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(2017年11月19日)
25日線を維持できるかが重要なポイント
◆先週の日経平均は前週比285円安。前週からの引き潮相場が続き16日には一時2万1972円まで下落。9日高値2万3382円からの下げ幅は1409円にも達した。背景は、デイリーでお伝えした「海外ヘッジファンドの決算対策売り」と思われる。また、相場の変動率(ボラティリティー)が高まると機械的に出てくるヘッジファンドなどの仕掛け売りも下げに拍車をかけたようだ。
もっとも、9月8日安値1万9239円から11月9日高値2万3382円まで4143円(21.4%)もの上昇を考慮すれば慌てるほどの下げではない。実際、中期的な株高基調は崩れていない。前回「2万2000円が下値メド」としたが、ズバリ。丁度25日線(16日時点・2万1999円)も位置したところだったが、16日に25日線にタッチした2万1972円を安値に反発。そして翌17日には2万2757円と9日高値から16日安値までの下げ幅1409円に対する「半値戻し」を達成するセオリー通りの調整となっている。日経平均の予想PER(株価収益率)は14倍台でまだ割安感があり、下げる場面では、これまでの上昇相場に乗り遅れていた国内機関投資家が買いに動いているようだ。
ちなみに、今回の上昇相場は5年前の「アベノミクス相場」初期の動きに似ている。5年前は2012年11月14日の民主党・野田首相の解散発言から始まり、それから2か月後の2013年1月16日まで上昇して、一旦調整。その後25日線までの調整を経て大きな上昇2波につながっている。今回も9月8日安値1万9239円から2か月後の11月9日に高値2万3382円を付けて反落。同様に25日線までの調整を見せている。同じパターンだとすればしばしの日柄調整を経て上昇2波に向かうとの読みになる。

このように先高観は依然強い。が、目先は振れ幅の大きい展開が続きそうだ。下は25日線が強く意識されるが、今週も25日線〜2万2万2800円の広い範囲での乱高下が予想される。ただし、17日NYで円相場が一時111円95銭と10月16日以来の高値を付けていることは少々気になる。企業の下期前提レートが集中する110円が意識される円高が進むようだと25日線割れから75日線(17日時点・2万0643円)が意識される一段深い調整に向かう心配が出てくる

あとは日柄だ。25日線を割り込まなければ早期の回復が期待できるが、長くても12月SQ前後あたりからは再び2万3000円から上の相場を目指す展開となりそう。いずれにしろ、値幅整理に一巡感は出てきているが、まだ調整不足感は残る。引き続き25日線を維持できるかが重要な観察ポイントとなる。


(2017年11月11日)
海外勢の買いが一巡?一旦は日柄調整、2万2000円が下値メドか。
◆今週の日経平均は前週比142円高。表向きは9週連続の上昇だが、内情は大荒れ。一本調子で上げてきた相場に息切れ感が出てきた。急ピッチの上昇が続き9日に一時前週比850円高となる2万3382円まで買われた。しかしその直後に急落。10日には前週比マイナスとなる2万2511円まで突っ込んだ。デイリーで「踏み上げ相場の最終局面、10日のSQ前後が一旦ピークとなりそう、上にも下にも振れやすい」としてきた通りの展開で、「踏み上げ相場」がもたらした歪の修正、反動といった、起こるべくして起こった動きだ。しかし、これまで続いていた楽観ムードに水を差したことは確かだろう。

背景に海外投資家の変化がある。9月以降、海外投資家の買いが株価を大きく押し上げてきたが、その動きに陰りが出てきた。海外勢は10月(1〜4週)まで2兆2000億円も買い越していたが、東証が9日発表した投資主体別売買動向によれば、11月第1週は500億円強の買い越しにとどまった。日本株の持ち分を引き上げる動きがひとまず一巡したということだろう。もう一つの株高要因となっていたNY株高も9日に一時250ドル超下げるなど息切れ感が漂ってきている。特に株高のよりどころとなってきた法人税減税の行方に不透明感が出てきたことは気がかりだ。

もっとも、9月8日安値1万9239円から11月9日高値2万3382円まで4143円(21.4%)もの上昇を考えれば当然というか、むしろ、調整が遅すぎたといってもいいくらい。市場では悲観視する向きは少なく、あくまでも急ピッチの上昇に対する短期的な調整とする楽観的な声が多い。

いずれにしろ目先は調整モードだが、まずは約1カ月半ぶりに割り込んできた5日線(10日現在・2万2789円)が目先的な基調判断のポイントとなる。抜ければ2万3000円がメドに。一方、外国人投資家の買いに陰りが出る中、個人投資家は逆に5週ぶりの買い越しに転じている。出遅れていた個人が買いに転じ始めたということだが、国内機関投資家も上昇相場に乗り遅れていたのは同じで、心理的な節目の2万2000円に近付く水準ではこうした国内勢の買いや日銀による上場投資信託(ETF)が下値を支えそう。 

ただし、ボラティリティは上がっており、値幅では2万2000〜3000円の間で少々荒い展開が予想される。問題は日柄調整がどの程度続くかだが、長くても12月SQ前後あたりからは年明けに向けた政策期待などから再び2万3000円から上の相場を目指す展開となりそう。


(2017年11月4日)
まずは2万2500円を抑え込むかがポイント
◆今週の日経平均は前週比531円高。2日終値は2万2539円と早くも2万2500円乗せを達成。1996年6月の戻り高値2万2750円(終値2万2666円)に迫っている。背景は、海外勢による買いの加速。東証が2日に発表した投資部門別売買動向によると、海外勢は10月第4週も6703億円を買い越し、9月第4週からの買越額は累計で2兆4342億円にも及ぶ。また、短期売買のヘッジファンドに加え、年金基金や政府系ファンドなどの長期資金も流入し始めているようだ。こうした長期資金は一度買い始めると数カ月にわたって買い続ける傾向が強く、息の長い相場の上昇につながりやすい。

日本株買いの理由は好調な企業業績だ。好決算はある程度織り込みとの見方が大勢だったが、蓋を開けてみれば予想をはるかに上回る好調ぶり。業績上振れを反映した日経平均の予想PERは15.3倍とNY株(20.6倍)などに比べまだまだ低く、割高な外国株から出遅れていた日本株への資金シフトが続いている。また、押し目らしい押し目もない上昇が続いていることで、思うように買えていない向きも多いようだ。一方で、国内投資家はもっと深刻だ。個人のこの間の売越額の合計は2兆7893億円にも達し、金融機関も7週連続の売り越しで合計額は6819億円。下がると上昇相場に乗り遅れた国内投資家からの買いも入るため、相場は益々下げづらくなっている。
一方、懸案だった米連邦準備理事会(FRB)の次期議長はパウエル理事で決定したもよう。イエレン議長の路線をおおむね引き継ぐとの見方から2日のNYダウは81ドル高と、市場は「パウエル議長」をひとまず歓迎。NY市場の株高の流れにも変化はなく、来週も好調な企業業績を手掛かりに買い越し基調が続く可能性が高い。

