。今週も強気の動きが継続した。
しかし、8日の1万5106円から21日高値の1万6938円まで2週間で12%もの上昇。また、21日の足は上下にヒゲを伴う「小陽線」。そして、22日にマド(1万6691円〜1万6740円)を空けて下放れ、前日の組み合わせで天井を示唆する「アイランドリバーサル」の形。25日騰落レシオも22日に131.4%と昨年11月26日以来の130%台に乗せてきた。こうした諸々のサインから短期的には高値警戒ゾーンと判断される。
さらに黒田日銀総裁がヘリマネ(通称ヘリコプターマネー・直接的な財政出動)の必要性を否定したことも騰勢一服の要因となったが、28〜29日の金融政策決定会合が波乱の芽となる可能性もある。追加金融緩和の期待は大きいが、日銀内では依然追加策に慎重な意見も根強いようだ。まして、株高・円安に振れた現在の株価・為替水準なら現状維持政策で十分との認識が強まりやすい。緩和期待で買われ会合後に失望した4月の例もある。日銀が追加緩和を見送れば、失望によって円高・株安が進んだ4月の再現にもなりかねない。

NY株高と円安が継続すれば、1万7000円乗せから200日線を伺う動きも期待できるが、反発も一旦は峠に差し掛かってきたとみるのが無難な場面だ。
来週は強気と高値警戒のもみ合いが予想されるが、まずは75日線を維持できるか。75日線を維持できれば基本は上抜けを意識した展開が続く。75日線を割り込み25日線とのレンジになると値固め日柄がかかりそう。レンジとしては2月から6月までのボックスだった1万6000−1万7000円台を想定するのが妥当か。

タイムスケジュールでは、国内では、28日から日銀金融政策決定会合、29日(金)に黒田日銀総裁の会見がある。そして第1四半期決算の発表も増えてくる。米国では、26日からFOMC、27日(水)に耐久財受注、29日に4−6月期のGDPやシカゴ景況指数が明らかになる。米国でも引き続き主要企業の決算が発表される。



(2016年7月16日)
5日線、75日線を維持できるか
◆今週の日経平均は前週比1391円高。正直、これほどの急反発は想定していなかったが、参議院選の与党勝利を好感した11日の601円高を皮切りに、快調な雇用統計を受けたNY株の大幅高や円高一服を好感して怒涛の切り返し。週間ベースでは1997年11月以来およそ19年ぶりの大幅高。ドル円相場も週間で5円強下落し、週間下落幅は1999年2月以来、17年5ヶ月ぶりの下げ幅となった。
前回指摘した需給関係も大きく影響しただろう。裁定買い残高は7年3ヶ月ぶり、信用買い残も3年3ヶ月ぶりの低水準に落ち込んでいた。しかも空売り比率は逆に膨らんでいた。こうした需給が極まった状態で上がってくると買いが買いを呼ぶ、踏み上げ相場に発展しやすいとしたがズバリ! 日本株のポジションを落としに落としていたヘッジファンドなどが慌てて買い戻したことが強烈な株高を演出した。
チャートは2月12日安値1万4865円と6月24日安値1万4864円のダブルボトム形成から25日線に続いて75日線も突破。さらに6月10日から13日に空けたマド埋め(1万6496円)も達成。いつ安値を切ってもおかしくない典型的な弱気チャートからまさかの「買い転換」。出来高・売買代金も膨らみ相場は新局面入りを迎えたムードが高まっている。

もっとも、短期間でこれだけの上げとなれば目先は利益確定売りが出やすい。また、新たな不安定要因も発生している。15日のNYダウは10ドル高と6日続伸で終わっているが、取引終了後にトルコで軍事クーデターが発生。CMEでリスク回避の動きが強まっている。さらに、来週後半から本格化してくる第1四半期(4−6月期)決算で円高による業績の下方修正が続出する可能性も懸念される。ある程度は織り込みとしても出るまでは悪材料視され、出尽くしとはならない。

来週は急ピッチな上昇による高値警戒感との綱引きで値固めか。まずは75日線を維持できるか。75日線を維持できれば再上昇の動き継続で1万7000円を意識した展開。75日線を割り込み25日線とのレンジになると値固めの日柄がかかりそう。尚、為替を睨んだ展開に変わりはない。再び「円安→株高」の流れに向いてきたが。どこまで円安に戻せるかで株価の上値も変わってくる。

国内では18日が祝日で休場。そして22日(金)の東京製鉄5423、日本電産6954を皮切りに第1四半期決算の発表が始まる。




(2016年7月9日)
下は1万5000円がサポートするか。上は25日線が戻りメドに。
◆今週の日経平均は前週比576円安。英EU離脱の暴落から6連騰となり7月4日にザラ場で1万5805円まで反発。しかし、リバウンドもそこまで。1ドル=100円台への円高進行などが嫌気され5日から8日まで4日続落となり再び1万5000円を意識した下値模索となっている。
ポイントはこの1万5000円前後が底となるか。現状は2月12日安値1万4865円と6月24日安値1万4864円でダブルボトムの形状となっており、1万5000円を維持できれば、年初から続いている1万7000円を上限とした保ち合いに復帰する公算が高まる。反対に、割り込んでくると1万4000円程度までの下落も覚悟しておかなくてはならないチャートだ。

そのチャートはすべての移動平均線が上方に位置し、かつ下向く典型的な弱気形状で、「大陽線」や長い下ヒゲなど強い底入れシグナルが出現するまで強気に転じにくい形。正直なところはいつ安値を切ってもおかしくない状況だ。
しかし、10兆円超とされる大型の景気対策期待。また7月末の日銀金融政策決定会合では追加緩和せざるをえないとの読みが大勢。加えて需給関係も悪くない。東証が6日発表した1日時点の裁定買い残高は7503億円と実に2009年4月24日(7171億円)以来7年3ヶ月ぶりの低水準となっている。信用買い残も1日現在で2兆2872億円と2013年4月以来3年3ヶ月ぶりの低水準。相場の先行き不安からファンドや機関投資家、個人も買い持ちを大きく減らしているわけだ。一方で一段安に備え空売り比率は逆に膨らんでいる。要するに売るものは一通り売ってしまい、しかもカラ売りで一段安に備えている状況だ。こうした需給が極まった状態で上がってくるとそれこそ買いが買いを呼ぶ、踏み上げ相場に発展しやすい。こうした点が株価を下支えしそうだが、まずは1万5000円が下値ラインになるかがポイントだ。

こうした中、8日のNYダウは250ドル高の1万8146ドルと大幅反発。6月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が大幅に増加したことを好感した買いが入った。円相場は1ドル=100円50〜60銭と悩ましいが、NY株高に支えられCME日経先物は大証比220円高の1万5340円と反発
10日投開票の参院選の影響も当然でるかと思われるが、まずは7月SQ値(1万5331円34銭)、5日線を回復できるか。来週も5日線やSQ値を下回る間は下ブレしやすい。回復してくればリバウンド期待が高まる。ただ、円高に歯止めが掛からない現状では、反発に転じても自律反発以上のものは期待しにくく、戻したとしても25日線を戻りメドとしておくところ
ちなみに、10日の参議院は与党優勢が伝えられているが、大勝に相当する70議席(過半数は61議席)以上がマーケットで好材料とされるラインとされている。ただ、参議院後は軟調となるアノマリーがある。過去、選挙結果を好感して買われても数日で織り込み反落となっているパターンが殆ど。このアノマリーも気になる。



(2016年7月2日)
過度な悲観は後退したが上値の重い展開は続く。上は25日線がメド。
◆今週の日経平均は前週比730円高。前回、為替が1ドル=100円を超える円高に向かわない限り1万5000円前後が底になりそうとしたが、ズバリ1万5000円前後を底に反発。取りあえずは2月12日安値1万4865円、6月24日安値1万4864円でダブルボトムの形状となっている。英EU離脱の行方はなお不透明だが、英国のEU離脱決定による過度な悲観論が後退してきたことが背景にある。

それにしてもだ。今週のNYダウは4日続伸し1日終値は1万7949ドル。ザラ場では1万8002ドルと英国民投票前の終値1万8011ドルをほぼ回復する反発となっている。震源地であるイギリスの株価指数FT100に至っては英国民投票前どころか4月の年初来高値も更新している。しかし、1日のCME日経先物は1万5560円と23日終値1万6238円から24日終値1万4952円までの下げ幅(1286円)の半値(643円)戻し水準にすぎない。東京市場は下げるときは一番大きく、戻すときは一番鈍いといった感じだが、これにはからくりがある。東証の売買の6割超を占める外国人が元にするドル建てに換算すると景色は大きく違ってくる。暴落した24日は、日経平均は7.9%安となっているがドル建てでは5.86%安にすぎない。言うまでもなく円高になった分外国人は痛手が少ないのだ。日本人が感じるほど市場に影響力のある外国人のパフォーマンスは悪くないのだが、何かに付け円高警戒と騒がれるその重要性が分かるだろう。

引き続き日本株のカギを握るのは為替だが、英国のEU離脱問題を材料にした円高警戒感も和らいできている。その円相場を占う上で次は7月末の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和の有無に注目が集まっている。4月、6月の決定会合で日銀は緩和を見送り、相場は乱高下した。英離脱決定でマーケットの不安定さが増している中で7月も見送ればさらに円高・株安が進むリスクが大きい。さすがに7月は追加緩和せざるをえないとの読みだ。また7月10日に参院選を控え財政出動などの政策も出やすくなっている。こうして見ると下は売りづらく基本は戻りを試す動きか。ただ上値も重そうで、戻すにしても一進一退の展開が予想される。円高による企業業績の悪化を勘案すると積極的に買い増す状況にはない。上は1万6000円に接近してきている25日線(1万6139円)がメドになる。
尚、中期長期のトレンドは完全な弱気を示している。多少戻してもこの弱気の流れが強気に転換するのは容易でないチャートになっている。短期的には下げ止まりのシグナルが出ているが、あくまでも売られ過ぎの戻りとした動き。為替の安定がポイントだが、ダブル底になっている1万4864円を割り込むと、10月17日安値1万4529円までの下落を覚悟しておくべきか。いずれにしろ、当面は噴き値売りのスタンスが無難。

タイムスケジュールでは、米国で4日(月)が独立記念日で休場。6日(水)にはFOMC議事要旨、そして8日(金)には雇用統計が発表される。国内では10日(日)の参院選の動向に一喜一憂する局面となる。



(2016年6月25日)
1ドル=100円を超える円高に向かわなければ、1万5000円前後が底となりそう
◆今週の日経平均は前週比647円安。週末に向け英国民投票は残留派が優勢との世論調査が伝わった。残留による株価上昇を先取りする動きが出て、日経平均は16日安値1万5395円から週末24日には一時1万6389円と1000円近い反発となった。ところが開票が進むにつれ残留見込みは一変。離脱派優勢が伝わると円相場は損失覚悟の買いが膨らみ一時1ドル=99円丁度まで円高が進んだ。100円突破は2013年11月以来。1日の値幅は7円60銭にも達し、データをさかのぼれる1980年1月4日以降で、82年11月4日の7円10銭を上回る過去最大を記録。マーケットのショックの度合いが知れる。
株式市場も同様だ。大阪取引所は日経平均先物取引のサーキットブレイクを3年ぶりに発動したが、日経平均は一時1374円安の1万4864円01銭と2月12日の年初来安値1万4865円77銭を割り込んだ。終値では1286円安とITバブル崩壊後の2000年4月17日(1426円)以来、約16年2ヶ月ぶりの大きさを記録。また、東証1部の値下がり銘柄数も1954銘柄と97年2月以来最多。東証1部で値上がりしたのは僅か6銘柄しかなく、1987年の「ブラックマンデー」の7銘柄より少なかった。為替も株ともに記録づくめの1日となった。

世界の金融市場も大きく動揺。市場には「リーマン・ショック級」のショックとする声も多い。しかし、英国民投票の離脱派勝利は為替・株の金融市場への影響こそ大きかったものの「リーマン・ショック級」と考えるには時期尚早だ。大幅な下げの要因は「残留見込み」で戻していた反動で大きくなった面が強く実際、週間では647円安と前週の1002円安よりは小さい。また、24日NYの円相場は1ドル=102円15〜25銭。CME日経先物(円建て)も大証比170円高の1万5120円とやや落ち付きを取り戻してきている。株価水準的には以前から指摘している1万5000円を意識した動きと言える
26日に予定されてスペインの総選挙でEUの緊縮財政に反対する左派政党が議席を伸ばせば、一段の下振れもあり得るが、速やかにG7主要国が協調金融政策などを発表すれば英国EU離脱の混乱も早期に治めることは出来そう。また、日本では7月に参院選を控える。マーケットの急変で政府・日銀が円売り介入や追加緩和、財政出動などの政策を打ち出しやすくなっている

来週は底入れを探る展開となりそうだが、まずは2月安値1万4865円どころをキープできるか。ここで踏み止まればダブルボトムの形状となる。再度2月安値を下回ると下振れしやすく、次は2014年10月17日安値1万4529円がメドになる。もっとも、為替が1ドル=100円を超える円高に向かわない限り概ね1万5000円前後が底となりそう。テクニカル的には5日線回復が下げ止まりの第一ステップとなる。



(2016年6月18日)
底入れを探る展開か
◆今週の日経平均は前週比1002円安と大幅続落。注目された日銀の金融政策決定会合は賛成多数で金融政策の「現状維持」を決定。これを受け1ドル=103円台まで円高が進行。日経平均も一時4月8日安値1万5471円を崩された。それにしてもだ。日銀の「現状維持」は大方が予想していたこと。また、英国のEU離脱懸念も事前に伝わっていた。予想以上に急な下げとなった要因はやはり為替変動だ。毎度のことながら「リスク回避ムードが台頭すると条件反射的に円が買われやすい」ようだ。

さて、目下の焦点は23日(木)に迫った英国のEU離脱を問う国民投票だ。僅差となれば日本時間24日(金)の立会時間中に結果が判明することになる。また、20日にBBC(英国放送協会)主催の最後の討論会があり、ここである程度の方向性はみられる。ただ、相場はすでに「離脱」を織り込む動きとなっており、「残留決定」ならば、買戻しを含めた一気の反騰局面が到来するだろう。反対に、離脱となっても「離脱」を織り込む動きとなっていることで、そこが「アク抜け」場面となる可能性も否定できない
一方、国内に目を移せば。ここでの「現状維持」は先に「政策カード」を温存した格好。参院選を控え一段の円高や株安となれば政府・日銀が円売り介入や追加緩和、財政出動などの行動を起こす可能性が高まる「催促相場」となる。需給動向も見逃せない。東証が15日発表した10日時点の裁定買い残は金額ベースで1兆3633億円と2012年8月17日以来、約3年10か月ぶりの少なさで、需給要因による売りも出にくい。

こうして見ると英国の国民投票の結果がどちらに転んでも、一旦は「アク抜け」となる可能性が高いと思われる。英国民投票の結果が判明するのは日本時間24日の1時頃?。それまでは不安定な動きが続くだろうが、国民投票の結果が出る前にカラ売りなどの買い戻しが入る動きも十分に想定でき、来週は波乱の中から底入れを探る展開となりそう。テクニカル的には5日線回復が下げ止まりの第一ステップとなるが、円相場が1ドル=100円前後に進む円高とならなければ、下は今週の安値である1万5400〜500円とみる。一方、上は心理的なフシ目の1万6000円〜1万6500円となりそう。ただ、チャートは弱気に転換している。仮に75日線近辺まで戻すことがあれば一旦は売り場とみるところ。

タイムスケジュールでは、何と言っても23日の英国の国民投票の結果が注目される。米国では、22日に中古住宅販売、23日に新築住宅販売、24日に耐久財受注などが発表される。



(2016年6月11日)
焦点は16日(木)の動きだが、どちらかと言えば下振れリスクの方が高いか
◆今週の日経平均は前週比41円安。週明け6日は前週末のCME日経先物(1万6330円)にサヤ寄せする格好で一段安の始まりとなったが、その後は切り返した。しかし、1万6800円台まで戻す場面もあったものの結局は伸びきれず押し返された。25日線と75日線はほぼ横に這っており、株価はこれを挟んで一進一退。方向感の乏しい展開ということだが、2月1日高値1万7905円から2月12日安値1万4865円の三角保ち合いもいよいよ煮詰まってきた感じだ。

来週の焦点は何と言っても16日(木)の動きだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が早朝に明らかになる上、昼休みには日銀の金融政策決定会合の結果も判明する。@FOMCについては利上げ見送りでほぼ一致。株価も日米とも一足先に「利上げ見送り」を織り込んだ動きとなっており影響は限定的と予想される。一方、A日銀の金融政策決定会合の見方は分かれている。参議院選を控えた後押しから追加金融緩和に踏み切るとの見方がある一方、今回は見送り、次回7月の会合で緩和を発表するとの見方も現実味を帯びつつある。日銀が現状維持を決めれば一旦は売りが出ることが想定される
さらに、B23日に国民投票が行われる英国の欧州連合(EU)離脱問題も警戒感が高まっている。最新の世論調査では離脱支持が55%と調査を開始して以降初めて残留支持を上回った。これを受けて10日の欧米株に売りが先行。NYダウは119ドル安と続落。為替もEU離脱を巡る警戒感から円買いが優勢になっている。そして10日のCME日経先物も大証比240円安の1万6290円と大幅続落。

英国のEU離脱の国民投票を23日に控えて相場は再び乱気流の中に突入しそうだ。カギを握る為替は円高に振れやすくなっているが、為替は5月3日につけた1ドル=105円55銭が意識される。株価は25日線、75日線に上値を抑えられた格好になっておりトレンドは弱含みという感が強い。また、下値は堅いとの印象もあるが、円高に振れやすい状況を考えるとここは下振れリスクの方が高いとみるところか

タイムスケジュールでは、国内では14日に4月の鉱工業生産、15日に訪日外国人数、そして16日に黒田日銀総裁の会見がある。米国では15日のイエレンFRB議長の会見が注目される。



(2016年6月4日)
下振れ不安が高まっているが1万6000円前後の突っ込みは買いか
◆今週の日経平均は前週比192円安。1ドル=111円台に進んだ円安を受け5月31日には1万7251円まで上昇。再上昇相場に浮上する期待も膨らんだ。しかし、1万7000円台は2月、3月、4月と高値になった「難所」。現状では一段の上昇は厳しいとしたが6月1日から反落に転じ、一気に1万6500円台まで売られた。
反落の背景としては、消費増税延期が正式に表明されたものの結果は「材料出尽くし」とした反応。もうひとつ衆議院を解散するなら国会会期末となる6月1日が期限としたが、衆参同時選挙の見送りによって大型経済対策の期待が遠のいたこともある。外国人の目には衆参同時選挙と大型経済対策はセットと見られていたフシがある。安倍首相の会見でも財政出動への具体的な言及はなく失望売りに繋がった。さらに、こうした状況から鳴りを潜めていたヘッジファンドによる売り仕掛けも出てきたようだ。
こうした中、現地時間3日発表の5月米雇用統計は市場予想を大きく下回った。FRBが利上げに動きにくくなるとの見方が強まり、3日NYの円相場は1ドル=106円50〜60銭と急伸。円高進行を嫌気してCME日経先物も大証比330円安の1万6330円と一段安。これまでの「円安・株高」の巻き戻しが一気に加速。再び下振れ不安が高まっている

もっとも「1万7000円台は売りを先行」としたように、少々、急ではあるがこうした下げも想定内の展開と言える。ここは冷静に対処するところだ。
まず、75日線を下回りチャートは下降転換した形。そして来週は「波乱のSQ週」。そして6月14日〜15日に利上げ時期に揺れるFOMCを控える。つまり、FOMCまでは下振れしやすい不安定な相場が予想される。しかし、翌6月15日〜16日には日銀金融政策決定会合がある。急な円高進行や株式相場の下落となれば当然、追加緩和の可能性が高まる。同時に7月の参院選に向けて景気刺激策などが出てくる可能性も高まる
となれば、自分がヘッジファンド運用者なら来週10日のメジャーSQを境に売りから買いにポジションを変える。急激な円高進行で下振れリスクが高まっているが、2月以降、上は1万7000円台前半である一方、下は1万5000円台後半が底となっている。レンジとしては概ね1万6000円〜1万7000円のボックスだ。今週の1万7000円台が売りであったように、1万6000円前後の突っ込みは逆に買い向かうスタンスが有効となりそう。

タイムスケジュールでは、国内では8日にGDP改定値、9日に機械受注、そして10日はメジャーSQ。米国では6日のイエレンFRB議長の講演が注目される。



(2016年5月28日)
1万7000円近辺の戻りは一旦、売りを先行
◆今週の日経平均は前週比98円高。NY株高や円高一服を背景に25日線も回復。1万7000円を試す展開に進んだ。ただし「自律反発」といったムードは拭えない。株価は堅調に推移したものの、東証1部の売買代金は7日連続で大台の2兆円を割り込み、積極的な動きとは言えない。
こうした中、伊勢志摩サミットが閉幕したことで、来週は強含む展開を予想する声が多い。背景に政策期待があるが、安倍晋三首相は27日の記者会見で、消費増税の延期を検討すると正式に表明。安倍政権の支持率はひとえに「アベノミクス」への評価次第と言ってもいい。ところがそのアベノミクスに失望感が高まっていた。こうした状況下で増税すれば景気はさらに失速する。安倍首相の悩みはどうやって消費増税延期に大義名分を持たせるかにあった。国内景気の不振を理由に増税を再び先送りすればアベノミクスは失敗だったとの批判を浴び、政権の土台が揺らぎかねない。もう一つが「リーマン・ショックや大震災のような事態でない限り実施する」との発言だ。これに良い口実を与えたのが伊勢志摩サミットだ。首脳宣言では「新たな危機を回避するため」、「財政戦略」や「全ての政策手段を用いる」との文言を示した。「経済危機の回避」と「政策の総動員」の2つを主要7ヶ国で確認したことで上記の批判をかわせるし、10兆円超とも噂されている景気対策も打ち出しやすい環境が整ったといえる。こうしたことから来週以降、政策期待を盛り込みながら1万7000円台を目指すと言う読みだ
しかし、1万7000円絡みは累積売買代金が多い価格帯。現状の低調な売買代金で一段の上昇は厳しい。一段の上昇には売買代金の増加が必要条件となるが、この先1ヶ月のカレンダーを見ると、まだまだ積極的には動きづらい。まずは、@国会会期末となる6月1日に安倍晋三首相が会見をする予定で、その内容への注目度が高い。ここでは消費税の先送りなどが焦点になるが、もうひとつ衆議院を解散するならこの日が期限。そして、A週末3日には5月米雇用統計が発表される。これが6月中旬に開かれるFOMCで米金利が引き上げられるかどうかの判断に大きくかかわる。この他、B6月10日にはメジャーSQ。さらに、C6月14日〜15日FOMC、D6月15日〜16日に日銀金融政策決定会合と市場に大きな影響を与えるイベントが控える。これだけのイベントを控えると慎重な機関投資家だけでなくファンドなども普通、様子見を決め込む。
75日線に続き25日線も上回ってきたことは再上昇に転じたと見る動きだ。しかし、今回に限っては1万7000円を明確に上回れなければ再上昇に転じたと見る事はできない。デイリーでも述べたが、抜けるかどうかは後の判断として1万7000円近辺の戻しは取りあえず売りを先行。あとは、その後の動きを確認してから次のポジションを考えるのがここでの実践的な対応となる。下は75日線を上回る状態を維持できるか。75日線を下回れば再び下降相場に転じる。


(2016年5月21日)
75日線〜25日線のこう着相場が予想される
◆今週の日経平均株は前週比324円高。政策期待に加え、1ドル=110円台への円安進行を受け堅調な展開に。また、75日線を上回り、25日線と75日線とのゴールデンクロスも示現してきたことで、チャートは下値切り上げ型の上昇トレンドを形成しつつある。しかし、上値は依然重い。
下は固いが、上も買いにくい。この「こう着状態」をどちらに抜けてくるか。消費増税や財政出動の判断に影響を及ぼす伊勢志摩サミットが来週26〜27日に開かれるため、ハッキリした変化が出るのはその結果が分かる再来週以降となりそう。来週も引き続き「こう着状態」が続く可能性が高いが、カギを握るのは為替。今期の為替見通しは1ドル=110円前提とする企業が過半を超えた。つまり「1ドル=110円が為替の分水嶺」となる。米FRBの6月利上げ観測に、6月の金融政策決定会合でも今度は追加緩和に踏み切るという見方があり、基本的には円安の流れが続きそうだが、1ドル=110円以下の円安が進めば1万7000円に向けた上昇が続く。しかし、米利上げ観測も根拠となる経済指標の内容次第では揺れ動く。そうした点で来週26日発表の4月の耐久財受注や27日の米GDPには注意が必要だ。また、1万7000円前後は累積売買代金が多く上放れには相当なエネルギーも必要となる。

来週は75日線〜25日線のこう着相場が予想されるが、このレンジを上抜けてくると上値トライの流れに。株価的には1万7000円以上に戻せないと上昇相場に戻せないと見ておく必要があるが、その前に「幻のSQ値」となっている1万6845円や月足30年線の1万6900円が強力な上値抵抗になりそう。一方、伊勢志摩サミットを控えた政策期待から基本的には下げにくいと思われるが、75日線を下抜けてくると調整ムードが強まる。このあたりが来週の基調を判断するポイントとなる。

タイムスケジュールでは、国内では26日〜27日に伊勢志摩サミットが開催される。米国では、26日の耐久財受注、27日のGDP改定値が米利上げ観測を左右する発表事として注目される。



(2016年5月14日)
G7を控え下げにくいと思われるが、上値も重そう
◆今週の日経平均は前週比306円高。GWに向けては急落したが、GW明けとなった今週は一時75日線も回復する堅調な推移となった。外資系ファンドが多用する手法で「イベント・ドリブン型投資」と言うのがある。政治や外交日程、決算発表などリターンを創出できそうなイベントを利用して儲けようとする投資手法だ。今回の決算発表では、予想通り輸出企業を中心に17/3期の業績見通しが大幅減益となる企業が多く出た。その決算発表のベンチマークとなっていたのが11日発表のトヨタ自動車7203だが、17/3期の連結営業益は40%減益予想とアナリスト予想を大幅に下回る内容となった。しかし、発表翌日の12日は大幅安で寄ったがその後は買い戻され日足では陽線。市場の一部で心配されていた「トヨタ・ショック」はなかった。株価は決算発表に向け一足先に売られていたが、決算発表に向けて売り、発表後に買い戻す。つまり「イベント・ドリブン」とした見方をすれば不自然な動きではないだろう。
また、今回の決算発表を睨んだ「イベント・ドリブン」では、決算発表最終コーナーと重なるSQに向けては買い戻す投資行動となる。SQ値が想定以上に高かったのはそうした背景がありそうだ。そして、次はG7(伊勢志摩サミット)が注目イベントとなる。5月26〜27日日開催のG7まで約2週間。言うまでもなくG7は政策期待の高まるイベントだ。

こうした中、安倍首相は13日、2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げを延期する方針を固めた。政府・与党内では、26〜27日のG7の議論などを踏まえ6月1日の通常国会会期末の記者会見で表明する案が浮上している。
もっとも、外国勢は消費増税先送りは織り込み済みとして、日本がどんな財政政策を出すかを注視しているという。それを睨むと、目先の焦点は内閣府が18日に発表する1〜3月期のGDPだ。市場には2期連続のマイナス観測もくすぶるが、2期連続のマイナスとなれば買いのキッカケになりそう。内容がさえない方が金融や財政の政策期待を高めるからだ。市場関係者の間では、16年度の補正予算だけで7兆〜10兆円という巨額の財政出動を想定する向きも少なくないが、増税先送りと大規模な財政出動がセットになれば、市場が大きく好感する可能性が高まる。しかし、相変わらず足かせになっているのが円高だ。麻生財務相 は「急激な円高には為替介入の用意がある」と繰り返しているが市場の反応は微妙だ。ルー米財務長官は13日、「通貨安競争の回避を再確認する」と表明。日本の為替介入は難しいとの見方が改めて意識されている。

チャートでは75日線を一時上回ったが翌日には下回った。75日線で跳ね返されたことで現状は下降相場の自律反発だったと判断される。ただ、G7を控えた政策期待から基本的には下げにくいと思われる。2月12日安値1万4865円を底に4月8日安値1万5471円と下値を切り上げてきている。この下値切り上げ基調を継続するかが下のポイントだが、2月12日安値と4月8日安値を結ぶ延長線上にある1万5800円(1万6000円?)どころを下抜けると投資家心理は弱気に傾きやすい。一方上は1万7000円。ここを抜ければ200日線を目指す展開になるがそう簡単ではない。特に短期的には「幻のSQ値」となっている1万6845円が強力な上値抵抗になりそう。依然として円相場次第というムードだが、まずは25日線、75日線を基調の分岐点に。両線を上回れば1万7000円を意識した展開に。下回った状態は1万6000円を意識した下値テストの展開となる



(2016年5月7日)
まずは円高が終息するか
◆大型連休の谷間となった今週の日経平均は前週比560円安と前週の906円安に続く大幅続落。急激な円高が嫌気され4月28日の1万7500円台から一気に1万6000円割れまでの急落となった。一時は1ドル=105円台まで円高が進んだが、5月4日に麻生財務相が訪問先の独フランクフルトで円高けん制発言を行ったことで、その後は1ドル=107円台まで戻した。これを受け週末6日はやや落ち着き、心理的フシ目の1万6000円は何とか維持。

4日の麻生発言は「円売り介入辞せず」という事実上の表明とも言えるが、まずは円高が終息するか。ドル円は一昨年10月に105円76銭の高値があり、チャートではここを超えると1ドル=100円を目指す動きとなっても不自然ではない。となると、日経平均も2月12日安値1万4865円も割り込む一段安の心配が高まる。また、円高が止まったといっても現在の1ドル=107円程度の水準では、日本株を積極的に買う動きは望めない。上値を買うにはやはり1ドル=110円以下の円安は必要。為替は1ドル=105−110円のレンジで神経質な攻防が続きそうだが、これをどちらに寄ってくるか。これ次第で株価の動きも2月12日安値を試す一段安に向かうか、1万7000円に向けて戻すか大きく変わってくる

6日NYの円相場は1ドル=107円10〜20銭。CME日経平均先物は大証比変わらずの1万6080円。米雇用統計を受けても円高が進まなかったことで円高一服の兆しも感じられるが、まずは支持線として機能している1万6000円を下値として固めるか。固めれば25日線(6日現在1万6554円)、75日線(同1万6652円)までは反発しそう。ただ、25日、75日線を下回った状態は下降トレンド。戻しても両線で跳ね返されるようであれば基本、下降相場は続くと見る。また、短期的には5日線を上回るまでは下げ止まり確認は出来ない。急低下してきている5日線を回復できない間は下振れリスクは高い状態と見る。もっとも、スケジュール的には来週はSQ週と言うこともありまだ波乱含みの展開も予想されるが、下旬に伊勢志摩サミットを控えているため、その後は政策期待から戻すように思われる

さて、米国では共和党候補がトランプ氏に決定した。米国第一主義の同氏の主張は、国防を始めとした日米関係のあり方を根本的に変える可能性がある。政治が大きく方向転換すれば株価も当然影響を受ける。米国大統領選挙からも目が離せない状況になってきた。



(2016年4月29日)
「追加緩和」のカードを温存? 25日線、75日線を回復できるか
◆今週の日経平均は前週比906円安の大幅反落。典型的な強気反転のパターンで28日前場までは1万7500円台と1万8000円トライも意識される展開だった。ところが「今週の焦点は日銀の金融政策決定会合」としたが、昼に日銀が金融政策の現状維持を決めたと伝わると相場は急変。為替は一気に108円台にまで円高が進み、日経平均もこの日の高値から920円もの下げとなる1万6652円まで急落。

海外ヘッジファンドなどの投機筋は日銀の追加緩和は当然と考えていたようで、それが「まさかの現状維持」を受けて総崩れになった。しかし、日銀がファンド勢の見方に合わせる義務などない。むしろ、そうした投機的な動きが金融政策の効果をなくしてしまうため、常に、市場に「サプライズ感」を持たせる金融政策を発表してきたのが黒田日銀総裁であり金融政策の妙手でもあった。
日銀会合の結果が伝わる前まで円相場が1ドル=111円台の安値圏で推移していた点を踏まえれば、今回は「追加緩和」があってもその効果は限られ、むしろ「材料出尽くし」で海外の投機筋に格好の利益確定の機会を与えるだけの結果に終わってしまう懸念もあった。日銀の黒田東彦総裁にしてみてみればそうした海外の投機筋におきゅうを据えたかったのと同時に、伊勢志摩サミットを睨んで「追加緩和」のカードを温存したとも考えられる。「追加緩和」のカードを温存したことにより、決算発表への失望も心配される連休明け後の相場を下支えする効果が期待できる。実際、黒田日銀総裁は「市場との対話に問題があるとは思っていない」「必要になれば躊躇なく3次元で緩和」と発言している。
そもそも、他人の庭(東京市場)を我がもの顔で闊歩し、やりたい放題だった海外の投機筋を不快に思っている国内市場関係者も少なからずいることは確か。相場の下げを望むものではないが、こうして考えると黒田日銀総裁に「あっぱれ!」とも言いたいところだ。

それはさておき、為替は結局111円台後半から一時4円以上も円高となる107円台後半まで引き戻され、28日のCME日経先物も大証比225円安の1万6275円と一段安。25日線も大きく割り込み再反落の格好となっているが、一時的なショック安で済むか。 連休前でポジション整理の動きが強く出た可能性も高く、連休明けの相場を見るまで予想は立てづらいが、まずは25日線、75日線を回復できるかがトレンド判断のポイントとなる。 

タイムスケジュールでは、国内では3日(火)、4日(水)、5日(木)と連休で、月曜と金曜の2日間の立ち合いとなる。言うまでもなく、休みの間の海外の株式や為替動向で連休明けの相場も大きく変わってくる。



(2016年4月23日)
焦点は27〜28日の日銀の金融政策決定会合
◆今週の日経平均は前週比724円高と前週の1027円高に続く大幅続伸。前週の大幅高による利益確定売りや熊本地震の被害拡大。さらに、17日にカタールのドーハで開かれた会合も結局、増産凍結に合意できなかった。ただでさえ弱気心理に傾きやすいなか原油相場の下落もあり週明け18日は572円の大幅安となった。しかし、そこから相場は急変。前回『皮肉なことに、熊本地震で安倍首相にとっては「消費税増税の凍結・延期」「財政出動」に大義名分が付いた形で、相場にとってもプラス方向に向かう条件が整った』としたが、ずばりそうした展開に。
熊本地震は甚大な被害をもたらしているが、製造業のサプライチェーン寸断の影響も小さくない。政府・日銀は被災地の復旧・復興、経済全体の下支えを最優先する方針に転換。まずは来週27〜28日の日銀の金融政策決定会合での追加緩和。さらに、復興対応を含む20兆円の財政出動論や来年4月の消費増税先送り観測。こうしたことから日本の財政再建が先送りされるとの観測が強まり円安が進行。株式市場の底上げにつながった。

テクニカル的な要因も上手く重なった。デイリーで述べてきたが、年初からの上値ラインとなっていた1万7000円を当面の高値とみた向きが反転の過程で買いを手仕舞い、売りポジションを増やしていた。こうした中、フシ目の1万7000円を超えたことで市場ムードは一変。典型的な「踏み上げ相場」だ。為替も同様だ。ドル円は110円を底と考えていた市場参加者が多く、フシ目の110円を割り込んだことで損失覚悟の円売りが出た。ショートカバーを巻き込み「日本株売り⇔円買い」の巻き戻しが一気に進んだ。
株価は19日の25日線、75日線回復に続き、21日には一目均衡表の「雲」も突破し「三役好転」の強気シグナルが点灯。さらに22日終値は1万7572円と2月2日以来の高値。昨年12月1日高値2万12円から今年2月12日安値1万4865円までの下げ幅に対する半値戻し(1万7439円)も達成。典型的な強気反転のパターンで一気に200日線も視野に入るチャートとなっている。

こうした中、22日のNY外為市場での円相場は1ドル=111円75〜85銭。円安進行を受けCME日経先物も大証比170円高の1万7740円と一段高。来週もショートカバーが先行する始まりとなりそうだが、来週の焦点は27〜28日の日銀の金融政策決定会合。市場では日銀が追加の金融緩和に動くとの期待が高まっている。問題は本当に日銀が金融緩和に動くかだ。市場は追加緩和を予想して動いているため、仮に追加緩和見送りとなれば反動も大きくなりそう。ただ、こうした危惧があるからこそ上がる場面で売りを誘いやすく、強いては一段高の原動力にもなってくる。テクニカル的には5日線を上回っていれば短期的にも上昇は続くが、1万7000円を上回っていれば基本、200日線を目指した反転トレンドは続く。

タイムスケジュールでは、来週から決算ラッシュが本格化するほか、28日に黒田日銀総裁会見がある。29日(金)は祝日で休場。米国では26日からFOMCが開催され利上げ問題の行方が注目される。



(2016年4月16日)
まずは25日線〜75日線の攻防。そして下は1万6000円、上は1万7000円がメドに。
◆今週の日経平均は前週比1027円高。12日から3日連続で大幅上昇。せいぜい25日線あたりまでかと見ていたが、25日線どころか75日線も突破し、14日終値は1万6911円とフシ目の1万7000円まで迫った。3日間で1160円高となり、週間では11日のザラ場安値1万5525円から15日ザラ場高値1万6928円まで1400円強もの上昇幅となった。
「円高一服」が好感された格好になっているが、3月31日の東京外為市場のドル円は112円58銭。日経平均が4月1日以降の下げ分をお釣りがくる格好で取り戻しているのと比べると、ドル円は109円台半ばまでと円高修正の幅は限定的だ。4月1日からの下げ過程で「仕掛け売り」の感触も強いとしてきたが、そうした「仕掛け売り」の巻き戻しと解釈するのが妥当だろう。実際、仏系のニューエッジ・ジャパンが先週末まで大量に積み上げていた先物の売り建玉の半分を僅か2日で手仕舞ったと報じられている。一方で、東証が13日発表した8日時点の裁定買い残は1兆8117億円とほぼ3年半ぶりの低水準となっていた。売り仕掛けと同時に日本株の持ち高を整理する動きも出ていたようで、裁定残の減少で需給面の重荷がなくなったところに、「日本株売り」を巻き戻す動き(ショートカバー)で大幅高に繋がったようだ。実需の買いではなさそう。

こうしたショートカバーによる上げは通常、数日程度で一巡するため持続的な上昇は見込みにくい。また、円高懸念も依然くすぶっている。ここからは3月期決算発表が焦点となってくるが、現状の為替水準では決算発表に対する警戒感は根強く上値は限定的となりそう。
こうした中、15日のNYの円相場は1ドル=108円70〜80銭で4日ぶりに反発。NYダウは28ドル安と小幅だが、円高進行を受けCME日経先物は大証比155円安の1万6605円と25日線が意識されるところまで押している。

来週は、まずは25日線(15日現在・1万6594円)〜75日線(同1万6818円)の攻防。25日線を割り込んでくると再び弱気相場に逆戻りする可能性が高まる。ただ、前回「こうした急落時は大陽線の出現が底入れサインとなる」としたが、基調転換するほど大きな上げ幅となったことで、107円を超えるような円高に向かわなければ株価は下げにくくなっているはず。下は1万6000円前後が下値として意識される。上は今年の上値抵抗となっている1万7000円がメドに

タイムスケジュールでは、17日にカタールのドーハで原油の増産凍結が議論されるが、市場は既に凍結合意を織り込んでいる。合意しても原油価格や株価は大きく上昇しそうにない。反対に合意に至らなければ日米の株価は弱含みそう。



(2016年4月9日)
引き続き為替がカギ、政策期待も。
◆今週の日経平均は前週比343円安と続落。今週の最大のポイントは110円超えの円高進行だ。7日にはNY外国為替市場で一時1ドル=107円65銭まで円高が進行。前週末からの上昇幅は約4円。年初からは12円近くにもなる。米利上げの後ずれ観測が要因だが、市場には政府・日銀は円売り介入に動きづらいとの思惑もあり円高が進んだ。前回、110円を超える円高に向かうと1万5000円前後まで下げる可能性が高まるとしたが、下値として期待された1万6000円を割り込み、週末8日は一時1万5471円まで売られた。
その8日は麻生太郎財務相の円高けん制発言を機に円高が一服。一時1ドル=109円台まで下落。日経平均も円の戻りを受け一時、1万6000円台まで反発する場面もあった。ただ、円の先高観は強く、口先介入だけでは効果は一時的との見方が多い。実際、8日のNY外国為替市場では1ドル=108円00〜10銭と早くも円高に振れている。

来週も円相場を見ながら下ブレを警戒する動きとなりそうだ。ただ、円高による悪影響も確実に織り込みは進んでいるはず。また、このまま円高を放置すれば日本経済は再び危機に直面し、アベノミクスがもたらしてきた内閣支持率も剥落する。市場では5月18日に公表されるGDP速報値を見て、経済対策とその補正予算規模が決まるとの見方が多かった。これに17年4月に消費増税を再延期するかどうかの判断も絡んでくる。しかし、急激な円高を受け政策催促も待ったなしの状況となっている。一足先に、今月末の日銀の金融政策決定会合で追加の金融緩和を実施するとの期待が一段と高まっている。

週末は反発したものの終値では5日線(1万5828円)に抑え込まれ弱気の流れは継続。引き続き為替がポイントとなるが、まずはSQ値1万5507円と重なる1万5500円がフシ目に。1万5500円を割り込んでくると2月12日安値(1万4865円)を意識した1万5000円が次のフシとなる。この場合2月安値をキープするかどうかで、2月安値と並ぶW底となるか一段安に向かうかが決まってくる。
その一方、SQを通過したことで仕掛け的な売り圧力は弱まる可能性が高い。また、4月に入ってから1000円以上も売られたことで短期的には売られ過ぎ感も強い。売られ過ぎ感が強いだけに円安への反転(110円以下)や政策が出れば一気の巻き戻しも考えられるところだ。また、前回指摘したように4月の突っ込み場面は買いが有効となっているパターンも多い。チャートでは5日線の回復が底入れの第一ステップとなるが、こうした急落時は「大陽線」の出現が信頼性の高い底入れサインとなる