リスク要因としては6日の日米首脳会談。トランプ氏から日本経済にマイナスとなる要求があれば相場の潮目が変わりかねない。また、トランプ米大統領のアジア歴訪は「北朝鮮の核・ミサイル問題への対応が最大の議題」。それに神経を尖らせている北朝鮮の動きも気になるところだ。もちろん、9月8日の直近安値1万9239円から3301円(17.1%)もの上昇となっておりどこで調整に入ってもおかしくない。当然、調整シナリオも見て臨むところだが、こうした大きな流れに乗った相場は、明確な売りシグナルが出るまで「流れに逆らわない順張りが基本」とされている。

ということで、来週はまず2万2500円を抑え込むかがポイント。抑え込めば96年6月高値2万2750円(終値2万2666円)が目安となる。一方下は急上昇している5日線が メドになるが、来週は2万2500円を基調の分岐点に2万2250円〜2万2750円のレンジを予想

タイムスケジュールでは、6日(月)の日米首脳会談、9日(木)の9月の機械受注と10〜12月期見通し、そして週末の10日(金)のオプション11月限のSQ算出。


(2017年10月29日)
2万1500円〜2万2500円のレンジを予想

◆先週の日経平均は前週比551円高。9月8日の直近安値1万9239円の翌週から7週連続の上昇で、27日終値は2万2008円と瞬く間に2万2000円台に到達。この間の上昇幅は2777円、上昇率は14.4%にも達している。衆院選での与党大勝で安倍首相の経済政策「アベノミクス」が加速するとの期待。さらに本格化している第2四半期決算は予想を上回る好調で、来期の業績期待が急速に高まってきたことが一段高の背景にある。
主導しているのは外国人投資家だ。これまで述べてきたように日本株の「持たざるリスク」。さらに、2万1000円から上は売り圧力の少ない「需給の真空地帯」でもあるが、押し目らしい押し目もない上昇が続き依然、買い切れていない海外勢も多いようだ。

その外国人の投資行動としては、選挙直後は一旦材料出尽くしで売りに回っても、その後は再び戻ってくるパターンが多い。過去、選挙のあった月の1カ月後は6回売り越しているが、2カ月後は8回買い越し、3カ月後は10回と最終的にはすべて買い越しとなっている。まして今回は上昇に乗り切れていない海外投資家は多いと見られ、売りなど、とんでもないことなのかもしれない。
チャート波動でも、12年11月に始まったアベノミクス相場は、第1波が日経平均9000円から1万5000円前後。そして前回衆院選相場の14年10月から15年6高値までの2万0952円が第2波だ。その第2波の高値を抜いてきたことで上昇第3波を読む市場関係者が増えている。こうした見方も強気の背景にある。一方で、現状では為替やNYダウの波乱や鳴りを潜めている北朝鮮の暴発以外に悪材料が見当たらないのも事実。

あれほど2万1000円の壁が厚いとされてきたが、上抜いてみると実にあっさりしたものだ。大きな節目を次々と突破し1996年6月につけたバブル崩壊後の戻り高値2万2750円(終値2万2666円)も視野に入ってきた。さらには91年10月以来の2万5000円ラインも見えてくるが、まずは心理的な節目の2万2500円が次の目安となる。もちろん、テクニカル的な過熱感や3連休を控え調整も見なくてはならない。下振れした場合は25日線(27日現在・2万0983円)が意識されるが、まずは2万1500円がフシ。今週は2万1500円〜2万2500円のレンジを予想。

ちなみに、96年6月高値2万2750円を抜くと何と3万円前後までチャートのフシはない。しかし、当時とは日経平均の構成銘柄は大きく違い、実質的にはこうしたチャートのフシに大きな意味はない。あくまでも、何か指標がないと全体が見えづらいための目安に過ぎない。


(2017年10月21日)
株高続くか、まずは22日に投開票の衆院選次第。
◆今週の日経平均は前週比302円高。20日まで14日連続の上昇となり、14日連騰は1960年12月から61年1月にかけて記録した歴代最長記録に並ぶ。海外勢を中心に出遅れ感のある日本株に「持たざるリスク」を意識した買いが入っている他、ベア型ファンドを保有していた投資家が買い戻しを迫られているという。投資尺度からみた日本株には割安感がある。PBR(株価純資産倍率)は1.3倍。3倍近い米国株など他国を下回る。さらに、前回も述べたが2万1000円から上は戻り売り圧力の少ない「需給の真空地帯」と見られていることが外国人買いの背景にある。また、来週から本格化する4〜9月期決算発表で上方修正が相次ぐとの期待から国内機関投資家の買いも続いている。

もちろん、日経平均の14日続伸やサイコロジカルライン100%と歴史的な過熱感は否めない。また衆院選は与党優位が伝わっているが、どんでん返しの結果となれば「ブラックスワン(黒い白鳥)」の到来につながりかねない。この他、北朝鮮リスクやスペインの北東部カタルーニャ州では独立問題もくすぶる。押し目らしい押し目もなく上昇してきているだけでなく、過去の衆院選では株価は投票日まで上昇するがその後は反落しているパターンも多い。ジンクス通り選挙後には調整に入ると見るのが自然な流れかもしれない。しかし、この上昇に乗れていない機関投資家は多いと見られ、調整があっても、この上昇相場はそう簡単には崩れそうにないというのが本音だ。

こうした中、20日のNYダウは165ドル高の2万3328ドルと大幅高で6日続伸。米上院が2018年度の予算決議案を可決し法人減税の実現期待が高まり続伸。NY円相場も1ドル=113円45〜55銭と円安に振れ、CME日経先物は大証比105円高の2万1555円と一段高。

後は22日に投開票となる衆院選。波乱がなければNYダウの上昇や円安を追い風に週明けも強含みそう。週明け23日も上昇すれば15日続伸で56年9カ月ぶりに記録を塗り替えることになるが、引きつづき強気を維持しつつも調整に向かうシナリオも見ながら臨む局面だろう。
まずは2万1500円のフシを明確に抜けるか。抜けてくると96年10月18日高値の 2万1788円が意識されてくる。一方、下振れした場合は25日線(20日現在・2万0652円)が意識されるが、25日線は目下急ピッチで上昇してきており日柄なども考慮すると2万1000円あたりが下値のフシとなる


(2017年10月15日)
2万1000円を挟んで上下500円程度のレンジを想定。
◆先週の日経平均は前週比465円高。13日まで9日連続の上昇となり13日終値は2万1155円と1996年11月27日以来、約21年ぶりとなる高値を回復。その13日、市場で話題になったのは、突如として急伸した午後の動きだった。引き金を引いたのは、これまで日本株に弱気だった海外勢だ。海外投資家の多くは北朝鮮情勢の緊迫化や安倍政権の支持率低下を警戒し、日本株の保有比率を「アンダーウエート」にしていた。また、戻してもせいぜい2万1000円として、日経リンク債などを用いた売りポジションも作っていたようだ。ファストリテーリングがそのトリガーを引いたようだが、売り持ちを抱えていた海外勢が、上限とみていた2万1000円の壁も突破してきたことで損失覚悟の買い戻しに動いたという。
20年の長きにわたって関門となっていた2万1000円の壁を抜けてきた意味は大きいが、2万1000円から上は意外にも戻り売り圧力の少ない価格帯となる。上昇に弾みもついてきており、展開次第では1996年6月高値の2万2750円も視野に入ってくる。

とは言え、25日騰落レシオが137%まで上昇するなど、上昇ピッチは速くテクニカル的な過熱感は否めない。今月下旬から発表が本格化する4〜9月期決算で上方修正が相次ぐ期待が高まる中、22日投開票の衆院選での与党優勢観測も上昇相場を後押ししているが、それもある程度は織り込んできている。もちろん与党が敗北するようなことになれば急落するだろうが、そうでなくとも、過去の衆院選では株価は投票日まで上昇するが、その後は反落しているパターンが多い。また、北朝鮮リスクも残る。

ということで前回同様、強気を維持しつつもスピード調整に向かうシナリオも見ておきたいところだが、次のフシは1996年11月27日高値(2万1460円)の2万1500円前後。ここも抜けてくると同年10月18日高値の 2万1788円が意識されてくるが、まずは2万1500円前後を高値として。一方、下振れした場合は25日線(2万0292円)が意識されるが、25日線は目下急ピッチで上昇してきており日柄なども考慮すると2万0500円あたりが下値のフシとなりそう。今週は2万1000円を挟んで上下に500円程度のレンジが予想される


(2017年10月7日
15年6月高値2万0868円更新が意識されるが…
◆今週の日経平均は前週比334円高。6日まで5日続伸で年初来高値を更新。6日終値2万0690円は15年8月11日(終値2万720円)以来2年2カ月ぶりの高値水準。9月の米雇用統計を受け、6日NYでは一時113円44銭と7月14日以来の円安水準を付ける場面もあったが、12月の追加利上げ観測の高まりから日米の金利差拡大を見込んだ円売りドル買いも入りやすい。こうした円安基調にNY株高。また、今月後半から本格化する第2四半期決算発表への期待も高い。前回も述べたが、為替動向に大きな変化がなければ、この中間期で上方修正の発表が相次いでくる可能性もある。NY株や為替に大きなアクシデントがなければ2015年6月24日につけた「アベノミクス相場」の最高値2万0868円更新が意識される状況だ。

ただ、相場に過熱感もあり調整に向かうシナリオも見ておきたい。足元の相場は10日に公示される衆院選を気にする展開となっている。6日に発表された「希望の党」の政権公約はやや説得力に欠け、市場関係者の間では与党勝利と安倍首相の続投がメーンシナリオになりつつある。しかし、ちょっとしたスキャンダルや失言で変わってしまうのも選挙。与党の過半数割れまではいかないにしても、小池氏が率いる「希望の党」が議席を伸ばすような見通しが示されると株式市場に警戒感が広がることは必至。
また、現地時間6日に「北朝鮮が米西海岸まで届く新たな長距離ミサイルを試験発射する用意がある」と報じられ、NY市場はこれを懸念する動きも見せたが、北朝鮮問題やカタルーニャ独立問題も相場に影響を与えるリスクとして残る。

とは言え、現状は15年6月高値2万0868円更新が意識される。また、信用売り残なども高水準に積み上がっていることから一時的な「踏み上げ相場」となる可能性もある。その場合、15年6月24日ザラ場高値2万0952円。つまり上は2万1000円が意識される。一方、相場は9月8日安値1万9239円から10月6日高値2万0721円まで短期間で1482円も上昇している。このため下に振れると、上げ幅の半値(741円)押し水準。25日線(20057円)、75日線(19949円)が控える2万円前後まで下振れする可能性もあるため注意が必要だ。ということで、来週は2万1000円も見た強気を維持しつつも、「波乱のSQ週」でもあることから、下に振れた場合は2万円となるボライタルな展開も想定して

タイムスケジュールでは、国内では、10日(火)に衆院選公示(22日投開票)され名実ともに選挙戦に突入する。そして13日(金)はオプションSQ。



(2017年10月1日)
まずは2万0250円〜2万0500円のレンジを想定
◆先週の日経平均は前週比60円高。ただ、9月配当権利落ち(約130円)を埋めてのプラスで実質は前週比200円近い上昇。トランプ大統領が27日発表した減税案などを受け一時は1ドル=113円台まで円安が進んだが、NY株高と円安が引き続き相場をけん引。TOPIXは再び年初来高値を更新してきているが、日経平均も2015年6月24日に付けたアベノミクスの最高値である2万0868円が視野に入ってもおかしくない。

しかし、一段高の原動力となった衆議院選挙が逆に相場の重しとなってきている。「選挙は買い」とする経験則に従うなら10月22日の投開票に向けては堅調な値動きが期待できる。しかしそれは自民党優勢との見通しが前提。蓋を開け見れば、小池百合子都知事が代表を務める新党「希望の党」が急速に勢力を拡大。このま小池新党の勢いが増して現政権を脅かすようなら、アベノミクスに不透明感が増し、外国人投資家がリスクオフの動きに転じる心配もある。ここから22日の投開票に向けテレビや新聞の世論調査に振り回されることになりそうだが、与党の過半数割れまではいかないにしても、現有322議席から50〜60議席減るような見通しが示され始めると株式市場に警戒感が広がることは必至。もちろん、北朝鮮リスクも引き続き警戒される。

29日のNYダウは23ドル高の2万2405ドルと3日続伸。NY円相場は1ドル=112円45〜55銭。CME日経先物は大証比変わらずの2万0360円。
今週はまず2万0250円〜2万0500円のレンジを想定。上は2万500円が抵抗ラインとなっているが、ここを抜けてくると2015年6月24日に付けた高値2万0868円トライが視野に入ってくる。一方下は9月27日〜28日に空けたマド(2万0278円〜2万0299円)埋めとなる2万0250円が意識されるが、ここを割り込んでくると2万円が下値意識される流れに。