タイムスケジュールでは、国内では11日に機械受注、15日に鉱工業生産が発表される。米国では13日に小売売上高や企業在庫、ベージュブック、15日に鉱工業生産が発表されるが、それよりも15日の中国GDPへの反応も注目される。



(2016年4月2日)
円高が進まなければ1万6000円前後が底となるか、問題は為替。
◆今週の日経平均は前週比838円安。前回レポートで「実質新年度入りとなる4月1日を挟んだ一両日に大きく振れる可能性もある」とした。奇しくも嫌な予想が当たる結果となったが、31日の120円安に続き1日は594円安と年度初日としては1995年4月3日の758円以来、21年ぶりの大きさとなった。
新聞紙面では寄り前に発表された「日銀短観での大企業景況感の悪化が売りを誘った」と解説されている。しかしだ。素人ではあるまいし市場関係者ならそんなことはある程度は読んでいるだろう。16年度の主要企業の想定為替レートは1ドル=117円台だが、足元では5円程度の円高水準にある。また、中国景気の減速もあり企業経営者の景況感の悪化は当然だ。
実は新年度相場に警戒感が強い場合、4月1日前後にこうした波乱を見せることは結構あるのだ。まして、株価を支えていた配当取りやお化粧期待もなくなる。そうしたことを読んで前回4月1日前後の波乱を指摘した。
また、懸念したスタートとなったが意気消沈するのもまだ早い。このパターンは1〜2日下げたあとは急反発といった短期的な波乱で収まっているケースも結構多いのだ。実際、「昨年は31日205円安、4月1日172円安・(計680円安)。そして4月2日278円高、3日123円高・(計508円高)」、「2014年は3月26日〜4月4日まで計810円高→4月7日から14日まで計1260円安」、「2013年は4月1日240円安、2日150円安・(計630円安)→4月3日330円高、4日360円高・(計910円高)」。2012年こそ波乱はなかったが、このように4月1日前後は往って来いの乱高下を見せているケースが多いのだ。

特筆すべきは年度初日で今年を上回る大きさとなった1995年度の相場。95年は大型の経済対策を受けてその後株価はV字回復。結局、日経平均は6000円近い大幅高を演じた。今年も早速「政策催促相場」と言われ出しているが、今年は夏に選挙を控えていることもあり期待は高い。消費増税延期などの政策が出れば一気の巻き戻しも考えられるところだ。また、4月相場の勝敗は1990年から昨年までは17勝9敗、2000年からは9勝7敗と比較的強い季節習性もある。「5月に売れ」という相場格言もあるが、4月の突っ込み場面は買いが有効となっている。

チャートは25日線を割り込み下放れの懸念が出てきたが、まずは1月21日安値(1万6017円)、日足一目均衡表「雲下限」(1万6090円)が重なるフシ目の1万6000円がポイントとなる。1万6000円を明確に割り込まなければ、1月21日安値、2月12日安値をボトムとする「逆三尊型」の底入れの可能性を残す問題は為替だ円高が1ドル=112円前後で踏み止まれば1万6000円前後が底となる可能性が高い。半面、110円越えが意識される円高に向かうと、2月12日安値(1万4865円)を意識した1万5000円前後まで一気に下げる可能性が高まる。まずは為替がどうなるか。株価は1万6000円が目下の攻防の分岐点になる。上は5日線、25日線を回復できるか。両線を下回る状態は下降相場として戻しても売られやすい。



(2016年3月26日)
目先は5日線で、トレンドは25日線〜75日線抜けで判断
◆今週の日経平均は前週比278円高。円高一服もあって堅調な動きを見せたが、フシ目の1万7000円から上は重い展開が続いた。今週の高値は23日の1万7142円、安値は24日の1万6843円と週間の値幅は僅か299円。1月月間の値幅2934円、2月は3046円を考えれば、まさにべた凪相場。1万7000円を挟んだ「三角もちあい」もかなり収れんしてきている。
底堅さの背景に3月期末の権利取りの動きがあることは確かで、まずは権利落ちする29日以降の動きが気になる。しかし、3月期末の「お化粧買い」期待はまだあり、今月中は何とか底堅い展開が続く可能性がある。問題は実質4月相場入りでどうなるかだ。

前回3月下旬は円安に振れるパターンが多いとしたように円高は一旦収まっている。しかし、市場には依然円高観測がくすぶり企業業績の先行き懸念は根強い。中国を中心に世界的に景気の減速が鮮明になるなか、円相場は1年前に比べて約10円の円高水準にある。ただでさえ期初の見通しは慎重になる傾向があるが、4月下旬からの決算発表で大幅な減益見通しを出してくる企業が多く出る懸念が強まっている。もっとも、分かりきった材料は事前に織り込まれるもの。円高による業績懸念も円高の進行と共に売られた年初からの下げである程度織り込まれている。一方で、夏に選挙も控え、政府が財政出動や消費増税の先送りに動くとの見方は一段と強まっている。特に「増税先送りは株高要因」。決算発表に対する警戒感はくすぶるが、これ以上の円高にならなければ積極的な売りも仕掛けづらい。

いずれにしろこうした時はチャートで判断していくしかない。まず相場の信号機である25日線(1万6650円)は現在反転の動きで、株価も25日線を上回っている。短中期のトレンドは上昇基調にあると判断できる。その一方で75日線(1万7372円)は目下下降中で中長期トレンドは依然として弱気を示している。
当面は25日線が下値メドに、上は75日線がメドになるが、両線は徐々に狭まっており、いずれどちらにかにブレイクする。ブレイクするとその方向にトレンドが発生しやすいが、25日線を下回った場合、1月安値の1万6000円前後、加速すれば2月安値を意識した1万5000円前後まで売られる心配もある。一方、75日線を上回ると本格上昇に転じ200日線(1万8679円)が次のメドになる。
実質新年度入りとなる4月1日(金)を挟んだ一両日に大きく振れる可能性もあるが、超目先の動きは5日線を基準に。トレンドは25日線〜75日線のレンジ抜けで判断

タイムスケジュールでは、国内で2は、8日(月)が3月期決算銘柄の権利付き最終日となる。そして30日に鉱工業生産、31日には住宅着工、4月1日に日銀短観が発表される。米国では1日に雇用統計が発表される。



(2016年3月19日)
下は25日線がサポートするか、上は1万7000円を突破できるか
◆今週の日経平均は前週比214円安。14日には終値で1万7233円と順調に上昇。このまま一段に向かうかと思われたが米FOMCを機に波乱の様相に。16日のFOMCでは年4回としていた利上げ回数を年2回に減らす方針を示した。緩和的な金融政策が長引くとの見方が浮上しマネーの流れが急変。外国為替市場ではドルを売る動きが強まり、17日に1年4ヶ月ぶりとなる1ドル=110円67銭まで円高が進行。米利上げ観測の後退や原油高でNYダウは連日の上昇となっているが、その一方で「円高に弱い日本株」があらためて浮き彫りになった。日経平均は週末にかけ4日続落となり18日には一時1万6613円まで下落。
ただ、18日のNYダウは120ドル高の1万7602ドル。円相場も1ドル=111円50〜60銭と4日ぶりに反落。CME日経先物も大証比130円高の1万6640円。まだ予断は許さないがやや落ち着いてきている。

問題は為替だ。チャートの関門となっている1ドル=110円を突破すると100円近辺まで円高が進む可能性もある。これまで述べているが、市場の関心はすでに来17/3期予想に移っている。仮に1ドル=100円近辺で来期の業績予想を打ち出すとなれば多くの企業が軒並み大幅な減益見通しとなるだろう。
もっとも、3月の為替相場は過去、中旬は円高に振れる場面が多いものの下旬には円安に振れるパターンが多い。輸出企業による送金(実需の円買い)が概ね3月中旬までに一巡することなどが背景にあるが、実際、過去の3月中の円相場の動きをみてみると、08年に大幅な円高になったのを最後に09年以降は7年連続で円安に振れている。つまり、連休(19〜21日)明けとなる来週以降は円高圧力が一旦収まる可能性が高い
また、日銀の金融緩和の効果に疑問が強まる中、円高再燃リスクも浮上し、「財政出動」や「消費増税先送り」観測も出てきている。実際、安倍晋三首相は18日の参院予算委員会で消費増税延期に含みを持たせた発言をしている。経済失速や消費低迷が続いた場合の話だが、5月18日公表の1〜3月期GDP速報値や5月26〜27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)などを踏まえ消費増税可否を最終判断するとみられる。もちろん政治家は選挙に勝つことが必須。7月の参院選にあわせた思惑も見え隠れするところだ。

1ドル=110円以上の円高にならないという条件付きで、現状は3月9日安値1万6494円を意識した短期の2番底形成の動きと見るが、まずは上昇に転じている25日線(1万6497円)がサポートするか。サポートしてくれば基本的な上昇トレンドは変わらない。また、日足一目均衡表「雲」は急低下しており株価は現在「雲領域」に入っている。仮に同線を下回っても「雲下限」(1万6442円)付近で止まれば短期2番底形成の底入れパターンになる。一方上は1万7000円が関門となっている感触だ。上は1万7000円をしっかりと突破できるかが一段の戻りに転じるポイントになりそう。尚、チャートは上昇に転じている25日線と下降を続けている75日線をどちらに抜けるかがポイントとなっているが、この両線は日柄と共に煮詰まってくる。

タイムスケジュールでは、国内は21日(月)が振替休日で休場。米国では大統領予備選で共和党のトランプ氏の勝利が明確になるか注目される。23日には新築住宅着工、24日には耐久財受注が発表される。そして25日(金)はNY市場が聖金曜日で休場となる。



(2016年3月12日)
1万7000円固めから上値を伺う展開か
◆今週の日経平均は前週比76円安。やはりといった感じで1万7000円に抑え込まれる展開となった。しかし下値も固かった。一時は1万6500円割れまで売られる場面もあったが25日線は割り込まず反発。そして週末には再び1万7000円を回復する場面も。下値の固さを確認したことで逆に1万7000円から上を取りやすくなったとも言える。また、「SQ値を上回って引ければ翌週以降の相場は堅調、下回ると軟調になる」というアノマリーがあるが、そのSQ値(1万6586円95銭)も大幅に上回ったことで上値期待も出てきている。
背景は原油価格が戻り歩調にあること。言うまでもなく昨年来からの世界同時株安の元凶は原油安だ。その原油価格が反発の動きを見せ、これに伴ってNY株が堅調な展開となっていることがある。つまり「原油安→NY株安→円高・日本株安」を仕掛けていたヘッジファンドが、原油価格の反発を受けポジションを巻き戻す必要に迫れているようだ。

こうした中、11日のNYダウは218ドル高の1万7213ドルと大幅反発となり今年の最高値を更新。原油先物相場の上昇を受けての反発だが、CME日経平物もNY株と共に買い進まれ大証比200円高の1万7050円と大幅高。尚、先物は3月末の配当落ち分を100円以上下回った価格で、実質的な株価は3月4日高値1万7042円を大きく上回っていることになる。

一方、来週は14〜15日に日銀金融政策決定会合、そして15〜16日にFOMCがある。共に注目されるイベントだが、日銀がここで追加緩和を打ち出すとは考えにくい。また、FRBも15〜16日のFOMCでは利上げを見送ると思われ、日米金融当局による金融政策が相場に与える影響は限られそう。波乱も心配されたメジャーSQも無事通過した。来週も週前半は日銀金融政策決定会合やFOMCを控え動きづらいだろうが、その後はイベント通過で不透明要因払しょくといった反応が期待される。
やや楽観的な見通しかもしれないが、週前半は1万7000円の値固め、そして後半に75日線を意識した展開を予想。下は引き続き25日線維持がポイント。25日線を上回っていれば基本、75日線を戻りメドとした反転相場は続くとみる。

タイムスケジュールでは、国内では14日に機械受注、15日に鉱工業生産、16日に訪日外国人数(2月)、17日に貿易統計が発表される。米国では15日に小売売上高や企業在庫が発表され、16日にイエレンFRB議長の会見がある。



(2016年3月5日)
まずは1万7000円を上抜けるか、下は25日線維持がポイント
◆今週の日経平均は前週比826円高。2日に661円の大幅高となり25日線を回復。相場の信号機となる25日線を上回ったことでショートカバーも巻き込み上げ幅を拡大。尚、デイリーで新値三本足も「陽転」としたが、何を見ていたのかこれは間違い。終値で1万7519円以上となることが「陽転」の条件。そして4日には1万7000円台も回復し、5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスも示現。過度な悲観は完全に後退。上昇期待も戻ってきている。
背景に日経平均と連動性の高いNYダウが1万5000ドル台半ばを二点底とした反転基調となっていることがある。また1ドル=114円絡みへの円安も支援材料となり、日経平均も2月12日安値1万4865円から修復するチャートとなっている。尚、2月の日経平均は月間で1491円(8.5%)下げた。下落は3ヶ月連続で月間下落率は2012年5月以来、3年9ヶ月ぶりの大きさとなった。月後半に持ち直してこの程度で収まったが2月の下げ幅は一時、2566円にも上り、月間で2682円下げたリーマンショック後の08年10月に次ぐ下落幅となった。

投資家心理はようやく強気にも傾いてきた。しかし、ここからの上値はしばらく限られそうだ。NYダウは2月11日安値1万5503ドルから1500ドル超の上げとなっており高値警戒感が浮上しやすい。日経平均も直近で2000円強の反発となっており短期的な過熱感は否めない。そうした投資家心理を如実に表しているのがオプション取引だ。4日時点で最も建玉が多いのは権利行使価格1万7000円のコールで、同1万7500円、同1万8000円の建玉は伸びていない。すなわち1万7000円から上を見ていないことになる。
3月は日米欧の中央銀行の重要会合が相次ぐが、内容次第で市場が再び大きく変動するリスクがある。また、前回も述べたが問題は為替だ。市場の関心は17/3期予想に移っているが、やや円安に振れてきたものの現状の水準では、来期は1ドル=110円程度の想定レートとなることが予想され、やはり厳しい見通しとなる企業が多く出そうだ。リスク回避の動きが和らいだとはいえ、為替の動向など先行き懸念がくすぶる状況は今も変わっていない。

1万7000円は戻りのメドとして強く意識されるが、まずは1万7000円を上抜けるかが観察ポイント。抜ければ一目均衡表「雲下限」(1万7286円)が次の上値目標となる。そして「雲下限」も抜ければ75日線を意識する流れに。下は25日線がポイント。25日線を上回ってきたことでチャートは反発局面に入ったと見ることができ、25日線を上回っていれば基本、75日線を戻りメドとした反転相場は続く。下回れば売り転換と見る。また、来週は波乱が続いている「SQ週」。目下のところはSQに向け売りポジションの解消が先行する流れとなっているが、向こう半年から1年のポジションも見据えたメジャーSQとなるだけに油断は禁物だ。

タイムスケジュールでは、国内では8日にGDP改定値(10−12月期)、9日に工作機械受注、そして11日はメジャーSQとなる。



(2016年2月27日)
25日線を抜けるかが次の焦点に
◆今週の日経平均は前週比221円高。下値もしっかりしていたが上値も重く1万6000円を挟んで往来相場が続いていた。しかし26日に一時1万6472円まで上昇。2月1日戻り高値1万7905円から12日ザラ場安値1万4865円までの下げ幅の半値戻し(1万6385円)を達成し、25日線(1万6536円)に迫った。昨年12月以降、25日線が上値を抑えてきたが再び、25日線抜けを伺う展開になってきている。
また、26日は25日騰落レシオも中立の100%に乗せている。実は25日騰落レシオが100%を切ったのは日経平均が25日線割れとなった直後の昨年12月14日。そこから一目均衡表の一期(26日間)となる1月21日に10数年ぶりの低水準となる53.83%まで低下。21日は一段下げの底(1万6017円)となった日だ。そしてそこから同じ一目均衡表の一期(26日間)を要してようやく100%を回復。25日騰落レシオも立ち直りの動きで、中立の100%を突破してくるかが注目されるところだ。この他、東証が24日発表した19日時点の裁定買い残は1兆8380億円と3年4ヶ月ぶりの低水準となった。また、信用評価損率も19日時点でマイナス17.9%と、約7年ぶりのマイナス水準となった前週(−25.7%)から改善。共に売りは出尽くしたと見ることができ需給面からも戻りが期待される状況だ。こうして見ると年初から荒れに荒れた相場は2月12日安値1万4865円でひとまず底を打ったようにみえる。そして25日線が次の焦点となってきているが、こうした状況で25日線を上抜けると市場ムードはさらに好転する。

ただ、25日線を抜けても当面は上値の重い展開を想定するのが妥当。問題は為替だ。市場の関心はすでに来17/3期予想に移っているが、現状の為替水準では、来期は1ドル=105円程度の前提で業績予想を打ち出す公算があり減益見通しとなる企業が多く出そうだ。となれば、現状のPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は確かに「割安」だが、これをそのまま受け入れるのは難しい。米国の金融政策に対する不透明感も根強く、25日線を抜けても次は75日線を意識した上値の重い展開が予想される。当面は1万6000円を挟んで上下1000円程度の範囲で推移するとみておくところか

来週は25日線を上回れるか。上回れば1万7000円付近までの上昇期待が高まる。一方下は5日線を維持が戻り基調にあるかのポイント。5日線を上回っていれば25日線を上回る動きに向かう可能性が高い。反対に5日線、10日線を下回ってくると再下落に転じる心配が出てくるため注意が必要だ。短期的には5日線〜25日線のレンジをどちらに抜けてくるかがポイントとなる

タイムスケジュールでは、G20会議の結果は現時点では分からない。まずはG20会議で何らかの市場安定策が打ち出されるか? 国内では29日に鉱工業生産、3月1日に有効求人倍率などが発表される。米国では29日にシカゴ景況指数、1日にISM製造業景況指数、2日にベージュブックやADP全米雇用報告、3日にISM非製造業景況指数、そして4日に雇用統計と連日重要な指標が発表され、これを受けたNY株と為替の動向から目が離せない週となる。



(2016年2月20日)
目下のカギは26〜27日に上海で開かれるG20
◆今週の日経平均は前週比1015円高。週明け15日は寄付きから全面高の展開となり前週末比1069円高の1万6022円と大幅反発となった。今年最大の上げ幅で1000円を超す上昇は昨年9月9日(1343円高)以来。世界株安の一因だったドイツ銀行の信用不安が後退し日本株を売っていた海外勢が買い戻しを急いだ。次に今週の高値は16日の1万6341円だが、ここは2月1日戻り高値1万7905円から12日ザラ場安値1万4865円までの下げ幅(3040円)の半値戻し(1万6385円)水準。半値戻しを達成すれば25日線トライが視野に入ってくる。

ようやく反転の兆しも見せてきたが依然、底入れを信じられないムードも強い。15日の反発も実需の買いと言うより海外勢が売っていたポジションの買い戻しが中心。原油価格や円相場の先行きが不透明で当面は不安定な値動きが続くとの見方が多く、買い戻し一巡は強気と弱気の間で揺れる展開が続いた。こうした中、19日のNYダウは21ドル安と小幅続落。原油先物相場が再び心理的な節目となる1バレル30ドルを下回り投資家心理が悪化。CME日経先物は大証比155円安の1万5825円。円相場も1ドル=112円50〜60銭と再び円高に振れ始め、まだ安心はできない。

再下落となるのか、目下のカギは26〜27日に上海で開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議。G20会議では何らかの市場安定策が打ち出されるとの見方が根強いが、内容次第で相場は上にも下にも振れやすくなる。また、日本株の行方を占う上で重要なのが円相場だ。為替相場に株式市場が揺さぶられる構図も変わらない。
テクニカル的には、まずは5日線を維持できるかが重要。維持できないと再び下落トレンドンに。一方上は半値戻し(1万6385円)達成が注目されるが、25日線は日々下がってきているため早晩、25日線が戻りの攻防になりそうだ
尚、ようやく反転の兆しも見せてきたが200日線、75日線、25日線の主要移動平均線は揃って下向きでトレンドは弱い。当面は下降途中のリバウンドと見ておくところで、戻りきれなければ再び売られやすくなる。

タイムスケジュールでは、米国で23日にS&Pケース・シラー住宅価格や中古住宅販売、24日に新築住宅販売や消費者信頼感指数、26日にGDP改定値などの景気動向が明らかになる指標が発表される。



(2016年2月13日)
数年に一度の売られ過ぎサイン、一旦は自律反発する局面
◆今週の日経平均は前週比1867円安と大幅続落。12日終値は1万4952円と日銀が追加金融緩和を決める前の2014年10月21日以来となる1万5000円割れ。年初から4000円超の下げとなり下落率は20%を超えた。2月に入っての下げ幅は2566円(15%)にも上り、月間では2682円(24%)下げたリーマンショック後の08年10月に次ぐ下落スピードとなった。それにしてもだ。1月23日の当レポート(680号)で、「一旦反発したあと、リーマンショック時と同様に二段下げに向かうパターンとすると、先々は1万4000円前後まで売られる心配もある」とした。読み通り一旦は1万8000円手前まで大きく反発。その後二段下げに向かったのだが、そうした二段下げの可能性も読んでいながら、下げに上手く対応できなかった未熟さを反省するばかりだ。
背景は急激な円高進行だ。10日にイエレンFRB議長が3月の追加利上げに慎重な姿勢を示したことが円高に拍車を掛けた。東京市場が休みの11日に一時1ドル=110円台後半まで急上昇。10日間の上昇幅は10円を超えたが、10日間の上昇幅が10円を超えたのはこちらもリーマンショック直後の08年10月以来。