ただ、ぶっちゃけた話。今回の選挙状況を見ると10月22日の投開票に向け相場は警戒感を強めそうだ。しかし、その一方で10月22日前後からは第2四半期の決算発表が始まる。第1四半期決算では上方修正が期待される企業が数多く出ていたが、この時点では、大多数の企業が上方修正は見送っている。つまり、投票日の22日と前後して上方修正の発表が相次いでくる可能性がある訳だ。株価はやはり業績見通しが大きく影響する。仮に投開票の22日に向け下がる場面があればそこは絶好の買い場になるかもしれない。

タイムスケジュールでは、国内では2日(月)日銀短観、米国では4日(水)のイエレンFRB議長の講演、6日(金)の9月の米雇用統計が注目される。



(2017年9月23日)
2万円〜2万500円で2万円の大台固めか
◆今週の日経平均は前週比387円高と大幅続伸。NY株高と円安基調が追い風となる中、衆議院解散・総選挙が上昇相場にさらに弾みをつけた。1993年以降の8回の衆院選のうち、TOPIXは解散日の20営業日前から選挙日にかけ7回上昇した経緯がある。この経験則に基づいて「選挙は買い」と見る投資家が多い。そしてFRBが20日のFOMCで年内の利上げを示唆し、さらに円安が進行。抵抗が予想された2万円のフシもあっさりと突破し、一時は前週比572円高となる2万0481円まで買われる場面があった。
背景は海外投資家の買い。東証が22日に発表した9月第2週の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は8週連続の売り越しで、売越額は4172億円だった。しかしその一方で、大証が22日に発表した先物の投資部門別売買動向では、海外投資家は逆に前の週の102億円の売り越しから一転、1兆125億円もの大幅な買い越しとなっている。先物の売り持ちを解消する買い戻しに、9月末の中間配当取りを控え、先物売りと組み合わせた現物株買いを解消する動きもあったようだ。

チャートは新たな上昇トレンド入りを示唆。一種の「踏み上げ相場」の様相も呈しており、NY米高と円安基調が続けば2015年6月24日に付けたアベノミクスの最高値である2万0868円も射程圏に入ってくる
ただ、9月8日ザラ場安値1万9239円から21日ザラ場高値2万0481円まで1242円もの上昇となっており目先は利益確定売りが出やすい。また上述したように、今回の高値更新は新規の実需買いが入っての動きではなく、先物に絡んだポジションの巻き戻しが中心。買い戻しが一巡すれば決算対策売りや郵政株売り出し(1兆3000億円)に伴う換金売りが出てくる可能性もある。さらに、今度は太平洋上での水爆実験と言い出しているが、北朝鮮が万が一、水爆実験に踏み切れば、実質的な被害が出る可能性もあり、地政学リスクが再燃しそうな心配もある。こうしたことから強気を維持しつつも短期的には調整がありそうな場面で、来週は2万円〜2万500円で2万円の大台固めとみるところか

タイムスケジュールでは、27日が9月中間決算の配当権利落ち日。先物と現物の価格差は約130円あるがどちらの価格に寄ってくるか。この他、26日のイエレンFRB議長の講演、29日発表のPCEデフレーターが注目される。年内の追加利上げへの確信を深める内容ならば、1ドル=113円台後半まで下落とする見方があり、となれば、株価も一段高へと進む可能性が高まる。



(2017年9月16日)
2万円台に乗せるか
◆先週末時点では一段の下落も心配されたが、今週の日経平均は前週比635円高と大幅反発。北朝鮮建国記念日の9日に警戒されていた挑発行動がなく週初から買い戻しが先行。予想以上に強い戻りを見せ、週初の11日に最初の関門となっていた200日線(15日時点・1万9443円)を回復し25日線(同1万9547円)まで反発。そして翌12日もNY株高と円安を追い風に25日線抜けから一気に75日線(同1万9868円)まで届く大幅続伸。さらに、週末15日早朝、北朝鮮が再び日本上空を通過する弾道ミサイルを発射した。前日までの大幅高の反動と地政学リスクを嫌気した売りで大幅安も心配されたものの、市場の動揺は全くといっていいほどなかった。日経平均の下げ幅は僅か20円ほどに止まり結局、102円高の1万9909円と反発。

米トランプ大統領が強硬姿勢を緩めつつあり武力衝突には発展しにくいという見方が広がっているためか、地政学リスクへの耐性も強まり、NY株高と円安基調を背景に相場の地合いは一変。週間の上げ幅は635円と今年最大。上昇相場への転換点となる75日線も抜け2万円復帰が射程圏に入っている。
こうした中、15日のNYダウは64ドルと6日続伸。円相場も欧州時間帯に一時111円台まで下げる場面もあり1ドル=110円80〜90銭。円安進行とNY株高を手がかりにCME日経先物は大証比50円高の1万9840円。現物ベースに換算すると2万円トライの動きとなっている。

NY株高と円安基調を背景に来週の日経平均は心理的な節目の2万円を回復する場面もありそうだ。ただ、2万円から上は19〜20日のFOMCの結果次第。FOMC で12月の利上げについて過度に強気な見方が出なければNY株の上昇は続きそうで、その場合、6月20日の終値ベースの高値2万0230円が上値メドとして意識される。もっとも、上昇ピッチの速さもあるが、2万円から上はこれまでのように軽い足取りでは進めない。地政学リスクへの警戒がいつまた起こるともしれず、何よりも2万円から上は需給的な戻り売り圧力が強まる水準。

来週の日経平均のレンジは25日線〜6月20日高値(終値ベース)2万0230円を予想。チャート的には25日線を上回った事で下落局面から脱した形で、次のポイントは75日線を維持できるか。75日線は上昇・下降の転換点となる地点で上回っていれば上昇相場、下降相場で戻り売りパターンとなる

◇18日(月)は「敬老の日」で休場。



(2017年9月9)
1万9000円〜1万9500円のレンジを予想。
◆今週の日経平均は前週比417円と大幅反落。北朝鮮が3日に大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水素爆弾の実験に成功したと発表。北朝鮮の建国記念日となる9日にも「何が起こるか分からない」としてリスク回避の売りが膨らんだ。「レーバーデー」明け5日のNYダウは234ドル安と大幅反落。米長期金利の低下も重なって円高も進み、円は8日に1ドル=107円台後半と10カ月ぶりの円高水準を付けた。週末8日の日経平均終値は1万9274円と200日線も完全に割り込んだ。昨年6月をボトムとする長期の上昇トレンドにも亀裂が入り、一段の下振れリスクが高まっている。
8日のNYダウは13ドル高の2万1797ドルと小反発となったが、NY円相場は1ドル=107円80〜90銭。CNE日経先物も大証比10円高の1万9150円と引き続き厳しい位置にある。

週明けも下値を探る動きから始まりそうだが、次は52週線(1万8968円)の1万9000円前後が下値メドとなる。日経平均を価格帯別売買代金で見ると、16年11月に始まった「トランプラリー」以降、1万9100円〜1万9300円の価格帯で最も売買代金が膨らんでおり、この価格帯は強い抵抗帯となる。さらに、8日の日経225の予想PER(株価収益率)は13.69倍と1年ぶりの水準に低下、予想配当利回りは1.83%と逆に10カ月ぶり高水準にあり投資指標面からも買いが入りやすい価格帯。また、9日の北朝鮮の建国記念日を意識してポジションを落とす動きも出ており株価には織り込み始めている。仮に9日を何事もなく通過すれば持ち高を減らしていた投資家が買いに動く可能性もある。この他「メジャーSQ」も通過し目先の大きな波乱要因の一つは解消されている。こうした点からここから下は下方硬直を見せそう。もっとも、北朝鮮リスクは当面くすぶり続けると思われ、上も限られそう。現状では1万9000円〜1万9500円のレンジを予想。

ただし、北朝鮮がなんらかの挑発行動に出るなどさらに緊迫感を増してくれば円買いに弾みがつく可能性があり、エリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%押しに当たる1万8200円という暴落シナリオも浮かんでくる。また、日経平均1万9000円から下は価格帯別売買代金が少ない真空地帯となるため、この場合、一気に株安が進みかねない点も留意しておきたい。また、低下してきている25日線、200日線を早期に上回らないと下振れリスクが高まってくる


(2017年9月2日)
まずは25日線の攻防から、レンジは1万9500円〜75日線か。
◆今週の日経平均は前週比239円高。29日早朝に北朝鮮がミサイルを発射、日本上空を通過して太平洋上に落下した。地政学リスクの高まりから円相場は1ドル=108円台前半と4カ月半ぶりの円高に進み、シカゴ先物市場でNYダウは一時147ドル安、日経平均先物も一時1万9175円と大幅安となった。これを受け売り先行の始まりとなったが意外に底堅く200日線がサポート。その後も「軍事衝突にまでは至らない」との見方からNYダウは3日続伸。為替も1ドル=110円台半ばに引き戻し反発。結局、前週に続き200日線のところで下げ止まり反発した格好。前回「来週は200日線〜25日線を意識した1万9750円前後のレンジを予想」としたが、下は200日線、上も1万9735円とズバリ。
尚、1日のNYダウは前日比39ドル高の2万1987ドルと4日続伸。緩和的な金融環境が長期化するとの期待から幅広い銘柄に買いが入ったが、3連休を控えた週末とあって上値は重かった。円相場は1ドル=110円20〜30銭。CME日経先物は大証比変わらずの1万9690円。

波乱の様相をみせたものの終わってみれば7週間ぶりの反発。チャートは200日線で底打ちした格好で週足チャートでは昨年6月をボトムとする上昇基調を維持。そして25日線まで引き戻し、再び上昇転換に復帰するか、25日線までの自律反発で終わってしまうか、といった局面にある

まずは25日線を上回れるか。通常は25日線を上抜ければ再上昇転換となるが、25日線が75日線を下回るDクロス状態では信ぴょう性は低い。ここでの25日線回復はあくまで短期的な底打ちで、75日線を上回れなければ戻り売り相場となる。堅調なTOPIXに比べ日経平均に出遅れ感が出ていることは追い風だ。しかし、このまますんなりと強気相場に転じるムードはない。7日にはECB(欧州中央銀行)理事会、週末8日は「波乱の多いメジャーSQ」、そして9日に北朝鮮の建国記念日にあたりなんらかの挑発行為も心配されるところ。また、日経平均の月間騰落率を見ると9月は2000年から16年までの17年間で6勝11敗とパフォーマンスが年間で最も悪い月。世界的な金融危機となった「リーマン・ショック」が起きたのも08年9月だ。 今しばらく積極的に上値を追うのは難しそうで、25日線を抜けても上は75日線(1万9879円)がメドか。一方下は上昇してきている200日線(1万9360円)がメド。
来週は25日線を意識した攻防を続ける可能性が高いが、レンジは1万9500円〜75日線を予想。


(2017年8月26日)
200日線〜1万9750円前後のレンジを予想

◆今週の日経平均は前週比18円安。小幅ながらも6週連続の下落は3年7カ月ぶりとなる。ただ、225先物は22日に夜間取引で1万9250円まで売られたが、ほぼ200日線のところで下げ止まった格好。そして週末25日は終値で5日線(1万9403円)を回復。最後の抵抗ラインとなる200日線(1万9296円)で一旦底が入ったような動きを見せ始めている。

こうした中、25日のNYダウは30ドル高の2万1813ドルと3日ぶりに反発。一方、注目されたジャクソンホール会議ではイエレンFRB議長が金融政策に言及しなかったことで小幅ながら円買い・ドル売りが広がり、NY円相場は1ドル=109円35〜45銭。CME日経先物は大証終値と同じ1万9450円。

日経平均の予想PERは13.73倍(25日現在)と指標面から売られすぎ感は顕著で、チャートも底入れの兆しを見せ始めている。こうした視点から目先は反発しやすい状況にあると言える。ただ、チャートは25日線が75日線を下回るDクロスを示現しており完全に調整局面入りしたと判断される形。また、やや落ち着きを見せているが北朝鮮リスクは健在、為替も1ドル=109円台で一段の円高も心配される動きを見せており、本格的に買い上がっていくムードにはない。反発しても25日線を意識した1万9750円前後がメドとなりそう。一方下は取敢えず200日線が下値ラインとなっている。こうした点から、来週は200日線〜1万9750円前後のレンジを予想

尚、200日線は強い下値抵抗ラインとなるところで、そう簡単に崩されないとは思うが、崩されると52週線(1万8871円)水準。さらにはエリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%押しに当たる1万8200円近辺という暴落シナリオも浮かんでくる。いずれにしろ株価的には25日線を上回れるか、せり上がってきている200日線がサポートするか、この点が大きな基調判断のポイントとなる。