今回の円高・株安のペースは2008年秋のリーマンショックを彷彿とさせる。しかし、本当にリーマン危機と同様の事態なのか。現在は当時のような欧米大手企業の破綻などが顕在化しているわけではなく、日米欧と中国の成長率もプラス圏内に踏みとどまっている。世界的に不安の連鎖が続き、ヘッジファンドなどによる「円買い⇔日本株売り」が下げ相場に拍車をかけているが、それにしても日本市場は過度の悲観に傾きすぎと思える。
12日終値での200日線(1万9175円)とのマイナスかい離は−22%と、リーマンショック後の最安値(7054円)となった09年3月10日以来、約7年ぶりとなるマイナスかい離。さらに75日線とは−18.9%、25日線とは−11.8%と合わせた総合かい離も−52.7%と09年3月10日の−53.1%に並ぶ
また、円高で企業業績が悪くなればPERは上がり、PBRも目減りするためこうした投資指標を重要視しすぎるのは問題もあるが、12日時点の東証1部のPERは13.69倍と2012年11月に始まった「アベノミクス相場」では最も低い数値。東証1部の配当利回り(加重平均)も2.35%と12年12月以来の水準になっている。テクニカル、ファンダメンタルズいずれの面からも、まさに数年に一度の売られ過ぎサインが点灯している。
チャート的には2段下げ途中といった動きだが、水準的には2段下げの底も近づいた感がある。また、まだ下値模索の展開が続くとしても売られ過ぎ感から一旦は自律反発を期待する局面と言える。
こうした中、12日のNYダウは313ドル高と6営業日ぶりに大幅反発。原油高と1月の小売売上高の銀行株高がダウの上昇を支えたが、欧州市場で経営不安説が出ていたドイツ銀行が社債買戻しを発表し懸念材料の一つが後退したことが好感された。CME日経先物も米株とともに買われ大証比610円高の1万5410円。円相場も1ドル=113円15〜25銭と円安に振れている。

来週は反発を探る動きとなりそうだが、まずは5日線を回復できるかが重要。5日線を回復できないと下げは続く。この場合1万4000円前後までの下落を見込む。なお、今朝の日経紙19面で「リンク債が元本割れ」と出ている。詳しくは新聞を読んで頂きたいが、リンク債のノックインまでも読む超最悪のパターンとなれば1万3000円割れもあり得る。しかし、09年3月のバブル崩壊以降の最安値7054円から昨年6月高値2万868円までの上げ幅の半値押しが1万3961円で、1万4000円前後は市場関係者の多くが大底として認識するところだ。一方、5日線を回復できれば(1万6966円)付近までのリバウンドはあっておかしくないが、これまでの下落幅が大きいだけに自律反発でも相当の値幅は出ると予想される。尚、日本株の行方を占う上で重要なのが円相場だ。下落の主要因が円高によるもので、円安に反転しないと株価も上がりづらい状況は続く

タイムスケジュールでは、米国では15日(月)が祝日で休場。中国市場は連休明けで株価動向が注目される。国内では15日に10−12月期のGDPや鉱工業生産、16日に訪日外国人数、17日に機械受注などが発表される。



(2016年2月6日)
「2番底形成」か「2段下げ」に向かうかの正念場となりそう
◆今週の日経平均は前週比699円安。NY株高や1ドル=121円台への円安進行で2月1日には1万8000円に迫る1万7905円まで買われ25日線も終値で突破した。しかし反発もそこまで。NY株安に円高進行となったことで翌2日から再び急落。マイナス金利導入決定後の株高・円安はあっという間に剥落し、25日線割れはもとより1月21日安値1万6017円から2月1日高値1万7905円までの上げ幅の半値押し(1万6961円)水準も割り込んできた。また、2月1日ザラ場高値1万7905円から5日ザラ場安値1万6627円まで僅か4〜5日で1278円もの急落で、依然、下にフレやすい相場との印象が強い。
背景は「マイナス金利」効果よりも、米景気の先行き不安のほうが強く意識されているようだ。諸々の経済指標から米景気への警戒感が台頭。ドルを売る動きも進んだ。東京市場が不安視するのは円高進行だが、「円高が止まらないと底入れしにくい」と言う構図だ。また、さえない企業決算も弱気の背景にある。第3四半期の決算発表が進むにつれて業績予想を下方修正する動きが相次ぎ、株価も下落。

こうした中、5日のNYダウは211ドル安と大幅反落。米雇用統計を受け米利上げが改めて意識され下落。CME日経先物も大証比160円安の1万6560円
週明けも下値模索の始まりが予想されるが、来週は「2番底形成」か、最悪シナリオの「2段下げ」に向かうかの正念場となりそう。現状では前者の「2番底形成」の展開とみている。日経平均はマイナス金利導入前の水準まで下落したが、同政策が相場にとって悪影響を与えるとは考えづらい。そもそもマイナス金利の適用は2月16日からで、時間の経過と共に効果は出てくると予想している。また、日銀は今後も株安・景気悪化は阻止するという意思表示を明確にしている。株安・円高が続くようなら、さらなる荒技が出てくる可能性もある。

まずは5日線を上回れるか。5日線を上回れなければ再下落は続くが、この場合下値メドとしては1月21日安値16017円が意識される。ただ、アベノミクス相場での下値メドとなっている直近高値(12月高値)から2割安水準となる1万6000円前後は強い下値メドとなる。それだけに1月安値を下回ると2段下げに向かう心配が高まる。反対に5日線を上回れば25日線まで戻す可能性が出てくる。ただ、この展開は戻りメドが低くなるパターン。下げ止まっても当面は1万6500円(1万6000円?)〜1万7500円のボックスで推移しそう。為替動向からも目が離せないがどこで下げ止まるか。

タイムスケジュールでは、国内では第3四半期決算の発表ラッシュの後半戦。11日(木)は祝日で休場。



(2016年1月30日)
25日線を明確に上抜けるかが反騰相場の強さを判断するポイント
◆今週の日経平均は前週比560円高。今週のハイライトは何と言っても日銀の「マイナス金利導入」だ。さながら「黒田バズーカ3」といったところだろう。日銀は29日の金融政策決定会合で、当座預金に0.1%のマイナス金利を適用する追加緩和を決定。年間80兆円の国債買い入れを柱とする従来の資産買い入れを継続し、当座預金を3つに分け、それぞれプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用するという。市場では日銀の金融政策決定会合後の失望売りも警戒されていただけに想定外の「サプライズ」に驚きが広がった。日銀の決定が伝わると海外ヘッジファンドなどが慌てて買い戻しを急いだ。しかし、新たな政策の効果と副作用を巡って不安も交錯。この材料が出た後の2時間半で「680円上昇→870円下落→730円上昇」とまさしくジェットコースター相場となった。
ただ、為替は1ドル121円台への円安を導き、29日の東証1部の売買代金は4兆4317億円と黒田バズーカ2に匹敵する水準にまで膨らみ、これで短期的な「相場の底」は入った。原油価格や中国株の動向を警戒する必要はあるが、国債購入などの「量」のカードを切らず量的緩和のカードも温存されている。

それにしても黒田日銀総裁の豪胆な政策には驚かされる。エリートにありがちな教科書的、官僚的な考えから一向に抜け出せなかったこれまでの日銀総裁とは全く違う。失敗すればそうしたエリートたちから“それ見たことか!”と強烈なバッシングを受けるだろうが、ここまで海外マーケットにも影響を与え、我がもの顔で人の庭(東京市場)を闊歩していたヘッジファンドを怖がらせた日銀総裁がいただろうか。
その黒田日銀総裁は金融政策で初の「マイナス金利導入」という未踏の領域に足を踏み入れた。マイナス金利政策は銀行の預け金に「手数料」を課すという意味で、通常の金融政策ではない。「金利」から「量」に転換した政策対象に、再び「金利」を加えるという金融政策手法の大きな転換になる。
マイナス金利では。銀行が日銀にお金を預けると金利を支払うことになる。銀行はマイナス金利で日銀に預けて預金を減らすよりも、融資や株式投資などに資金を振り向けるとみられ景気回復や物価上昇につながる効果が見込める。また、金利が下がれば、金利差による円高圧力も和らぐ

「マイナス金利導入」は海外市場にもビッグサプライズとなっている。世界的に運用リスクを取る動きが広がり、日欧からNY市場へと株式相場は軒並み急上昇。29日のNYダウは大幅続伸し396ドル高の1万6466ドル。ダウ平均の上げ幅は2015年8月26日(619ドル上昇)以来、約5ヶ月ぶりの大きさだった。円相場も1ドル=121円00〜10銭と大幅に4日続落。そして29日のCME日経先物は大証比210円高の1万7850円と一段高。

29日の東京市場では25日線で止められたがCMEではクリア。25日線抜けは買いサインとなるが、まずは25日線を明確に上抜けるかが反騰相場の強さを判断するポイントになる。25日線を上回れば1万8000円前後まで値上がりする可能性があり、次は75日線(1万8665円)となる。75日線までの戻り売り圧力は相当強いと想像されるが、仮に75日線も回復することができれば、年初の波乱は一過性の突っ込みとした見方も出てくる。反対に25日線を上回れないと、自律反発に一巡感が出やすく5日線や1万7000円前後まで売られる可能性がある。また、円安が続くなら株価上昇が期待できる。為替は75日線(121円)を突破する円安に向かうかがポイントとなる

タイムスケジュールでは、米国では3日にADP全米雇用報告、5日に雇用統計が発表され、株や為替相場などFRBの金融政策への思惑が働く可能性がある。



(2016年1月23日)
3分の1戻りの1万7348円を超えるか。日銀金融政策会合が注目。
◆今週の日経平均は前週比189円安。19日こそ92円高と反発したものの、20日にWTI原油が時間外取引で急落したことで大幅安に売り崩された。さらに21日も一時、318円高の1万6734円まで戻す場面があったが再び大きく売り崩された。少し戻してはそれを数倍する下げを繰り返し投資家心理は完全に委縮。先物主導で下げを拡大する厳しい展開が続き、21日の終値は1万6017円とついに1万6000円絡みまで売り込まれた。
ただ、レポートしてきた通り、アベノミクスが始まって以降の株安局面では直近高値から2割安で一旦は下げ止まっている。12月高値2万円からの2割安がこの1万6000円だ。また、200日線を始め75日線、25日線とのマイナスかい離や25日騰落レシオなどのテクニカル指標は数年に一度あるかないかといった「陰の極」を示唆。 さすがに一旦は下げ止まっていい水準となる。

こうした中、翌22日は941円高と急反発。欧州中央銀行のドラギ総裁が追加の金融緩和を示唆したことや原油先物相場が反発したことが投資家心理の改善につながったが、上述したように21日までの下げがこれでもか?といった「陰の極」に達していただけに反発を大きくした。この日の上昇幅は昨年9月9日(1343円高)以来の大きさとなった。
そして、22日のNYダウは210ドル高と大幅続伸。日欧の株高や原油先物相場の上昇を好感。さらに円相場も1ドル=118円75〜85銭と大幅に続落CME日経先物は大証比360円高の1万7230円。118円台後半にまで戻してき円安がなによりも追い風となるが、週明けも戻り試す展開が期待できそうだ。

もっとも、これで相場の基調が変わったとみるのは早計だ。中・長期のモメンタムやトレンドは完全な弱気に転換しており、中国景気や原油動向も見極めにくい。目先はもう売る物がないくらい売られ過ぎた感が出ている。当然、反騰相場があっておかしくない場面だが、こうしたショック安の弱気心理を払しょくするのは容易ではない。戻りが終わればまた売られ2番底、3番底を形成して底打ちしてくるパターンが多い。
また、これは考えたくないし、現時点で考えることでもないが正直、今回の下げは「リーマン・ショック」の暴落パターンよりキツイ感じがする。「リーマン・ショック」の時は二段下げとなったが、一旦反発したあと再下落に転じ最終的に-33%まで売られた。同様に二段下げに向かうパターンとすると、先々は1万4000円前後まで売られる心配もある。底値確認は慎重さが必要ということだ。

ということで基本は戻り売りが無難。5日線、10日線との位置関係を見ながらマックスで25日線(22日現在・1万8055円)までの戻りとみるのが妥当だが、その前に昨年12月の高値2万12円から21日安値1万6017円までの下落に対する3分の1戻りにあたる1万7348円を超えるかがポイントとなる。言い換えれば、1万7300円前後が目先の上値メドとなる。また、日銀による追加金融緩和の思惑も相場を支えている。来週は日米で金融政策決定会合があるが、現状維持なら失望売りを招く可能性がある

タイムスケジュールでは、来週から3月期企業の第3四半期決算(4−12月期)の発表が始まる。中国経済の鈍化や円高の影響が今後、外需系銘柄に出てくる懸念もあり、決算数字とその反応が注目される。そして週末28−29日には日銀金融政策決定会合が開催され、追加緩和があるか否かが大きく注目される。
米国では26−27日に開催されるFOMCが注目される。26日にはS&Pケース・シラー住宅指数、28日に耐久財受注、29日に10−12月GDPなどが発表される。



(2016年1月16日)

週前半は軟調な展開、後半は反騰局面か?
◆今週の日経平均は前週比550円安。13日に497円高と急反発したが、翌14日には再び売り込まれ、一時771円安の1万6944円と15年昨年9月29日以来、約4ヶ月ぶりに1万7000円も割り込んだ。
大発会から急落を繰り返す大波乱の展開となっているが、週明けも株式市場は荒れそうだ。15日のNYダウは390ドル安の1万5988ドルと急反落。2015年8月25日以来およそ4ヶ月半ぶりの安値。中国株安に原油安が投資家心理を冷やしているが、15日のNY原油先物相場は一時1バレル29ドル台前半と約12年ぶりの安値を付けた。また、厄介なのが為替で、ドルは対円で一時116.51円に下落し昨年8月24日以来の安値をつけた。円高が進むと115円〜120円を業績の前提条件としている輸出企業にとっては業績の減益材料となってしまう。
これを受けCME日経先物も大証比355円安の1万6795円。安値は1万6575円。週明けも売り先行の始まりが予想されるが、昨年9月29日安値の16901.48円も割り込む気配で下値のメドが付きづらくなっている。

しかし、短期的には売られ過ぎ感が強く、リバウンドもしやすい局面。年初からの下げ率は10%を超え、25日騰落レシオに至っては3年7ヶ月ぶりの低水準。ここにきての円高で再増額期待は後退したが、それでもPERや配当利回りなど割安感を示す投資指標が多い。また、今月28日、29日に日銀の金融政策決定会合があるが、世界同時株安や円高進行を受け日銀の追加緩和を予想する向きが増えている。実際にあるかは分からないが、ここまで売り込まれた状態で「追加緩和」予想浮上となれば売り方には最も警戒すべきイベントとなるだろう。

問題はどこで底打ちするか。CME日経先物(1万6795円)で一段安に売られているため、昨年9月29日安値1万6901円と14日安値1万6941円の「ダブル底」形成は怪しくなっている。このため下は昨年1月の1万6592円がフシとなる。これは14年10月に日経平均が急騰した際に空けたマドの下限とも重なる。また、「アベノミクス」が始まって以降の株安局面では、直近高値から2割安で下げ止まっているケースが多い。仮に一段安に売られても最悪、12月高値(2万円)から2割安となる1万6000円程度で、瞬間的な突っ込みとなる可能性が高い。
短期的には5日線(15日現在・1万7403円)と10日線(同1万7883円)が判断ポイントとなる。5日線を上回れなければ下げ止まり確認はできないが、10日線からマイナスカイリ幅が大きくなればなるほどリバウンドしやすくなる。週前半はNY株安などから軟調な展開が予想されるが、そうなれば10日線からのカイリ幅は益々広がり、週後半には反騰局面入りが期待できそうだ。そして、大勢は下降トレンドとしても、自律反発に転じれば25日線(同1万8558円)程度までは戻る可能性はある。

タイムスケジュールでは、18日に鉱工業生産、19日に訪日外国人数などが発表される。米国では18日は祝日で休場。19日に中国のGDP、20日に米国の住宅着工件数などが発表される。




(2016年1月9日)
テクニカル的には「陰の極」。一旦は底が入るタイミング。
◆大荒れの新春相場スタートとなった。今週の日経平均は前年末比1336円安と大幅急落。まさに「騒ぐ申(さる)年」の本領発揮と言った感じだが、NY株安に円高、イランとサウジの争いによる中東情勢の緊張、中国市場の大暴落、さらには北朝鮮の水爆実験と市場を騒がす悪材料が立て続けに起きた。
マーケットが最も懸念しているのは中国の人民元安。元安は中国の輸出競争力を高める半面、急激な元安は中国からの資本流出を招き、外貨建ての負債を抱える中国企業の業績悪化など景気への悪影響の方が大きくなる。昨年夏には中国景気の減速懸念から世界的な株安連鎖が起きたが、元安を起点に中国経済への不安が再燃している。一方で原油安への懸念も大きい。原油価格はついに2008年のリーマン・ショック時の安値(32・4ドル)も下回った。サウジアラビアとイランの断交で産油国の協調減産は難しいとの見方が強まり原油安に拍車がかかっている。こうした状況の中飛び込んできたのが北朝鮮の水爆実験のニュースだ。日本近隣の地政学リスクとなれば投資家の不安は嫌が上にも高まる。

NY株の下げもきつい。中国経済の先行き不透明感や原油価格の低迷から、8日のNYダウは167ドル安の1万6346ドルと2015年10月1日以来およそ3カ月ぶりの安値。週間の下げ幅は1078ドルにも達し、週間ではリーマン・ショックで急落した08年10月上旬(1874ドル安)以来ほぼ7年3カ月ぶりの大きさ。円相場も1ドル=117円20〜30銭と円高が進行。世界的な株安で安全資産の円を買う動きが優勢となっている。NY株安に円高進行を受け8日のCME日経先物は大証比410円安の1万7280円とさらに一段安。東京が休みの11日の中国株やNY株の動向で変わってくるが、現状では来週も一段安の厳しい始まりが予想される。

ただ、テクニカル的には「陰の極」を示唆している。日経平均は昨年末の1万9033円から1月8日ザラ場安値1万7509円まで僅か5日間で1500円超もの下げとなっている。CME(1万7280円)で見れば1700円以上にもなる。25日騰落レシオも62.9%とアベノミクス相場では最低の水準に突っ込んでいる他、空売り比率も7日に42.4%と昨年9月の史上最高値43.4%に接近しており、今の水準からの下げ余地は小さいと見る状況。
そして日柄面では、戻り高値2万0012円を付けた12月1日から一目均衡表の基本周期となる一期(26日間)の1月8日が変化日。また、またもや「波乱のSQ週」となったが潮目が変わりやすいSQも通過。テクニカル指標は「陰の極」を示唆し、日柄的にも一旦は底が入りやすいタイミングにある。

ただし、短期的には反発しやすい局面だが、75日線も大きく下抜け相場は下降転換したとみるところ。下げが急で大きいため、反発に転じればリバウンドもそれなりに大きくなりそうだが、NY株や為替が大きく好転しない限り、短期的な反発で終わりやすい。リバウンドは短期狙いで。
テクニカル的には1万7000円〜1万7500円が下値メドになるが、デイリーで述べているように5日線を上回れなければ下げ止まり確認は出来ない上は5日線が最初のハードルとなり、この上は10日線→75日線が順次の戻りメドとなる

タイムスケジュールでは、11日(月)は成人の日で休場。14日に機械受注が発表される。米国では、13日にベージュブック、15日に鉱工業生産やNY州製造業指数などが発表される。



(2016年1月3日)
まずは75日線を維持できるかが判断ポイント
◆昨年末12月30日(117ドル安)、31日(178ドル安)のNYダウを振り返ると2日間で295ドル安の大幅安。大納会の日経平均は1万9000円台に乗せて終わったが、NY株安を受けてCME日経先物は昨年末比274円安の1万8760円と大幅安になっている。
チャートは何とか75日線(30日現在・1万8826円)がサポートする格好で下げ止まっていたが、年明けは再び75日線テストから。現在のチャートは25日線と75日線が200日線を下回る弱いパターン。CMEでは若干下回っているが、この状態で75日線も下回ると下降転換する心配がある。まずは75日線を維持できるかが年明けの判断ポイント。一方、上値抵抗線は25日線(同・1万9306円)で、25日線を上回れば上昇基調に戻す。下は75日線、上は25日線。新春相場はまずこのどちらか放れた方に流れる可能性が高い。

また、為替は1ドル=120円近辺での取引となっている。120円は心理的な下値支持線で、120円をキープできていれば円安維持と判断され、120円より円高となれば円高に転換したと判断されやすい感じ。株価が下げないのは為替が120円を維持しているからと思われるが、ドル円が120円を維持できるかも観察ポイント。