ちなみに、相場とは直接関係ないが、サッカーW杯アジア最終予選で日本が豪州と対戦。勝てば6大会連続の出場が決まるとあって、31日は兜町から早帰りのサラリーマンが増えそうだ。開場は埼玉スタジアムでキックオフは19時35分、テレビ放映はテレビ朝日系列。勝てば1日の物色センチメントは良くなる。そして、3日(日)の秋篠宮眞子様の婚約内定発表を控えて、公的資金は1日の大引けはプラスに?誘導か。ちなみに週末9月1日は大安でもある。イベントでは、週末にかけて上昇するベストシナリオが見えてくる。



(2017年8月21日)
全体期待薄でも、個別とIPOで
◆今週の日経平均は前週比252円安。前週の223円安と合わせると500円近くの値下がりだ。北朝鮮リスクがやや後退したものの米国トランプ政権が瞑想し何よりも110円を割り込む円高が痛い。「8月相場は鬼門」としてきたが、9月相場は、日経平均で見て東証開所以来上げ31回、下げ37回と唯一の負け越し月で上昇確率は年間で最低の月。実はNYダウも同じだ。そのため、ここからは動く銘柄により資金が集中しやすくなる。

特にIPOでは話題性の高い∪∪∪M3990が30日にマザーズに新規上場。美人社長が注目されるウォンテッドリー3991は9月14日上場、8月28日に仮条件が決定する。2004年以降で公開価格対比の初値上昇率がトップなのは2005年9月上場のオールアバウトで7.77倍。ウォンテッドリーは想定価格880円で、このオールアバウトの持つ記録を更新する可能性を持っている銘柄だ。また、AI関連銘柄として9月22日にマザーズに登場するPKSHA Technology3993はドコモ、伊藤忠が大株主で驚異的な成長が見込まれる。この∪∪∪M3990、ウォンテッドリー3991、PKSHA Technology3993のうち1銘柄でも公募玉がゲットできれば、今年は左うちわで年を超えることが出来る。全体相場は期待薄でもIPOが動けば個別物色も局地的には大きく盛り上がる可能性大だ。ちなみにウォンテッドリーは日本経済新聞が第7位大株主の変わり種だ。



(2017年8月11日)
200日線(1万9186円)までの調整も視野に
◆今週の日経平均は前週比223円安。前回「8月は鬼門」とする相場ジンクスがあるとしたが、こうした杞憂が現実となり株式市場は一転して波乱の様相を呈してきた。日経平均は9日に緊迫度を増した北朝鮮リスクが嫌気され一段安。4月以降の下値支持水準として機能していた75日線(1万9888円)を割り込んだ。75日線は上昇・下降転換のポイントとなるが2カ月間続いた「膠着相場」の終わり、2万円を挟んだ持ち合いを下放れた格好だ。

その北朝鮮リスクは10日のNY市場でさらに増大。北朝鮮が米グアムに向けて弾道ミサイルを発射する計画を発表。米国と北朝鮮の軍事衝突へのリスクが高まり市場心理が急速に悪化。10日のNYダウは204ドル安の2万1844ドルと大幅続落。また、7月下旬には8.84ポイントと過去最低まで低下していたVIX「恐怖指数」も米大統領選の投開票日だった2016年11月8日以来の高さとなる16.04ポイントまで上昇している。円相場は、10日NYでは1ドル=109円15〜25銭、11日の東京市場では1ドル=108.88円とさらに円高が進み6月14日以来の円高水準となっているCME日経先物も大証比365円安の1万9355円と一段安。次の下値メドとなっていた26週線(1万9568円)も大きく割り込み、早くも200日線(1万9186円)までの調整も視野に入る状況となっている

ただでさえ8月の夏季休暇シーズンで持ち高整理の売りが出やすいところに、北朝鮮リスクが重なり一段とリスクオフに傾きやすくなっている。また、膠着相場でパフォーマンスを出せなかったヘッジファンドが、ここぞとばかりに、この機に乗じて売り崩しに動く可能性もある。北朝鮮問題の動向次第では、一段の売り崩し相場にも発展しかねない。取敢えずは「下げても200日線まで」としておくところだが、最悪の場合は52週線(1万8701円)水準。さらにはエリオット波動で1万4952円から2万0230円までの上げ幅(5278円)の38.2%戻しに当たる1万8200円近辺という暴落シナリオもなきにしもあらず

半面、週明け14日発表の4〜6月期のGDP(国内総生産)速報値は好材料になる可能性がある。GDP速報値は実質の年率換算で前期比2.5%増程度が見込まれており、予想通りなら6四半期連続のプラス成長で、自律反発を期待する買いが入る可能性も。もっとも、戻れば売られやすく上は8月SQ値(1万9825円)、75日線が当面のメドとして意識されそう。いずれにしろどこが底となるか。まずは急低下してくる5日線回復が下げ止まりの第一ステップとなる



(2017年8月5日
引き続き2万円を挟んだ狭いレンジの展開か

◆今週の日経平均は前週比7円安。4日の日中値幅は50円92銭と今年最低の37円93銭(3月14日)に次ぐ小ささとなったが、週間でも222円と狭いレンジでの展開が続いた。2万円を挟んだ膠着相場がつづいていた結果、4日の5日線は1万9994円、10日線は1万9998円、一目均衡表「転換線」2万0033円、25日線は2万0038円、一目均衡表「基準線」2万0061円と短期の主要指標はすべて節目の2万円に収れんされてきている。2万円を挟んだ持ち合いが長期化しているが、中期線の75日線(1万9813円)もほどなく接触してくる。

今週は好調な今3月期第1四半期決算に、連日史上最高値を更新しているNYダウが買い気を支えた一方、1ドル=109円台にまで入ってきた円高を嫌気して下振れをにおわせる展開となった。尚、内閣改造に対しては「安定感はあるが、新鮮味も乏しく相場への影響は限定的」との評価が多い。
今週の円高は、7月の米雇用統計を睨んでの動きで、伸び率が前月の2.5%を下回るとの予想が多かった。インフレ圧力の低下による追加利上げペースの鈍化観測が円高・ドル安につながった。しかし、4日朝発表の米7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回り、6月分も上方修正された。失業率は前回から低下し市場予想と一致。平均時給も市場予想と一致し、前月から伸びが加速した。この強い雇用統計を受けてNYダウは66ドル高の2万2092ドルと9連騰し8日連続で最高値を更新。円相場も米利上げペースが鈍化するとの観測が後退。1ドル=110円65〜75銭と反落。円相場の反落とNY株高を好感し、CME日経先物は大証比75円高の2万0025円と節目の2万円台に戻している。