タイムスケジュールでは、8日(金)に発表される米雇用統計が新春第一号の大きなイベントとなりそう。




(2015年12月26日)
下値模索の年末年始相場も心配される状況
◆今週の日経平均は前週比217円安。一時的に割り込む場面もあったが75日線がサポートする底堅い展開が続いた。ただ、NYダウは21日〜23日の3日間で474ドルもの大幅反発となっている中での動き。円高が足を引っ張る格好にもなっているが、“NYダウがこれほど上げても戻せないとは…”と逆に不安が高まるのが正直なところだ。上値も5日線に抑え込まれる悪い展開で日に日に弱気の虫が強まるムード。結局、今年は2012年から続いている年末高、「棹尾の一振」はなさそうな感じで、むしろ、下値模索の年末年始相場が心配される状況となっている。

しかし、節税目的のための手じまい売りは25日で一巡、TOPIXへ採用される郵政3銘柄を組み入れるための機関投資家による換金売りも峠を越えた。こうした売り圧力がなくなることから受け渡しベースで2016年入りする週明けから売り需給は改善される。加えて、25日騰落レシオは25日に76.5%まで低下。11月5日のピーク140.3%から大きく調整しているが、25日騰落レシオの底値は70%前後になることが多く、突っ込み狙いのタイミングにきている。また、日経平均の予想PERは25日時点で15.3倍。やや円高に振れているものの現状の1ドル=120円台、原油安が継続となれば、輸出系企業を中心に再増額される可能性は高い。4月28日のピーク時には18.19倍(2万58円)まであったが、現状のPER15.3倍は今年1年を通じてもかなり割安な水準でファンダメンタルズ面からは一段高があって不自然ではない。そうした視点では、日柄調整を経て出直ってくる可能性は十分に高く、目先の突っ込みはアク抜けのチャンスに見える

まずは75日線がサポートするか。割り込むと12月15日のザラ場安値1万8562円、9月29日安値1万6901円から12月1日高値2万12円までの上げ幅の半値戻りとなる1万8456円が意識されるが、これらも割り込むと下降転換として一段安が心配される。また、上値は5日線、10日線に沿って切り下げてきている。5日線、10日線を上回れなければ、75日線を下回る一段安は時間の問題となる

タイムスケジュールでは、国内は30日(水)が大納会となる。米国では29日にS&Pケース・シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数、31日にシカゴ景況指数が発表される。



(2015年12月19日)
まずは75日線がサポートするか。下回ると再び下値模索に。
◆今週の日経平均は前週比244円安。前回「SQに向け大きく売られる時は、SQ通過後の月〜火曜で一旦底を打ち、水〜木曜に急反発というパターンも多い」とした。実際、月〜火曜と軟調で15日火曜日には1万8562円まで売られ75日線も終値で割り込んだ。しかし、水曜16日にこの経験則を語るように484円の急反発。そして、注目されたFOMCでFRBは9年半ぶりとなる利上げを決定。これまで市場を揺さぶっていた金融政策を巡る不透明感が払拭したことを好感し、16日のNYダウは224ドル高と大幅続伸。東京市場もこれを素直に好感。17日木曜の高値は1万9507円と僅か2日間で945円幅ものV字型反発となった。オプション・先物取引をやっていれば年に数回しかないビッグチャンスとなったわけだ。
さらに翌18日、日銀の追加措置が伝わると一気に1万9869円まで急伸。年末にかけ2万円大台からの一段高が展開されるかと思われた。ところが、日銀の追加措置が本格的な追加緩和ではなく、金融機関から買い入れていた株売却の受け皿と分かると期待はすぐにしぼみ、一転して株安の流れに。結局、18日終値は366円安の1万8986円と大幅反落。

少々、厄介な相場展開になってきそうだ。18日の足は「長い上ヒゲを引く大陰線」。上に引っ張ったあと大きく反落するこうした乱高下は市場マインドをおかしくしてしまうことが多い。ドル円の為替相場ともに典型的な「key reversal down」のチャートになってしまったが、これは相場の転機に現れる現象。また、内容は報道されているので割愛するが黒田日銀の金融補完策は小粒で、政策に手詰まり感が出ていると捉えられている。
これに追い打ちをかけるように18日のNYダウは367ドル安の1万7128ドルと大幅続落。CME日経先物も大証比170円安の1万8780円と一段安で再び75日線の攻防となっている。目下のところは75日線を下値とした上昇基調は維持しているが、18日の足が悪いだけに今回は75日線が有効な下値ラインとならない可能性も。来週はまず75日線がサポートするかだが、割り込むと再び9月29日安値1万6901円から12月1日の高値2万12円までの上げ幅の半値戻りとなる1万8456円が意識される。
一方上は200日線、25日線がメドに。上抜ければ再上昇相場の期待が出てくるが、当面は両線を上限メドとして戻る場面は売りが正解か。もちろん、一段弱いトレンドが見えてきたら、一段下のレンジ相場に切り替えることになる。

タイムスケジュールでは、国内では23日(水)は祝日で休場。米国では22日にGDP確定値(7−9月期)や中古住宅販売、23日(木)に耐久財受注。そして25日(金)はクリスマスで休場となる。



(2015年12月12日)
週明けの突っ込み場面は目をつぶって買い向かう作戦も
今週の日経平均は前週比274円安。週間比では前週より下げ幅は小さいが、日足では急落の週と言った印象だ。市場はFOMC後のリスクを警戒する動きとなった。15〜16日開催のFOMCでは12月の利上げがほぼ確実視されている。利上げが確実視された4日のNYダウは金融政策を巡る不透明感が払拭されたことなどから369ドル高の大幅反発となった。しかし、今週はFOMC通過後の材料出尽く感が警戒された。これに「原油安」もリスクオフの流れに拍車をかけた。ちなみに、原油安は産油国の財政悪化に繋がるが、産油国であるサウジアラビアのファンドが日本株の保有を減らす動きも出ているようだ。もう1つの要因は「円高」だ。12月の米利上げ観測を受け一旦は円安に振れたが、こちらもかなりの部分は織り込み済みということで円高に。言うまでもなく「円高」は東京市場に逆風となる。
こうなってくると先物が波乱要因となる。前回指摘したが、裁定買い残は22億株と今年6月以来の高水準に積み上がっていた。株価の上昇局面では先物を売って割安な現物株を買う「裁定取引」が増えるため相場上昇に弾みが付く。しかし、相場が不安定になってくるとその「裁定買い残」が爆弾になってくる。過去に何度も見てきたパターンだが、裁定残が積み上がったところでの下げは「裁定解消売り」が加速しやすく、下げを急で大きなものにする。

一旦はフシ目の1万9000円で下げ止まる動きを見せた。しかし、11日のCME日経先物は大取終値を530円下回る1万8680円と一段安に売られている。11日のNYダウは309ドル安と大幅反落。さらにNY外国為替市場では1ドル=120円80〜90銭と円高も進んでいる。「NY株安」に「円高」となれば東京市場の方向は一つだ。週明けの東京も一段安の厳しい展開が予想される
ただ、経験則ではSQに向け大きく売られる時は、SQ通過後の月〜火曜あたりで一旦底を打ち、水〜木曜に急反発というパターンも多い。実際、株価は来週のFOMC後を警戒する格好で一足先に大きく売られている。もうひとつ、17−18日の日銀金融政策決定会合も注目されているが、ここでも通過後の反動安が警戒されている。しかし、安倍政権においては「株高」が「国策」であることも事実。株価がこうした下落を見せてくると、逆に政府や日銀からテコ入れ策が出てくる可能性が高まるわけだ。要するに、週明け14日はNY株の下落の影響を織り込む格好で売り先行の始まりが予想されるが、その突っ込み場面は目をつぶって買い向かってみるという作戦もある

問題はどこが底となるかだが、CME終値からは75日線(1万8743円)、11月2日安値1万8641円。もう一段下では9月29日安値1万6901円から12月1日の高値2万12円までの上げ幅の半値戻りとなる1万8456円が意識される
ただし、戻しても5日線(1万9353円)を抜けなければ下値模索の動きが続くため、まずは5日線が戻りポイントとなる。また、200日線も大きく下回る下落となったため、トレンドは下降パターンに転じてしまった可能性がある。5日線を抜けても当面は200日線、25日線を戻りメドと見ておくところ

タイムスケジュールでは、国内では14日に日銀短観、16日に訪日外国人数、そして18日に黒田日銀総裁の会見がある。米国では15〜16日にFOMCが開催され、金利引き上げとなるか大いに注目される。



(2015年12月5日)
調整か否か、25日線を維持できるかがポイント
今週の日経平均は前週比379円安。12月1日に終値ベースで2万円の大台を回復。その後も2万円近辺でしっかりした展開が続いたが、3日のECB定例理事会で追加緩和の内容が事前の予想ほど大きくなかったことで欧米株式が大幅下落。これを受け4日の日経平均も435円安の1万9504円と急落。25日線も割り込む「ショック安」で一転して調整が漂うムードとなった。
しかし、4日のNYダウは369ドル高の1万7847ドルと急反発。米雇用統計が着実な改善を示し、米景気の先行きに対する楽観的な見方が強まったことや12月の米利上げが確実視され金融政策を巡る不透明感が払拭されたことが好感された。また、ECBのドラギ総裁が追加の金融緩和を辞さない姿勢を示したことも材料視された。CME日経先物も大証終値を250円上回る1万9710円と25日線を回復している

CMEでは25日線を回復し、目下のところは一過性の下げとして上昇基調は維持。しかし、こうした「ショック安」が調整に結びつくことも多い。9月29日安値1万6901円からほぼ一本調子の上げでテクニカル面ではやはり過熱気味。また、来週は「波乱のSQ週」。裁定買い残は22億株とかなり積み上がってきている。警戒水準となる25億株以上まではまだあるものの、こうなってくると裁定解消売りも出やすく、裁定買い残が波乱要因となる。
少なくとも上値を追う動きは弱まりそうだが、まずは25日線(1万9578円)を維持するかが調整入りかどうかのポイントとなる。25日線を上回る状態なら高値更新期待は続く。25日線を下回ると調整となるが、下は200日線(1万9462円)や11月16日安値(1万9252円)が下値メドになる。これらを下回ると75日線(1万8812円)に向けた深い調整に向かう心配が高まる

ただ、現在は「三段上げ相場」の途中で、ここで調整に入っても短期間で収束すると思われる。日経平均の予想PERは直近高値の12月1日時点でも15.71倍(2万12円)。4月28日のピーク18.19倍(2万58円)、8月10日のピーク16.64倍(2万808円)。4月28日の18.19倍にはまだまだ余裕がある。また、米雇用統計受けFRBが15〜16日に開くFOMCで約9年ぶりとなる利上げの公算が一段と高まっている。米国利上げ観測から円売りの流れが再び強まっており、11月19日の1ドル=123円60銭台を超える円安となれば、124円、125円を目指す展開も想定される。
いずれにしろ、目先は25日線を維持できるかがポイントとなる。

タイムスケジュールでは、国内では7日に法人企業統計、8日にGDP改定値、9日に機械受注、そして週末11日にメジャーSQを迎える。米国では11日に小売売上高、企業在庫などが発表される。



(2015年11月28日)
2万円台を回復するか
今週の日経平均は前週比4円高。政策期待などから27日には2万円乗せにあと6円と迫った。しかし、結果は1万9994円止まり。2万円を目前に足踏みが続いている。また、27の日足は前日との組み合わせで高値の「陰線包み足」。売り買いの勢力が逆転、相場の転機に現れるとされる足だ。さらに終値で5日線(1万9896円)も若干下回っている。週足では小幅ながら上昇を保っているが日足では形状悪化も心配される形で、目先調整があってもおかしくない。
しかし、現時点で上昇トレンドが崩れたわけではない。75日線に続き、もう少しで25日線と200日線のGクロスも示現する。中長期のトレンドはさらなる強気を示唆する「強気持続」の動きとなっている。27日のCME日経先物は大証比30円高の1万9890円と引き続き2万円台回復を伺う位置にある。楽観的な見方をすれば、2万円前後を踊り場として一段高に向かう買いのエネルギーを蓄積している最中ともとれる動きだ

ポイントとしては、5日〜10日線を下回らなければ2万円乗せを伺う動きと見るが、下は9月29日安値1万6901円と11月16日安値1万9252円を結ぶラインの延長線上にあたる1万9800円前後が目先の下値メドになる。また、やや深い押しとなっても200日線(1万9409円)が強いサポートラインとして機能しそうだ。
ちなみに、今回の上げは「三段上げ相場」となる可能性も高まっている。9月29日安値1万6901円から現在約18.3%上昇しているが、三段上げ相場では25%〜30%が上げ幅の目安となる。9月安値から20%高が2万280円。25%高が2万1125円。そして30%高が2万1971円となる。三段上げ相場とするならこの2万円手前のモミは一段高に向かう前の踊り場形成の場面となるわけだ。
1990年以降の12月の月足陰陽線も16勝9敗と勝ち越しており、季節習性としても強い月である。足元では2万円大台を前に足踏みが続いているが、年末に向けては8月11日高値2万946円が意識される展開が期待できそうだ。

タイムスケジュールでは、国内で30日に鉱工業生産、黒田総裁会見など、12月1日に法人企業統計などが発表される。米国では30日にシカゴ景況指数、1日にISM製造業景況指数、2日にADP全米雇用報告やベージュブック、4日には雇用統計と重要な指標が連日発表される。これを受けてNY株や為替動向がどのようになるか注目される。



(2015年11月21日)
まずは2万円台を回復するか
今週の日経平均は前週比283円高。パリ同時テロの市場へ影響が心配されたが欧米の株式市場で懸念された動揺はみられなかった。むしろNYダウは直近で大きく下げていたこともあり逆に大幅反発に転じる展開となった。20日のNYダウは1万7823ドルと週間の上げ幅は578ドルに達し、10月上旬以来ほぼ1ヶ月半ぶりの大きさを記録。また、昨年末の終値も小幅に上回り年初来でも上昇に転じた。NY株高と円安を受け東京市場も一段高進み、信憑性の高い反転サインとなる新値三本足「陽転」も示現。約3ヶ月ぶりとなる2万円台回復を目前に捉えている。

テクニカル的には、短期では5日線(20日現在・1万9682円)がサポートする強い基調を維持。また今週は25日線と75日線はGクロスしたが、このままいくともう少しで25日線と200日線もGクロスし、中長期のモメンタムも強い上昇サインを発する。
また、日経平均の予想PERは20日時点で15.73倍(1万9879円)。4月28日のピーク18.19倍(2万58円)、8月10日のピーク16.64倍(2万808円)と比較してもまだ割安。さらに円安・原油安を追い風に輸出系企業を中心に再増額される可能性が高いと見込まれている。となればPER15.73倍というのは実質的にはかなり割安な数字ということになり、ファンダメンタルズ面からもう一段高があって不自然ではない。この他、補正予算などの景気刺激策が打ち出される可能性も高まっている。
20日のCME日経先物は大証比40円高の1万9930円となっているが、心理的な節目の2万円超えから一段高への期待が膨らんでいる。

もっとも、日経平均は9月29日安値1万6901円からほぼ一本調子で3000円幅も上昇。高値を付けた19日に気迷いを示す「十字足」を見せるなど高値警戒も根強い。心理的に大きなフシ目となる2万円前後で短期的な調整があってもおかしくない。
今年も2012年から続いている年末高となる可能性が高まっているが、まずは2万円台に乗せてくるか。10日線、5日線を上回る状態を維持していれば、強い上昇基調が続いていると見ることができ、2万円台乗せは時間の問題となる。下は200日線(同1万9362円)が強い支持線となりそう

タイムスケジュールでは、今週は23日(月)が勤労感謝の日で休場。25日に10月30日の日銀金融政策決定会合要旨が明らかになる。米国では23日に中古住宅販売、24日にGP改定値、25日に耐久財受注や新築住宅販売などが発表される。26日(木)は感謝祭で休場。




(2015年11月14日)
目先は「上げ一服」の展開か。下は200日線が意識される。
今週の日経平均は前週比331円高。円安を背景に12日まで7日続伸。8月20日以来となる2万円台回復が意識される展開を見せた。チャートは中期線の75日線(13日現在・1万8952円)、長期線の200日線(同1万9311円)に続き、26週線(同1万9527円)も回復。さらに一目均衡表では「三役好転」の強気ポジション。また、足元では13日まで7日連続で陽線を引いている。NY株安などで朝は安く始まってもその後、買いが優勢になるというパターンで、利益確定売りを吸収しつつ上げるという買い意欲の強さがうかがわれる足だ。

しかし、日経平均と連動性の高いNYダウは12日の254ドル安に続き13日も202ドル安と大幅続落。世界景気の先行き不透明感や原油相場の下落で投資家心理が悪化。週間ベースでは665ドル安と7週ぶりの大幅な下げとなっているが、この下げを受け、投資家心理を測る指標とされる変動性指数(VIX)は13日、20.08ポイントに上昇。VIXは「恐怖指数」とも呼ばれ、20を上回ると投資家の不安心理が高まった状態とされる。NY株の大幅続落を受けCME日経先物も大証比215円安の1万9415円と一段安になっている。
何よりも、日経平均は9月29日安値1万6901円から11月12日の1万9725円まで値幅にして2824円も上げている。騰落レシオなど短期テクニカル指標も依然過熱を示している。日柄調整のイメージだが、急ピッチで上げてきた反動もあり、目先は「上げ一服」の展開が予想される

ポイントとしては、下は200日線が意識される。200日線を上回る状態であれば上昇相場が続くイメージ。200日線を下回ると調整に転ずる心配がある。もっとも、もう少しで25日線と75日線がGクロスしてくる。25日線が75日線を上回るGクロスすれば一段の強気シグナルが点灯することになるため、200日線を割り込んでも下は固いか。短期では5日線、10日線。両線を上回れば短期的に2万円台に乗せてくる期待が強まる。また、円安基調が続くかもカギ。

タイムスケジュールでは、国内で16日に7〜9月期のGDP、18日に訪日外国人数、同日より日銀金融政策決定会合、19日に黒田日銀総裁会見が発表される。米国では16日にNY州製造業景況指数、17日に鉱工業生産、18日に住宅着工とFOMC議事録などが発表される。


(2015年11月7日)
2万円台回復が視野に入ってくるか? 円安基調が続くかがカギ
◆今週の日経平均は前週比182円高。月曜日に400円の大幅安となり短期調整に転じたかと思われた。しかし、休み明けの郵政上場に合わせる様に反発。5日に終値で中期線の75日線(6日現在・1万9019円)を回復。そして6日に戻り相場最後の関門となる長期線の200日線(同1万9248円)も回復。さらに一目均衡表では「三役好転」の強気ポジションともなっている。8月からの下落相場から完全に抜け出し、中長期的にも反転トレンドに入った格好だ。
快調の背景には、NY株の堅調もあるが、何と言っても1ドル=122円まで進んだ円安が大きい。また、郵政グループ3社が予想外の好発進となったこともマーケットを明るくした。上場が大成功となったことで今後、資金の回転が効いてくるという見方だ。

チャートは高値圏でのもみ合いを放れ一段上を試す展開が予想される形。次は8月21日と24日に空けたマド埋め(1万9435円83銭)がメドになるが… 6日のCME日経先物は大証比200円高の1万9460円とはやこの水準を抜いてきている。10月の米雇用統計を受け日米の金利差拡大を意識した円売り・ドル買いが進んだことが背景だが、一時は123円27銭と8月21日以来ほぼ2ヶ月半ぶりの円安水準となっている。

1度は消えかけた「年内2万円」説が復活してきたが、まずは上述のマド埋め。そしてほぼ半年間の平均に相当する26週線(同1万9532円)を超えてくると2万円台回復に現実味が出てくる。
ただ、9月29日安値から2300円以上も値上がりしており、25日騰落レシオが140ポイントまで高くなるなどテクニカル的には高値警戒も強まりやすい状況。来週は「波乱のSQ週」でもある。75日線〜200日線を固めるもみ合いか短期調整も考えられるところだ。ポイントとしては5日線、10日線を上回る状態を維持できれば強いトレンドと判断出来る。特に5日線を割り込まなければ2万円台に乗せてくる可能性は日に日に強まる。続伸か、短期調整か。5日〜10日線を上回る状態を維持するかがポイントだが、円安基調が続くかがカギになりそう

タイムスケジュールでは、中間決算の発表ラッシュが後半戦となる。経済指標では12日に機械受注、13日に鉱工業生産確報値などが明らかになる。さえない数字となれば財政発動の期待が高まる可能性もありそうだ。



(2015年10月31日)
一旦は調整か? 日柄では11月SQの13日前後まで?
◆今週の日経平均は前週比258円高。27日こそ下げたもの堅調なリバウンドが続いた。意外だったのは日銀の金融政策決定会合後の反応だ。日銀は会合で金融政策の現状維持を決定した。これを受け一時は売りが先行したものの、売り一巡後は急速に切り返し200日線の1万9202円まで浮上。結局、週末30日は2ヶ月ぶりに終値で1万9000円台を回復して取引を終えた。緩和見送りでも市場が大きく動揺しなかった背景には、中国が追加緩和に踏み切り、欧州も12月の緩和を示唆するなど世界的に緩和モードが続いており日銀もいずれ緩和に動くとの見方が根強いことがあるようだ。また、政府が15年度補正予算案を総額3兆円を超える規模にする方向で調整に入ったとの報道も材料視された。

1万9000円台に戻してきた事は強いリバウンド相場と言える。ただ完全な強気転換とするには尚早。チャートは5日線(1万8929円)がサポートする強い反転トレンドが続いている。しかし、ザラ場では200日線(1万9203円)、終値では下降している75日線(1万9093円)にブロックされる格好となっている。この両線も突破となれば8月からの下落相場から完全に抜け出し、中長期的にも反転トレンドに入るが、まだ突破は出来ていない。
前回、「30日の日銀金融政策決定会合までの株高と見ることもできる」としたが、その30日にリバウンド相場最後の関門となる200日線に到達し、25日騰落レシオも137.6%と超が付く過熱圏まで上昇。また、各国で金融政策をめぐる重要イベントが終わり、本格化している2015年4〜9月期決算の織り込みもある程度進んだ。
セオリーとしては一旦、達成感が広がりやすい場面だが、30日のCME日経先物は大証比210円安の1万8880円と一足先に大幅反落となっている。一旦は調整ムードが強まりやすい場面だ。

もっとも、東証1部の売買代金は高水準で戻り待ちの売りは着実にこなしている。チャートも25日線を下回らなければ、いずれ75日〜200日線を突破してくるだろう。目下のところは、調整しても下は22日〜23日に空けたマド下限の1万8579円程度となりそう。上値メドは200日線と想定するのが無難だが、強ければ6ヶ月線(1万9500円)が目標に。大陽線で引けた10月の月足チャートは大きな年末相場に繋がる可能性のある形で、仮に6ヶ月線も上回れば3段上げに向けた昨年の暮れの相場展開も連想させる。日柄面では11月SQの13日前後までの調整とみておくところか。

タイムスケジュールでは、来週3日(火)は祝日で休場。5日には10月の日銀金融政策決定化合議事要旨が発表される。米国では2日にISM製造業景況指数、4日にADP全米雇用報告やISM非製造業景況指数、6日には雇用統計など米国景気の実態が確認される指標が連日のように発表される。


(2015年10月24日)
75日線、200日線を抜けるか。日米金融政策をにらみ荒れる展開も。
◆今週の日経平均は前週比534円高。急展開のリバウンド相場となった。21日に上値ポイントとしてきた9月17日高値1万8468円を抜けたことでショートカバーを巻き込み一時1万8600円台まで急伸。これまで述べてきたように9月17日高値抜けは、8月高値以降続いていきた上値切り下げトレンドを覆す形だ。そしてECBのドラギ総裁が追加の量的緩和策の実施に前向きな姿勢を示したことで22日のNYダウは320ドル高の大幅高。これを好感して週末23日も一段高となり約2ヶ月ぶりに1万8800円台を回復。一目均衡表「雲下限」抜け新値三本足も「陽転」し、リバウンド相場最後の関門となる75日線(1万9162円)、200日線(1万9165円)に向けた反転トレンドに入った
さらに、中国人民銀行が追加の金融緩和に踏み切ったことで、23日のNYダウは157ドル高の1万7646ドルと大幅続伸。CME日経先物も一段高に買われ大証比340円高の1万9140円と、早くも75日線、200日線トライの局面に入っている。予想外の急反転相場となってきたが、この両線も突破となれば8月からの下落相場から完全に抜け出し、中長期的にも反転トレンドに入る。

もっとも、世界的な金融緩和期待を背景に戻してきたが、来週27〜28日にFOMC、そして30日には日銀の金融政策決定会合を控え神経質な展開が予想される。FOMCでは今回の会合で利上げ時期を前倒しする可能性も残り、前倒しとなれば日米とも株式相場は大きく下げるだろう。一方、日銀の金融政策決定会合についても株価は先取りしつつあると解釈することもできる。うがった見方をすれば30日の日銀金融政策決定会合までの株高と見ることもできる場面だ
実際、ここまでは買い戻しが主体。東証1部の売買代金は23日でも2兆5642億円と上げ幅の割に膨らんでおらず買いエネルギーは乏しい。本格的な相場上昇にはボリュームアップが必要だ。また、25日騰落レシオも23日に127.9%まで上昇し過熱圏入りとなっている。このまま1万9000円台に入ってくれば、この他の指標も目先、スピード違反気味の数値となる。
強い上昇の動きが続いているが、直近の上げ幅が急ピッチだったこともあり、来週は日米金融政策をにらみ荒れる展開も予想される。まずは75日線、200日線を抜けるかだが、25日線とのかい離は急速に広がっており反落した場合の下振れもそれなりに大きくなりそう

タイムスケジュールでは、30日(金)に日銀黒田総裁会見があり金融緩和に言及するかが注目される。そして9月中間期決算発表も本格化する。米国では27日(火)にFOMC開催、29日(木)にGDP(7〜9月期)が発表される。



(2015年10月17日)
反転トレンドは維持。9月17日高値1万8468円抜けがポイント。
◆今週の日経平均は前週比147円安。週前半は2日連続で大幅安。25日線を割り込み再下落に転換する心配もあった。しかし、NY株の大幅反発も手伝い 週末にかけ反発。25日線、5日線を回復したほか、13日と14日に空けたマド(1万8126円〜1万8223円)も埋め、チャートは反転トレンドを維持。

それにしてもだ。東京市場が下げると「中国の景気減速懸念」や「米国の利上げ観測」といった解説が並ぶ。しかし、景気減速懸念の中国・上海総合指数は2ヶ月ぶりの高値圏に戻してきている。NYダウも3週続けての上昇で16日は1万7215ドルと、こちらも8月19日以来となる2ヶ月ぶり高値水準に戻してきている。一方、週末のCME日経先物は1万8365円と戻してはいるが、株価水準は2ヶ月前の急落時とあまり変わっていない。外部要因とするにはつじつまがあっていないが、ネガティブに偏りやすい日本の国民性を反映した動きなのか。
しかし、東証が16日発表した10月第1週(5〜9日)の投資部門別株式売買動向によると、信託銀行が7週連続で買い越し。公的年金とみられる買いが続いているようだ。そして海外投資家も9週ぶりに買い越しに転じている。8月下旬から続く悲観マインドからなかなか抜け出せない東京市場だが、需給は着実に改善してきている点は留意しておきたい。

一時25日線を下回ったが、週末にかけ25日線、5日線を回復し反転トレンドは維持。チャート的には200日線まで戻す動きが続いていると見る。しかし、上述したように積極的な上値追いには慎重な見方が多く、上値も重そう。ポイントは9月17日高値の1万8468円抜け。上回ると8月高値以降の上値切り下げトレンドを覆す反転トレンドとなる。抜けないと1万8000円を値固めするもみ合いが継続することになる。この次は新値三本足が「陽転」となる1万8771円(終値で)抜け。これらを抜けば次は200日線だ。下は25日線(1万7995円)を下回らなければ基本的な上昇トレンドは続く。
尚、米国では年内利上げの可能性が一段と低下、国内では10月30日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和に向けた期待が高まっている。日米とも金融緩和相場への期待が株価材料として大きいことが確認される

タイムスケジュールでは、9月中間期決算がスタートしてくる。主なところでは20日(火)に東京製鉄5423、安川電機6506、21日(水)に日本電産6594などが発表され、株価の反応が注目される。海外では19日に中国の7−9月期GDP、20日の米住宅着工、22日の米中古住宅販売などが注目される。



(2015年10月10日)
底入れ確認! 下値を固めながら200日線に向かう展開を予想
◆今週の日経平均は前週比713円高。9月29日安値1万6901円から順調なリバウンドとなり、10月9日には一時1万8438円まで反発。値幅で1537円、率にして9.09%の短期リバウンドとなり4週ぶりの上昇。9月9日以来、1ヶ月ぶりの水準を回復した。
潮目を変えたのは先週末の米雇用統計だ。雇用が予想より伸びず緩和的な金融政策が当面続くとの見方が台頭。これを受けてNYダウは6日連騰となり8月19日以来1ヶ月ぶりに1万7000ドル台を回復。また、7日の金融政策決定会合で日銀は金融政策の現状維持を決めたが、次回会合の10月末には追加緩和するとの観測が台頭したことも買い安心感を与えた。米利上げ先送り観測と日銀の追加金融緩和期待を背景に8月からの極端な悲観からの修正が進み、市場筋では「米利上げをにらんで売ってきた空売り勢が、損失回避の買い戻しを迫られている」としている。
テクニカル面でも「陰の極」は通過したとの見方が強まっている。6日に終値で25日線を回復し、7日には5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスを示現。また、東証1部の25日騰落レシオも9日に101.4%と中立の100%を超え8月18日以来、約1ヶ月半ぶりの高水準となった。市場に安堵感が広がり、幅広い銘柄へ物色意欲が戻ってきたことを示す。

ようやく上昇転換と判断できる展開になってきたが、来週からは下値を固めながら200日線に向けた動きが予想される。ただ、その間に二つのフシがある。まずは9月17日高値の1万8468円抜け。同高値を上回ると8月高値以降の上値切り下げトレンドを覆す完全な反転トレンドとなる。そして上昇転換のサインとして信頼性の高い新値三本足が「陽転」となる1万8771円(終値で)抜けが次のフシ。これらを抜けば次は200日線だ。
一方、下値は5日線(1万8218円)、25日線(1万7972円)がポイント。25日線を下回らなければ基本的な上昇トレンドは続くが、短期的な判断は5日線。尚、25日線を下回ると再下落に転ずる心配はあるものの、今回の調整局面で25日線は初めて上向きに転じており今後、25日線は比較的強い下値支持線として期待できそうだ。

タイムスケジュールでは、12日は体育の日で休日。火曜日からの立ち合いとなるが、発表事では14日の10月月例経済報告に注目。政府が弱含む景気の現状を認めれば、月末の金融政策決定会合での緩和観測が一段と強まり、相場にとって追い風となる。米国では14日に小売売上高、ベージュブックなどが発表される。15日にはNY州製造業景況指数、16日には鉱工業生産が発表される。



(2015年10月3日)
底入れ確認待ち。25日線、9月18日〜24日マド埋めがポイント。
◆今週の日経平均は前週比155円安。今週も上下に荒い値動きが続いた。28日のNY株が大幅反落となったことで、9月29日には714円の大幅安となり、終値で1万7000円も割り込んだ。結局、9月5日付けの当コーナーで述べた「8月26日安値1万7714円から28日高値1万9192円までの戻しに対する倍返しとなる2段下げも視野に入る」とした最悪のシナリオが現実のものとなった。しかし、29日の大幅安の後は反発。また、2日のNYダウはFRBによる利上げの開始時期が年明けにずれ込むとの見方が浮上し200ドル高と大幅反発。CME日経先物も大証比200円の1万7870円と10日線も抜け、リバウンドの動きを鮮明にしている。

それにしてもだ。日経平均の予想PERは9月29日についに13.3倍まで低下。これは12年11月以来の割安水準だ。こうした中、今月後半から2015年4〜9月期の決算発表が本格化する。中国景気の悪化懸念で慎重な見通しを出す動きも想定されるが、それでも1ドル=120円前後での円安や原油安などの追い風を享受する銘柄はかなりの上方修正が期待できそうだ。ただでさえ数年ぶりの割安数値となる中、今月後半から始まる9月中間決算発表で日経平均の予想PERはさらに低下する可能性が高い。加えて株安局面を利用した自社株買いなどの株主還元の動きも期待できる。8月以降の急落相場では中身に関係なしに大きく売られている銘柄が多いが、決算で好業績が確認された銘柄や株主還元策の出た銘柄には当然、見直し買いが入るだろう。
ぶっちゃけた話。相場は今の水準から一段と下振れるよりは、上昇する余地の方が大きいと思われる。実際、悪材料が重なって大きく下げてもその後はすぐに下落分を取り戻す動きとなっているが、短期的に売られても、一方で割安感に着目した買いも入っていることの証左だ。となれば弱含む場面は「逆張りの好機」ということになる。

もっとも、目下のところはまだ下降トレンドを継続中。9月29日の1万7000円割れで目先底入れの感触を見せているが、底入れを確認するには9月18日〜24日に空けたマド埋め(1万8069円)、25日線(1万8054円)を抜く必要がある。底入れ確認が出来れば年末に向け本格的な反転相場に向かうと思われる。反対に両線に跳ね返さると再度下値を試す展開も想定される。しかし、株価水準的には大底圏で上昇確認待ちの状態。いずれにしろ、来週以降は底入れ確認待ちの相場となりそうだ。

タイムスケジュールでは、何と言っても7日の日銀金融政策決定会合を受けた黒田総裁の会見が注目される。ここでは追加の金融緩和があるかがポイントとなる。日本郵政グループ3社のブックビルディングスタートが8日ということを考えると、7日の追加金融緩和の発表は政府にとってはタイミングがいいとみているはずだが…。もし緩和の意思表示が無かった場合はショック安もありそう。ただ、今月30日に金融政策決定会合がもう一度予定されている。そのため、7日が空振りでも30日を意識して売りは限定的となる可能性がある。
米国では5日にISM非製造業景況指数、8日に9月のFOMC議事録などが発表される。中国では休場明けの8日からの上海市場の動向には要注目だろう。



(2015年9月26日)
5日、10日線回復、18日〜24日のマド埋めが反転確認のサイン
◆今週の日経平均は前週比190円安。中国景気の悪化懸念などで連休の間のNYダウは400ドル近い下げ。さらに、独フォルクスワーゲンの排ガス試験の不正問題など、連休明けの東京市場は海外発の悪材料が目白押しだった。日経平均は9月8日安値以降、1万8000円をはさんで三角保ち合いを続けていたが、連休をはさんでこの持ち合いを下放れ。25日には9月8日安値1万7415円に接近する動きとなった。
しかし、25日昼に安倍首相と黒田日銀総裁との会談が行われ、追加の金融緩和期待が浮上。安倍首相は24日夕に、新たな「3本の矢」としてGDP目標や子育て支援、社会保障の充実を打ち出した。しかし、安倍首相が表明した「新たな3本の矢」は具体策が見えず市場関係者の間では具体的な手段として追加緩和が必要との見方が浮上していた。また、海外投資家も日本株の持ち高を減らすなかで「追加緩和が浮上するのを恐れていた」という。追加の緩和期待で一転、買い戻しが進み、25日は結局308円高の1万7880円と3営業日ぶりに大幅反発し、週の取引を終えた。

大幅に反発したことで何とか底入れの兆しが出てきた。前週末時点では1万7750円どころで下げ止まる「逆三尊型」の底入れが期待されたが、もう一つのシナリオの9月8日安値1万7415円と並ぶ「ダブル底」の底入れといった感じになっている。
来週から10月相場に入り、いよいよ本格反転を探る展開に入ってくると思われる。ただ、10月1日には日銀短観が発表され、翌2日には市場関係者が注目する9月の米雇用統計発表を控え、今しばらく上値には慎重な姿勢が続きそう。チャート的には5日、10日線回復、18日と24日に空けたマド(1万8069円)埋めが反転確認のサインとなる。これらを上回ってくれば、ひとまずは25日線(25日現在・1万8399円)程度まで試す展開になるとみている

タイムスケジュールでは、国内では28日に黒田日銀総裁会見、30日に鉱工業生産や住宅着工、10月1日には日銀短観が発表される。米国では29日にS&Pケース・シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数、30日にADP全米雇用報告やシカゴ景況指数、そして2日に9月の雇用統計が発表される。これらを受けて日米の株式市場がどのような動きを見せるか注目される。


(2015年9月19日)
まずは連休明けの海外マーケットがどうなっているか?
◆今週の日経平均は前週比194円安。注目されたFOMCでは金利据え置きを決定。これを好感し17日のNY ダウは一時190ドルを超える上昇をみせる場面もあった。しかし、イエレンFRB議長が市場の想定以上に景気動向に慎重な姿勢を明らかにしたことで、今度は世界経済の後退リスクを意識する動きが広がった。この日のNYダウは結局65ドル安。
18日の東京市場も利上げ先送りによる不透明感や5連休中を前にしたポジション整理売りの流れとなったが、18日のNYダウは290ドル安と大幅続落となり、CME日経先物も大証比250円安の1万7750円と一段安。日経平均は8月下旬から1万8000円をはさんでの三角保ち合いの動きとなっている。17日には上放れの兆しをみせたものの一転、下放れを心配させる格好となっている。

もっとも、イエレンFRB議長は中国や新興国の景気減速に懸念を示したが、これは1〜2ヶ月で見方が変わるような話ではない。これによりFRBが利上げを決めるのは早くても12月以降とした見方が大勢になってきている。米利上げが当面実施されないとなれば、株価を下支えする。
一方日本市場では、安保法案成立と引き換えに低下した安部政権の支持率回復を目的に景気対策に乗り出す可能性が高まっている。まずは5兆円規模の補正予算の話が出てきているが今後、株価がこれを織り込む流れとなる公算が大きい。また、1ドル=120円前後の為替水準や原油安などから4〜9月期の中間決算も良好な数字が見込まれることも買い材料となる。日経平均の予想PERは18日時点で14.3倍まで低下しているが、今後の増額を加味すれば実質PERは14倍割れと推測される。中国経済や米国の金利動向など外部要因に影響される懸念はあるが、外部要因が安定すれば、業績の堅調さと割安感から当然、一定のリバウンドはあると考えるのが妥当だ。
株価的にもボトム圏といっていい。買われ過ぎ売られ過ぎを表す25日騰落レシオは14日に65.4%まで低下。これは民主党野田政権時にマークした59.3%以来約3年3ヶ月ぶりの低水準で、めったにない売られ過ぎを示している。日経平均の予想変動率を示すボラティリティー・インデックスも18日は28.8ポイントと暴落前の8月21日以来の水準に低下。メジャーSQ、FOMCなどの波乱イベントを通過してきたことで先行きへの警戒感は着実に薄れてきている。

いずれにしろ現状は海外要因の影響を強く受ける地合いとなっている。まずは連休明けの海外マーケットがどうなっているか?
テクニカル的には5日線、10日線回復が下げ止まりの確認ポイントとなる。両線を上回ってくれば25日線(18日現在・1万8628円)をメドにしたリバウンド期待が強まる。そして25日線を上回ってくれば200日線(同・1万9114円)に向けた反発が期待できる。レンジとしては、 上は8月28日高値1万9192円、9月9日高値1万8770円を結ぶライン上の1万8500円前後が抵抗線。一方下は、8月25日安値の1万7747円がメドになる。1万7750円どころで下げ止まれば理想的な逆三尊型の底入れ形成になる

タイムスケジュールでは、来週は24日と25日の2日のみの立ち合いとなる。そして25日は9月中間配の権利付き最終日。米国では21日に中古住宅販売、24日に新築住宅販売や耐久財受注、25日には4〜6月期GDP確報値が明らかになる。



(2015年9月12日)
SQを睨んだ売り仕掛けは一巡、後はFOMC
◆今週の日経平均は前週比472円高。8日に1万7415円まで売られ一段安が心配された。しかし9日は一転して1343円の大幅反発。上げ幅は21年7ヶ月ぶりの大きさで歴代6番目という記録的な上昇となった。前回、この下げは「ヘッジファンドなどがメジャーSQを睨んで仕掛けた売り崩しの可能性が高い」としたが、予想以上に売りポジに傾いていたのだろう。売り持ちを膨らませていた弱気筋の買い戻しが意外な急騰劇を演出したとみられる。翌10日にはその反動で大幅反落となったが、メジャーSQを通過した週末11日は、日経平均の日中値幅が238円と株価が急落する前の8月20日(213円)以来の水準に低下。日経平均のボラティリティー・インデックス(予想変動率)も31.7と2週間ぶりの低水準となった。

先物主導の荒い展開が続いていたが、メジャーSQを通過し予想通り落ち着きを取り戻してきた。しかし、まだ積極的に持ち高を傾けにくい。まずは13日に発表される中国の経済指標を受けた14日の市場の反応が注目される。そして16〜17日に最大の関心事となっているFOMCを控える。ここで利上げがあるか無いか。利上げは見送られるとした見方が優勢になりつつあるがまだ予断は許さない。仮に利上げが発表された場合は一時的には売られるか。もっとも、こうしたイベントに合わせて組む(多くが売り仕掛け)『イベントドリブン』的な動きもあると思われ、そこで「アク抜け」という可能性も高いような気がする。

9日は1343円もの上昇となったが、こうした大きな反発で基調が反転することは多い。チャートはまだ25日線、200日線を下回った弱い状態だが、8日安値1万7415円が8月安値に続く2番底となった可能性が高い。また、120円割れの円高を加味しても日本のファンダメンタルズは大きく変わっておらず、予想PERなど割安感も顕著。投資指標からもさらに大きく売り込まれる可能性も低そう。残りの重要イベント(不透明要因)をこなしながら、徐々に戻りを強める展開になりそうだ。