週明けは無難なスタートとなりそうだが、来週も為替やNY株を見ながら2万円を挟んだ狭いレンジでの展開が続きそう。8月は国内外の投資家が夏季休暇に入り様子見ムードが強まる。要は「夏枯れ相場」というやつで2万円を挟んで1万9900円〜2万0100円の展開か

ただし、「8月は鬼門」とする相場ジンクスもある。夏休み期間中で市場参加者が少なくなるため、投機的な売買で相場が乱高下しやすいからだ。また、来週は3連休前に加え「波乱のSQ週」ともなる。相場はかなり煮詰まっておりいつ2万円前後のもみ合いを放れてもおかしくない。NY株に為替を睨んだ動きだが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの節となる。



(2017年7月29日)
2万円付近で膠着か・8月3日の内閣改造に注目
◆今週の日経平均は前週比140円安。日経平均は6月2日に2万円に乗せて以降、かれこれ2ヶ月近く2万円を挟んだボックス相場が続いている。下げはしないものの、史上最高値を更新し続けているNY株を横目に、上に進めない弱さを感じさせるところでもある。

こうした中、本格化している今3月期第1四半期決算は想定を上回る好調が目立つ。アナリストが業績予想を上方修正した数から下方修正した数を引き、その比率を算出するリビジョン・インデックス(RI)というのがある。大和証券発表によるこのRIは先週の6.5%から今週は26.2%に急上昇。取りも直さず、上方修正が予想以上に優勢となっていることを示しており、株価も概ね素直な好反応を示している。本来であれば株価上昇に弾みがついておかしくないところだ。しかし、そこに影を落とすのが政治の動きだ。「稲田防衛相、辞任」のニュースが駆け抜けた週末28日の日経平均は一時、150円超下落し終値でも2万円を割り込んだ。市場関係者から「政治の邪魔さえなければ…」との声も聞かれるが、これまでの上昇相場を支えてきた阿部政権が株式市場に悪影響を及ぼす歯がゆい相場となっている。

足元ではやや軟調となっているが、好決算から、現状では2万円から下を売り込む動きは限られそう。来週も為替や政局動向を見ながら2万円を挟んだ値動きとなりそうだが、ポイントは8月3日予定の安倍政権の内閣改造。ここで内閣支持率の回復につながるような目玉人事が出るか。内閣改造を経て内閣支持率が回復してくれば市場心理の改善から上値期待が膨らんでくる。逆に失望されるようであればさらなる支持率低下から海外勢による日本株売りが加速しかねない。ちなみに、可能性は極めて低いが、仮にこれまでの上昇相場を支えてきた安倍首相(アベノミクス)が『退陣』となれば日経平均は1万5000円台まで下がると見る市場関係者もいる。

ここにきてやや円高に振れている為替も注意が必要だ。28日NYの円相場は米GDP速報受け1ドル=110円60〜70銭と1カ月半ぶりの円高水準に進んでいる。心理的節目である1ドル=110円を突破してくると日経平均は一段安に向かう可能性が高まる。

チャート的には、25日線(2万0070円)を上回らないと上昇相場に戻せないが、まず2万円台に戻せるか。そして、相場はいずれ上放れか、下放れしてくるだろうが、下は6月15日安値(1万9755円)の1万9750円前後。上は終値ベースの高値2万0230円の2万0250円前後がそれぞれの放れの節となる。



(2017年7月22日)
決算期待はあるが、引き続き25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比19円安。TOPIXは前週に続き年初来高値を更新したが、日経平均は上値の重い展開が続いた。日経平均に寄与度の大きいファーストリテイリング9983の下げが影響している。
こうした中、週末21日に市場の話題をさらったのは、20日引け後に2018年2月期の業績予想を大幅上方修正した安川電6506だ。これまで250億円としていた通期の連結純利益見通しを300億円に上方修正と市場予想を大きく上回った。市場が好感したのは数字だけではない。例年、第一コーナーを回ったばかりの4~6月期決算で通期の業績予想を上方修正するパターンは少ない。それを早々と発表したタイミングにもある。21日の株価は一時388円高(15%上昇)と大幅に上昇し上場来高値を大幅に更新した。来週から本格化する4~6月期決算に期待が高まり、三菱電機(4.6%高)やファナック(2.1%高)などにも連想買いが波及した。今年は日電産や信越化などハイテク株を中心に例年より好業績への期待は高い。前半ピークの28日に向け、主要銘柄に先回り買いが入り、年初来高値2万0230円を更新しそうとの見方もある

しかし一方で、米欧の金利上昇が一服感を強めていることで為替が円高に振れていることが警戒される。21日NYの円相場は1ドル=111円05〜15銭とほぼ1カ月ぶりの円高水準となっている。円高進行を受けCME日経先物も大証比100円安の1万9980円と売られている。「ロシアゲート」疑惑を巡り24日と26日に予定されるトランプ米大統領の家族や側近の議会証言の内容次第では、リスクオフの高まりで一時的に110円を割り込む円高を指摘する声もあり、予断は許さない。また、業績好調はある程度織り込み済みとも言え、第1四半期段階で通期の上方修正は出にくいのも事実。こうしたことから上がる場面では腰の入った買いは入りづらい。

4〜6決算期待から2万円から下を売り込む動きは限られそう。しかし、為替の先行き不透明感などから上値も重い展開が続きそう。来週も25日線(21日現在・2万0092円)を意識した膠着相場が予想される

ただ、NYでは23年半ぶりの低水準と言われているが、東京でも株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は低下している。VIXは「恐怖指数」と呼ばれ相場が荒れる場面で上昇しやすい。一方、低下は「投資家が相場の先行きに慢心している証拠」との指摘もある。この奇妙な慢心が変化したときは怖い。前回も述べたが、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月15日)
来週も25日線を意識した膠着相場か
◆今週の日経平均は前週比189円高。1ドル=114円台半ばの円安を好感して反発。相場の信号機である25日線を回復し5日線が25日線を上抜けるミニ・ゴールデンクロスも示現。チャートは再び買いシグナルが点った。ちなみに、TOPIXは6月29日高値(1624ポイント)を更新した。しかし、上値も重い。今週は極端に値動きの小さい週となったが、日経平均の一週間の値幅は僅か171円にとどまり、その後はどっちつかずの高値圏での膠着が続いた。

14日のNYダウは84ドル高と3日連続で過去最高値を更新。6月の米消費者物価指数が市場予想を下回り追加利上げの観測が後退。株式市場への資金流入が続くとの思惑から買われた。一方、NYの円相場は1ドル=112円50〜60銭と円高に振れている。円高が重荷となりCME日経先物は大証比70円安の2万0040円と軟調。