来週はSQ値、5日線、10日線を上回って推移するなら25日線をメドにしたリバウンド期待が強まる。まずはSQ値、5日線、10日線を上回って推移するかが判断ポイント。ただし、19日からシルバーウィークとなるため連休前にポジションを作りづらい。本格的な反転相場は24日以降と予想されるが、順当にいけば9月末に1万9000円を超える可能性も。

タイムスケジュールでは、14〜15日に日銀金融政策決定会合が開かれ15日に黒田日銀総裁の会見がある。16日には訪日外国人数が、17日には貿易統計、18日には8月の日銀金融政策決定会合要旨が明らかになる。そして、米国で16日〜17日にFOMC。最大の焦点はFRBが利上げに踏み切るかどうか。米国の金融政策を左右するもので神経質な局面が続きそうだ。


(2015年9月5日)
2段下げに進むか、目先は5日線回復が下げ止まりの条件
◆今週の日経平均は前週比1344円安。8月28日に200日線(1万9073円)を回復したものの、そこで戻り一巡。前回「買い戻し一巡後に二番底、三番底を探りにいく展開も想定される」としたが、再び下値模索となり、4日終値は1万7792円と4週連続の下落。週間の下げ幅はリーマン・ショック直後の08年10月第2週(2661円)以来、7年ぶりの大きさとなった。
ただ、今週の日経平均の下落率(−13.2%)は「震源地」である中国・上海株(−2.2%)はもとより、NYダウ(−3.2)の下落率も大きく上回っている。日経平均だけが突出して下げており、今週の下げを海外市場の影響とするには無理がある。もちろん、利の乗っている日本株は売りの対象にされやすい。しかし、下げの殆どが先物主導で、短期の値幅取りを狙ったヘッジファンドが、来週のメジャーSQを睨んで仕掛けた売り崩しの可能性が高い。

チャートは8月25日安値を下回ったことで形状が悪化。さらに4日のNYダウは272ドル安と大幅反落。CME日経先物も大証比125円安の1万7635円と一段安。週明けも売り先行の動きが予想されるが、ここで下げ止まらなければ最悪、8月26日安値1万7714円から28日高値1万9192円までの戻しに対する倍返しの1万6235円となる2段下げも視野に入る。ただ、過去の累積売買高が比較的多い1万7600〜1万7800円は一旦下げ止まりやすい水準。この他では5日線を回復できれば下げ止まり、下回っている間は下げ継続と見る。この辺がテクニカル的な判断ポイントとなる

もっとも、目先は下振れが心配されるが、買いの芽(需給改善)も着実に育ってきている。海外勢は1〜7月で約2兆2800億円を買い越していた。それが8月は2兆5350億円と08年以降で最大の売り越しとなり7月までに積み上げた買い持ちを一気に取り崩した。中国景気の変調をきっかけにしたリスクオフの流れは続いているが、既にかなりの買いポジションを閉じている。一方で、東証が1日に発表した8月28日申し込みの信用買い残は前週比2821億円減の3兆3049億円と大幅に減少。この週は1万7714円まで急落した週。「追証」の発生による大量の処分売りが出た。さらに、4日の東証1部の空売り比率は41.6%と過去最高を更新。「信用買い残の減少、カラ売りの増加」は弱気で見ている投資家が多いということだが、買いポジションの整理は売り圧力の激減、カラ売りの増加は将来の買い戻し圧力となる。いずれは反騰相場の大きな原動力となるだろう。
何よりも、いま起きている株安は明確な悪材料が引き金になったわけではない。中国経済への疑念は強まっているが、中国景気の影響を受けない企業の株までもが大きく売られている。市場がパニック状態に陥っているだけで、市場が冷静さを取り戻すにつれ、少なくとも中国リスクを受けにくい銘柄の買い戻しは進むだろう。もう1つの懸案が米国の利上げだ。FRBが利上げに踏み切れば短期的には株価を押し下げる可能性はある。しかし、こちらも既にかなりの部分は織り込まれてきており、上げ開始で「あく抜け」となる可能性も高い。
8月から続く暴落も来週11日のメジャーSQ、16〜17日のFOMCを過ぎれば一旦落ち着くと見ている。

タイムスケジュールでは、国内では8日に4〜6月期のGDP改定値、10日に7月の機械受注、そして11日(金)はメジャーSQとなる。米国では7日(月)は祝日で休場。火曜日からのスタートとなる。


(2015年8月29日)
二番底、三番底を探りにいく展開も想定して
◆先週に続き大波乱の一週間となった。日経平均は25日まで6日続落し、その間に2813円下げた。6日間の下落幅としては「リーマン・ショック」直後の2008年10月(2878円)に匹敵する大きさ。波乱が頂点に達したのは24〜25日。24日の日経平均は前週末比895円安と2013年5月23日(1143円)以来の下げ幅となった。そして24日夜のNYダウは一時1000ドル(7%)を超える大幅続落となった。24日夜は円相場も急騰。一時1ドル=116円台と7ヶ月ぶりの円高水準まで買われた。これを受け、ナイトセッションでは日経先物が一時、現物終値に比べ1380円安い1万7160円まで下げた。そして25日も日経平均は734円安と大幅続落。日中の値幅は1087円にもなる乱高下となったが、これは「バーナンキショック」の13年5月23日以来の大きさ。
そもそも、中国の景気後退観測は前から指摘されていた問題。通過切り下げで危機感が強まったとはいえ、具体的な悪い経済指標が発表されたわけでもない。正直、これほどの下げはまったく想定していなかった。これまでストッパーとなっていたNYが下げを増幅したのが要因だが、株安が世界を一周するたびに不安心理は増幅され、08年の「リーマン・ショック」にも迫る荒い値動きとなった。

しかし、中国株やNY株も週末に向けひとまず収束を見せてきた。日経平均も週末に向けて3日続伸。28日は1万9136円と1週間ぶりに終値で200日線(1万9042円)を回復。3日間の上昇幅は1329円に上り、18日から25日まで6日続落した分(2813円)のほぼ半分を取り戻した計算になる。ちなみに、28日のNYダウは反落したが11ドル安と小幅。早期の利上げ観測が再び意識され相場の重荷となったが引けにかけて急速に下げ渋った。CME日経先物は大証比10円安の1万9170円。円安が支援材料となりしっかり。円相場は1ドル=121円65〜75銭。FRBのフィッシャー副議長の発言を受け、早期の米利上げ開始の可能性が意識され円売り・ドル買いが優勢となった。
中国を発端とした世界株安もひとまず落ち着を見せ始め、需給的な売り圧力もかなりの部分出尽くした感がある。さらにカギを握る為替が1ドル=121円台の円安に戻ってきたことで、今後は戻りが意識される展開となりそうだ。

ただ、これで本格反発に転じたとするのは時期尚早。中国経済の減速懸念は依然として根強く、9月中旬にはFOMCが控えている。投資家心理は落ち着きを取り戻しつつあるとはいえ当面は警戒を解けない。チャートは一気に200日線を下回る急落となり、25日線と75日線もDクロスする完全な売りパターンとなっている。リバウンド相場の最初のハードルとなる200日線を回復してきたことは評価できるが、こうしたケースはそう簡単に修復出来ない。買い戻し一巡後に再度1万8500円〜1万7000円台の二番底、三番底を探りにいくチャート展開も想定される形だが、短期的には押したら買い・吹いたら売りの小刻みな対応が妥当か。
テクニカル的には、200日線を上回ったことで、次は8月11日高値2万946円から26日安値1万7714円までの下げ幅(3232円)の半値戻しにあたる1万9330円、21日と24日に空けたマド埋めの1万9435円がメドになる。121円まで戻してきた円安基調を維持できれば、2万円乗せを意識した一段強い戻りも期待できるが、半値戻しを超える水準では戻り待ちの売り圧力が強くなると予想される。日柄面でも、少なくとも9月11日メジャーSQまでは調整がかかる可能性が高い

タイムスケジュールでは、国内では31日に7月の鉱工業生産。米国では、同日にシカゴ景況指数、9月1日ISM製造業景況指数、2日にADP全米雇用報告、3日にISM非製造業景況指数、そして週末4日には雇用統計がと、利上げ時期を占う指標が連日発表される。中国・上海市場の動向からも引き続き目が離せない展開が続く。


(2015年8月22日)
200日線を下値に底値形成の展開か、上は2万回復がポイント
◆今週の日経平均は前週比1084円安。中国・上海株の軟化を嫌気して19日に331円安となり75日線を割り込んだ。これは7月8日以来のこと。そして週末21日はNYダウが1万7000ドルも割り込む大幅安となったことで、節目の2万円も大きく割り込み1万9435円と5月8日以来の安値に沈んだ。さらに、21日もNYダウは530ドル安の1万6459ドルと大幅に続落。昨年10月20日以来ほぼ10カ月ぶりの安値。ナスダック総合指数も大幅続落で171.4ポイント安の4706と2月2日以来の安値。CME日経先物も大証比460円安の1万8970円と、1万9000円も割り込むクラッシュとなっている
前回「日本株にとって海外発の要因、特に中国情勢が爆弾となっている」としたが、その杞憂が現実となり、中国発の世界同時株安の動きが広がっている。好業績期待を背景に買われてきた日本株も、中国経済の減速懸念による世界的な「リスクオフ」の波にのまれ、さすがに持ちこたえられなくなっている。

《中国の対策次第》
中国が発表する経済指標は恣意的との見方が多く、信憑性には常に疑問符が付いている。それだけに中国の景気がどこまで悪いのか公的な統計からは測りにくいが、中国政府がこれ以上の景気減速を許すとは思えず、これまでのように「何でもあり」のあらゆる対策を打ってくるはず。ただ、中国が繰り返してきた景気刺激策や株式の買い支えは限界にきているとの見方も出てきている。世界的な「リスクオフ」の波にのまれ、日本株も本格的な調整局面を迎えるのか。いずれにしろ目先は中国政府や中国株式市場の動きが焦点となっている

テクニカル的には、足元まで接近してきている200日線(21日現在・1万8987円)がポイントとなっている。200日線までの下げなど想像もしなかったが、200日線はかなり強い抵抗ラインとなる。割り込んでくると中長期的にも下落トレンドに入る心配が出てくるが、支持率が急低下した安倍政権にとって1万9000円という株価水準は放っておけないだろう。さらに日本郵政グループの大型上場を秋に控え株式市場の需給悪化も避けたいところ。また、これまで下げ局面では「アベノミクス経済政策」や日銀による「異次元金融緩和」が機能し、下げても短期間で修復するパターンが続いている。
楽観と言われるかもしれないが、来週は200日線を下値にした底値形成の動きを予想。そして、底打ち感が出れば急速に切り返すお馴染のパターンも予想される。ただ、終値で2万円を回復できない間は戻しても売られやすい。また、75日線を割り込みトレンドは弱い動きに転じている。2万円を回復しても下値不安が後退しただけで、25日線、75日線を上回るまでは上昇相場とはならない。この辺が来週以降の判断ポイントとなる。

タイムスケジュールでは、28日に有効求人倍率などが発表される。米国では25日にS&Pケース・シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数、27日に4−6月期のGDP改定値や企業業績、28日に個人所得・消費など、米国の景況が確認される経済指標が数多く発表される。米国の金融政策への思惑に影響を与える指標が多くNYダウの反応には要注目だろう。もちろん、中国市場からも連日、目が離せない状況が続く。


(2015年8月15日)
海外情勢を見ながら75日線〜2万600〜800円のもみ合いか
◆今週の日経平均は前週比205円安。10日のNYダウは241ドル高と8日ぶりに大幅反発となった。これを受けて11日の日経平均は一時2万946円まで上昇。6月24日ザラ場高値2万952円抜けから19年ぶりとなる2万1000円台に乗せるかと思われた。しかし、またもや海外要因が水を差した。日経平均が1万9115円まで急落した7月は上海株急落による「中国株ショック」。そして今回は中国人民銀行の通貨切り下げによる「人民元ショック」。高値更新を伺う日本株にとって海外発の要因、特に中国情勢が爆弾となっている。その一方で日本株は下方硬直性の強い底堅さも見せている。
12日の日経平均は上昇相場のポイントとなる25日線を割り込み、6月24日高値2万952円、7月21日高値2万850円、8月11日高値2万946円の「トリプルトップ」となる天井形成の可能性が高まった。そして現地時間12日のNYダウは一時277ドルを超える下げとなった。しかし、その後下げ幅を縮小させ、人民元切り下げによる世界株安の連鎖をNY市場で食い止めた。日経先物もナイトセッションで一時2万40円まで売られたが、終値では中期的な上昇トレンド維持となる75日線を回復。週末にかけ25日線も回復。突然の中国の通貨切り下げで混乱したが、今のところ上昇トレンドは崩れていない。

もっとも、事実上の通貨切り下げに踏み切るほど中国景気の現状が深刻だとの見方が浮上。世界経済をけん引してきた中国の景気減速が鮮明になり上値は一段と追いづらくなっている。その一方で、業績拡大を手掛かりとした押し目買いも健在。14日時点の日経平均の予想PERは16.38倍。前回も説明したが4月28日は18.19倍で当時よりもかなり割安にある。このままの円安水準が続けば2016年3月期利益はさらに上振れする公算が高く、ファンダメンタルズ面からは一段高があって不自然ではない。テクニカル面でも過熱感はまったくない。下がる場面は引き続き押し目買いによる抵抗も示しそうだ。
一方的に売り込む動きにはなりそうもないが、陰りが鮮明になってきた中国景気や「9月利上げ説」に現実味が出てきたNY市場を睨みながら神経質な展開が今しばらく続きそう。来週も海外情勢を見ながら75日線〜2万600〜800円の範囲でもみ合う展開が予想される。テクニカル的には25日線を維持していれば引き続き高値更新を伺う動きと見る。25日線を下回ると高値更新期待は後退。さらに、75日線も割り込むと調整に転じたとの判断になる。

タイムスケジュールでは、17日(月)に4〜6月期GDP。GDP速報値はマイナスが見込まれているが厳しい状況はある程度織り込み済みで、想定に近い結果であれば相場への影響は限られるとの見方。そして18日に7月の首都圏マンション発売、19日に7月の貿易統計や訪日外国人数などが発表される。米国では19日に7月のFOMC議事要旨が明らかになる。



(2015年8月8日)

125円以上の円安進行が高値更新のカギか
◆今週の日経平均は前週比139円高。NYダウは続落を続けた。しかし、東京市場はNYダウの下落をはね返して上昇。日本株の強さを再確認させる動きとなった。背景は円安と好業績。現地時間5日の米ISM非製造業指数が市場予想を大幅に上回り「9月利上げ説」に現実味が出てきたことで円相場は2ヶ月ぶりに1ドル=125円台に進んだ。これを受けて日経平均は一時2万800円台に乗せた。また、3月期銘柄の第1四半期決算も概ね良好なものが多く押し目買い圧力が強まった。7日時点での日経平均の予想PERは16.56倍。ピークとなった4月28日は18.19倍だったが、この時の日経平均は2万58円。株価はそれよりも3%程度高いが、PERでは逆に当時よりも割安にある。今の円安水準が続けば2016年3月期利益が上振れする公算も高いが、こうしたファンダメンタルズ面からもう一段高があって不自然ではないだろう。テクニカル面でも25日線を始めとする各移動平均線とのカイ離率など過熱感はまったくない、

TOPIXは先んじて6日に6月24日のザラ場高値を更新。日経平均でも6月24日の年初来高値2万868円の更新が視野に入る。ただ、米国や中国などの海外情勢が不透明で上値の重いムードも。米景気は好調だが、利上げを控えてNY株は下落圧力がかかりやすい。一方、中国では経済の先行き不透明感が強まっている。これに関連して中国での売上比率の高い銘柄が軟調な動きを続けている。
結論としては、2万600円〜800円の戻り売りの圧力は引き続き強いと思われる。しかし明確に上抜けば、値幅を伴う水準訂正の局面に入る期待も。一方下は25日線を上回る状態を維持していれば高値更新する動きと見る。反対に25日線を下回ると上値更新期待は後退。さらに、75日線も割り込むと調整に転じたとの判断に。もっとも、為替がカギを握りそう。一段の円安となれば高値更新の可能性が高く、円高に振れると売られやすい。為替が125円以上の円安に向かうかが高値更新のポイントか。

タイムスケジュールでは、国内では第1四半期決算発表の最終局面となる。そして11日に工作機械受注、12日に6月の鉱工業生産の確報、7月の日銀金融政策決定会合の議事要旨が明らかになる。13日には機械受注が発表される。米国では13日に企業在庫、14日に鉱工業生産が発表される。



(2015年8月1日)
下は2万円、上は2万600円〜800円のボックス相場か
◆今週の日経平均は前週比41円高。週初27日にCME日経先物(2万375円)にサヤ寄せする格好で大幅続落。25日線を割り込んだ。さらに翌28日は中国・上海株の急落を受けた欧米株安から一時2万70円まで売られる場面があった。しかし、その後は中国株の持ち直しを受けて引き戻し終値で75日線は維持。そして30日はFOMC声明で早期利上げ懸念が後退したNY株高を受けて大幅反発。少々出来過ぎのような気もするが、チャートは25日線(31日現在・2万369円)、5日線(同・2万417円)、一目「転換線」(2万460円)、さらには一目均衡表『雲』(2万104円〜2万471円)も上回る強気ポジションを維持。
7月の日経平均はギリシャの債務問題や中国株安から9日には一時1万9115円まで急落する場面もあった。しかし、結局349円高。6月の下げ分327円を埋め、日本株の底堅さを印象づけた。

もっとも、全体の構図としてはこう着感が強まっている。2万円近辺水準ではETFが強力に下支えしそうな一方、上は6月24日高値2万952円と7月21日高値2万850円でのダブルトップが意識される形状は変わらず。2万600円以上では上値の重さが目立つ。また、29日は「ファナック・ショック」に見舞われたが、株高を支える生命線となっていた好業績期待が揺らぎ始めたことも上値を追いづらくしている。

今年も例年の季節習性どおり、「夏枯れ」「夏休みモード」の8月相場となる可能性が高まっているが、下は2万円、上は2万600円〜800円でのボックス相場が続くとの見方。チャートは現在、25日線、一目均衡表「雲領域」(2万105円〜2万471円)を上回っている。この状態を維持していれば6月高値を抜く上昇期待は続く。反対に、25日線を割り込んでくるとその上昇チャートに亀裂が入ってくるが、75日線を下回ると調整ムードは強くなり6月高値を上回るのは難しくなる。これが基調判断のポイントとなる。

タイムスケジュールでは、来週も第1四半期決算が多く発表され、その数値に一喜一憂する展開が続くが、8月4日のトヨタの決算が注目される。そして、6日から日銀金融政策決定会合が開催され、7日に黒田日銀総裁の会見がある。米国では、3日にISM製造業指数、5日にADP全米雇用報告やISM非製造業指数、そして週末7日に雇用統計と、米国の景気動向が確認される指標が発表される。これに対してFRBの金融政策に変化が出てくるか注目されるところだ。



(2015年7月25日)
8月相場は一旦調整か。まずは25日線を維持できるかがポイント
◆今週の日経平均は前週比106円安。ギリシャ問題に中国株も落ち着きを取り戻し、週明け21日には一時2万850円まで反発。6月24日高値2万952円抜けから新たな上昇波動入りが期待された。しかし、今度はNY株安が相場の足を引っ張った。そのNYダウは24日も163ドル安と大幅続落。CME日経先物も大証比145円安の2万375円と一段安。短期的なトレンドの転換点となる25日線も割り込み始め、再び雲行きがおかしくなっている。

原油や金などの商品相場が軟調に推移し、中国景気同様、米国でも景気の減速懸念が強まっていることが株安の背景にあるが、24日のNYダウは1万7568ドルと200日線(1万7743ドル)を割り込んできている。200日線を下回ると通常は弱気相場との判断になる。また、来週から本格化する3月期企業の第1四半期決算は堅調な数字が見込まれるが、今のところ相場全体を押し上げるほどの材料にはなっていない。東京市場にとって影響の大きいNY株が軟調な展開を見せてきたことで、今年も例年の季節習性どおり、「夏枯れ」「夏休みモード」の8月相場となる可能性が高まっている

もっとも、日経平均の予想PERは24日時点で16.3倍と割高感はない。4〜6月の為替は平均1ドル=121円台での推移と思われ、今期想定レートを1ドル=115円程度で想定している企業が多い中で、堅調な第1四半期決算となる可能性が高い。日本の企業経営者は総じて慎重で、この段階で通期の利益予想を増額する企業は少ないだろうが、通期予想に対して「進捗率」は高いものになると予想され当然、9月中間期以降での上方修正期待は高まりそうだ。となると、実質的な予想PERは現在の16倍台よりも下がってくると見ることができ、ファンダメンタルズ面で一段高を期待しても不自然ではない。また、テクニカル面でも7月9日までの急落で過熱感は払拭されている。過熱感どころか、ここで調整に入れば売られむしろ過ぎの指標が多く揃う可能性もある。
何よりも、秋には「ゆうちょ上場」を控えている。上場を成功させるためにも政府、日銀は株式市場を下げさせたくないという様に感じられる。これまで通り、下げる場面ではETFなどの買い支えが予想される。

チャートは75日線、25日線は上向きで株価は上回っている。この状態を維持していれば6月高値を上回る可能性があるが、25日線を割り込んでくると短期的には調整局面入りとなり、上昇のチャート形状にも亀裂が入ってくる。まずは25日線を維持できるかが観察ポイント。
いずれにせよ、当面はNY株や第1四半期の決算数値に一喜一憂する展開が続くことになりそうだ。

タイムスケジュールでは、国内では30日に6月の鉱工業生産、31日に消費者物価や有効求人倍率などが発表される。米国では主要銘柄の決算発表が続く。そして28日にFOMC(米連邦公開市場委員会)開催、30日に4−6月期のGDP、31日にシカゴ景況指数などが発表され、米国金利動向への影響が注目される


(2015年7月18日)
急落前の強気モードに復帰。一段高へのカギは第1四半期決算
◆今週の日経平均は前週比871円高。ギリシャ債務問題と中国株急落の2つの不安要因が和らぎ急反発。週明け13日に中期的な上昇下降の分岐点となる75日線を回復。その後も順調なリバウンドが続き、14日に25日線を回復し短期トレンドも買いに転換。さらに17日には6月26日〜29日に空けたマド(2万361円〜2万650円)を埋めたほか、5日線が25日線を下から上抜くミニ・ゴールデンクロスも示現。急落前の強気復帰のサインが揃い、6月24日高値2万952円抜けから新たな上昇波動入りも見込めそうな状況となっている

もっとも、一段の上値追いには慎重なムードも強い。ギリシャのユーロ離脱リスクは後退したが根本的な問題解決に至ったわけではない。中国株もなり振りかまわぬ介入で何とか下げ止まった。しかし、人為的な介入での底割れ回避で下落トレンド再発への警戒感も根強い。また、9日のザラ場安値1万9115円から17日のザラ場高値2万658円まで1535円もの短期急反発となっており、目先の上げ場面は利益確定売りが出やすい状況だ。
一段上を買う材料として市場が期待しているのが、これから本格化してくる3月期銘柄の第1四半期(4〜6月期)決算だ。4〜6月の為替は平均1ドル=121円台での推移と思われる。今期想定レートを1ドル=115円程度としている企業には十分な円安メリットだ。日本の企業経営者の業績見通しは総じて慎重で、この第1四半期の段階で早々と通期の利益予想を増額する企業は少ないだろうが、中間期予想に対して50%以上、通期予想に対して25%以上の進ちょく率となる銘柄は多数、出そうだ。ポイントは「進捗率」で、進捗率が市場の期待通りなら買い安心感が広がりそうだ。

17日のCME日経先物は大証比75円高の2万715円と一段高。週明けも堅調に推移しそうだが、円安進行(125円以上)や週明けから本格化する4〜6月期決算で好調な業績が確認できれば、6月24日の2万952円を抜き、2万1000円台の展開も期待できそう。一方下は25日線、75日線がポイント。両線を上回っていれば基本、上昇基調は続くとみる。

タイムスケジュールでは、20日(月)は祝日で、21日からの立ち合いとなる。その21日に安川電機6506の第1四半期決算が発表され、決算発表相場がスタートする。また22日に訪日外国人数、24日には気象庁3ヶ月予想が発表される。米国でも主要銘柄の決算が連日発表され株価の反応が注目されるが、21日に半導体BBレシオ、22日に中古住宅販売、24日に新築住宅販売などが明らかになる。



(2015年7月12日)
ギリシャ問題と中国株から目が離せない局面が続きそう。チャートは75日線→25日線回復がポイント
◆先週の日経平均は前週比769円安。大波乱の週となった。ギリシャの国民投票で緊縮策反対派が勝利したことから週明け6日は427円安。そして「ギリシャ危機」に続く「中国ショック」。この数週間、中国当局はあらゆる株価対策を出してきた。しかし、そのほとんどが一日ともたず中国政府は株安を制御できなかった。あげくの果てが半数以上の銘柄が「売買停止」という措置だ。これにはさすがに市場関係者は驚いた。相場のことだから上がったり下がったりするのは当たり前だ。どんな下げ方をしようが、どんなに安い株価になろうがそれはそれ。一番まずいのは売買が出来なくなること。ポジションを手仕舞えなくなることだ。中国の市場は統制経済の中で動いている。状況がおかしくなれば介入しようとするのは無理からぬことだが、これだけはやってはならない「禁じ手」。こんな市場原理に反することが平然と行われる中国株市場に対する不信感は一気に高まった。

こうした流れを受け日経平均は8日、下値支持線となっていた75日線を割り込んだ。終値で75日線を割ったのは昨年10月28日以来のことだが、75日線だけでなく一目均衡表の「雲」も下抜き、完全な弱気ポジションに転換。翌9日には一時1万9115円まで売られ、8日、9日の僅か二日間で1260円もの急落となる場面もあった。
ただ、東京市場の反応も過剰と言える。ここまで下げ幅を大きくした背景にはテクニカル的な要因がある。前週まで日本株の下値は限定的とする見方が多かった。こうした見方が下げに対する備えを怠らせ、さらに波乱の「SQ週」ということもあったのだろう。下げに対する備えがない中『売るから下がる、下がるから売る』といった裁定解消売りや追証懸念の連鎖が下げを大きくしたことは想像に難くない。一方で、訪日観光客がもたらす「インバウンド消費」の後退を指摘する意見もある。しかし「インバウンド消費」(年間2兆円)に占める中国人の割合は三分の一程度とみられ、日本のGDP比では0.1%程度にすぎない。仮に中国株急落で中国の訪日観光客が減ったとしても、一部のインバウンド銘柄には影響があるかもしれないが、それが日本経済全体に影響を与えるというのはネズミを像に例えるような話で、額は限定的だ。
実際、売られ過ぎから売り一巡後はお約束の大幅反発。9日は安値から700円強もの反発。出来高、売買代金も大きく膨らみ「セリング・クライマックス」を通過したムードも見せてきた。こうした中、10日のNYダウは211ドル高と大幅続伸。中国株の持ち直しやギリシャの金融支援を巡る協議が進むとの期待から買いが優勢となった。CME日経先物も大証比225円高の2万85円と75日線を回復してきている。これで安心とは言えないが、ひとまず動揺は収まりつつある。

ただ、大きなショック安のあとだけに修復には外部環境を見ながらある程度の日柄調整は必要となりそうだ。特に中国株の動向。今週にも売買停止を解除すると伝わっているが再開したら止めていた売りは出ないのか。中国の株式市場が荒れれば日本の株式市場も混乱が続く心配がある。チャートでは、底入れのサインとして下降中の5日線、そして75日線回復が注目される。CMEでは上回っているが75日線回復に手間取ると調整が中長期化する心配が高まる。ただし、75日線を回復しても25日線を回復できるまでは、自律反発の域を出ることは出来ない。いずれにしろ、ギリシャ問題と中国株から目が離せない局面がしばらく続きそうだ

タイムスケジュールでは、国内では13日の5月鉱工業生産指数、14日からの日銀金融政策決定会合、15日の黒田日銀総裁の会見などがある。米国では14日に小売売上高や企業在庫、15日に鉱工業生産やベージュブック、17日に住宅着工などが発表される。


(2015年7月4日)
ギリシャの国民投票が賛成なら2万1000円、反対なら2万円?
◆今週の日経平均は前週比167円安。ギリシャ問題に揺さぶられた一週間となった。先週はギリシャ問題の軟着陸観測を受け欧州やNY株、東京市場も大幅高に進んだ。しかし27日、ギリシャが「緊縮策を受け入れるか住民投票を実施する」と発表。EU側は晴天の霹靂だったと言うが、ギリシャ問題は再び緊迫の度を高めた。これを受け29日(月)の東京市場は売り一色でスタート。25日線を割り込み、596円安と今年最大の下げを記録した。世界の株式市場も嫌気する動きとなったが、その後は冷静さを取り戻した。結局、狼狽売りは月曜1日で終わり。75日線は割ることなく反発し25日線を回復。再浮上の構えとなっている。予想以上に腰は強いという印象だ。

ギリシャ問題が合意に向けて進展したということが株価反転の背景となっているが、チプラス首相は依然として5日の国民投票でEUの緊縮策反対を呼び掛けている。一方で同首相はEUに金融支援を受けるための譲歩案を提示したとも報じられている。どうなっているのかよく分からないが、EUが求める緊縮策を受け入れるのか、それとも拒むのか――。いずれにせよ、5日のギリシャの国民投票の結果次第で週明けの市場は大きく変わってきそうだ。
地元紙が伝えている3日の世論調査では緊縮賛成が「41.5%」、反対が「40.2%」と真っ二つに割れているが、賛成多数となればEUの支援継続となり株式は好感するとの見方。日経平均も2万1000円に向けて上昇してくる可能性が高い。ただ、賛成多数となった場合、チプラス首相は内閣総辞職の構えをみせている。政局が混迷すれば支援交渉が遅れ経済の混乱を深める懸念もある。ひとまず好感してもその後は波乱含みか。
一方、反対派が勝利すればEUの支援打ち切りでギリシャは財政破たんの可能性が高まる。EUの支援がなければギリシャはユーロの枯渇に直面し、銀行救済や年金支払いなどの資金を賄うため、事実上の自国通貨を発行せざるをえなくなり、ユーロ離脱の道を歩む可能性が高まる。当然、株式市場もネガティブに反応するだろう。もっとも、欧州の株式市場をみると最悪のシナリオは週初の下げで織り込み始めているようだ。日経平均も75日線の2万円前後まで売られる可能性はあるが、基本は強気の姿勢。日経平均の予想平均PERは7月3日時点で16.28倍と割高感はない。為替も1ドル=123円台前後にあることから、輸出系企業を中心に好業績期待は依然大きい。外部環境が落ち着けば一段高が期待でき、むしろ「突っ込み場面は買い」というスタンスもある。

ギリシャの国民投票は延長が無い場合、日本時間6日午前1時に締め切られるが、直後から出口調査の結果が明らかとなり、日本時間午前3時頃に最初の暫定結果が出る模様だ。
チャート的には25日線が短期的な上昇・下降の分岐点となる。25日線を上回る状態なら高値更新相場で2万1000円に乗せてくる可能性が高まる。反対に、25日線を下回ると目先下降相場だが、下は75日線が強い下値抵抗となりそう。75日線を下回らなければ基本的な上昇相場は維持



(2015年6月27日)
25日線から2万1000円のレンジを予想
◆今週の日経平均は前週比532円高。ギリシャ債務問題で動きづらいと思われたがマーケットに思ったほど切迫感はなかった。市場には、最終的には支援交渉がまとまるとの見方や最悪ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥ったとしても影響は限定的との読みがあるようだ。こうした中、今週はギリシャ問題の軟着陸観測を受けた欧州やNY株高、円安などを好感して東京市場も大幅高に進んだ。前回、このまま「幻のSQ値」超えに新値三本足も「陽転」となる2万500円を上抜けば、6月10日安値2万0016円と6月18日安値1万9990円のダブルボトムとなり、5月高値2万650円抜けから00年4月高値が意識されるとしたが、ずばり! 一気に00年4月のITバブル時の高値2万833円を突破してきた。
先週の2万円割れから一気に2万1000円台も見えてきた速い上げピッチだが、市場に警戒ムードはない。26日時点の25日線とのかい離は僅か1.3%に過ぎず、25日騰落レシオも99.8%と中立の100%前後。テクニカル的な過熱感を伴っていない巡航速度での上昇となっている。
それだけではない。需給面で日銀の買いが支えていることは言うまでもないが、海外の投資マネーも入りこんできている。今朝の日経紙の「安全資産化する日本株」でも解説されているが、海外のマネーが下落リスクの小さい安全資産として日本株に向かっている。海外市場で、米国株は割高とされ欧州ではギリシャ問題がくすぶる。特に中国株の変調が目を引く。26日の上海総合指数は7.4%安と今年1月19日以来の下落率となり、6月12日に付けた約7年5カ月ぶりの高値(5166)から973ポイント(18.8%)も下落。深?のベンチャー企業向け「創業板」指数も8.9%安と過去最大の下落率を記録し、6月3日高値(3982)から26.7%も安い水準に売られている。26日は上海、深?の両市場(約2860社)で、全上場銘柄の7割以上に相当する2000社超が制限値幅の下限(ストップ安水準)まで下げたというのだから尋常ではないだろう。空前の株式ブームに沸いていた中国市場を始め、海外株市場から資金が逃げ出しつつある一方で、相対的に安全な日本株にマネーが集まりやすくなっている。

もっとも、今週の上げはショートカバーを巻き込んだ動きでややスピード違反気味。また、ギリシャ債務問題もやはり一筋縄では解決しないようだ。進展が期待されていたギリシャ債務問題に新たな動きがみられなかったことで、週末にかけて欧州やNY株は軟調気味。日経平均も週末にかけて上値の重い展開となった。海外のヘッジファンドはギリシャ問題を材料にしており、来週もギリシャ問題を見ながら不安定な値動きになりそうだ。また、7月2日に発表される6月の米雇用統計も注目される。

来週も方向感のつかみにくい神経質な展開が予想されるが、来週は25日線から次の節目の2万1000円のレンジを予想。25日線を上回っていれば高値更新は続き、25日線を維持できているかが上昇・下降転換の判断ポイントとなる。一方、予想レンジ上限の2万1000円台に乗せてくると、チャートでは1996年高値2万2750円が次の目標となる。1750円も上の水準でさらに強気ムードになる可能性もある。しかし、ギリシャ問題などもありそう簡単なものか?と言う懐疑も当然働く。2万1000円に乗せてきたら強気と高値警戒の両面を見ておく必要がある

タイムスケジュールでは、国内では29日に鉱工業生産、7月1日に日銀短観が発表される。米国では30日にS&Pケース・シラー住宅価格指数や消費者信頼感指数、そして2日に6月の雇用統計が発表される。NY株市場は独立記念日で2日から連休に入るため、今回は米雇用統計が3日の東京市場に影響をおよぼす可能性がある。



(2015年6月20日)
日柄調整がしばらく続くか、まずは2万円を維持できるか
◆今週の日経平均は前週比233円安。注目されたイベントの一つ、17日のFOMCでは利上げが緩やかなペースにとどまるとの見方が台頭。NY株は好感した。次に18日開かれたユーロ圏財務省会合は進展がないまま終了。22日にブリュッセルで緊急ユーロ圏首脳会議を開き政治決着を目指すことになったが、合意への道筋を描けるかどうかは微妙だ。合意に至らなかった場合にはギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥り、ユーロ圏からの離脱する可能性も意識される。19日の日銀金融政策決定会合は賛成多数で金融政策の現状維持を決定。予想通りの内容で為替・株への反応は乏しかった。

ギリシャ問題の行方を左右するユーロ圏財務省会合を控えた18日の日経平均は警戒感から2万円の大台を割り込んだ。しかし、翌19日の日経平均は利上げペースが緩慢になるとの期待からNY株が大幅高となったことで5営業日ぶりに大幅反発。前日の2万円割れに肝を冷やした市場関係者も多かったが、2万円の大台を回復し、事なきを得た。
とは言え、25日線を割り込み調整モードになっていることは明らかだ。懸念要因であるギリシャ債務問題も緊迫の度を増しており引き続き予断を許さない。しかし、国内に悪材料があるわけではない。むしろ、日経平均の予想平均PERは19日時点で16倍と割高感はない。1ドル=122−123円台の水準はまだまだ企業業績には追い風。さらに、12日のSQ通過で裁定買い残は大幅に減少し3兆円の大台を割っている。過去のボトム圏で市場への売り圧力は小さいと判断出来る水準で、よく見られる裁定解消売りに伴って相場が大きく下げる可能性は低いと言える。むしろ、裁定買い残からは、下げ止まりから上昇に向かうポイントとなりやすい。こうした点から下値もしっかりの展開が予想される。

結論としては「上値は重いが、下値も堅い」。日柄調整の動きがしばらく続くことが予想されるが、まずは2万円を維持できるかが目先の判断ポイント。明確な2万円割れとなれば、75日線、一目均衡表「雲上限」をテストする場面が考えられる。一方上は5日線、25日線回復が注目される。両線を回復出来ない間は下値模索の動きとして下振れ不安が付きまとう。ただ、両線を回復しても「幻のSQ」(2万473円)、新値三本足「陽転」(終値で2万458円以上)を突破しなければ再上昇とはならない。前回も述べた2万500円抜けがポイントとなるが、このまま2万500円を上抜けば、短期的には6月10日安値2万0016円と6月18日安値1万9990円のダブルボトムとなり、5月高値2万650円抜けから00年高値2万830円が意識される。


(2015年6月13日)
週前半は動きにくいか。為替次第、黒田総裁の会見に注目
◆今週の日経平均は前週比53円安。前回「円安が進めば上に抜け出す可能性も」としたが、実際は全く逆の展開となった。今週の為替はオバマ大統領のドル高に関する発言などを受け1ドル=124円台まで下落していた。そして10日の「黒田ショック」。衆院財務金融委員会で日銀の黒田総裁が「ここからさらに円安に振れていくことはありそうにない」との見通しを述べた。この発言をうけ1ドル=124円台半ばだった円相場は一気に1ドル122円台後半に急上昇。海外投資家は円安への強いけん制と受け止め、それまで売っていた円を買い戻した。
急速な円高につれて株式市場にも売りが広がった。2万250円前後で推移していた日経平均は一時2万16円まで急落。「波乱のSQ週」と言うこともあり、ナイトセッションでは2万円割れとなる1万9920円まで売られる場面もあった。その後はNY株高もあって反発。結局は25日線を支えに反発した格好で上昇トレンドを維持。事なきを得た。しかし、円安前提に買っていた市場に一転して「円高警戒」ムードも台頭。上値では戻り売り圧力が増すと予想され、5月28日高値2万655円を抜くのは容易ではなさそうだ。

当面は為替動向がポイントとなるが、来週は16〜17日に米FOMC、18〜19日に日銀の金融政策決定会合と、為替に影響を与える重要イベントを控える。特に日銀金融政策決定会合を受けた19日(金)の黒田日銀総裁の会見が注目される。そして18日にはギリシャ問題の節目になるとみられるユーロ圏財務相会合もある。欧州連合などとギリシャとの金融支援を巡る交渉は難航しているが、12日はギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性も伝わっている。これを受け12日の欧州や米国の株式相場は大幅安となっているが、結果次第では世界的な株安となる心配もある。
ちなみに、12日のNYダウはギリシャ問題の先行き警戒感から欧州株が大きく下げた流れを受け、140ドル安の1万7898ドルと3日ぶりに大幅反落。円相場は1ドル=123円35〜45銭。CME日経先物は大証比65円安の2万325円。

こうした重要イベントを控え週前半は動きにくい展開が予想されるが、チャート的には25日線がポイント。25日線を上回る状態は上昇相場、下回ると売り転換となる。一方上は、12日は6月SQ値2万473円83銭を上回っていない「幻のSQ」となっている。上はSQ値超えとなる2万0500円がフシとなりそう。来週は25日線〜2万500円の間で方向を探る展開とみている


(2015年6月6日)
こう着状態が続きそうだが、円安が進めば上に抜け出す可能性も
◆今週の日経平均は前週比103円安。連騰記録は6月1日までの12営業日で途絶え、調整ムードが広がっている。しかし、非常に底堅い動きで、日経平均は5日まで19日連続で変動率が1%以下と、05年の29日連続以来のこう着相場となっている。こう着相場は強弱感が対立している状態を示す。ギリシャ債務問題を巡る不透明感に、米国では利上げへの警戒感がくすぶり、上は積極的に買い上がりにくい。一方、円相場が1ドル=125円台に進み、円安進行による企業業績の押し上げを見込む声が多い。日経平均の予想平均PERは5日時点でまだ16.4倍。PERに割高感がなく、しかも円安による業績の上ぶれ見込みという状況にあって、下がればすかさず業績期待の買いが入る動きが続いている。

こうした中、5日のNYダウは56ドル安の1万7849ドルと続落。同日発表された5月米雇用統計で労働市場の改善が想定以上に進んでいることを示し、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが改めて意識された。しかし、利上げに動きやすくなったとの見方からドル買いが広がり、円相場は1ドル=125円55〜65銭と大幅に続落。一時は125円86銭と02年6月13日以来およそ13年ぶりの円安水準を付けた。円安進行が好感されCME日経先物は大証比120円高の2万580円と大幅に戻している。
来週もこう着状態が続きそうだが、円安が進めば、円安を支えに00年4月12日高値2万833円を突破する可能性が高まる。ここを上回ると次は2万1000円。これを抜けると1996年の2万2000円まで上値余地が広がる。テクニカル的には5日線維持が上値追いのポイントとなる。
一方下は、海外市場に余程の波乱がない限り2万円を割り込むことはなさそう。来週は波乱のSQ週で、そうした面で25日線(2万66円)程度までの調整もあり得るが、基本は2万円固めの局面と見る。海外発のショック安などがなければ一段高を想定するところで、押したら買いのスタンスが妥当か。

タイムスケジュールでは、国内では8日に1〜3月期のGDP改定値、10日に4月の機械受注、そして12日(金)はメジャーSQとなる。米国では、11日に小売売上高や企業在庫、12日には卸売物価やミシガン大消費者景況感紙数などが発表される。