来週はまず2万円、25日線(14日現在・2万0063円)の攻防から。イエレンFRB議長は利上げを急がないとの見方が広がっておりNY株は好調。また、今月下旬から本格化する4〜6期決算への期待は高く、下がる場面では押し目買いは入りやすい。2万円を大きく割り込む可能性は低く、下は2万円、25日線がサポートする動きが続きそう。しかし、その一方、上値も重い展開が続きそう。週明け発表の4〜6月期の中国国内総生産で良好な結果が確認できれば上値を試す動きもあるだろうが、上値は限定的となりそう。来週も25日線を意識した膠着相場が予想される。

ただし、新聞にも書かれているが、気がかりなのは外国人投資家が先物売りに回り始めたこと。外国人は5、6月と先物の買いを積み上げ、これが日本株を支えてきた。ところが、ヘッジファンドの一種であるCTA(商品投資顧問)が想定外の欧米金利の上昇で苦戦し、含み益の乗っている日本株の先物を売り始めているという話だ。また、直近の世論調査では安倍政権の支持率は29.9%に急落しているが、加計学園問題などが響いて政治の不透明感が高まっていることも嫌気しているという。
何よりも、ディーラー筋は「世界同時金融引き締め」の動きに身構えている。米連邦準備理事会(FRB)をはじめ各国中央銀行は2008年のリーマン危機後、ほぼ10年にわたり続けてきたが、その金融緩和の解除に動くタイミングをみているという。今のじゃぶじゃぶ状態から金融引き締めへ向かえば株式などリスク資産への影響は避けられない。先物の売りはこうした動きを先取りしている可能性もあり、相場の急変には警戒しておく必要がある。



(2017年7月8日)
1万9750円〜2万0100円での展開を予想。
◆今週の日経平均は前週比104円安。7月2日投開票の東京都議選では自民党大敗。安倍政権の政策運営に一段と不透明感が増したが、自民党敗北は予想通りの結果でもあり波乱要因にはならなかった。相場に影響してきたのは世界的な金利上昇だ。6日に欧州中央銀行(ECB)が公表した6月開催分の議事要旨をきっかけに世界的に金利が上昇。これを受け6日のNYダウは158ドル安と大幅安。翌7日の日経平均は一時1万9856円と25日線(20041円)、5日線(20018円)、それに心理的な節目の2万円を大きく割り込み、崩れチャートとなっている。もちろん、欧米金利の上昇は円安につながりやすい。1ドル=113円台の円安を背景に一段安は免れている。しかし、地政学リスクの高まりが背景にあるのか? 最近は以前ほど、円安となっても株高につながりにくくなっている。

こうした中、7日朝発表された注目の6月米雇用統計は、雇用者数が前月比22万2000人増と17万人程度との市場予想を大幅に上回る増加幅となった。過去分も上方修正され米雇用の順調な拡大が続いていることを示した。これを受け7日のNYダウは94ドル高と3日ぶりに反発。また、FRBが緩やかな金融引き締めを継続するとの見方も改めて意識され、NYの円相場は1ドル=113円85〜95銭。一時は114円18銭と5月11日以来、ほぼ2カ月ぶりの水準まで円安が進んだ。NY株高と円安を支えにCME日経先物も大証比70円高の2万20円と、何とか2万円を回復して終えている。

来週はまず2万円、25日線の攻防から。200日線、75日線、25日線すべてが上向きで、こうした状態で2万円、25日線がサポートする展開となれば再び上昇相場に戻る。しかし、世界的な金利上昇を背景に高値警戒感が強まっており上値は重いか。一方、外国為替市場では円相場の下落を予想する声が多く、市場では115円台に下落するとの見方もある。しかし、円安の感応度も薄れてきており、円安が進んでも株式への買いは限定的なものにとどまりそう。

チャートは、ここ数カ月の下値支持となっていた25日線を下回り始めており調整局面入りを示唆している。下がる場面では最近の円安基調を受け輸出企業中心に押し目買いは入りやすいだろうが、上値は限定的となりそう。
来週は6月15日ザラ場安値(1万9755円)の1万9750円〜2万0100円での値動きを予想。ただ、来週は「波乱のSQ週」でもあり荒れる心配もある。1万9750円を割り込んでくると75日線(19501円)が下値意識される1万9500円〜1万9750円の一段下のレンジン入る




(2017年7月1日)
7日の米雇用統計待ちで2万円の攻防か
◆今週の日経平均は前週比99円安。6月20日高値2万0318を意識した高値圏の動きを続けていたが、週末に大幅反落。30日の日経平均は一時、約2週間ぶりに2万円の大台を割り込んだ。もっとも、下値では買いが入り終値では2万円台を維持。下げを主導したのは海外の短期筋による売りだが、売りの勢いはいまのところ限定的。日経平均の予想PERは14.3倍に過ぎず、為替も112円台に乗せるなど円高懸念も後退。現状は2万円を固める展開といった感じだ。

ただ、予断は許さない。29日の欧米市場では株式と債券の同時安が進んだが、ドイツの欧州中央銀行(ECB)が金融緩和の縮小に動くとの見方が強まり、ドイツ株式指数(DAX)は9カ月ぶりの下げ幅を記録、NYダウも一時250ドルを超える下げをみせる場面もあった。カネ余りを背景に年初から株高・債券高が進んできたが、投資家が金融緩和の「出口」に身構え始めたことがこの下げの根底にあるからだ。ちなみに、1987年10月19日に起こった史上最大規模の世界的株価の大暴落「ブラックマンデー」もドイツ株の下げが起点だ。30日のNYダウは62ドル高と反発しているが、スポーツ用品のナイキ1銘柄でダウ平均を約40ドル押し上げている計算で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は小幅ながら続落。約1カ月ぶりの安値水準となっている。
こうした面から重要な経済指標の発表が集中する来週の動きは重要だ。来週は3日に発表される6月ISM製造業景況感指数に始まり、7日(金)の6月の米雇用統計まで米国の重要指標の発表が相次ぐ。指標の中身次第では緩和出口論が一段と高まる可能性もある

30日のCME日経先物は大証比45円高の2万0065円。何とか2万円を維持して終えているが、来週はまず2万円、25日線の攻防から。チャートは下から200日線、75日線、25日線すべてが上向き、こうした状態で25日線を上回る間は上昇相場が続く。反対に25日線や2万円を下回れば調整局面に転じ75日線(1万9476円)近辺まで下げる心配が出てくる
週は7日公表の米雇用統計結果待ちで、NY株や為替の動向を見ながら25日線、2万円をはさんだ強気と高値警戒の両面の構えとなる